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息子が借金を抱えていることが発覚!親が代わりに立て替えすべき?

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子供が借金をしていると分かった時、あなたならどうしますか?
借金を立て替えられるものであれば立て替えてあげたい、と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、立て替える際には気を付けなければならないことがいくつかあります。
借金の立て替えについて、弁護士が解説します。

借金の立て替えをする必要はない

子どもが借金を抱えていることがわかると、親の気持ちとしては「立て替えてあげたい」と思うかもしれません。
しかし、「それが本当に本人のためになるか」を考える必要があります。

(1)借金返済は借金した本人の義務

借金の返済は借金した本人の義務であり、保証人でも連帯保証人でもない(借金に法的に関係のない)家族や友人・知人・恋人などまわりの人がわざわざ返済をする義務はありません。
貸金業者が、借金に法的に関係のない家族など本人以外に取り立てるのは違法です。
子どもの借金が発覚した場合など、親が子どもの借金を肩代わりするケースもありますが、かえって借金グセがついてしまうので本人のためにならないこともあります。
まわりが立て替えると、貸金業者からも「きちんと返済してくれる優良顧客」とみなされ、勧誘を受けることが多くなって借金を繰り返してしまう可能性もあります。

(2)ただし他人が借金の肩代わりをしなければならないことも

借金の返済は借金した本人の義務ではありますが、他人が借金の肩代わりをしなければならないケースがあります。
それは例えば、以下の場合です。

(2-1)保証人や連帯保証人になっている場合

本人が借金をしたときに、本人が返済を延滞したりすると、保証人や連帯保証人は原則として本人の借金を立て替える義務が生じます(民法446条)。

本人に頼まれて保証人や連帯保証人になった方が、本人の借金の立て替えをした場合、本人の借金を消滅させた分を本人に請求(求償)することは原則として可能ですが、本人にお金がない、連絡が取れないといった事情があると、請求しても回収できないことが多いです。

(2-2)借金を相続した場合

親が借金を抱えたまま亡くなった場合、「単純承認」すると財産のみならず借金も相続することになります。
相続開始を知った日から3ヶ月間、相続放棄や限定承認の手続きもしないまま、放っておくと原則として、単純承認したことになります。
また相続財産を処分したり故意に隠したりすると、単純承認の扱いになることがあります。

単純承認をして借金を相続した場合、相続人(亡くなった人の一定の親族)が被相続人(亡くなった人)の借金を代わりに返済しなければならなくなります。
相続財産の調査をして多額の借金があれば相続放棄を視野に入れたほうがよいこともあります。
なお、相続したプラスの財産の範囲内で借金を相続・弁済するという限定承認の手続きもありますが、手続きの複雑さもあって、利用する方が少ないのが現状です。

借金の立て替えをすると贈与税がかかることがある

親がある程度資金力のある家庭の場合、子どもの借金を代わりに返済することが可能なケースもあります。
しかし、何も考えずに立て替えをすると、贈与とみなされ贈与税を支払わなければならなくなるかもしれません。

(1)借金を立て替えると贈与税がかかるケース

借金を立て替えると「みなし贈与」とみなされ、立て替えてもらった方に贈与税が課税されるケースがあります。
贈与税の税率は高いので、注意が必要です。

立て替えてもらったほうは、きちんと贈与税の申告をしなければ税務署の調査が入ることもあります。

贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日までに、自分の住所地を管轄する税務署に必要書類を添付した申告書を提出する必要があります。

申告書の様式はいくつかあり、提出すべき申告書は贈与の種類により異なるので、わからない場合は税務署に問い合わせが必要です。

贈与税の納期限も3月15日です。
納付書や納付通知書は自宅に送られてこないので、自分で期限までに所定の方法で納付する必要があります。

次に、贈与税の課税対象となる可能性のある借金の立て替えについて具体例を紹介いたします。

参考:相続税法第9条の「みなし贈与」について-資本取引等を巡る課税関係を中心として-|国税庁
参考:No.4429 贈与税の申告と納税|国税庁

(1-1)親が子どもの借金を肩代わりした場合

たとえば子どもが自分の名義で住宅ローンを借りているのに、残額の全額または一部を親が代わりに返済するようなケースがあります。
この場合、親がローンの残高分の金額を代わりに払ったことが、贈与税の課税対象になる可能性があります。

(1-2)住宅ローンが夫婦名義になっていて、途中から妻の分を夫が返済する場合

夫婦が共働きなので住宅ローンを組むときにローンを夫婦の名義にしていたが、妊娠・出産を機に妻が退職したため、返済期間の途中から夫が妻の返済すべき分を返済するようなケースがあります。
夫婦間であっても、相手方の代わりに支払うことが、贈与税の課税対象になる可能性があります。

(2)借金を立て替えを受けても贈与税がかからないケース

借金を立て替えを受けても、贈与税がかからないのは、例えば以下の2つのケースです。

(2-1)貸付の場合

贈与ではなく「貸付」の場合は、贈与税はかかりません。
貸し付けの場合は、親子間、家族間であっても借用書や契約書などを作成し、貸し借りした証拠を残すとよいでしょう。
借主側は借りたあとに実際に貸主側に返済する必要があります。
返済の際は、手渡しではなく、銀行口座に返済額を振り込むほうが証拠が残るのでよいです。
無利息で貸し借りをしていると、利息分が贈与とみなされることがあるかもしれないので注意が必要です。

また、実態は贈与なのに、貸付と偽ることは違法ですので、絶対にやめましょう。

(2-2)もらった金額が年間110万円以下の場合

1年間(1月1日~12月31日まで)にもらった金額が110万円以下であれば贈与税がかかりません。そのため、借金の立て替えを含め、もらった金額が年間(1月1日~12月31日まで)110万円以下である場合には、実態が贈与であっても贈与税はかかりません。

なお、「もらう人1人につき」もらった金額が年間110万円以下であれば贈与税がかからないというところに注意が必要です。「あげた人1人につき」ではありません。

そのため、1年間に2人から110万円ずつもらった場合には、もらった金額は220万円となり、非課税の枠である110万円を超えますので超えた分につき贈与税がかかってしまうことに注意しましょう。

借金問題を解決するには債務整理をすすめよう

借金問題を解決するには債務整理も検討することをお勧めします。
債務整理をしても財産を手放さずにすむ場合もあります。
いずれの債務整理をしても、原則として信用情報機関の信用情報に事故情報が載ってしまいます(いわゆるブラックリスト)。

債務整理には、主に次の3つの種類があります。

任意整理
民事再生
破産

どの方法がベストなのかは借金額や収入の状況などにもよるため、債務整理を検討する際は弁護士などの専門家へ相談するとよいでしょう。

(1)任意整理

任意整理とは、原則として

  • 引き直し計算(適正な利息で負債残高や払いすぎた利息を計算すること)をして、払いすぎたお金があれば、その分負債残高を減らし、
  • 引き直し計算しても残った負債については、今後発生する利息(将来利息)をゼロにして、元本だけを分割で払っていくことを、借入先と交渉する

手続きです。

任意整理をすることにより、返済の負担を現状よりも減らすことができる可能性があります。

※なお、和解できるかどうか、どのような和解内容になるかは、相手との交渉次第ですので、必ずしも希望する通りの和解に至るわけではありません。

払いすぎた利息が多い場合には、負債がなくなるどころか、負債を差し引いてもなおも払いすぎになっている利息を(元)借入先から返還請求できることもあります。

必ずしも裁判所を通す必要はないため、次の個人再生と比較すると手続きの自由度は高いのですが、個人再生と比べると、負債の減額幅は小さいことが多いです。
後述の破産のような資格制限などの制約はありません。
また、車や保険金などの財産の処分を強制されることもありません(債権者に差押えされた場合や担保権が実行された場合などは除く)。

任意整理をすると信用情報機関に債務整理をしたなどの信用情報(事故情報)が登録され、最長で完済してから5年を経過するまで、当該記録が残る可能性があります(信用情報機関により、登録内容・期間は異なります)。
当該事故情報が登録されている間はクレジットカードを作ったりローンやキャッシングを利用したりすることが原則できず、保証人になる事も原則できません。

なお、任意整理の対象となった借入先やそのグループ会社では、社内に半永久的に任意整理をした情報が載り続ける可能性がありますので、当該借入先やそのグループ会社では今後借り入れなどができなくなる可能性があります。

(2)民事再生

民事再生とは、返済困難な方が、裁判所の認可決定を得た上で、基本的に減額された一定の負債を原則3年で分割返済していく手続きです。

負債の額や保有している資産の額などによって異なりますが、任意整理よりも大幅に負債が減額される可能性があります(税金など減額されない負債が一部あります)。

負債の減額幅は負債総額及び保有している資産などによって決まっております。

民事再生では、住宅を手元に残したまま、住宅ローン以外の債務を減額する制度が設けられている点が特徴です(ただし一定の要件を満たさないと当該制度は利用できません)。

民事再生には、次の3種類があります。

  • 通常再生
  • 小規模個人再生
  • 給与所得者等再生

法人の場合は、通常の再生のみ利用できます。
個人の場合は、通常の再生だけでなく、より簡易化された小規模個人再生や給与所得者等再生(個人再生)の利用も可能です。
通常再生は個人再生に比べ、手続きが複雑であることから、裁判所に払う費用が高額になりますし、弁護士に依頼した場合の弁護士費用も高額になる傾向があります。

そのため、個人再生を利用できる要件を満たしている場合は、通常再生ではなく個人再生を利用することが一般的です。

後述の破産とは異なり、資格制限はありません。
また、車や保険金などの財産の処分を強制されることもありません(債権者に差押えされた場合や担保権が実行された場合などは除く)。

そして、金融機関など信用情報機関に加盟している借入先からの負債がある状態で個人再生をすると約5〜10年程度の間、信用情報機関に個人再生をしたという記録が残ることがあります。
当該記録が残っている間はクレジットカードの作成やローン、キャッシングを原則利用できず、保証人となる事も原則できません。
なお、個人再生の対象となった借入先やそのグループ会社では、社内に半永久的に個人再生をした情報が載り続ける可能性がありますので、当該借入先やそのグループ会社では今後借り入れなどができなくなる可能性があります。

(3)破産

破産とは、財産、収入が不足し、負債を返済できなくなった場合に,債務者の一定の財産をお金に換えて債権者に公平に分配する手続です。 これに併せて裁判所から免責許可決定を得ると、一定の負債の返済義務を免れることができます(ただし、税金など一部の支払義務は自己破産をしても帳消しにはなりません)。

債権者に対する配当に充てるため、基本的に高額な財産は処分されます。
例えば、債権者に対する配当に充てるため、基本的には、市場価値のある住宅・貴金属などは処分されます。
また、一定額以上の保険金・車などの財産が処分されます。
※いくら以上であれば処分されるのかは裁判所や個々のケースにより異なりますが、例えば東京地裁の場合、時価20万円以下の車両でローンがなければ基本的には維持できます。

一定の生活必需品や99万円以下の現金については処分の対象外となるので、身ぐるみ剥がされるというわけではありません。

破産開始決定後から免責許可決定の確定までの間、一定の資格制限がされます(警備員、生命保険募集人など)。
資格制限がされると、一定の資格について登録等ができなくなったり、資格が取り消されたりすることがあります(業種によっては資格取り消しが必須ではない(取消しが任意の)場合もあります)。

破産をすると官報に氏名が掲載されます。
また、金融機関など信用情報機関に加盟している借入先からの負債がある状態で、破産をすると約5〜10年程度の間、信用情報機関に破産をしたことについて記録が残ります。

当該記録が残っている間はクレジットカードの作成やローン、キャッシングを原則利用できず、保証人となる事も原則できません。
なお、破産の対象となった借入先やそのグループ会社では、社内に半永久的に破産をした情報が載り続ける可能性がありますので、当該借入先やそのグループ会社では今後借り入れなどができなくなる可能性があります。

参考:自己破産の申立てを考えている方へ|裁判所 – Courts in Japan

【まとめ】息子の借金の立て替えするかは慎重に検討する必要あり

以上のとおり、保証人や連帯保証人になっている・子の債務を相続したなど、法的な返済義務がない限り、親だからといって息子の借金を必ずしも立て替える必要はありません。

また、親が安易に借金の立て替えをすると、息子に借金ぐせがついてしまうこともあります。また、借金の立て替えをすると一定の場合に、立て替えを受けた息子に贈与税が課される可能性があるため注意が必要です。

息子が債務整理(任意整理・再生・破産)をすることにより、息子の借金問題を解決できる可能性もあります。

息子の借金問題でお悩みの場合は、息子さんとともに弁護士に債務整理について相談してみてはいかがでしょうか。

アディーレ法律事務所では借金問題に取り組み、債務整理のご相談を承っています。

息子の借金問題でお悩みの方は、息子さんとともにアディーレ法律事務所にご相談ください(※)。

※借金をしている本人から直接お話を伺う必要があります。