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離婚の大半を占めるといわれている「協議離婚」とは?知っておきたい注意点について解説

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日本では、離婚は比較的簡単にすることができます。
外国では、必ず裁判手続きが必要とされたり、離婚前に一定期間別居をしなければならなかったりすることがありますが、日本では双方が離婚に合意すれば、離婚届を提出するだけで離婚をすることができるからです。
今回は、その話し合いで離婚をする「協議離婚」について詳しく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

離婚にはどのような種類があるのか|それぞれの特徴を解説

離婚の種類には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つがあります。それぞれの特徴を解説していきます。

(1)協議離婚

協議離婚は、夫婦間で話し合いをして離婚に合意して離婚する方法です。
必要事項を記入した離婚届を市区町村役場に提出し、受理されると離婚が成立します。

(2)調停離婚

夫婦間で離婚の話し合いをしたけれど、お互いの意見が異なり話し合いがなかなか進まない場合や、話し合い自体に応じてもらえない場合には、協議離婚は困難です。
そのような場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて、調停の場で離婚や離婚条件について話し合いをすることができます。調停で離婚を成立させることを、「調停離婚」といいます。

調停委員2名と裁判官が夫婦から意見を聞き、離婚や夫婦関係修復の調整が可能か話し合っていきます。
話し合いといっても、当事者が顔を合わせて直接話し合うことはありません。
夫婦が待機する待合室も別々ですし、調停委員と話をするときも別々です。
これは、調停離婚を申し立てる夫婦には様々な事情がありますので、夫婦が裁判所で直接顔を合わせないように配慮し、夫婦が緊張することなく、裁判所がそれぞれの話を聞けるように配慮したものです。
1ヶ月に1回ほど裁判所に出向きますが、結論が出るまで4ヶ月程度かかることが多いですが、事案によっては1年程度かかることもあります。
調停で離婚の合意ができると、調停は成立し、調停調書が作成されます。
調停の成立で離婚は成立しますが、役所に対して離婚が成立したことを報告しなければなりません。通常は調停を申し立てた者が、調停成立から10日以内に、調停調書(謄本)と離婚届を持参して、役所に対して離婚を報告します。

(3)審判離婚

「審判離婚」とは、調停が成立しなかった場合に、調停に代わる審判として、家庭裁判所の判断で離婚を認容する審判を下すという方法です。
審判に納得できない場合、当事者が審判の告知を受けた日から2週間の間は、書面で異議を申し立てることができ、異議申し立てがなされると審判離婚の効力はなくなります。
異議申立てがなされずに2週間経過すると、審判は確定します。

異議申立てが可能であることから、審判離婚はあまり利用されていません。離婚自体には同意しているが離婚条件にわずかな意見の違いがある場合で、当事者が審判に委ねることに合意している場合や、離婚・離婚条件に争いがないが当事者の一方がどうしても出廷できない場合などに、限定的に利用されているようです。

(4)裁判離婚

調停離婚で離婚が成立しなかった場合には、離婚訴訟を提起し、裁判にて離婚の判決を求めていくことになります。これを「裁判離婚」といいます。
夫婦仲が極めて悪く、調停で話し合いが成立しないことが見込まれても、調停をすることなく訴訟を提起することはできません。これを、「調停前置主義」といいます。
夫婦間の問題については、裁判所が公の場で強権的に関与する前に、まずは当事者同士の話し合いで解決することが望ましいと考えられているためです。
裁判離婚では、民法770条1項各号に定められた離婚原因(不貞行為など)が必要になりますので、離婚を求める側は、離婚原因が存在することを主張し、証拠をもって証明していく必要があります。

裁判離婚の中でも、離婚にはいくつか種類があります。
相手方(被告)が、期日において離婚の請求を認めたとき(認諾離婚)、当事者双方が離婚するとの和解をしたとき(和解離婚)も、離婚が成立します。
和解が成立しない場合には、裁判所が離婚する旨の判決を下して確定すると、離婚が成立します(判決離婚)。
判決確定後10日以内に、離婚届・判決謄本・確定証明書を提出して、役所に対して離婚を報告しなければなりません。訴訟手続中に当事者同士で話し合って協議離婚が成立するケースもあります。その場合には、訴えを取り下げることになります。

知っておきたい協議離婚の注意点

厚生労働省の統計で、離婚の種類別でみた離婚件数と割合が分かるものがあります。

この統計によると、2017年の離婚総数は21万2262件で、うち18万4996件が協議離婚の方法で離婚していますので、約87%が協議離婚で離婚していることになります。
ほとんどの方が協議離婚で離婚が成立しますので、ここでは協議離婚をする際に知っておきたい注意点について解説します。

参考:人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚 ・離婚の種類別にみた年次別離婚件数及び百分率|政府統計の総合窓口

(1)夫婦の話し合いがうまく進まない場合がある

協議離婚は、離婚条件の取り決めの自由度が高く、夫婦の実情に応じた話し合いが可能です。ですが、自由度が高い反面、夫婦がお互いに自分に有利な意見に固執したりして、かえって話し合いがまとまらないこともあります。
例えば未成年の子どもがいるのに、養育費を出し渋ったり、養育費算定表で算定した養育費では高いといわれたりするかもしれません。
また、財産分与で、「家は全部ほしい」と過剰な希望を伝えられるかもしれません。
相手の言動に感情的になってしまうと、話し合えるものも話し合えなくなってしまいます。
養育費の必要性や、財産分与は2分の1ルールで基本的に半分となることなど、冷静に話し合うとよいでしょう。
また、譲歩できる点と譲歩できない点をはっきりさせて、メリハリをつけて交渉するとよいでしょう。
どうしても当事者同士での話し合いが難しい場合には、弁護士に依頼して、弁護士を通じて話し合うこともできます。弁護士は感情を介さず、冷静に法的観点から交渉しますので、当事者同士ではなかなか進まなかった話し合いが進む場合もあります。

(2)公正証書を作成しないと離婚条件が果たされない場合にすぐ強制執行ができない

協議離婚は合意で離婚する方法ですが、合意の方法は人それぞれです。
婚姻して間もなく、子どもがいない状態で離婚するような場合には、離婚の際に話し合うべきことも少ないケースがあるので、口約束で離婚に合意し、離婚届を提出して離婚することもあるようです。
婚姻期間が長く、子どもがいる状態で離婚する場合には、財産分与や、子どもの親権、養育費等、様々なことについて話し合う必要があります。
このような場合には、口約束だけで済ましてしまうと、後々食い違いが生じるおそれがありますので、離婚協議書や公正証書を作成して、客観的に離婚条件を明確にする必要があります。
この時に注意していただきたいのが、公正証書を作成しておかないと、後々養育費の支払いが滞ったなどした場合に、すぐに強制執行をすることができないという点です。
公正証書がなく、口約束や離婚協議書があるだけだと、まず訴訟を提起して勝訴して判決が確定しなければ、基本的に相手方の財産に対して強制執行して強制的に養育費を回収することはできません。

離婚条件によっては後々トラブルが生じる可能性がありますので、離婚の際に公正証書を作ることを検討するようにしましょう。

協議離婚では離婚協議書や公正証書を作成するとよい

離婚の際には、離婚条件を明確にして後々の紛争を防ぐために、離婚協議書や公正証書を作成した方がよい場合もありますので、ここでは離婚協議書と公正証書について解説します。

(1)離婚協議書とは夫婦で話し合って合意した内容をまとめた書面

離婚協議書は、離婚の条件や養育費、財産分与などについて夫婦で話し合って合意した内容を書面にまとめたものをいいます。
離婚条件が複雑な場合(財産分与の対象となる財産が複数あり特定が必要な場合など)では、口約束では誤解が生じる可能性もあるので、離婚協議書という形で合意内容を書面に残すとよいでしょう。夫婦間で約束した内容の客観的な証拠となります。
ですが、離婚協議書を作成しても、公正証書とは異なり、養育費や慰謝料の未払いがあったとしても、すぐに相手の財産から強制的に養育費を回収することはできません。
基本的には、まず訴訟を提起して勝訴し、判決が確定した後に、確定判決を債務名義として強制執行の手続きをとる必要があります。

(2)公正証書とは公証役場にて作成する公文書

公正証書とは、依頼をうけて、公証役場の公証人がその権限に基づいて作成する公文書です。
養育費や慰謝料など継続的に金銭を支払うような約束がある場合などでは、後々支払いが滞るトラブルがあるかもしれません。
そのようなトラブルが生じても、公正証書に「支払いを滞らせた場合には強制執行されてかまわない」旨の執行認諾文言を相手方了承の上で記載してあれば、公正証書が債務名義となります。訴訟を経ることなく、すぐに強制執行の手続きを取ることができます。
公正証書を準備するのにも、弁護士などの専門家に内容の作成を依頼したりするとその費用がかかりますし、実際に公正証書を作成する公証人に支払う費用がかかります(公証人に支払う費用は、作成する文書量によっても異なるので、具体的には利用する公証役場に問い合わせるようにしましょう)。
また、公正証書は、予約を取って公証役場に当事者双方が行き(代理人でも可能)、内容に間違いがないか確認したうえで署名・押印する必要がありますので、手間もかかります。
ですが、後々養育費等が支払われなくなった場合にかかる訴訟費用や労力と比べれば、必要な出費や手間と考えてよいのではないでしょうか。

協議離婚の必要書類

協議離婚は夫婦の話し合いで離婚に合意し、離婚するものなので、必要となる書類は基本的に離婚届のみです。
離婚届を提出する際は、本人確認書類が必要となるケースもありますので、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類と、修正が必要な場合の印鑑を持参するようにしましょう。
また、本籍地以外の役場に離婚届を提出する場合には、戸籍謄本も必要になります。

【まとめ】協議離婚の話し合いでお困りの方は弁護士に相談

ほとんどの夫婦が協議離婚で離婚していますが、中には、双方の主張が対立し、冷静に話し合うことができない場合もあります。
また、離婚協議書や公正証書作成の際に、合意内容に漏れがないか、自身に不利な点はないかなどの判断が難しい場合もあります。
協議離婚で、もし不安な点や悩んでいることがありましたら、法律に詳しい弁護士に相談することも検討してみるとよいでしょう。弁護士は、事情を細かく伺って、適切なアドバイスをすることができますし、本人の代わりに代理人として交渉することもできますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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