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協議離婚の証人はどう選ぶ?対処法や協議離婚の注意点を解説

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夫婦で話し合い、離婚することに合意した場合に「協議離婚」ができます。
協議離婚は離婚届を役所に提出することにより行うのですが、離婚届の書面を見てみると「証人」という欄がありますね。

引用:離婚届|法務省

協議離婚の場合には「証人」が必要なのです。

では、この証人はどうやって選ぶのでしょうか。
なぜ証人が必要なのか、そもそもなんの証人なのか。
その他、離婚届について知っておくべき注意点を解説します。

協議離婚には証人が必要

離婚をする方法としては、調停離婚、審判離婚、裁判離婚がある他、「協議離婚」が認められています。
協議離婚は、夫婦間に未成年の子どもがいる場合には親権者を指定すれば、あとは協議離婚届を役所に提出するだけなので、他の方法よりも簡単に手続きが終わります。
そのため、離婚をするのに協議離婚を選ぶ夫婦は、8割を超えています。

参照:平成21年度「離婚に関する統計」の概況│厚生労働省

簡単とはいえ、協議離婚をする場合には、2人以上の証人の署名捺印が必要となる点に注意が必要です(民法764条、民法739条)。
話し合いがまとまらず、調停や審判、裁判で離婚をする場合には証人は必要ありません。

協議離婚に証人が必要である理由

ではなぜ、協議離婚には証人が必要となるのでしょうか。

(1)虚偽の離婚届出を防ぐため

協議離婚は、役所に離婚届を提出することにより成立するものですが、例えば夫婦のどちらかが離婚を希望し、もう一方は離婚を望んでいない場合、離婚を望んでいる側が相手に無断で離婚届を出してしまうことも考えられます。

このように夫婦の一方に無断で作成された離婚届は無効です。
そしてこのような離婚届を作成し、勝手に役所に提出することは犯罪にもなります。
離婚届の署名捺印を偽造した場合は「私文書偽造罪」(刑法159条1項)、その離婚届を役所に提出すると「偽造私文書行使罪」(刑法161条1項)に問われます。
更に、この偽造した離婚届を提出することは、役所は戸籍簿という重要な文書に虚偽を記載させることになるので公正証書原本不実記載等罪も成立する可能性があります
(刑法157条1項)。

しかし、このような無効な離婚届であるかどうかを、受理する役所が一件一件確認するのは現実的ではありません。
無効な離婚届であっても、一旦受理されてしまうと形式的には離婚が成立した形になるため、離婚無効調停や離婚無効訴訟を起こし戸籍上の離婚を訂正しなければならなくなります。
こうなると、かなり大変なことです。

そこで、提出された離婚届が当事者の意思のもとで作成されたことを担保するために、証人が必要とされているのです。

(2)軽い気持ちで離婚することを防ぐため

離婚は当事者だけでなく、子どもや親族などにも影響を及ぼします。
しかし、当事者だけで話をしていると冷静な判断ができなくなってしまうものです。そこで、証人を必要としておくことで、離婚することについて第三者からの意見を聞く機会が得られます。
これにより、一時的な感情に流されて離婚してしまうことを防止する効果があるのです。
婚姻を継続することを望む側としては、相手に証人を立てるよう求めることで、相手が冷静になり離婚を思いとどまってくれる可能性もあるかも知れません。

協議離婚の証人になれる人の条件は?

ではどのような人が協議離婚の証人になれるのでしょうか。

(1)当事者以外の成人であれば誰でもなれる

離婚届の証人は「成年」であることのみが民法上要求されています(民法764条・民法739条)。
ですから、20歳以上であれば誰でも証人になることができます(現行民法では成年は20歳となっていますが、2022年4月1日からは成年年齢が18歳となるのでご注意ください)。
兄弟姉妹や親せき、友人・知人はもちろん、まったく知らない人でも構いません。
また、夫婦の子どもが成人に達しているのであれば子どもでも大丈夫です。
ただ、当然のことですが、離婚する夫婦が証人を兼ねることはできません。

(2)国籍は関係ない

日本国籍を持つ人だけでなく、外国籍の人も協議離婚の証人になれます。
ただし、外国籍の人に証人になってもらう場合には、提出書類や記入方法に注意すべき点があるので、役所でご確認ください。

(3)夫婦どちらかが2名選んでもよい

証人は2名必要です。
この2名は、夫と妻が1名ずつ選ぶ必要はなく、夫婦どちらかが2名選ぶことも可能です。

協議離婚の証人になると何らかの責任が生じる?

離婚届の証人になってもらったとしても、その人に何か法的な義務や権利が生じることはなく、不利益を被ることはありません。
証人に求められるのは、あくまでも「当事者の離婚を見届ける」という役割のみです。
保証人とは異なり、法的な責任を負うものではありません。

ただ、証人は本籍を書かなければならないので、それを夫婦に知られてしまうことになります。
また、例えば夫婦の一方が勝手に作成した偽造の離婚届に証人となったような場合には私文書偽造に協力したと疑われる可能性があります。

このような特殊な場合を除き、協議離婚の証人となることには法的なリスクがほぼ無いものです。
もっとも、離婚という重い事実の前に、その離婚届に署名捺印をする行為に精神的な負担を感じる人もいるでしょう。

協議離婚の証人が見つからない場合は?

以上のような負担感から、誰でも協議離婚の証人となることを快諾してくれるとは限りません。
また、離婚を身内や知人に知られたくないため、周囲の人に証人を頼みたくないという事情がある場合もあります。
では協議離婚の証人が見つからない場合にはどうしたら良いでしょうか。

(1)離婚届証人代行サービスを利用する

最近では、離婚届の証人を代行するサービスを行っている業者があります。
離婚届の証人以外の欄を夫婦で記入し、その離婚届を代行サービスの業者に郵送すれば、証人欄が埋まった離婚届が返送されてくるという流れが一般的なものです。
証人2人分の場合、値段設定は目安としては4000~1万円前後の業者が多いようです。
費用はかかるものの、親族や友人・知人に知られずに協議離婚を成立させたい方や、周囲の手をわずらわせたくないと考える方は、代行サービスの利用を検討してもよいかも知れません。

ただ、離婚届証人代行サービスを行うのに、特に資格などは必要なく、誰でも行うことが可能です。
離婚という極めて個人的な情報について守秘義務が守られるとは限らないのです。
業者がどの程度信頼できるかについて、あらかじめ調べてから利用する必要があるでしょう。
司法書士や弁護士が証人代行サービスを行っている場合もありますので、できれば、そちらを利用した方が良いかも知れません。

(2)弁護士に依頼する

弁護士などの資格を持つ者が上記の代行業を行っている場合もありますが、サービス自体を事務所のホームページなどに広告として出していなくても、弁護士に証人になってもらうというのもひとつの手段です。
弁護士は協議離婚の証人になっても不利益が生じないことを理解しているので、証人になることを承諾してくれる可能性が高いのです。
離婚に関する相談を行う際や、離婚のための公正証書の作成を依頼するのであれば、ついでにお願いすると良いでしょう。

協議離婚の際に証人以外で注意すべき点

協議離婚は、調停や裁判で離婚するよりも手軽に行うことができます。
ただ、手軽だからこそ専門家の目が届かず、後になって問題が出てくることもあります。
証人以外にも注意しなければいけない点がありますので、以下解説します。

(1)離婚条件は書面にして残すほうがよい

離婚をする際には「離婚をすること」以外にも例えば財産分与や慰謝料、養育費、親権などについて二人でいくつかの取り決めをしていることがほとんどです。
しかし、離婚届には「夫婦が離婚をすること」「子どもの親権」以外の取り決めについての記載はされていません。
ですから、協議離婚において、財産分与や慰謝料、養育費、親権などについて夫婦で合意した場合には、決められた内容を口約束のままにせず「離婚協議書」として書面に残しておくほうが良いでしょう。
そうすることにより、離婚した後にも離婚のときの約束を互いに確認できます。

このような協議離婚における取り決め内容を「離婚協議書」として書面に残す場合、その書面は公正証書にしておいたほうがよいでしょう。
公正証書は、法務省に属する機関である公証役場で公証人により作成される公文書のことです。
離婚の公正証書を作成することにより、養育費、財産分与など、二人の間でのお金を支払う約束が離婚後に守られる安全性を高められるメリットがあります。
また、公正証書は、公文書として証明力・証拠力を備えた証書となるため、裁判になったときには証拠として用いることができます。
さらに、公正証書に執行受諾文言が付されていれば、慰謝料や養育費の支払いが滞ったとき、裁判をしなくても強制的に支払いをさせることができます。
他にも、内容が無効になりづらい、破棄や紛失を防げるといったメリットがあるのです。

この公正証書を作るためには、申し込み時に公正証書を作成することに合意があり、その契約条件もすべて合意ができていることが前提です。
あいまいな状態のまま公証役場に行っても作成できない結果に終わってしまいます。
ですから、公正証書を作る際には、あらかじめ弁護士に依頼し離婚協議書を作成すすのがおすすめです。

(2)離婚届が受理されない場合もある

必要事項を記載した離婚届を用意し、役所に持って行っても受理されない場合があります。
事前に役所へ「離婚届不受理申出」という書類が提出されている場合には、その後提出された離婚届は受理されません。
これは例えば配偶者が勝手に離婚届を偽造などして作成したものを提出し、それが受理されてしまうのを防ぐための制度です。
この離婚届不受理申出を事前に役所に提出しておけば、自分の意思に反して離婚届を受理されることはありません。

この離婚届不受理申出の効力には有効期限がなく、取り下げをしない限り無制限で有効なものです。
ですから、例えば夫婦の合意が成立し離婚届を作成したとしても、その離婚届不受理申出を取り下げない限りは有効な離婚届であっても受理されないことになります。

不受理届の取り下げを強制する手段はないので、相手が不受理申出を出した側である場合に、話し合っても相手が取り下げない場合には調停を起こして話し合い、それでも話し合いがまとまらない場合には裁判離婚という手段によらなければなりません。

【まとめ】協議離婚の証人については専門家へのご相談をおすすめします

以上見てきたように、協議離婚には証人が必要です。
成年であれば誰でも証人になれますし、証人が見つからない場合には証人代行サービスを利用することもできます。弁護士に頼むことも可能です。

協議離婚を機に新たな人生の一歩を確実に踏み出せるよう、のちのトラブルを防止することは大事です。
そのためにも、協議離婚に際しては合意した条件を公正証書にして残しておくことをおすすめします。
公正証書を作成する際には、弁護士に相談した方が良いでしょう。

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