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借金の滞納で裁判所からの通知が!でも弁護士に相談したら時効だった!?

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「借金を長年滞納していたら、ある日突然、裁判所からの通知が届いた」

借金を支払わずに滞納していると、貸金業者に裁判を起こされてしまうことがあります。
借りたお金は原則として返さなければなりません。
しかし、あまりにも返していない期間が長いと、「時効援用」という手続きをすれば、もはや返さなくてよい状態になることもあります。

裁判所からの通知が届いたとしても実は時効援用できる場合があります。

借金を長年滞納していて裁判所から通知が届いたAさんが、弁護士に相談した例を基に解説します。
※あくまで例ですので、実際のケースとは異なります。

ある日裁判所から通知が届いたけど、どうしたらいいのか分からない

Aさんは、消費者金融B社から50万円借金をし、数年間は返済をしていましたが、その後収入が減ってしまって返済ができなくなり、2014年以後返済が完全に止まってしまいました。

すると、滞納を開始してから6年後の2020年になって、裁判所から「支払督促」と書かれた通知が自宅に届きました。
何やら、B社がAさんに借金を払うように裁判所に裁判を起こしたようです。
裁判所からの封筒には、言い分があれば何やら紙に書いて提出するように書いていますが、Aさんは、そもそも何を主張したらよいのかや、書き方もよく分かりません。

そこで、Aさんは、すぐにインターネットで相談料無料の法律事務所を探して、弁護士に相談する予約を入れました。

弁護士に相談

Aさんは、裁判所の通知を受け取った翌日に、弁護士事務所を訪れ、裁判所から届いた紙一式を弁護士に見せました。
そして、

  • B社からの借金のみ残っている
  • 2014年以降全く払っていない
  • 途中でB社と支払い方法などをめぐって和解したこともないし、これまでB社から裁判をされたこともない
  • 滞納してからB社に連絡をとったこともない

など、弁護士の質問に沿って答えていきました。

すると、弁護士からは、5年以上返済していないので、「時効援用」という手続きをすれば返さなくてよいという状態になる(=時効消滅する)かもしれない、と告げられました。

裁判を起こされても時効消滅することがある

Aさんは、裁判を起こされているのだから借金は払わなければならない、と考えていたので驚きました。

弁護士によれば、裁判されていても、時効援用さえすれば時効消滅する状態になっている事例は少なくないとのことでした。
というのも次のような理由によるとのことでした。

  • 長年借金を払っていないからといって、自動的に借金がなくなるわけではない。
    消滅時効の期間経過に加えて、時効援用をすると、初めて時効消滅する。
  • そのため、借主が裁判所からの通知を放置していると、「借金を払え」という債務名義(判決など)を取ることができてしまう。
  • また、借主は必ずしも時効援用できることを知っているわけではない。そのため、裁判をされると、「分割で払いたい」と紙に書いて提出してしまったり、裁判で言ってしまったりすることがある。しかし、これは、「時効中断事由」にあたってしまい、時効がリセットされてしまうことがある。時効中断された後に、その裁判で時効援用をしてもまだ時効消滅するに足る期間が経過していないとして、時効消滅が成立しないことになってしまう。また、既に時効期間が経過しており、借主がそのことを知らなかったとしても、一度払うという意思を表明してしまった以上、もはやそのような挙動と矛盾した行動は許されないという理由により、このような場合にも原則として時効援用ができなくなる。
  • 以上のことから、貸金業者は、時効援用さえすれば時効消滅してしまうような状態であっても、借主の対応次第では、「借金を払え」という債務名義(判決など)を取れるので、あえて裁判を起こしてくることも珍しくない。

もし時効援用できなかったらどうなる?

また、Aさんは、弁護士より「もし、返済していなかった期間中に借金の存在を認めるような言動をするなどして、時効が中断されていると、時効援用をすることができないことになるため、B社と交渉するなどして残った借金を支払う必要がある」と告げられました。
時効援用が不成功に終わってしまっても、B社との交渉などの債務整理は、引き続き弁護士が代理して行ってくれるとのことでした。

弁護士に依頼

Aさんは、借金問題に自身で対応することが大変ストレスでした。
また、弁護士から時効援用のやり方を教えてもらったものの、自分で対応して万が一、時効援用の方法が間違っていたりしたらどうしようと考え、時効援用などの手続きを弁護士に依頼することにしました。

弁護士が時効援用の通知を送ったら、裁判が取り下げに

弁護士が時効援用をする旨記載した「内容証明」という文書を、B社に送りました。
その上で、弁護士がB社に時効中断事由はないか、時効援用を認めるかなどを電話で確認してくれました。
B社は、「時効中断事由もないので、時効援用」を認めるとの回答でした。
その後、B社は、裁判を取り下げました。

こうして、無事、Aさんの借金は時効消滅し、B社からの借金がなくなりました。

今回の事例のポイント

今回の事例には次のポイントがあります。

  1. 借金を長期滞納している場合は、時効消滅する可能性
  2. 裁判所からの通知が来たら、すぐ動く必要あり

(1)借金を長期滞納している場合は、時効消滅する可能性

借金を長期滞納している場合は、時効援用すれば時効消滅する可能性があります。
では、どのくらい滞納していると時効消滅する可能性があるのでしょうか。
原則をご説明します。

※なお、下記はあくまで原則です。
時効援用するまでに、

  • 判決が取られるなど時効中断(更新)事由があると、時効がリセットされたり
  • 時効中断(更新)後、時効が消滅するまでの期間が変更になったり
  • 催告など時効停止(完成猶予)事由があると時効の完成する日が先延ばしされたり

することがあります。
具体的にご自身がいつ時効消滅する可能性があるのかは詳しくは専門家にご相談いただくことをお勧めします。

民法改正により、金銭消費貸借契約(更新契約を含む)の締結日が、2020年3月31日以前かその翌日以後かで、消滅時効の期間が異なりますので、分けて説明します。

(1-1)2020年3月31日以前に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合

2020年3月31日以前に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合は、旧民法が適用され、原則として、次の場合に時効援用さえすれば消滅時効の成立が可能となります。

  • 銀行や消費者金融など商人からの借り入れ
    →最後の返済期日(ケースによっては最終の弁済日など)の翌日から5年以上経過
  • 信用金庫、住宅金融支援機構、日本学生支援機構など非商人からの借り入れ
    →最後の返済期日(ケースによっては実際に最後に弁済した日など)の翌日から10年以上経過

※商人か非商人かは、法律知識がないと判別がつかないことがありますので専門家へのご相談をお勧めします。
※返済期日が定められていない場合などは、時効の起算点が異なります。

(1-2)2020年4月1日以降に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合

2020年4月1日以降に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合は、新民法が適用され、商人か非商人かにかかわらず、消滅時効の期間は次のようになります(民法166条1項)。

  • 債権者が権利を行使することができると知ったときから5年
  • 権利を行使することができるときから10年

一般に消費者金融など金融機関は、いつから権利を行使できるか知っているため、最終返済期日(ケースによっては実際に最後に弁済した日など)から5年で消滅時効にかかります。

※返済期日が定められていない場合などは、時効の起算点が異なります。

(2)裁判所からの通知が来たら、すぐに動く必要あり

裁判所からの通知を放置しておくと、借主は相手の言い分を認めたものとみなされてしまい、「借金を払え」という債務名義(判決など)が取られてしまいます。
債務名義が取られてしまうと、時効はリセット(時効中断)されてしまい、判決確定日の翌日から10年以上経過しないと、再び時効消滅が可能な状態にはなりません。
しかも債務名義が取られてしまうと、給料や預金などのめぼしい財産が差押えされてしまうリスクがあります(差押えされると時効が再びリセットされてしまいます)。

そのため、裁判所からの通知が来たらすぐに動く必要があります。
具体的には、通常の訴訟であれば、第1回口頭弁論期日に何も主張せずに放置すると、債務名義が取られてしまうので、第1回口頭弁論期日までに時効援用をするなどの対応をする必要があります。
また、今回のAさんの事例のように支払督促が届いた場合は、支払督促が届いた翌日から2週間以内に「督促異議申立書」(支払督促の内容に異議があると裁判所に申立てすること)を裁判所に提出しないと、差押え可能な状態になってしまいます(仮執行宣言)ので、支払督促が届いたらすぐに対策を取ることが大切です。

弁護士に依頼する場合、期日ぎりぎりに弁護士に依頼しても、弁護士が期日までに対応できない可能性があるため、時間の余裕をもって動くようにしましょう。

【まとめ】裁判所から通知がきても時効消滅することがある

5~10年ほど借金を滞納している場合は、裁判所から通知がきても、すぐに時効援用をすれば借金が時効消滅する可能性があります。

もっとも、返済すると発言等することで時効中断(更新)などがなされている場合、5~10年借金を滞納していても時効消滅しない場合もあります。

また裁判所から通知が届いたのに放置して裁判手続きが終了してしまうと、「借金を払え」という債務名義(判決など)が取得されて財産の差押えを受けてしまう危険もあります。

裁判所から通知が届いたら放置せずに、すぐに時効援用などの行動を起こすことが大切です。

時効が成立しているのかよくわからない、時効援用を一人でするのは不安だ、ストレスだという方は、すぐに専門家に相談しましょう。

アディーレ法律事務所では、借金の長期滞納をしている場合の時効援用や債務整理などをお取扱いしております。
借金でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。