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任意整理をしてもETCカードを使えるのか?その方法を解説

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借金の返済が家計の負担になっていて、債務整理で負担を減らせたらと思う方もいらっしゃることと思います。
ですが、任意整理などの債務整理を行うと日常生活において不便が生じることもあります。

任意整理とは、

  • 払い過ぎた利息はないか、利息制限法で定められた上限を超える部分を上限となる利率に基づいて計算し(引き直し計算といいます)、負債額を算出して
  • その結果、残った借入れ金額について、本来であれば将来的に発生したであろう利息(将来利息)のカットや長期分割による月当たりの支払額の減額などにより返済の負担減を目指して個々の借入先と交渉する

手続です。

日常的に高速道路を利用することが多く、ETCカードを使用している方の場合は、任意整理をしてETCカードを使えなくなったら不都合かと思います。

この記事では、

  • 任意整理をしてETCカードが利用できなくなるのはどのような場合か
  • 任意整理後もETCカードを使う方法
  • 任意整理をしたことによる、それ以外の主な不便と対処法

について解説します。

また、借金を自力で完済できるかの目安や、どういった債務整理の方法を検討すべきかの目安についてはこちらの記事をご覧ください。

借金完済の方法を50万・100万・200万以上のケースごとに紹介

ETCカードと任意整理の関係は?

国土交通省のETCの利用状況調査によると、ETCの利用率は2016年11月以降2021年1月に至るまで90%を下回ったことがなく、非常に多くの人に利用されています。

ETCカードは、クレジットカードの契約に付帯していることが多く、この場合はETC利用時にクレジットカード会社が立替払いを行い、後日に利用者が代金分を支払う仕組みになっています。

契約中・利用中のクレジットカードについて任意整理を行うと、そのクレジットカードはクレジットカード会社の規約に基づき解約となります。
また、そのクレジットカードに付帯していたETCカードも解約となり、使い続けることはできなくなります(なお、任意整理により解約となっているにもかかわらず、気付かずにETCカードを車載器に入れたままだと事故の原因にもなりかねませんので、注意が必要です)。

利用に影響が出るのは、任意整理の対象としたクレジットカード会社のカードだけではありません。

任意整理を行うと、いわゆる「事故情報」が信用情報機関に登録されます。
信用情報機関とは、銀行やクレジットカード会社等の金融機関が加盟する、個人の借入れ・クレジットカードの申込や返済状況についての情報(信用情報といいます)を管理する機関です。

クレジットカードの新規作成の申込があると、申込を受けた会社は与信審査のため、自らが加盟する信用情報機関に申込者の信用情報を照会します。
そこで、事故情報があると原則として審査に通らないこととなります。

そのため、任意整理を行うことで登録される事故情報で、新しくクレジットカードを作りETCカードを付帯させることは困難となります。

信用情報機関や事故情報について詳しくはこちらをご覧ください。

何をするとブラックリストに載るの?載るのはいつまで?

ETCカードが付帯しているクレジットカードを対象から外して任意整理を行えば、当面の間はそのクレジットカードやETCカードは使用可能です。

もっとも、契約更新のタイミングでの与信審査で、信用情報機関への照会がなされ、事故情報が判明すると、それを理由に更新されず任意整理から外したクレジットカードのETCカードについても、使用継続できないということになります。

任意整理をした後でもETCカードを使う方法がある

任意整理を行った場合、クレジットカード付帯のETCカードの利用が困難になることはお分かりいただけたと思います。

ここからは、クレジットカード付帯のETCカードが使えなくなった場合の2つの代替手段をご案内します。

(1)ETCパーソナルカード(ETCパソカ)を作る

ETCパーソナルカードとは、ETCの支払のみに利用できるカードで
クレジットカード機能がついていないため、与信審査はありません。
そのため、任意整理をしたという事実がカード発行の妨げになることはありません。

ETCパーソナルカードは、申込時に保証金としてデポジットを預託することで発行を受けられます。

ETCパーソナルカードについて、詳しくはこちらをご覧ください。

(2)法人ETCカード/ETCコーポレートカードを作る

法人経営者や個人事業主の場合は、その人が任意整理をしていた場合であっても、クレジット機能のないものであれば、ETCの協同組合が発行している法人ETCカードやETCコーポレートカードを作成することができます。
クレジット機能がなければ、与信審査も必要ないからです。

法人ETCカードやETCコーポレートカードは様々な種類があるため、諸々の割引率など自身にとって最もメリットのあるものはどれか比較検討することをおすすめします。

任意整理後に利用できなくなるその他の主なサービス

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
任意整理の事故情報が登録されている期間は信用情報機関によって異なります。

事故情報が載っていることで日常生活において生じる不便は、任意整理の対象となったETCカードやクレジットカードの利用にとどまりません。新しく借入れしたり、第三者の保証人になったりすることが困難になる他、以下のようなものが例として挙げられます。
対処法と合わせて確認していきましょう。

(1)ローンの新規契約

ローンの申込をすると、申込を受けた金融機関は支払能力の審査のために信用情報機関に照会を行います。
任意整理を行った経歴があると、照会により事故情報が判明することとなるので、自動車ローンや住宅ローン、教育ローンといったローンの新規契約が困難になります。

任意整理より前に契約したローンであっても、自動車ローンや住宅ローンの場合支払えなくなった場合に備えて抵当権などの担保権が設定されていることが通常です。
そのため、もしもこれらのローンを任意整理の対象とした場合、ローンを組んでいた自動車は引き揚げられてしまい、住宅であれば競売にかけられてしまう危険があることとなります。

任意整理の場合は、債権者ごとに任意整理の対象とするかどうか債務者が選択できます。
そのため、例えば、

  • 維持し続けたいローンがあり、
  • 他の債務について任意整理で負担を減らせればローンの支払を無理なくできる収支の余裕がある

というケースならば、ローンを任意整理の対象から外すことも可能でしょう。

(2)家賃保証会社が付いている賃貸住宅への入居

任意整理を行ったことがあっても、基本的には住宅についての賃貸借契約を締結することは可能です。
しかし、保証人ではなく家賃保証会社が付くこととなっている物件の場合には、注意が必要です。

保証会社としては賃借人に支払能力があるかどうかに関心があるため、事故情報があると保証をしてくれず賃貸借契約を結べなくなる可能性があるからです。

また、信用情報機関とは別に、「家賃情報データベース」というものがあります。
家賃情報データベースとは、LICC(一般社団法人全国賃貸保証業協会)に加盟している家賃保証会社に対して保証の申込をした、部屋を借りようとしている人についての個人を特定する情報や家賃滞納により保証会社が代わりに弁済した事実があればその情報が保管されているものです。

過去に家賃滞納をしたことがあった場合、家賃情報データベースから判明する可能性がありますので、LICCに加盟している家賃保証会社の場合には保証をしてくれない場合があります。

(3)スマホや携帯電話の分割払い

任意整理をしたからといって、スマートフォンや携帯電話を利用できなくなるわけではありません。

もっとも、端末代の分割払いを申し込むと、支払能力があるかの与信審査があり、その際に信用情報機関に照会が行われるため、事故情報があると審査を通過できなくなることがあります。

【まとめ】任意整理をした場合でもETCの利用可能性はある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • クレジットカードについて任意整理を行うと、そのクレジットカードの解約に伴い付帯するETCカードも利用できなくなる
  • 任意整理をすると、事故情報が一定期間は信用情報機関に登録されるため、任意整理の対象としなかったクレジットカードも更新困難となる他、ETCカードの附帯した新規のクレジットカードの作成も難しくなる
  • 代替手段としては、ETCパーソナルカードや法人ETCカード、ETCコーポレートカードなどがある
  • 任意整理をすると、事故情報が登録されている期間、ローンの新規契約や家賃保証会社の利用、携帯電話の端末の分割払いの利用が困難になる

任意整理をすると、それまで使っていたクレジットカード付帯のETC機能が使えなくなったりと、確かに日常生活において不便なこともあります。

しかしその一方で、任意整理を行ったからといって必ずしも料金所で停車しなければいけなくなるわけではなく、多少の不便があっても生活再建のためには任意整理を行ったほうがよい場合もあります。

毎月の返済が負担となっていて見直したい、任意整理を検討したい方はアディーレ法律事務所にご相談ください。