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離婚協議書を作る時に知っておきたいポイントと公正証書にすべき理由を解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「離婚をすることを考えている。離婚にあたり離婚協議書を作成した方がいいと聞いたのだけれど、離婚協議書って何?」

離婚協議書とは、離婚の際に、財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことをいいます。

離婚の際に、財産分与や養育費などについてきちんと話し合わずに離婚協議書を作成しないでいると、後々、財産分与や養育費の金額や支払い方法などを巡ってトラブルが生じる可能性があります。

離婚後に後悔することのないよう、離婚の際に財産分与などについてはしっかりと話し合って、離婚協議書を残しておくようにしましょう。

本記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 離婚協議書とは
  • 離婚協議書の効力
  • 離婚協議書を作成するうえで知っておきたいポイント
  • 公正証書を作成すべき理由
  • 離婚協議書を作成するうえでよくある疑問
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚協議書とは?

離婚協議書とは、離婚の際に、財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことをいいます。
離婚の際に、話し合うべき財産分与や養育費などについて話し合わずに離婚協議書を作成しないでいると、後々、財産分与や養育費の金額や支払い方法などを巡ってトラブルが生じる可能性があります。

また、離婚後に話し合いをしようとしても、金銭を支払う約束をする側(財産分与をする側、養育費を支払う側)は、話し合って合意すると金銭を支払う義務を負うことになりますので、あえて話し合いをしようという気持ちにはならず、話し合い自体が困難になるケースもあります。

離婚後に、元妻や元夫との間で、このようなトラブルや困難を抱えなければならないのは得策ではありません。協議離婚の際には、財産分与や養育費などの離婚条件を話し合い、離婚協議書を作成しておくようにしましょう。

離婚協議書の効力

離婚協議書は、離婚の際に双方が合意した内容を書面にしたものです。離婚協議書は、その内容通りの合意が夫婦間で行われたことの証拠となるものです。

しかし、あくまでも個人間の契約書にすぎません。そのため、離婚協議書をもとに強制執行をして支払いを強制させることはできません。

例えば、離婚協議書に離婚慰謝料の合意が定められているのに、相手が任意に離婚慰謝料を支払わないという場合であっても、離婚協議書の存在だけでは、相手の財産に強制執行をして、財産を強制的に回収することはできないのです。

強制執行をするためには、強制執行によって実現を予定される債権の存在及び範囲などを表示した公の文書である債務名義が必要となりますが、離婚協議書は私的な契約書にすぎませんので、債務名義とはなりません。どのような文書が債務名義になるかは、民事執行法に定められていますが、確定判決、調停調書、強制執行認諾文言のある公正証書などが該当します。

離婚協議書を強制執行認諾文言のある公正証書で作成すると、強制執行をすることができます。相手方が任意に支払いをするとは限りませんので、もしもの場合に備えて、離婚協議書は強制執行認諾文言付きの公正証書で作成しておくとよいでしょう。

離婚協議書を作成するときに知っておきたいポイント

離婚協議書に入れるべき内容や作成方法など、離婚協議書を作成するときのポイントを解説します。

(1)離婚協議書の形式

離婚協議書は、離婚届のような決まった様式の書面があるわけではありません。離婚協議書の書式例については、書籍やインターネットで紹介されていますので、参考にするとよいでしょう。

ただし、紹介されている書式は一般的な内容となりますので、自分のケースで具体的にどのような内容で作成したらよいかについては、一度弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

(2)離婚協議書に記載するべき内容

離婚の際に、話し合って合意すべき内容については、夫婦によって異なります。
例えば、結婚後すぐに離婚する場合、同居期間中に夫婦で形成した財産がないのであれば、財産分与について話し合う必要はありません。

また、未成年の子どもがいる場合、親権者をどうするかの話し合いは必須ですし、養育費についても話し合う必要があるでしょう。
一般的に、離婚の際に夫婦で話し合って離婚協議書に記載する項目は次の通りです。

  • 離婚に合意し、協議離婚すること
  • 離婚届提出日(いつまでに)、提出者
  • 財産分与(分与する財産の特定、支払う側・受け取る側の特定、支払う額、支払い方法、支払日など)
  • 年金分割
  • 慰謝料(支払う側・受け取る側の特定、金額、支払い方法、支払日など)
  • 養育費(支払う側・受け取る側の特定、金額、支払い方法、支払日、支払いの終期、事故や病気で特別な出費が必要になった場合の双方の負担をどうするかなど)
  • 未成年の子どもの親権者・監護者の決定
  • 面会交流(面会の頻度、面会の時間、子どもの受け渡し方法など)
  • 強制執行認諾文言付き公正証書を作成することの同意
  • 同じ書面を2通作成し、1通ずつ保管する旨

最後に、夫婦2人がそれぞれ氏名・住所を記入し、署名押印します。上記のような離婚条件の話し合いを弁護士に任せることもできます。その場合には、弁護士が離婚協議書を作成し、弁護士が代理人として氏名・住所を記入して押印することになるでしょう。

(3)離婚協議書は夫婦で1通ずつ手元に保管

離婚協議書は、夫婦の離婚の際の約束事を書面にしたものです。後でトラブルが生じたときには、合意の存在及び内容についての証拠になりますので、同じ内容のものを2通作成して、1通ずつ手元に保管しておくようにしましょう。

原本は無くさないように保管して下さい。原本を無くしてしまった場合には、写真やコピーでも一定の証拠にはなりますので、スキャンしたりコピーを取ったりするなど、複数の方法で保管しておくとよいでしょう。

法的な強制力をもつ公正証書を作成するべき理由

離婚協議書は私的な文書ですので、約束が守られなかった場合に、それを根拠として、相手方の財産に強制執行をして支払いを強制することはできません。
慰謝料や養育費の支払いなどは、約束した通り支払われるのが理想ですが、残念ながら、何らかの理由で支払いが滞るというトラブルが発生するケースも少なくありません。

このようなトラブルを防ぎ、またトラブルが発生してしまった場合に速やかに対処するために、金銭を支払う約束がある場合には、公証役場で強制執行認諾文言のある公正証書を作成しておく方がよいでしょう。

強制執行認諾文言のある公正証書があれば、支払う側に「強制執行されるくらいなら約束通り自主的に支払おう」という意識が働き、未払いを事前に防ぐ効果があります。また、未払いが生じた際には、速やかに強制執行という手段を検討することができます。

離婚協議書を作成する際によくある疑問

実際に離婚協議書を作成する際によくある疑問について説明します。

(1)離婚協議書を作成するタイミングは?

離婚協議書を作成するタイミングについて、法律上の決まりはありません。

離婚の同意が得られると、すぐに離婚届を役所に提出して離婚してしまう夫婦も少なくありませんが、それはお勧めしません。離婚の際に条件について話し合わずに離婚し、離婚後に話し合うことには次のようなリスクがあるためです。

  • 引っ越して音信不通になるなど、話し合い自体が困難になる
  • 離婚を強く希望する人がその希望を達成してしまうと、他の条件について話し合う動機・メリットがない(離婚に応じてもらうために、慰謝料や財産分与などの離婚条件について真摯に話し合うという人は少なくない)

したがって、離婚協議書は、離婚届の提出前に作成するようにしましょう。

(2)離婚協議書作成後の内容変更はできる?

基本的に、一度双方が合意して離婚協議書を作成した後に、後から「やはりここはこうしてほしい」と主張して、一方的に内容を変更することは困難です。双方が再度話し合って内容の変更に合意することができれば、後から内容を変更することはできます。

しかし、支払う金額が増えるなど変更後の内容が相手方に不利になる場合には、変更を拒否されるおそれがあります。したがって、最初の離婚協議書を作成して双方が押印する前に、記載内容について不備がないか、他に話し合って合意すべき事項がないかなどについて、慎重に検討するようにしましょう。

弁護士などに相談して、不備がないか確認することもできます。ただし、養育費については、離婚時に予測できなかった事情の変化があり、当初取り決めた金額が妥当とは言えなくなる場合があります。

このような場合には、増額ないし減額を請求できる可能性があります。
例えば、会社の倒産による失業で収入が激減した、再婚して再婚相手が子どもと養子縁組したなどの事情の変化があった場合に、養育費の増額や減額を求めることができるのです。

話し合いで増額・減額に合意できなければ、家庭裁判所に調停を申立てることもできます。調停の場で話し合いをしても合意が得られない場合には、審判に移行します。審判では、裁判所が家庭の様々な事情を考慮して養育費の減額・増額が妥当かを判断することになります。

【まとめ】離婚をする際は、後のトラブルを防ぐため、離婚協議書の作成を

本記事をまとめると次のようになります。

  • 離婚協議書とは、離婚の際に、財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことをいう
  • 離婚協議書は、その内容通りの合意が夫婦間で行われたことの証拠となるもの
  • 離婚協議書をもとに強制執行をして支払いを強制させることはできないが、強制執行認諾文言付きの公正証書で離婚協議書を作成すれば、裁判をして確定判決をとらなくても、強制執行をすることができる
  • 離婚協議書は、離婚届のような決まった様式の書面があるわけではない
  • 離婚協議書は、離婚届の提出前に作成すること
  • 離婚協議書の内容をあとで一方的に変更することは基本的にできない。そのため、離婚協議書を作成する前にしっかりと夫婦間で話し合いをし、内容を確認すること

協議離婚は、離婚に合意して離婚届を役所に提出することで成立しますが、離婚届を提出する前に、離婚の際の条件について話しあって離婚協議書を作成することをお勧めします。

夫婦関係からして当事者間で冷静に話し合うことが困難という方や、話し合うこと自体がストレスで話し合いをしたくないという方、自分で離婚協議書を作成したが弁護士のアドバイスが欲しいという方もいるかもしれません。

弁護士は、本人の代わりに離婚や離婚条件の交渉をし、離婚協議書を作成することができますし、公正証書の作成を希望する場合にはその対応も可能です。離婚協議書の作成や交渉でお困りの方は、離婚問題を取り扱うアディーレ法律事務所への相談をご検討ください。

アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※)。
(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)

さらに、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることはありません(2023年6月現在)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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