ヤミ金融とは

ヤミ金融とは

ヤミ金融とは

 ヤミ金融(ヤミ金)とは,出資法(※)に違反して高い利息で貸付を行う者や,貸金業法で義務付けられている「貸金業登録」をしないで貸金業を営むなどの違法行為を行う者をいいます。

 出資法第5条2項により貸金業者が貸付を行う際の金利の上限は,年利20%と定められており,これを超えた高金利で貸付を行う者には刑事罰が科されることになります。

 また,貸金業法により貸金業を営もうとする者は,行政への登録が義務付けられており,無登録での営業行為は禁止されています(貸金業法第3条,第11条,第47条)。そのため金利の多い少ないを問わず,無登録で貸金業を行っている場合にはヤミ金融として刑事罰が科されることになります。

 貸金業者の登録の有無は,金融庁のホームページから誰でも調べることができます。
(金融庁)登録貸金業者情報検索サービス
http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/

 また,違法なヤミ金業者について金融庁や各財務局から情報が公表されていますので,疑わしいと思う場合には,上記の検索サービスや公表された情報を利用して調べるようにしてください。無登録業者である場合には,たとえ低い金利を謳っていても,それはヤミ金融ですので,絶対にお金を借りてはいけません。(勧誘のチラシなどには,登録番号を載せている業者でも,実際に調べると無登録であるということが少なくありません。念のため貸金業登録を調べるようにしてください。)

※出資法とは,正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」をいい,法改正により貸金業者の上限金利が従来の29.2%から20%へ引き下げられました。よって,現在では上限金利20%を超える金利で貸付を行った者は,ヤミ金融にあたります。
また,法改正により,いわゆるグレーゾーン金利も撤廃されたため,利息制限法を超える金利での貸付は無効であり,行政処分の対象となります。

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これがヤミ金融の手口だ!!

ヤミ金融の手口

 ヤミ金融の勧誘方法,貸付方法などの手口にはさまざまなものがあり,日々その手口は変化しています。よく行われる手口をいくつか紹介します。

090金融

 090金融とは,勧誘のチラシなどに業者名と携帯電話の番号だけしか載せず,貸付は振込によって行う業者です。多くの場合,1万円から10万円程度の小口で,1週間から1ヵ月程度の短期融資の形で貸付を行います。チラシなどには,「50万円まで即日融資」「ブラックの方もOK」などと謳い,低い金利を示して勧誘を行っています。しかし,実際に融資の申込を行うと,「最初は3万円までしか貸せない」,「信用をみたい」などと理由をつけて,高金利で短期の貸付を行います。勧誘方法は,チラシに限らず,名簿業者や同業の仲間などから名簿を取得したヤミ金業者が直接営業の電話をしてくることもあります。このような090金融は,貸金業登録はしておらず,店舗も持たず,他人名義の携帯電話や振込口座を利用して貸付を行うため,その実態をとらえることは難しいといえます。現在では多くのヤミ金業者が,このような手口で行っています。

都イチ金融

 現在では少なくなりましたが,都イチ金融と呼ばれる業者は,貸金業登録を受け,あたかも合法的な業者であるかのように装う点が特徴です。そのため店舗を構え,看板を出して堂々と営業していることも少なくありません。これらの業者の多くは東京都知事の登録を受け,登録番号が「都(1)」で始まることが多いことから,「都イチ」と呼ばれています。都イチ業者は貸金業登録をしていますが,多くの場合,実際には出資法の上限金利をはるかに超える金利で貸付を行い,契約書を作らず,もしくは契約書を出資法の範囲内であるかのように偽装しています。都イチに限らず,貸金業登録をしている業者でも,出資法や貸金業法に違反するヤミ金融の場合があるので,貸金業登録をしているからといって,それだけで合法な業者だと信用してはいけません。

システム金融

 システム金融とは,主に事業者を相手に,手形や小切手などを担保にして運転資金などの事業資金の貸付を行う業者です。貸し付けた金額に高額な利息を乗せた金額の手形や小切手を振り出させ,手形や小切手の不渡りをおそれる事業者の心理を利用して高金利を支払わせるという手口です。また,取引先への売掛債権を担保にとるため,あらかじめ売掛債権の譲渡通知を作成させる場合もあります。勧誘方法は,多くの場合,事業者に直接,電話やFAXを入れて融資の勧誘を行います。

 システム金融の特徴としては,いくつかの金融業者がグループとして組織的に融資を行うことが挙げられます。ある業者が融資を行い,その業者が別の業者を紹介したり,返済期日を見計らったように別の業者が勧誘の電話をかけるなどして新たな融資を行わせます。このような手口により,借入があっという間に膨らんでしまいます。

車金融(自動車金融)

 車金融とは,車を担保にとって融資を行う業者です。リースなど,貸金以外の取引を装うことが特徴として挙げられます。この場合,「リース料」や「保管料」などといった名目で請求されますが,その実質は利息を含めた貸付金の返済です。

 車金融の特徴は金利自体が違法であることに加え,貸付金額に見合わない自動車を担保にとり,返済が滞るとただちに車を引き上げて転売し暴利を得ることにあります。

 たとえば,20万円の貸付を行うのに時価50万円以上の自動車を担保にとり,返済が滞ると強引に自動車を引き揚げて転売するなどの手口です。
特に悪質な業者の場合には,車を転売するために,返済が滞っていないにもかかわらず車を強引に引き揚げたり,自動車のキーを取り上げ,勝手に自動車を持ち去るなどのケースもあります。

脱法質屋(偽装質屋)

 現行の出資法では20%以上の金利で貸付を行うことは刑事罰の対象となりますが,質屋の場合は通常の貸金業者と異なり,質屋営業法により上限金利109.5%(うるう年109.8%)まで認められています。質屋の場合,質草(物品)を担保にお金を貸すため,質草の鑑定や保管する手間,コストがかかることから,高金利が認められているのです。最近ではこのような法制度を利用して,ヤミ金業者が質屋を装って営業する場合があります。その手口としては,まず業者は,二束三文の価値しかない物を質草として高金利でお金を貸し付けます。そして,最初から質草による回収を当てにせず,質屋には認められていない銀行口座の引き落しなどの手続を借主に行わせて毎月返済させるという手口です。脱法質屋の被害者の方の多くは高齢者であり,年金が支給された直後に銀行自動引き落としができるように手続をさせるのです。このような業者の実質はヤミ金融ですので,表むきは質屋であっても注意が必要です。

押し貸し

 押し貸しという手口は,ヤミ金融が勝手に口座にお金を振り込み,後日,電話がかかってきて,高額な利息をつけて返済することを要求してくるものです。そして,その要求は多くの場合,脅迫的な言葉で行われます。

 このような押し貸しは,被害者の口座番号などの個人情報を知っていなければできませんが,以前にヤミ金融やサラ金などを利用していた際の個人情報や融資の申込をした際の個人情報などが,ヤミ金融に流れていると思われます。

 無論,押し貸しに対して,相手の要求に応じて高い利息をつけて返済する必要はありません。しかし,ヤミ金融は,会社や家族に連絡するなどと脅迫をしてきたり,また,仮に振り込まれたお金を使ってしまっていた場合には,その弱みにつけ込まれてしまうのです。

その他の脱法的,詐欺的な手口

 上記のヤミ金融の手口のほかにも,ヤミ金融や詐欺業者によるさまざまな手口があります。たとえば,普通に融資を受けられる人にサラ金などを紹介し,法外な紹介料を請求する「紹介屋」,債務を一本化するといい手数料を詐取する「整理屋」,クレジットカードのショッピング枠を利用して高額な商品を買わせ,商品代金から法外な手数料を差し引いて現金を渡す「換金業者」などが挙げられます。

 このほかにもヤミ金融や詐欺業者の手口は,まだまだあります。さらに今後新たな手口が作られ変化していきます。多くの場合,ヤミ金融などの違法業者からの請求に対しては支払,返済する法律上の義務はありませんので,もし違法業者の被害に遭われてしまった方は,早めに弁護士にご相談ください。

ヤミ金融の過酷な取立

 もしヤミ金融からお金を借りてしまった場合,どうなってしまうのでしょうか。
ここでは典型的な090金融(電話と振込で貸付を行う無登録業者など)を例に,その勧誘の手口から過酷な取立の実態を説明します。

1.はじめは甘い誘いから

 090金融やその他,電話と振込だけで小口の貸付を行う無登録業者は,ビラで勧誘を行ったり,名簿屋などから借入がある人の名簿を買ったり,融資の勧誘電話をして客を探します。

 勧誘のビラには,「50万円まで無担保で融資します!」,「即日融資可能」,「金利最大9.8%」,「ブラックの方でも融資可能」などと書かれ,甘い言葉で勧誘が行われます。しかし,実際に50万円の借入の申込を行っても,「あなたはほかに借入があるので,審査が通らない」,「貸すことはできるが,まずは信用を見るために少額しか貸せない」などと言われ,実際に50万円を借りられることはありません。そして,「小口で取引の実績を作ってもらえれば,50万円を9.8%で融資することができる」など嘘を言って,客に小口,短期の取引をするよう仕向けていきます。

 この小口取引は,たとえば,2万8千円を貸して10日後に3万5千円で返すなどという酷い内容の契約です。そして,もし10日後に返済が難しい場合には,利息の7千円を支払うことで,次の10日後まで返済期日を延ばすことができるといった内容です。(ヤミ金融は,利息だけ支払って期日を延ばすことを,「ジャンプ」させるなどといいます。)

 もちろん,このような内容の貸付は明らかに出資法違反であり,金利は年利900%を上回る暴利です。しかし,すでに生活費にも困っているというような人にとっては,暴利であってもヤミ金融の条件を飲まざるを得ず,その後に50万円を低い利息で借りられるという甘い誘惑などもあって借りてしまうのです。

 このようにヤミ金融は,被害者の方の弱みにつけ込み,甘い言葉で近づいてくるのです。

2.気づけば借金は雪だるま式に…

 上記1.の内容であれば,10日で7千円を支払えば一応,その場はしのげるので,被害者の方は苦しくても,利息だけを支払って返済期日を先延ばししてしまいます。しかし,もともとお金に困って借入をしているわけですから,このようなジャンプを何回か繰り返す中で,支払ができなくなってしまいます。そのような場合,ヤミ金業者は利息分も上乗せして貸し付けたことにして,負債額を増やすのです。つまり,支払えなかった7千円を乗せて3万5千円を貸し付けたことにし,今度はさらに10日後に,その分の利息も乗せて4万5千円にして返せなどと要求してくるのです。

 また,利息が支払えない場合,ヤミ金融は,ほかの貸金業者を紹介し,そこから借りたお金で支払うことを要求してきます。無論,紹介される貸金業者もヤミ金融であり,負債は雪だるま式に増えていきます。

 このような状況がしばらく続けば,あっという間に借入額は数倍に膨れ上がり,借入先も5社,6社と増えていってしまいます。

3.過酷な取立のはじまり

 負債が膨れ上がってしまった段階で,被害者の方がそれ以上支払えない状態になるとヤミ金融は手のひらを返したように強引な取立を始めます。「もう返せない」という被害者の方に対し,「ふざけるな」,「借りたものを返さないのは泥棒だろう」などと罵り,一日に何十回も自宅の電話や携帯電話に督促の電話をかけてきます。

 しかし,取立はこれだけではありません。多くの場合,ヤミ金融は借入の申込をしてきた人に貸付の条件を伝える前に,審査の必要があるなど嘘を言って,申込をした人の住所や電話番号,勤務先名や連絡先などの情報を申告させ,さらには家族の名前や住所,電話番号,勤務先などの情報を申告させるのです。

 そして,ヤミ金融は,被害者の方に勤務先や家族にも嫌がらせするぞと脅すのです。被害者の方は周囲に迷惑がかかるのをおそれて懸命に支払おうとしますが,いくら支払っても利息ばかりで,結局,元金がなくなることはありません。ヤミ金融の目的は,できるだけ長く利息を搾り取ることですから,仮に一括で返済しようとしても,いろいろと難癖をつけて支払を終わらせないのです。

 被害者自身からはそれ以上お金を取れないとみると,今度は勤務先や家族,家族の勤務先にまで嫌がらせをしていきます。家族に対しても一日何十回もの嫌がらせの電話をし,電話では「今からお前の会社に行くぞ」「落とし前をつけに行くからな」などと脅迫的な言動を繰り返し,「嫌がらせをやめてほしければ,お金を弁済させろ」と要求してくるのです。

 このほかにも嫌がらせや脅迫はさらにエスカレートしていきます。たとえば,督促や嫌がらせのFAXを大量に送りつけたり,被害者の方の名前で勝手にピザやお寿司の配達を注文したり,消防車を呼んだりということもよくある嫌がらせのひとつです。

 このようにヤミ金融は,家族や勤務先なども巻き込んで嫌がらせをすることで,被害者の周りの人からもお金をとろうとするのです。

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アディーレ法律事務所