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離婚時は生命保険の見直しを!契約者や受取人、保障内容の変更を解説

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リーガライフラボ

「離婚することになったけど、生命保険の契約内容にまで気が回っていなかった!」

離婚の際には、財産分与、親権、養育費など、様々な条件について話し合う必要があります。
その中で忘れがちなのが、生命保険などの民間の保険の見直しです。
夫婦は、お互いを保険金の受取人として生命保険に加入している場合が少なくありません。
離婚後は、夫婦関係を解消し、基本的にはそれぞれ独立して生活していくことになりますので、受取人の変更を視野に入れるべきでしょう。
今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 離婚する夫婦の生命保険について
  • 子どもの生命保険・学資保険について
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚するとき生命保険は解約・契約内容の変更どちらを選ぶべき?

離婚の際には、家計から費用を支出していた夫婦や子ども名義で加入している生命保険の見直しが必要です。
まずは、加入している保険を確認します。そして、それぞれの保険の保障内容を確認して、個別に、解約するか契約内容を変更して継続するかを決めます。
解約すると、加入者の状況によっては再加入が困難であったり、再加入できても保険料が高くなったりすることがあるため、詳しくは保険会社に事前に確認するようにしましょう。

契約内容を変更して継続する場合には、契約者や受取人の変更などに加えて、住所変更など必要な手続きも行うようにします。

解約する際に解約返戻金が生じる保険の場合は、実際に解約しなくても、別居時の解約返戻金相当額が財産分与の対象となりますので、注意が必要です。

離婚時の夫婦の生命保険の見直し方

次では、具体的な生命保険の見直し方について説明します。
生命保険とは、一般的に人の生死に関して保険金が支払われる保険のことを指します。
死亡した場合に保険金が支払われる保険を、特に死亡保険ということもあります。

(1)死亡保険の契約者・被保険者の確認

死亡保険とは、加入者である被保険者が死亡した場合や重い障害が残った場合に、遺族・家族などに対して保険金が支払われる保険です。
大きく分けて、「定期型(一定期間の保障)」「終身型(一生涯の保障)」「養老型」があります。
定期型は、一定期間に死亡した時のみ保険金を受け取ることができ、通常解約返戻金はありません。保険期間中に死亡しなかった場合には保険金は受け取れませんので、掛け捨てとも呼ばれます。

終身型は、一生涯保障を受けることができ、解約した時には解約返戻金を受け取ることができます。加入期間によっては、支払い済みの保険金額よりも解約返戻金の方が高額になることもあり、貯蓄性のある保険です。
養老型は保険と貯蓄を兼ねたもので、保険は一定期間で、保険期間に死亡した場合には保険金が支払われ、満期時には保険金と同額の満期保険金が支払われます。保険期間中に解約しても、保険加入期間に応じた一定の解約返戻金を受け取ることができます。

保険内容を確認したら、「契約者」「被保険者」「保険金受取人」を確認します。
契約者とは、死亡保険の契約者のことで、保険の変更解約などの権利を有しています。
被保険者とは、死亡保険の支払事由の対象になる者のことで、この者が死亡すると保険金が支払われることになります。
保険金受取人とは、保険金を受け取ることができる権利を有する者です。
もし、「契約者=配偶者」「被保険者=自分」となっている場合で、自分が死亡保険の継続を希望する場合には、契約者の変更(名義変更)手続きを行います。

保険によっては、契約者の変更が認められないこともありますので、具体的な手続きについては保険会社に確認するようにします。
継続不要であれば、配偶者に解約の手続きをしてもらうとよいでしょう。
「契約者=配偶者」「被保険者=配偶者」「受取人=子ども」となっている場合、万が一のケースに備えて、元配偶者に対して、離婚後も、受取人を変更せずに契約の継続を希望する方は少なくありません。

しかし、保険契約の解約、契約内容の変更は契約者である配偶者が決める権限を有していますので、継続を要求できる根拠はありません。
ただし、解約返戻金のあるタイプの保険であれば、別居時の解約返戻金相当額について、財産分与を請求することはできます。

(2)死亡保険金の受取人は誰にする?

継続する保険について、「死亡保険金の受取人=配偶者」としている場合には、離婚の際に、受取人を子どもや自分の親族(親や兄弟姉妹など)変更するのが一般的です。

(3)その他必要な手続き

離婚に伴い、契約者・被保険者の改姓・改名に伴う変更、住所などの変更、保険料払い込み方法の変更、配偶者特約などの変更手続きなども必要になります。

離婚時の子どもの生命保険・学資保険の見直し方

夫婦に子どもがおり、子どもに生命保険や学資保険を掛けている場合には、それらの契約の見直しも必要になります。

(1)子どもの生命保険

基本的に、夫婦の生命保険と同じように見直します。
保険金は夫婦のどちらかが支払っているのが通常ですので、子どもの生命保険も夫婦の共有財産とみなされます。夫婦別居時の解約返戻金相当額が財産分与の対象となります。

(2)子どもの学資保険

学資保険についても、契約者・被保険者・保険金受取人が誰になっているのかを確認します。
基本的には、次のように、夫婦の生命保険と同じように見直します。

「契約者=配偶者」となっている場合で、親権者となって子どもを引き取る自分が学資保険の継続を希望する場合には、契約者の変更(名義変更)手続きを行うようにします。
「契約者=配偶者」のままだと、配偶者(離婚後は元配偶者)が、自分の判断で解約することが可能だからです。
「受取人=配偶者」となっている場合には、受取人を自分又は子どもに変更することも忘れないようにします。

保険によっては、契約者の変更が認められないこともありますので、具体的な手続きについては保険会社に確認するようにします。
契約者の変更が認められない場合、離婚後も、元配偶者に対して、学資保険を解約せず、かつ受取人を自分又は子どもに変更するように希望する方は少なくありません。
保険の解約・契約内容の変更は契約者の権利ですので、法律上の根拠をもって「解約しないように」と要求することはできません。しかし、当事者の話し合いによりそのように合意し、離婚条件の一つとして書面に残すことはありますので、当事者でよく話し合うようにしましょう。

継続不要であれば、解約の手続きをします。
また、学資保険は、親が子の将来の教育資金のために保険金を支払ってきたものですので、その実質は夫婦の共有財産であり、財産分与の対象となることには注意が必要です。
具体的には、夫婦別居時の解約返戻金相当額が財産分与の対象となります。

離婚時の損害保険の見直し方

損害保険は、事故などで生じた損害を補償してもらう保険です。
その種類は非常に多く、自賠責保険、自動車保険、火災保険、地震保険、傷害保険、医療・介護保険、個人賠償責任保険など様々な保険があります。

例えば、離婚の際に自動車の名義変更を行う際には、自賠責保険や自動車保険の変更手続きが必要です。

また、離婚の際に住宅の名義が変更するのであれば、火災保険、地震保険など住宅に関連する保険の変更手続きが必要になります。

具体的にどのような変更手続きを要するかは、保険によって異なりますので、事前に保険会社に問い合わせて確認するようにしましょう。

貯蓄型の生命保険・学資保険は離婚時には財産分与の対象になる

解約の際に解約返戻金が支払われる貯蓄型の生命保険・学資保険などは、夫婦の共有財産として、離婚の際に財産分与の対象となります。
具体的には、別居時の解約返戻金相当額が対象となります。保険会社に対して、ある時点での解約返戻金はいくらになるのか問い合わせると、回答がもらえます。
ただし、学資保険については、離婚当事者が子の教育費のためのもので財産分与の対象としないとするのであれば、財産分与の対象としないこともできます。
離婚の際に、夫婦でよく話し合うようにしましょう。

離婚後の保険加入は保障内容と保険料に注意

離婚後、未成年の子どもの親権者となる場合には、今までの保険を見直すとともに、将来の自分と子どもの生活に備えて別途保険に加入することを検討してもよいかもしれません。
その際には、保障内容と自分の収入に対する保険料が占める割合を考慮して、保険料が家計を圧迫しないように注意しましょう。

【まとめ】離婚時は生命保険の保障内容について再確認し、必要なら契約者や受取人の変更を検討しましょう

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚の際には生命保険や学資保険、損害保険などの見直しが必要
  • 各保険の契約者、被保険者、受取人を確認し、解約するか契約者・契約内容を変更して継続するかを決める
  • 保険契約の解約、契約内容の変更は契約者が決める権限を有している
  • 解約返戻金のある保険は原則として財産分与の対象となる
  • 具体的な変更手続きや解約返戻金額については、保険会社に問い合わせて確認する

保険の見直しをどのようにしたらよいか不安な方は、保険の見直しについてはファイナンシャルプランナーに相談してみるとよいでしょう。
離婚の際の配偶者との交渉や、財産分与、離婚協議書の作成などでお悩みの方は、離婚を取り扱っている弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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