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借金の踏み倒しについて解説!借金問題の解決手段

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「借金を踏み倒す」と聞くと、借りたお金を返せないのに平然としている、何度返済を求められても無視しているなど悪いイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実際には、結果的に「借金を踏み倒してしまった」人も多くいます。
借金を踏み倒すことは犯罪ではないのか、どのようなデメリットがあるのかを解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

借金を踏み倒していいのか?

「借金を踏み倒していいのか」という問いに、率直に「良い」と答える弁護士は少ないでしょう。もっとも、結果的に借金の返済義務から逃れられるケースがあるのも事実です。

たとえば、次のようなケースが想定されます。

  • 貸主(債権者)が返済を求めないのをいいことに借主(債務者)も返さなかった
  • 親からお金を借りていたところ、親が亡くなり自分1人で相続した
  • 債権者に把握されている住所から逃亡して行方をくらませた

借金の返済義務がなくなる代表的なケースは、「消滅時効」によるものです。
しかし、債権者もそう簡単には見逃してくれません。

(1)借金を踏み倒すと逮捕されるのか?

たとえば、次のようなケースでは詐欺罪で逮捕されるでしょうか。

ホストとして働くAさんは、客の1人であるBさんに対し「いずれBと結婚したいと思っている。そのために、ホストを辞めて真面目に働く。学校に行きたいから、150万円を貸して欲しい」と頼みました。BさんはAさんに学校に行って真面目に働いてほしいと思い、Aさんに150万円を渡しましたが、Aさんがホストを辞めることはなく、1年が過ぎました。Bさんが「お金を返して欲しい」と伝えても、Aさんは一向に返しません。

詐欺罪について規定した刑法246条1項をみてみましょう。
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪が成立するかどうかのポイントとなるのは、Aさんの認識です。
AさんがBさんに対し、Bさんと結婚する気がなく、借金も返す気もないにもかかわらず、結婚後の生活を夢見させ、その結果BさんはAさんと結婚でき、その後返済してもらえると思い込み、150万円を支払ったとしましょう。このように重要な事実を偽ってお金を受け取る行為は、詐欺罪に該当します。

これに対して、実際にAさんはBさんにお金を返すつもりでお願いしたとしましょう。この場合、その後AさんにBさんと結婚する気がなくなったとしても、詐欺罪は成立しません。

詐欺罪で立件するのが難しいといわれる由縁は、お金を借りた人の認識が問題になるためです。最初は返すつもりだったのに途中で事情が変わって返せなくなったなら、詐欺罪は成立しません。
また、些細な点で嘘をついていたとしても、詐欺罪は成立しません。
たとえば、「結婚したら真面目に働いてお金を返す」と嘘を吐けば詐欺罪が成立する方向に働く一方、22歳の人が23歳だと嘘を吐いても詐欺罪が成立する可能性は低いでしょう。

(2)借金には時効がある

一定期間借金を返さなければ、消滅時効によってお金を返す必要がなくなります。

消滅時効を主張できる一例をご紹介しましょう。

ある日、Cさんのもとに届いた消費者金融からの督促状。その書面は、Cさんのお父さんの生前の借金50万円について返済を求めるものでした。Cさんがお父さんの通帳をみてみると、6年前まで毎月返済していたのがわかりました。

消滅時効とは、債権者が権利を行使できる状態だったのに権利を一定期間行使しなかった結果、権利を失うことを定めた制度です。債務者の側からみると、不意打ち的な請求から保護されることになります。

Cさんのケースで、実際に消滅時効が認められるかはわかりません。
たとえば、Cさんのお父さんが亡くなる前に消費者金融に電話して「ちゃんと支払う」と約束していたかもしれませんし、消費者金融が裁判で勝訴していたかもしれません。
もっとも、ひとまず消滅時効を主張してみる価値はあるでしょう。

(3)借金の消滅時効はいつ成立する?

借金の消滅時効がいつ成立するのかご説明します。

なお消滅時効が成立するに足る期間が経過した後も、「時効援用」をしなければ消滅時効の効力は発生しませんので注意しましょう。

2020年4月1日に民法が改正されたことにより、契約日がその前なのか後なのかによって、時効が成立する時期が異なります。

※なお、下記はあくまで原則です。

時効援用するまでに、

・時効中断(更新)があると、時効がリセットされたり

・時効停止(完成猶予)があると時効の完成する日が先延ばしされたり

・時効中断(更新)後、時効が消滅するまでの期間が変更になったりすることがあります。

ご自身がいつ時効消滅する可能性があるのかは詳しくは専門家に相談することをお勧めします。

(3-1)2020年3月31日以前に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合

2020年3月31日以前に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合は、旧民法が適用され、時効援用をすれば消滅時効の成立が原則として可能となるのは次の場合です。

・銀行や消費者金融など商人からの借り入れ

→最後の返済期日(ケースによっては最終の弁済日など)の翌日から5年以上経過

・信用金庫、住宅金融支援機構、日本学生支援機構など非商人からの借り入れ

→最後の返済期日(ケースによっては最終の弁済日など)の翌日から10 年以上経過

※ 商人か非商人かは、法律知識がないと判別がつかないことがありますので専門家へのご相談をお勧めします。

※返済期日が定められていない場合などは、時効の起算点が異なります。

(3-2)2020年4月1日以降に金銭消費貸借契約(更新契約含む)を結んだ場合

2020年4月以降、商人か非商人かにかかわらず、消滅時効の期間は次のように定められました(民法166条1項)。

  • 債権者が権利を行使することができると知ったときから5年
  • 権利を行使することができるときから10年

一般に消費者金融など金融機関は、いつから権利を行使できるか知っているため、最終弁済期日(ケースによっては最終弁済日など)から5年で消滅時効にかかります。

(3-3)5~10年経ったからと言って、必ず時効成立するわけではない

法律上、債権者には、消滅時効の完成を防ぐために時効をリセットしたり、一時的に時効が完成するのを先延ばししたりする手段が定められています。

例えば次の4つの手段があります。

  • 裁判上の請求、支払督促(民法147条1項1号、2号)
  • 強制執行(民法148条1項1号)
  • 催告(民法150条1項)
  • 債務者の承認(民法152条1項)

金融機関は、お金を貸すプロとして時効が完成しないように適宜督促などを行っています。
債務者の意志だけで消滅時効期間を逃げ切れるわけではありません。

借金の踏み倒しで起こりうるリスク

消滅時効の成立を狙って借金を踏み倒そうとすると起こるリスクをお伝えします。

(1)遅延損害金が発生する

お金の返済が遅れると、返済日の翌日以降遅延損害金と呼ばれるペナルティが発生します。
遅延損害金は、次の表のとおり通常の利息よりも利率が高いのが通常であるため、最終的に支払金額は膨れ上がってしまいかねません。

カードローンの遅延損害金の上限利率について、利息制限法4条1項には次のように定められています。

金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

引用:利息制限法4条1項

つまり、利息の上限利率の1.46倍を遅延損害金の上限とするということです。

借入総額10万円以内10万~100万円100万円以上
利息20%18%15%
遅延損害金29.2%26.28%21.9%

※ただし、消費者金融など貸金業者からの借入れならば、遅延損害金の上限利率は20%です。

(2)現在利用しているクレジットカードやローンが強制解約になる

借金の返済が2、3ヶ月遅れると、いわゆるブラックリストに載ってしまう(※)といわれています。

※ブラックリストというものは金融機関に存在しませんが、俗に、信用情報に延滞などの事故情報が載ることをブラックリストに載る、ということがあります。

信用情報に事故情報が載っている間は、支払いが遅れた消費者金融や銀行のみならず、手持ちのクレジットカードがすべて使えなくなってしまう可能性が高いといえます。また、住宅や自動車のローンを組めなくなるなど大きなデメリットがあります。
さらに、滞納した会社で独自に作られるリストには半永久的に事故情報が載る可能性があるため、返済が終わってもその会社やグループ会社のサービスを利用できなくなる可能性があります。

(3)家族に返済の滞納の事実を知られる

金融機関は、借金の返済が滞ると、はがきや電話で督促を行います。
督促を放置していると、内容証明にて催告書が届き、その後裁判となる可能性があります。
家族と同居している場合には、金融機関の督促状や訴状から借金がバレてしまうかもしれません。

(4)裁判所によって給料や銀行預金、車などが差し押さえられる

裁判を提起されてもなお放置していると、裁判所から「お金を支払え」という判決などが下されます。さらに放置していると、債権者の申立てにより、給料や銀行預金、車などが差し押さえられてしまうことがあります。場合によっては、家族だけでなく近所の人々や勤務先にも借金がバレてしまうかもしれません。居心地が悪くなってしまうので、差押えの前になんとかしましょう。

債務整理で借金問題は解決できる可能性がある

消滅時効期間が完成するまで、必ずしも逃げ切ることができるわけではありません。

借金の返済が困難な場合は、債務整理を検討することをお勧めします。

債務整理の手続きの中で、時効消滅させることが可能と思われる借金がある場合は、時効援用をして借金を時効消滅させることも可能です。

時効援用をしても時効消滅させることができなかった場合には、残った負債につき任意整理、破産、再生などにより経済的再生が可能な場合があります。

債務整理をおこなうとどうなるのか?

債務整理を弁護士に依頼すると、次の3つのメリットがあります。

  • 基本的に督促がストップするので、督促から逃げる生活をしなくてもよくなる
  • 借金の返済が免除されたり、返済金額が減額される可能性がある
  • 生活を再建できる可能性がある

借金問題を解決するための債務整理の3つの方法

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があります。
借金の総額や収入状況に応じて、弁護士から方針のアドバイスを受けることができます。

ただし、債務整理をすると約5~10年間は信用情報に事故情報が載った状態となりますので、注意してください。

(1)任意整理

「任意整理」とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により借金を減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済する内容の和解を債権者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです(ただし、和解内容や和解の可否は個々のケースにより異なります)。

任意整理の特徴として、基本的には弁護士に依頼する債権者を選ぶことができます。そのため、保証人のいる債権者、自動車や住宅のローンに関する債権者を対象から外すことも可能です。(ただし、特定の債権者を外すと、全体の支払が困難になるような場合などには外すことができないことがあります)。また、裁判所を通さないので個人再生や自己破産より手続きが簡便といえます。

任意整理とよく似た方法に、特定調停と呼ばれる方法があります。
特定調停とは、借金の返済が滞りつつある債務者の申立てにより、簡易裁判所がその債務者と債権者との話し合いを仲裁し、返済条件の軽減等の合意が成立するよう働きかけ、債務者が借金を整理して生活を立て直せるように支援する制度です。
特定調停では裁判所が仲裁役を担います。もっとも、裁判所が弁護士のように完全に債務者の味方になってくれるわけではなく、裁判所はあくまでも中立的な立場で話し合いの交通整理をする、という点に注意しましょう。

(2)個人再生

「個人再生」とは、裁判所の認可決定を得たうえで住宅等の財産を維持したまま、基本的に大幅に減額された借金を(減額の程度や減額の有無は、借金の額、保有している財産によって異なります)、原則として3年間で分割して返済していくという手続きです。減額後の借金を完済すれば、再生計画の対象となった借金については、原則として法律上返済する義務が免除されます。
個人民事再生は、自己破産のように借金全額の返済義務がなくなるわけではありませんが、一定要件を満たせば自己破産のように担保がついていない高価な財産までが処分されることもありません(住宅ローンが残っている住宅の場合でも、一定要件を満した上で、住宅ローンを払い続ければ維持できることがあります)。

※一部の負債は減額の対象とはなりません。

(3)自己破産

「自己破産」とは、財産、収入が不足し、借金返済の見込みがないこと(支払不能)を裁判所に認めてもらい、免責許可決定を得ることができれば、法律上、借金の支払い義務が免除される手続きです。

※一部の負債は減額の対象とはなりません。

【まとめ】借金に関するご相談はアディーレ法律事務所へ

いつまでも借金を返済していなければならないと思うと、いっそのこと借金を踏み倒すことはできないのかと考える人もいるかもしれません。しかし、実際のところ何もせずにただ時間が過ぎ去るのを待っているだけでは状況は変わりません。
借金問題でお悩みの方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

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