キャッシング

多重債務予防はキャッシング基礎知識の習得から

 現在,日本ではどれくらいの方がクレジットカードを持ったり,キャッシングを利用したりしているのでしょうか。

 実は,2010年現在,日本の国民(成人人口)1人あたり3枚以上のクレジットカードを保有し,5人に1人の方がキャッシングを利用しているのです(※1)。まさに日本は「クレジットカード・キャッシング大国」に他なりません。

 しかし,その一方で,クレジットやキャッシングなどの返済が困難になってしまっている多重債務者は,全国で200万人以上にも上ると推計されており,多重債務問題が深刻な社会問題となっています。

 また,多重債務とまではならなくとも,月々の返済が3ヵ月以上も滞納してしまっている方は全国で460万人もいます(※2)。

 さらに,「総量規制の導入」により年収の3分の1を超える貸付が原則禁止となり,キャッシングによる借入がより困難な状況となっています。これによって,借入可能な限度額の範囲内で運用していた返済計画も,借入範囲が規制されたことにより見直しが必要となっています。

 さらに最近は,「クレジットカード現金化」とうたって,クレジットカードで買い物をさせてその商品を換金させる,もしくはキャッシュバック方式で消費者に現金が渡るといった,事実上の高金利融資である「クレジットカード現金化商法」など,多重債務者を狙った悪質な業者が増えています(※3)。

 インターネット上や新聞・雑誌・看板などで「今すぐお金を借りたい方 クレジットカードが利用できます!」「キャッシングができない方 クレジットカードが現金化できます!」といった広告を目にしたことはありませんか。これらは,当面の資金繰りに困ったカード利用者に,業者がショッピング枠を現金化するように勧誘するものです。

 しかし,換金を目的としてカードを利用することはクレジットカード会社との会員規約に違反することになります。クレジットカード会社の会員規約には,換金目的でカードを利用しないことが定められ,カードで購入した商品は,その支払が済むまでの所有権はクレジット会社にあります。よって,支払前に商品を換金しますと規約違反となり,会員資格をはく奪されてカードの利用ができなくなったり,その時点で一括返済を迫られることにもなります。

 また,換金する際の手数料などは非常に高金利となっており,利息制限法や出資法による規制を免れるための手段として使われています。そのため,結局は利用者の債務を増やしてしまうことになり,さらなる支払困難へと陥ってしまいます。

 多重債務の予防はキャッシング基礎知識の習得からです。キャッシングを利用する前に,キャッシングの基礎知識をしっかりと習得しましょう。 多重債務に陥ってしまった場合には,債務整理で生活の立て直しをして,キャッシングをしないでも運用できる生活設計をしていきましょう。

  • ※1 社団法人日本クレジット協会「クレジットカード発行枚数調査結果」,株式会社日本信用情報機構(JICC)の各種統計データ,総務省「人口推計」いずれも2010年。
  • ※2 株式会社日本信用情報機構(JICC)の2011年9月末現在の「異動情報」による。
  • ※3 平成23年8月5日,クレジットカードのショッピング枠を悪用して,価値のない商品を換金させ,事実上,違法な高金利で融資をしていたクレジット現金化業者が全国で初めて摘発されました。当事務所では,多重債務者を狙ったこのような問題に対し,早くから被害相談に応じ,警鐘を鳴らしてきました。今後は手口の巧妙化が予想されるため,法整備などの抜本的な対策が必要となっています。

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総量規制とは

 貸し過ぎや借り過ぎを防止するために,貸金業者から借りることのできる総額に制限を設けた新しい規制のことです。この規制は,改正貸金業法の完全施行により,平成22年6月18日から実施されています。

具体的には

  • 借入の総額が「年収の3分の1」を超えている場合,新たな借入ができなくなります。
    • ※この規制は,個人が貸金業者から借入を行う場合に適用されますので,銀行など貸金業者以外からの借入や,法人名義での借入は対象外となります。また,住宅ローンや自動車ローンなど,低金利で返済期間が長いような貸付についても適用されません。
    • ※この規制は,クレジットカードで現金を借りた場合(キャッシング)は適用されますが,クレジットカードで買い物をした(ショッピングした)場合には適用されません。実は,この点が「クレジットカード現金化商法」問題と関係しています。
  • 借入の際に,年収を証明する書類(給与明細や源泉徴収票など)が必要になる場合があります。
    • ※(1)ある貸金業者から50万円を超えて借りる場合,(2)他の貸金業者から借りている分も合わせて,合計100万円を超えて借りる場合,のどちらかに当てはまれば提出が必要となります。

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