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離婚前後の引っ越しについて、注意すべきポイント4点

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夫婦が離婚をすれば、それまで同居していた場合は双方又は片方が引っ越しをし、別居することになります。
これから離婚を考えている方は、引っ越しのタイミングや費用について考える必要が出てきます。

引っ越しは離婚の前にするのがいいのか、離婚した後がいいのか。
引っ越し費用については家計から支出しても良いのか。
離婚前・離婚後に引っ越す場合のメリットやデメリットは何なのか。

ここでは注意すべきポイント4点にまとめて、これらの疑問にお答えしていきます。

離婚前後の引っ越しポイント(1)離婚前の引っ越しは「同居義務違反」になるリスクがある

離婚前の引っ越しは注意が必要です。
なかなか配偶者が離婚に同意をしてくれない場合は「とりあえず別居をして」と考えるかも知れません。

しかし法律上、夫婦には「同居」「協力」「扶助」の義務があり(民法第752条)、離婚前の引っ越しは、これらの義務に違反してしまう可能性があります。
そうなれば、配偶者から同居義務違反等として婚姻費用や慰謝料を請求されるリスクがあるのです。

ただ、例えば「単身赴任や長期入院等、止むを得ず同居生活を送れない」「配偶者のDVや子どもへの虐待から取り急ぎ避難したい」といった正当な事由のある場合には、同居義務違反とはなりません。

なお、配偶者が離婚に応じない場合であっても長期間別居状態が続くことにより、裁判上で離婚の認められる法定離婚事由である「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法第770条1項5号)が認められ、離婚が成立する場合もあります。

この「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められるかどうかは、別居の「期間」だけではなく、正当な理由による別居かどうか、そういった諸般の事情も考慮されます。
そのため、「期間」については一律に決まっているわけではありません。判例からすると、5年未満の別居状態では難しいようです。15年以上では認められるケースが多くなっています。

離婚前に引っ越しをしたい場合には、この同居義務違反になるかどうか、正当な理由があると認められるか、といった点を弁護士に相談してから進めることをおすすめします。

離婚前後の引っ越しポイント(2)引っ越し費用を配偶者に請求できる法制度はない

  1. 離婚後の引っ越し費用

    同居している夫婦が離婚した場合、離婚後、双方またはいずれか一方が同居していた家を出て引っ越し先に移転しなければならなくなります。
    その場合、引越しをする費用も必要ですので、その費用を元配偶者に対して請求したいところです。

    ですが、残念ながら離婚後に元配偶者に引っ越し費用の支払いを請求できる権利は法律で定められていません。
    もっとも、離婚について合意する際に、交渉次第では、慰謝料や財産分与の算定の中に引越し費用などを考慮して合意することにより元配偶者に引っ越し費用を支払ってもらえる可能性もあります。

  2. 離婚前の引っ越し費用
    婚姻中は、婚姻費用を分担する義務がありますから(民法第760条)、婚姻費用を配偶者に対し請求することができます。
    しかし、これはあくまで婚姻費用であり、原則として引っ越し費用は含まれません。

例外的に、例えば単身赴任など仕事上の都合で双方合意の上で別居し、引っ越す場合などであれば婚姻費用として請求が可能となる場合もあります。

離婚前後の引っ越しポイント(3)持ち出す家具等の選定は、慎重に

引っ越しをするとなれば、生活するために当座の家財道具が必要となります。
しかし、引っ越し前の家から家具を持ち出すにあたり、何を持ち出すかでトラブルになるケースもあるため、以下注意点を解説します。

(1)婚姻期間中に購入した家具は、基本的には「共有財産」となる

共有財産とは、婚姻生活を通して夫婦が協力して築いた財産のことです。

共有財産となるかどうかは、財産の名義によるのではなく、実質的な判断によります。
例えば、銀行口座や不動産などは名義が夫婦の一方であることが多いでしょうが、名義が夫、妻のどちらであったとしても共有財産となります。

共有財産は、自分のものであると同時に配偶者にも所有権があるため、引っ越し時に無断で持ち出すとトラブルの火種になる可能性があるのです。
そのため、共有財産については相手に無断で持ち出すことは控える方が無難と言えます。

なお、共有財産であるかを判断するポイントは、その財産が「夫婦の協力によって築かれたものかどうか」です。
ですので、結婚前から所有していた財産や、実家から相続した財産や贈与された財産等は「特有財産」として共有財産とは別個に扱われるため、自分の「特有財産」について優先的に持ち出すと良いでしょう。

(2)引っ越し時に後悔しないように、「財産分与」でしっかり取り決めをしておこう

「財産分与」とは、離婚にあたり、夫婦で築いた財産を精算、分配することです(民法第768条1項)。

引っ越し時に「共有財産」である高級家具や大型家電等をどちらが引き取るかトラブルにならないよう、「財産分与」で互いの持ち分についてしっかり取り決めをしておく必要があります。

財産というと、お金をイメージするものですが、お金以外の財産も対象となります。
例えば、土地や建物などの不動産、自動車、家財道具のほか、飼っているペットや投資信託などの有価証券、各種会員権、夫婦の一方の退職金なども財産分与の対象となり得ます。

実際にどのくらいの割合で財産を分けるかについては財産を築き上げた貢献度に応じて決まりますが、一般的には夫婦各々2分の1が原則です。

これは専業主婦や専業主夫の場合でも同じです。
家事労働によってもう一方の労働を支え夫婦の資産形成に貢献したと考えられているためです。

個別の事情によって割合は変わりますので、夫婦の一方の寄与度が他方よりも高い場合には、寄与度の高い側が多額の財産分与を受けることもあります。
なお、お互いの合意があれば、これに関係無く自由に分けることもできます。

財産分与について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

離婚時に知っておきたい財産分与とは?大切な財産を失わないための基本を解説

離婚前後の引っ越しポイント(4)事前に引っ越し後の生活の目処を立てておく

その場の勢いで離婚に踏み切ったり引っ越しを決行したりすると、離婚後の生活が立ち行かなくなる可能性があります。

以下の事項を参考に、事前に引っ越し後の生活が成り立つかどうか目処を立てておきましょう。

別居していても、離婚前の生活費は「婚姻費用」として請求できる

同居か別居かにかかわらず、婚姻期間中の生活費等は婚姻費用として夫婦の収入に応じて分担しなければなりません(民法第752条、同第760条)。

例えば配偶者よりも収入が低い場合や子どもを養育している場合等には、配偶者に婚姻費用を請求できる可能性もあります。
婚姻費用の分担が公平でなかったり、別居等によって婚姻費用の未払いがあった場合は、離婚時の財産分与で清算できます。

(1-1)離婚後に「生活費」を元配偶者に請求できる法制度はない

先に述べた「婚姻費用」はあくまで婚姻中の夫婦の生活費です。
ですから、離婚後の生活費を元配偶者に請求できる法的根拠はありません。

ただ、相手が財産分与として合意した場合や、裁判所の判断によっては『扶養的財産分与』として財産分与時に一定の扶養的意味合いを加味した財産(離婚後の生活費)を受け取れる可能性もあります。

なお、養育費は生活費とは別個のものです。
子どもの親権者となった場合、子どもの将来のために養育費を確保することを忘れてはいけません。

衣食住、教育、医療など、看護教育に必要な費用は父母の間で分担することになります。
この場合、監護親である一方に対し、他方から支払われる分担金が養育費になります。

(1-2)離婚後、経済的な自立が難しくなりそうなら検討しておくべきこと

離婚後の生活の収支を見積もり、経済的に自立した生活を送っていけるかあらかじめ確認しておきましょう。

裁判所のホームページに掲載されている「家計収支表」を確認の参考として使うのもおすすめです。
これは自己破産を申立てる場合に使用する雛形ですが、一般的な収支項目が網羅されていますから、項目漏れを防止できるといったメリットがあります。

参考:申立て等で使う書式例|裁判所 – Courts in Japan

経済的な自立が難しくなりそうな場合、離婚を断念することも検討せざるを得ないこともあるでしょう。

しかし、婚姻生活に耐えられないなら継続する必要はありません。
その際には、公的支援を受けることも選択肢に入れてみてください。

【まとめ】離婚前後の引っ越しでお悩みの方は、弁護士にご相談ください

離婚の前に別居を考えている方、そして離婚後に引っ越しをする必要がある方にとって、引っ越しのタイミングや持ち出せる家財道具、別居後の生活など、いろいろ考えなければならないことがあります。

その中で特に

  1. 離婚前の引っ越しは、同居義務違反等で予期せぬトラブルを引き起こすリスクがあること
  2. 引っ越しの際に持ち出す家財道具については、「共有財産」として無断で持ち出すとトラブルに繋がるケースもあること

この二点にはご注意ください。

引っ越し後、新しく生活を立て直すためにも、あらかじめ引っ越し後の生活について目処を立て準備を整えておきましょう。

引っ越しや別居に際してリスクを減らしたり、離婚条件の金銭面の交渉を適切に進めたい方は、弁護士にご相談して進めると良いでしょう。

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