「任意整理は自分でもできるの?弁護士に頼むメリットは?」
任意整理をしたいと思いながらも、自分で債権者と交渉するのはハードルが高いし、かと言って弁護士に依頼するとお金がかかる…そう思って任意整理に踏み出せないまま、毎月の返済に追われている方も多いです。
任意整理を弁護士に依頼すると弁護士費用がかかりますが、債権者との交渉を任せられますので、自分で交渉するよりも減額できる金額が大きくなったりする可能性もあります。
債務整理で借金問題を解決したいという方は、弁護士に依頼するメリットをしっかり理解した上で、弁護士に依頼するかどうか決めることをお勧めします。
今回の記事は「任意整理を弁護士に依頼するメリット」について、アディーレの弁護士が解説します。
この記事を読んでわかること
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
債務整理に関するご相談は何度でも無料!
費用の不安を安心に。気軽に相談!3つのお約束をご用意
国内65拠点以上(※1)
ご相談・ご依頼は、安心の全国対応
任意整理を自分で行うメリット・デメリット
任意整理は、自分でもできます(※ただし、債権者が交渉に応じてくれる場合です)。
弁護士などの専門家に依頼しなければならないという決まりはありません。
任意整理を自分で行うメリットは何と言っても、弁護士などに依頼する費用がかからないということです。
他方、自分で行うデメリットは、主に次のとおりです。
【任意整理を自分で行うデメリット】
1.債権者からの督促はストップしないこと
※自分で任意整理をする場合、債権者からの督促は基本的に止まりません。そのため、督促を受けながら交渉・手続を進めることになります。
2.負債額の確定も自分で行わなくてはいけないこと
※債務整理をするためには、まずは各債権者から取引履歴(過去の借入れや返済などを記録した書面)を取り寄せた上で、「引き直し計算」をして、現在の負債額を正確に把握する必要があります。
3.過払い金を見落とす可能性があること
※長年借金をしている場合などは、引き直し計算をすると思わぬ「過払い金」が発生していることがあります。過払い金があれば、基本的にその分借金が減額できますが、引き直し計算を間違えると、過払い金が発生していたとしても見落としてしまう可能性があります。
4.債権者との交渉がうまくいかない可能性があること
※貸金業者などと交渉しようとしても、個人の方では相手にしてもらえないことがあります。また、足元を見られて、不利な条件で合意をしてしまう危険性があります。
本当は「過払い金」があるのに見落としてしまうのは、とてももったいないです!債権者が過払い金があることに気付いたら、「ゼロ和解」(お互いに債務はないという内容で和解をすること)を持ちかけてくることがあります。不利な内容で債権者と合意をしないよう、くれぐれも注意してくださいね!
また、業者と交渉していると、「取引の分断があるので過払い金は時効で消滅しており、借金が残っている」などと、ご自身の主張とは食い違う主張をされることがあります。
弁護士であれば、事前に業者の反論を予測・準備をした上で、裁判実務などを踏まえて有効な反論ができる場合でも、ご自身で業者と交渉している場合、適切な反論ができずに結局不利な条件で和解をしてしまうことも多いです。
任意整理は債権者との直接の交渉ですので、「交渉力」が重要です。
ご自身で任意整理をされる場合には、最終的な合意内容が最善の内容か、業者に有利な内容に誘導されていないか、慎重にご判断ください。
取引の分断について詳しくはこちらをご覧ください。
弁護士に依頼するメリットについて
それでは、任意整理を弁護士に依頼するメリットについてご説明します。
【任意整理を弁護士に依頼するメリット】
1.弁護士が受任通知(※)を発送すると、貸金業者などからの督促が基本的に一旦ストップすること
※ただし、訴訟の提起や差押えなどは阻止できません。
(※)受任通知とは、次の内容が記載されている書面です。
- 弁護士が債務整理を受任したこと
- 債務者に対する取立てを停止すること
- 取引履歴を開示すること など
法律上、このような受任通知を受けた貸金業者や債権回収業者は取立てをストップしなければいけません(※貸金業者・債権回収業者以外の個人の債権者などは規制を受けませんが、貸金業者でなくても受任通知を受け取ると取立てを停止することが多いです。また、弁護士に依頼した場合には仮に督促が停止しなくても、弁護士が代理人として債権者と交渉しますので、債権者と直接やり取りをする必要は基本的にありません(※弁護士が受任した債権者の場合)。
ですから、その間、債務者は債権者に対する返済をストップすることができます。
2.負債額を正確に確定できること
※債権者から開示された取引履歴をもとに、弁護士が引き直し計算をしますので、正確に負債額を確定することができます。
3.過払い金の見落としがないこと
※弁護士が引き直し計算をしますので、過払い金があった時にも見落としはありません。
4.債権者との交渉を任せられること
※弁護士が専門的知識と経験に基づいて交渉します。過払い金に関する業者の主張に対しても、裁判実務などに即した反論が可能です。依頼者に一方的に不利な条件では合意はしません。
弁護士が任意整理を依頼された場合、「東京三弁護士会統一基準」などに従って、適正に業者と和解交渉をします。
債務整理を検討中の方は、債権者から頻繁に督促の電話や通知を受け、金策に悩まれている方も多いです。
そのような方にとっては、督促と支払のストレスを軽減できることが大きなメリットといえるでしょう。
なお、受任通知の発送は、弁護士だけではなく司法書士(認定司法書士)に依頼することも可能です(※その場合でも督促は一旦ストップします)。
ただ、司法書士の場合、個別の負債額が140万円を超える債権者とは交渉できなかったり、140万円を超える過払い金の返還請求はできないなどの制約があります。
また、万が一、任意整理では問題が解決できず、個人再生や自己破産などの手続が必要になった場合に、手続の最後まで依頼者の代理人となれるのは弁護士だけです。
任意整理を弁護士に依頼するデメリットについて
任意整理を弁護士に依頼するデメリットとして、債務者の方が心配されるのは、主に次の点です。
- 弁護士費用が高いのではないか
- いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまうのではないか
順にご説明します。
(1)弁護士費用について
任意整理を弁護士に依頼する際の1番のデメリットは、弁護士に依頼すると、弁護士費用がかかってしまうことです。
確かに、借金などの返済が苦しくて任意整理を検討中の方にとって、さらに弁護士費用がかかるというのは、負担に思われるかもしれません。
ですが、任意整理を弁護士に依頼すると、次のメリットがあります。
- 自分で交渉するよりも有利な条件で和解できる可能性がある
- 過払い金がある場合、自分で請求するよりも取り戻せる過払い金が増額される可能性がある
そのため、弁護士費用がかかるとしても弁護士に依頼した方が、最終的に金銭面でもメリットがあることが少なくありません。
弁護士から債権者に『受任通知』を発送すれば、貸金業者などからの督促は基本的にはストップしますので、それまで返済に充てていた費用を貯めて、弁護士費用を準備することも可能です。
相談料を無料としたり、弁護士費用を分割で支払える法律事務所も多いですから、まずは弁護士に相談してみてください!
(2)いわゆる「ブラックリスト」の登録について
「ブラックリスト」というリストが金融機関にあるわけではありません。
俗に「ブラックリスト」に載ると言うのは、いわゆる「事故情報」(滞納や債務整理をしたなど、経済的信用力を低下させるような情報)が信用情報機関の信用情報に登録されることです。
信用情報機関の事故情報について詳しくはこちらをご覧ください。
確かに、任意整理を行うと、CIC、JICCといった信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。
任意整理をした際の事故情報は、最長で、完済から5年間は信用情報に登録され、その間は新たな借入れや新規のクレジットカードの作成が難しくなりますので、一定のデメリットになることは間違いありません。
ですが、この点は、自分で任意整理をする場合であっても弁護士に依頼する場合であっても同じです。
なお、引き直し計算の結果過払い金が発生しており、返還された過払い金で負債を全て返済できる場合には、基本的には事故情報が登録されることはありません(一時的に載ったとしても、抹消を求めることができます)。
また、事故情報の登録期間が経過すれば、当該事故情報は削除されます。
そのため事故情報の登録期間経過後は、基本的には、過去の任意整理を理由として借入れを断られることはありません(※ただし、任意整理の交渉をした業者やそのグループ会社には過去の任意整理の情報が半永久的に残り、借入れ等が難しくなる可能性はあります(いわゆる「社内ブラック」)。
任意整理をしないとしても2~3ヶ月間、借金などの返済を滞納すると、結局は滞納の情報が信用情報に登録されてしまいます。
このままでは返済を滞納するかも…そう思われる方は、事故情報に載ることを過剰に心配するより、まずは任意整理をして生活を立て直すことをお勧めします。
任意整理ができる段階で任意整理をせずに負債が膨らんでいくと、最終的には個人再生や自己破産が必要となるケースも多いです。
そうなると、ケースによっては事故情報の登録期間が長くなってしまったり、手続の変更に伴う弁護士費用の増加、手続の終了までに自身でやるべきことが増えるなど、ますますデメリットが大きくなってしまうおそれがあります。
借金などの返済が苦しいという方は、まずは、弁護士にご相談の上、今なら任意整理で生活を立て直せるという場合には任意整理をすることをお勧めします。
【まとめ】任意整理を弁護士に依頼すると、費用以上のメリットがあることも!借金問題を解決し、新たなスタートを切りましょう
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- 任意整理を自分で行う場合、費用がかからないというメリットがあるが、次のようなデメリットもある。
- 債権者からの督促は止まらない
- 負債額を正確に把握できない可能性がある
- 過払い金を見落とす可能性がある
- 債権者との交渉がうまくいかなかったり、不利な条件で和解をしてしまう可能性がある
- 任意整理を弁護士に依頼した場合、弁護士費用はかかるが、次のようなメリットがある。
- 債権者に「受任通知」を送ると督促が基本的に一旦ストップする
- 正確な負債額の把握が可能となる
- 過払い金の見落としがない
- 債権者との交渉を任せられ、債権者の主張に対しても適切に反論できる
借金問題はとても悩ましいものですが、任意整理は、債権者との交渉が必要になりますので、なかなか自分自身で解決することは難しいです。任意整理を自分でするかどうかは、弁護士に依頼するメリットと比較して決めると良いでしょう。
アディーレ法律事務所では、原則として、任意整理の弁護士費用につき分割払いも承っています。
また、アディーレ法律事務所では、任意整理手続につき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続に関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております(2023年4月時点)。
任意整理をお考えの方は、任意整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。