離婚届はネットでダウンロード可能!離婚届を記入する際の注意点

  • 作成日

    作成日

    2023/05/20

  • 更新日

    更新日

    2024/01/26

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目次

離婚届はネットでダウンロード可能!離婚届を記入する際の注意点
離婚届は、婚姻届と同じように、市区町村役場の窓口へ行けば無料でもらうことができますが、「平日は役所に離婚届をもらいに行く時間がない」という方も多いのではないでしょうか。

しかし現在は、インターネットでダウンロードした離婚届であっても受理してもらえるようになりました。そのため、わざわざ役所まで離婚届を取りに行く必要がなくなったのです(役所によって取扱いが異なる場合があります)。

そこでこのコラムでは、離婚届をダウンロードする際の注意点に加え、離婚届の提出先・提出期限・提出方法や、記入のポイントについて解説します。

離婚届をダウンロードする際の注意点

ダウンロード

離婚届は、市区町村の公式ホームページなどから無料でダウンロードできますが、印刷する際にはA3サイズの用紙(感熱紙は不可)で行う必要がある点に注意が必要です。
また、離婚届の書式は全国共通ですので、ある市区町村の公式ホームページからダウンロードした書式を、別の市区町村の役所に提出することもできます。
しかし、役所によってはご自身で印刷した紙では受け付けてくれない可能性があります。
そのため、事前に提出予定の役所に対し、ダウンロードした離婚届であっても受理してもらえるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

離婚届の提出先・提出期日は?

裁判所

離婚届の提出先は、届出人(夫婦)の本籍地、または、一番近い市区町村の役場です。 離婚届の提出期限は、どの方法で離婚したかによって異なります。 離婚の方法には、基本的に次の4種類があります。

・協議離婚
・調停離婚
・審判離婚
・裁判離婚
詳しくは、「離婚の種類と手続方法」をご覧ください。
離婚方法別の提出期限は次のとおりです。
協議離婚 なし(離婚届の提出日が離婚成立日となる)
調停離婚・審判離婚・裁判離婚 調停が成立、あるいは審判・判決が確定した日から10日以内(10日を経過すると過料が課せられるおそれがあります)
なお、離婚届の提出の際には、手数料はかかりません。

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離婚届を記入する前に確認すべきこと

離婚届を記入する前に確認すべきこと
離婚届を記入する前に次のことについて確認すべきでしょう。
  1. 離婚届には証人2人の署名が必要
  2. 離婚の際に決めるべきことを整理する
  3. 離婚の際に決めたことを離婚協議書に残しておく

(1)離婚届には証人2人の署名が必要

協議離婚の場合には、離婚届に成年の証人2名の署名が必要となります。
証人の生年月日、住所、本籍の記入も必要となりますので、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。
証人は、成人であれば誰でもなることができるのですが、一般的に夫婦どちらかの両親や友人にお願いすることが多いようです。
なお、裁判所を介した離婚の場合には、証人は不要です。

(2)離婚の際に決めるべきことを整理する

離婚をするときには、以下の内容について夫婦で取り決め、整理しておきましょう。
  1. 子どもの親権者
  2. 子どもの面会交流の内容、頻度
  3. 子どもの養育費の支払い
  4. 慰謝料の支払い(不貞行為・DV行為がある場合)
  5. 夫婦の財産分与
  6. 年金分割
たとえば、戸籍が変わる人は「従前の戸籍に戻るのか、新しい戸籍を作るのか」、子どもがいる場合には「親権者はどちらにするのか」について離婚届に記入しなければならないため、あらかじめ決めなければなりません。

また、財産分与や養育費について離婚する際に決めなかったがために、離婚後にトラブルになるということもあります。
離婚後に話合いをしようとしても、たとえば、養育費や財産分与など金銭を支払う側は、合意すると金銭を支払う義務を負うことになりますので、あえて話合いをしようとせず、話合い自体が困難になるケースもあるのです。
離婚後のトラブルを防ぐためにも、離婚届を提出する前に、きちんと取り決め、整理しておきましょう。

(3)離婚の際に決めたことを離婚協議書に残しておく

離婚協議書

離婚の際に決めたことについては、「離婚協議書」という形できちんと書面に残しておきましょう。 「離婚協議書」とは、 離婚の際に財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて取り交わした約束を書面化した契約書のことです。
離婚の際に、財産分与や養育費などについて話し合ったとしても離婚協議書を作成しないでいると、あとで、「そんな約束はしていない」など、言った・言っていないで、財産分与や養育費の金額や支払方法などを巡ってトラブルが生じることがあります。
離婚後に、元妻や元夫との間で、このようなトラブルや困難を抱えなければならないのは得策ではありません。離婚協議の場合には、財産分与や養育費などについてきちんと離婚協議書を作成しておくようにしましょう。

離婚協議書は公正証書にしておくのがおすすめ

夫婦で作成した離婚協議書は、公証役場で 「公正証書」にすることができます。
公正証書とは、公証人が作成した、離婚協議書の内容に強力な証拠力を持たせた公文書です。
離婚協議書を公証役場に持参すれば、公証人が、離婚協議書を元に、文言を整えて公正証書を作成してくれます。
金銭の支払いを目的とする事項を取り決めた際には、忘れずに、「強制執行認諾文言」を入れるようにしましょう。この文言があれば、相手方が支払いを怠った場合にも、スムーズに相手の給与や預金を差し押さえる手続ができます。
ただし、差押えをする場合、相手方の勤務先や預金口座などが必要です。

離婚届を記入する際の注意点

離婚届には書式があり、間違いのないように記入する必要があります。

離婚届を記入する際には、鉛筆や消せるペンは使用せず、ボールペンや万年筆など、消せないペンで記入するようにしましょう。 間違えた場合には、新しい用紙に書き直すか、修正テープや修正液を使わずに二重線で消したうえで訂正印を押し、修正します。
本籍・住所・氏名は、戸籍どおり正確に記入しましょう。

離婚届の提出方法

離婚届の提出方法は、3種類あります。
  • 当事者(双方または片方)が窓口に持参
  • 郵送
  • 使者(第三者に代わりに窓口で提出してもらう)
早く離婚したい場合、確実なのは当事者が窓口に持参する方法です。
窓口に持参した場合、離婚届に不備があったとしも、その場で修正して再度提出することができるかもしれません。離婚届に押印したのであれば、その印鑑を持参するようにしましょう。

窓口が開いていない夜間などの時間外でも、離婚届の提出自体は可能ですが、不備があった場合はあとで連絡が来ます。
その際は、窓口が開いている時間帯に再度役所を訪れるなどして修正し、再度提出する必要があります。

離婚届と併せて提出する書類

離婚届を提出する際には、併せて提出が必要な書類がある場合があります。
役所と何度もやり取りを行うのは面倒だと思いますので、ここできちんと確認しておきましょう。

(1)離婚の方法にかかわらず提出が必要な書類

離婚届を本籍地にある市区町村の役場以外に提出する場合、夫婦の戸籍謄本の提出が必要です。 本籍地のある市区町村に提出する場合には、夫婦の戸籍謄本を提出する必要はありません。 さらに、氏名の変更がある方でマイナンバーカードをお持ちの方は、マイナンバーカードの氏名を変更する必要があるため、マイナンバーカードをお持ちいただくとよいでしょう。

(2)協議離婚の場合

離婚届を持参する方の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)の提示が必要です。
夫婦2人で提出する場合には、夫婦2人の本人確認書類の提示が必要となります。
なお、夫婦の一方しか本人確認ができなかったときには、本人確認がとれなかったもう一方に対し、離婚届の提出があったことを知らせる郵便が届きます。

(3)裁判所を介した離婚の場合

裁判所を介した離婚の場合、調停調書、和解調書、審判書、判決書などの謄本と確定証明書が必要です。

【まとめ】離婚届を提出する前に、離婚に関する約束事を書面にしておこう

離婚届は、市町村役場の窓口でもらう以外にも、インターネットでダウンロードすることもできます。
ただし、役所によってはダウンロードして印刷した離婚届を受け付けてくれない可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。

また、離婚届には記入の際の注意点や提出期限、併せて提出が必要な書類などもあることを覚えておいてください。

ですが、離婚を何度も経験する人はあまりいません。慣れない手続にわからないことも多いと思います。
離婚手続でお困りの方は、弁護士やお近くの市区町村役場へご相談ください。
離婚問題についてもっと詳しく知りたい方は、「離婚問題の知識と法律」をご覧ください。

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この記事の監修弁護士

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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