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子どもを小学校に通わせるのは安全?小学校におけるアスベスト(石綿)対策

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「今度子どもが小学校に入学するのですが、そこは、おそらく築50年くらいになると思います。以前小学校でアスベスト(石綿)が使われていることが問題になりましたが、大丈夫なのでしょうか。」

2013年に、文部科学省が実施した調査によると、公立小学校の5%、私立小学校の6%でアスベスト(石綿)が使われていました。
もっとも、この調査の時点でアスベスト(石綿)粉じんが飛散する状況にある建物は1つもなかったものと報告されています。

そのため、小学校に通われるお子様が、アスベスト粉じんを吸引してしまい、アスベスト被害に遭ってしまう可能性は極めて少ないといってよいでしょう。

本記事では、

  • アスベストの危険性
  • 小学校におけるアスベスト

について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

アスベストの危険性

アスベスト(石綿)は、繊維状鉱物の総称であり、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、トレモライト、アンソフィライト、アクチノライトの6種に分類されます。

アスベスト(石綿)は、耐熱性や耐久性等の特性に優れていますが、その繊維は極めて細かいため、研磨機・切断機による作業や吹付け作業等を行う際に、所要の措置を行わないと空中に飛散・浮遊し、容易に人体に吸入されやすいという性質があります。

アスベスト粉じんが人体に吸入された場合、吸入されたアスベストの繊維が肺胞に沈着し、その一部は対外に排出されずにそのまま肺の組織内に長期間滞留し続けることになります。このようにして肺の組織内に入り込んだアスベストの繊維が原因となって、石綿肺や肺がん等の疾病を発症させると考えられています。

アスベスト(石綿)が原因となって発症する疾病として以下の5つの疾病が挙げられます。

  • 石綿肺
  • 肺がん
  • 中皮腫
  • びまん性胸膜肥厚
  • 良性石綿胸水

これらの疾病は、アスベスト粉じんを吸入してからただちに発症するわけではありません。通常、数十年にわたる長い潜伏期間を経てから発症するといわれています。例えば、中皮腫(中皮腫とは、中皮という臓器を覆う中皮細胞に発生するがんのことをいいます)の場合、40年から50年の潜伏期間を経てから発症することがあるといわれています。

参考:石綿が原因で発症する病気は?|厚生労働省

小学校におけるアスベスト

約40年前、学校生活でアスベスト(石綿)は当たり前のように存在していました。
2002年には、ある体育教師がアスベスト(石綿)ばく露を原因とする中皮腫によって死亡しました。この体育教師は、1973年から1976年の間、アスベスト(石綿)がむきだしになった体育館のある小学校に勤務していました。この体育館では、アスベスト(石綿)にボールなどが当たる度にその粉じんが舞い散っていたことが確認されており、その粉じんを吸入した結果、数十年の潜伏期間を経て、中皮腫を発症したものといわれています。

文部科学省は、2005年以降、小・中学校でアスベスト(石綿)が使用されているか、使用されているアスベストが劣化・損傷していないかの調査を進めてきました。

そして、2013年に、文部科学省が実施した調査によると、公立小学校の5%、私立小学校の6%でアスベスト(石綿)が使われていました。
もっとも、アスベスト(石綿)による被害は、その粉じんを吸い込むことによって起こります。上記調査時点でアスベスト(石綿)粉じんが飛散する状況にある建物は1つもなかったものと報告されています。

2019年8月時点で、99%調査は完了しており、劣化・損傷している箇所については適宜専門業者による除去措置等が行われています。

参照:学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査(特定調査)の結果について|文部科学省
参照:学校施設等における吹き付けアスベスト等対策状況フォローアップ調査データ集|文部科学省

そのため、これから小学校に通うお子さんについて、学校生活を送る上でアスベスト(石綿)被害が発生する可能性は極めて少ないといえるでしょう。

ただし、建物解体に伴って発生するアスベスト被害には注意が必要です。
アスベスト(石綿)を使用している建物を解体する場合、使用されているアスベストが粉じんとなり、空中に飛散・浮遊する危険性があります。2013年にはアスベスト(石綿)を使用した小学校を事前調査や飛散防止処理を行わずに解体したことから、700人以上がアスベスト(石綿)にばく露するという事件が発生しました。

一般的には、アスベスト(石綿)の含まれている建物を解体する場合、市役所等から案内があるはずです。市役所にはアスベスト(石綿)に関する相談窓口がありますので、気になるようであれば問い合わせてみるのが良いでしょう。行政の対応に疑問点がある場合には、監査請求や訴訟といった法的手段を採ることも可能です。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

【まとめ】小学校においてアスベスト(石綿)被害を受ける可能性は低い

本記事をまとめると以下のようになります。

  • アスベスト(石綿)粉じんを吸入すると、石綿肺や肺がん等の疾病を発症する危険性がある。アスベストを原因とする疾病は、アスベストにばく露してから数十年の長い潜伏期間を経てから発症するのが通常である。
  • 文部科学省は、2005年以降、小学校においてアスベストの使用の有無、使用されているアスベストの劣化・損傷の有無を調査している。2013年時点の調査では、公立小学校の5%、私立小学校の6%でアスベスト(石綿)が使用されていたとの調査結果がでたが、調査時点でアスベスト(石綿)粉じんが飛散する状況にある建物は1つもなかったものと報告されている。そのため、小学校においてアスベスト被害が発生する危険性は極めて低いものと考えられる。

市役所にはアスベスト(石綿)に関する相談窓口がありますので、気になるようであれば問い合わせてみましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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