2006/05/13 自己破産を選択する基準

今回のテーマ

【自己破産を選択する基準】

20代後半のAさん(女性)は,ご主人と結婚後,ご主人の実家に同居しています。 2人の子供にも恵まれ,幸せな結婚生活を送っていましたが,ご主人が勤務先の業績悪化により退職してから生活費のために借入を開始しました。その後ご主人は再就職しましたが,収入が減少し,毎月の生活費を補填するためにAさんは借入を増やしました。当事務所に相談にお越しになられたときには,Aさんには360万円もの借入があり,毎月の収入ではとても返済できない金額に膨れあがっていました。

Aさんはアルバイトで月5万円ほど収入があります。生命保険には加入していて,解約返戻金が5万円ほどありますが,それ以外には高価な財産はお持ちでありませんでした。

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Aさんのように,退職した後生活費のために借入をしてしまうというケースは非常 に多 く見受けられます。特に,バブル崩壊後は失業者数が激増したため,多くの方から同様 の相談を受けました。

さて,Aさんにとって,どのような方法が最善でしょうか?

その前に,債務整理の手続について,おさらいしておきます。

債務整理の方法には,自己破産,民事再生,任意整理という3つの方法があります。

『自己破産』は,高価な財産を処分する代わりに借金を法的になくしてしまう方法で す。ただし,生活に必要な財産は処分されません。

次に,『民事再生』は,財産が処分されませんが,一定程度減額された金額を3年間程 度で返済していく方法です。民事再生は,住宅ローンがある自宅を維持すること出来る ので,自宅を維持したい場合には有利となります。

最後に,『任意整理』は利息制限法所定の法定利息まで減額された金額を3年間程度で 分割して返済していく方法です。自己破産・民事再生と違い,裁判所を通さずに行う債 務整理方法です。任意整理は民事再生よりも返済金額が高額になるので,借金が少額な 場合に利用される手続です。

さて,Aさんの場合には3つの手続のうちのどの手続が最善でしょうか?

まず,検討する順序ですが,自己破産は免責されれば全ての借金が原則なくなりますの で,多重債務で苦しんでいる方が今後の生活を建て直す上で一番経済的にメリットが大 きい方法です。そのため,債務整理の方法としては,まず自己破産を検討し,自己破産 のデメリットが重大な場合等に他の方法を検討することになります。

では,Aさんは自己破産をすることが可能かどうかをみていきましょう。

自己破産をするためには,裁判所に「支払不能」であることを認めてもらわなければな りません。

支払不能とは,「現在の収入・財産によっては,近い将来借金を返済することが著しく 困難な状況」を指します。

支払不能かどうかの基準は,<現在の借金の総額>÷<月々の返済可能な金額(手取月収額から住居費・生活費等を差し引いた差額)>が36(ヶ月)を超えているかどうか で判断できます。36を上回っている場合には,支払不能と認められます。

Aさんの場合,借金の総額が360万円であり,アルバイトの収入が5万円ですので, 36(ヶ月)を大きく上回ってしまいます。

Aさんは「支払不能」であることが判明しました。

また,Aさんは高価な財産を所有していませんので,自己破産による高価な財産が処分 されるというデメリットもありません。

そこで,Aさんに以上のことをお話し,自己破産が最善であることをお伝えしました。

ところが,Aさんは自己破産をする決心がなかなか決まらない様子です。

どうしたのでしょうか・・・

<続きは次回のメルマガで投稿します。皆さんもAさんがなぜ自己破産をする決心が決 まらなかったのか考えてみてください。ヒントはAさん住んでいる場所にあります。>

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【編集後記】

皆さん,こんにちは。

最近雨が降る日が多くなっていますね。梅雨入りが間近に迫っているのでしょうか?

今回はAさんの事例をもとに,最善の債務整理手続を決定する際の過程を紹介しまし た。

Aさんの場合,最終的には自己破産をする決心が固まり,当事務所にご依頼をいただけ ることになりました。先日Aさんと裁判所でお会いしましたが,Aさんはとても素敵な 笑顔で私にお礼をおっしゃってくださいました。

この瞬間が,私がこの仕事をやっていて良かったなぁとしみじみ感じる瞬間です。

Aさんは当事務所に債務整理を依頼してから,毎日あった取立が止まり,返済のために 悩むこともなくなったので,精神的に非常に楽になったとおっしゃっていました。

法律により弁護士介入後の取立行為が禁止されているので,弁護士に債務整理をご依頼 されると以後の取立・返済を止めることができるのですね。

金融業者から既に取立が始まっている場合には,お早目に弁護士にご相談されることを お勧めします!

私は梅雨が嫌いです。梅雨の時期は,裁判所へ行くまでに大変な思いをするからで す・・・。

あ,でも同様の理由で夏も嫌いでした・・・。どの時期にも裁判所へは遠い道のりのよ うです(笑)。

当事務所も新入社員が入り,当事務所のブログもにぎやかになりました!

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