離婚したら保険証はどうなる?必要な手続をケース別に解説!
作成日
2023/05/20
更新日
2023/10/19
- ※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。
目次
しかし、健康保険の切り替え手続の方法はそれぞれの状況によって異なるため、「どんな手続が必要かわからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、離婚後の健康保険の切り替え手続の方法をケース別に解説します。離婚後に保険料が支払えなくなった場合の対処法なども紹介していますので、あなたの状況と照らし合わせて、手続方法を確認してみてください。
離婚しても健康保険の手続は自動的に行われない
離婚しても、自動的に健康保険の手続は行われません。
しかし、日本では、国民全員に医療保険の加入を義務付ける「国民皆保険制度」を採用しているため、あなたの状況に応じて自分で健康保険の切り替え手続を行う必要があります。
特に、配偶者の社会保険に被扶養者として加入していた場合や、配偶者を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合は、必ず切り替え手続をしましょう。
健康保険の切り替え手続をしないデメリット
-
病院での診療・治療費が10割(全額)負担になってしまう
-
未加入期間の分の保険料をまとめて請求(最大2年間)される可能性がある
そのため、離婚後は速やかに健康保険の切り替え手続を行ったほうがよいでしょう。
【状況別】離婚に伴う保険証の切り替え手続
保険証の切り替え手続の方法は、現在の健康保険の加入状況と、今後の働き方によって異なります。
(1)配偶者が被保険者の社会保険に被扶養者として加入している場合
そのため、まずは配偶者の勤務先で扶養から外れる手続をしてもらい、扶養から外れたことを証明する「資格喪失証明書」を取得しましょう。
新しい健康保険への加入方法は、今後の働き方によって異なりますので、以下で解説していきます。
(1-1)離婚後は会社員として働くケース
(1-2)離婚後すぐに就職せず、親などの扶養・世帯に入るケース
自営業者の親の世帯員になる場合、自分で国民健康保険に入らなければなりません。これは、国民健康保険には扶養制度がないためです。
市区町村役場に「資格喪失証明書」を提出し、資格喪失から14日以内に国民健康保険への加入手続をしましょう。
(1-3)上記以外のケース
- 自営業者として働くケース
- 働くことも親の扶養に入ることもせず、貯金で生活するケース など
(2)配偶者が世帯主の国民健康保険に世帯員として加入している場合
離婚すると、通常は別居して住民票を移す(世帯分離する)ため、国民健康保険の世帯主変更または社会保険への加入手続きが必要です。
新しい健康保険への加入方法は、今後の働き方によって異なりますので、以下で解説していきます。
(2-1)離婚後は会社員として働くケース
社会保険に加入できたら、市区町村役場で国民健康保険の脱退手続をしましょう。
(2-2)離婚後すぐに就職せず、親などの扶養・世帯に入るケース
会社勤めの親の扶養に入る場合、親の勤務先で社会保険への加入手続をしてもらいます。
自営業者の親の世帯員になる場合、自分で国民健康保険に入らなければなりません。これは、国民健康保険には扶養制度がないためです。
市区町村役場で、国民健康保険への加入手続をしましょう。
(2-3)上記以外のケース
- 自営業者として働くケース
- 働くことも親の扶養に入ることもせず、貯金で生活するケース
【現在住んでいる市区町村から転居する場合】
- 国民健康保険資格喪失手続(転出元の市区町村役場)
- 国民健康保険加入手続(転出先の市区町村役場)
- 世帯変更手続(市区町村役場)
(3)離婚前から自分が被保険者の社会保険に加入している場合
すでに自分の勤務先の社会保険に加入していれば、脱退や加入の手続は必要ありません。
ただし、姓が変わる場合は申し出が必要なこともあるため、詳しくは担当部署(人事など)に確認しましょう。
今後、子どもを扶養しない場合、子どもの「資格喪失証明書」も必要です。
(4)離婚前から自分が世帯主の国民健康保険に加入している場合
ただし、現在住んでいる市区町村から転居する場合は、以下のような手続が必要です。
- 国民健康保険資格喪失手続(転出元の市区町村役場)
- 国民健康保険加入手続(転出先の市区町村役場)
離婚後、子どもの保険証はどうなる?
離婚後あなたが子どもを扶養する場合、子どもの保険証も切り替え手続が必要です。
子どもの分も、ご自身の保険証と同じ方法で手続できます。
①夫を通じて、夫の会社に自分と子どもの分の健康保険証を返却してもらう
②夫の勤務先から自分の分と子どもの分の「資格喪失証明書」を送ってもらう
③勤務先の社会保険、または国民健康保険の加入手続をする
夫が会社に必要書類を提出すると、妻や子どもは夫の勤務先の健康保険を使うことができなくなるため、速やかに保険の切り替え手続を行いましょう。
離婚後に切り替え前の保険証を使ってしまったらどうなる?
しかし、誤って離婚前の保険証を使ってしまうと、後日「自己負担分を除いた医療費」を返還しなければなりません。
このようなトラブルを防ぐためにも、離婚後はできるだけ速やかに保険証の切り替え手続をするとともに、古い保険証は必ず返却しておきましょう。
離婚後に保険料が支払えなくなった場合の対処法
そのため、保険料が支払えなくなったら、まずは市区町村役場の国民健康保険課窓口に相談しましょう。
保険料の決定通知書を受領したあと、初回納付期限までに相談や手続を行いましょう。
なお、健康保険だけでなく年金の支払いについても免除や猶予の制度がありますので、併せて相談してみるとよいでしょう。
【まとめ】離婚しても保険証は自動で切り替わらない!勤務先や役場で手続を
そのため、ご自身の状況に応じて速やかに手続をしましょう。
わからないことや不安なことは、市区町村役場の窓口や勤務先の担当部署に相談してみてください。
離婚の際は、保険証の切り替え以外にもやるべきことがたくさんあります。
少しでも負担を減らしたいとお考えであれば、離婚条件の交渉や取決めなどを一貫して弁護士に依頼し、サポートしてもらうことをおすすめします。
アディーレ法律事務所のチャンネル
慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。
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