離婚を後悔する6つの理由とは?後悔しないためにすべきことも解説

  • 作成日

    作成日

    2023/07/20

  • 更新日

    更新日

    2023/07/20

  • アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

目次

もし、今あなたが離婚を考えているとしたら、この記事にぜひ目を留めてみてください。

耐えられない婚姻生活に終止符を打ち、残りの人生を充実させたいと願うことは、とても前向きで素晴らしいことです。
しかし、現実には離婚によって後悔するケースも多くあります。

後悔しない離婚のためには、離婚後の生活について考え、きちんと準備しておくことが重要です。

この記事では、
  • 離婚を後悔する理由
  • 後悔しない離婚のためにしておくこと
  • 離婚を弁護士に相談するメリット
について、弁護士が詳しく解説します。

離婚を後悔する6つの理由

実際に離婚を後悔している人達は、どのような理由から離婚を後悔しているのでしょうか。
離婚をする前に次に挙げる離婚を後悔する理由を知り、後悔しないように準備していれば、離婚という選択をしても後悔せずに済むかもしれません。
1.経済的に苦しい
2.子どもに負担をかけることがつらい
3.離婚の話し合いをすればよかった
4.仕事と家事を1人でするのが大変
5.周囲の目が気になる
6.1人が寂しい
それぞれ見ていきましょう。

(1)経済的に苦しい

離婚後、一人(もしくは子どもを含む)で生活してみると、経済的に苦しくなったことを後悔することがあります。
特に、婚姻中に専業主婦(専業主夫)だった場合は、離婚を機に働き始めることが多いのですが、ブランクが長い場合や、資格・経験がない場合などは新たに仕事を見つけることは難しくなります。
また、子どもがいる場合は子どもの預け先の問題などで、さらに仕事の条件が限定され、就職先を見つけることが難しくなってしまいます。

一方、婚姻中に共働きであった場合も、経済的に苦しくなるケースがあります。
たとえば、婚姻中は二人の収入で生活費を賄うのでよかったのに、離婚後は一人の収入で生活をしなければなりません。特に、夫婦で収入の格差があった場合、収入が低い方だけの収入で生活費を賄っていくことが難しいケースも多いです。

離婚の際に、子どものための養育費の支払いを決めていたとしても、安心できません。養育費の支払いが途中で止まってしまうこともあります。
残念なことですが、なかなか予定通りにいかないものなのです。

(2)子どもに負担をかけることがつらい

離婚は子どもにも大きな影響を与えます。親としては、子供に離婚による影響を与えてしまっていることをつらく感じてしまうことがあります。
離婚によって子供に与える影響としては、たとえば、次のようなものが挙げられます。
・ 同居していない親に会えないことへの寂しさ
・ 住居や学校などの生活環境が大きく変わることのストレス
・ 養育費や教育費の不足による経済的な我慢
子どもが寂しい思いや我慢している様子を見て、親としては、「子どものために自分が我慢すればよかった」と後悔してしまうのです。

(3)離婚の話合いをすればよかった

浮気や不倫が発覚し、感情的になり、突発的に離婚してしまったケースでは、離婚に向けた話合いをもっとすべきだったと後悔することがあります。

なぜなら、この場合、離婚をすることを優先するあまり、離婚後の取決めなどがおろそかになってしまうことが多いからです。

離婚後の取決めを十分にしなかった結果として、本来得られるはずの財産分与を十分に受けることができなくなってしまったり、十分な養育費の支払いを受けられなくなったりすることで、もっと話合いをすべきだったと後悔してしまうのです。

(4)仕事と家事を1人でするのが大変

離婚後、仕事と家事を一人でするのが大変だと感じ、後悔することがあります。

特に、家事をすべて、もしくは大部分を女性がしていた場合は、男性は離婚後に仕事をしながらすべての家事をすることになるわけです。

しかし、そもそも家事のやり方すら知らないことも多く、満足に人並みの生活すら送れなくなってしまうこともあります。

また、子どもがいて親権者になっている場合には、仕事に加えさらに育児もしなければならず、負担が極めて大きくなります。

(5)周囲の目が気になる

離婚が珍しくなくなったとはいえ、離婚したことに対する世間の目が気になる人もいます。

たとえば、職場の人達からご祝儀をもらった場合には、離婚後、職場の人たちに対し居心地が悪く感じてしまうことがあります。

また、「結婚に失敗した」ことで、社会的な信用や価値を下げてしまったと感じることもあるようです。

特に、離婚の原因となるのが浮気やDVなどという場合、職場や親戚の間で離婚理由が噂になってしまうこともあり、周囲の目を気にされる方もいます。

(6)1人が寂しい

離婚をしたときはホッとしていたとしても、時間が経つと寂しさを感じてしまうことがあります。

一緒に生活をしているときには当たり前に居る存在で、煩わしいとすら感じていたとしても、独りの寂しさを知れば、その「煩わしさ」も恋しくなることがあるようです。

また、離婚後親権者になれなかった場合は、子どもと暮らせなくなるため、寂しさを強く感じるようです。

後悔しない離婚のためにすべき3つの準備

これまでの説明を踏まえて、離婚後に後悔する場合としては、次の2パターンに分けられます。
• 離婚したことそのもので後悔すること
• 離婚時の取決めなどに失敗して後悔すること
ここまで見てきた後悔する6つの理由を踏まえて、離婚後に後悔しないために、次の3つの準備をしてみることをおすすめします。
ここでは、離婚を後悔しないためにしておく3つの準備について、それぞれ説明します。

(1)離婚以外の方法はないか考える

あなたが離婚を考えているとしたら、その理由はなんでしょうか。
自分の置かれている状況を改めて見直すことは大事です。
理由によっては、離婚が最適な解決法とは限らないこともあるからです。

そもそも、離婚原因は、男女ともに「価値観や性格が合わない」ことが第1位といわれています。けれど、当事者たちにとって「価値観や性格の不一致」を感じる原因がはっきりしないことも珍しくありません。

そこで、今感じている「不一致」が、どのようなもので、なぜ耐えがたいのか、離婚以外に解決方法はないのか、よく分析してみてください。

婚姻時は、離婚しか考えられなかった場合でも、離婚後、「もっと話し合えていたら離婚せずに済んだかも」と、そんな後悔をするようなケースもあります。

価値観や性格の不一致は、必ずしも離婚だけが解決方法ではありません。

話し合うことで解決するケースも多いです。夫婦でじっくり話し合い、それでも離婚という結論になれば、離婚後に後悔することは少なくなるでしょう。

さらに、その他の離婚の理由としては、次のようなものが挙げられます。
  • 「生活費を渡さない」
  • 「精神的に虐待する」
  • 「異性関係」
  • 「セックスレスなどの性的不調和」
  • 「DV」
  • 「モラハラ」
これらの理由が離婚によって解決されるのか。そして離婚以外の手段によって解決される余地はないのか。手段と方法がうまくかみ合わなければ、離婚したものの後悔することになりかねません。

(2)離婚後の生活を成立させるための準備をする

離婚したあとに生活が成り立つか、具体的にイメージしてみましょう。

生活費や子どもの養育費・教育費用など、離婚後の生活を成り立たせるために必要なお金の試算を出してみて、維持できるか計算してみてください。

その結果、離婚後の生活の維持が難しい場合であれば、離婚に踏み切る前に、離婚に向けて生活を維持できるような準備をする必要があります。
【具体例】 離婚後の生活に向けた準備
・ 専業主婦(専業主夫)の場合は職業を探す(離婚後に就職活動をするのは難しい)
・ 資格取得などをし、収入のアップを目指す
・ 離婚後の生活に向けた貯金をする
・ 働いている間、子どもを預かってくれるところを探す
・ ひとり親のための公的支援について調べる
・ 両親の援助などを受けられないかを検討する   など
特に、専業主婦である方は、離婚後自分だけで生活していく準備が必要です。

なお、ひとり親のための公的支援としては、たとえば、次のようなものがあります。

【経済的支援】
  • 児童扶養手当
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金
【住居に関する支援】
  • 公営住宅への入居の優遇
支援の内容は住んでいる自治体によっても異なるので、お住まいの自治体の支援制度について調べる必要があります。

(3)離婚時の取決めをしっかり行う

離婚時の取り決めを考えましょう。きちんと離婚時の取決めを行っておくことで離婚後に後悔することを少なくできるでしょう。

一般的に、離婚時には次のような取決めを行うことがあります。
・ 財産分与
・ 年金分割
・ 慰謝料
・ 親権者の指定
・ 養育費の額・支払い方法
・ 子どもとの面会交流
離婚の際に受け取れる財産分与・年金分割・慰謝料を確認しましょう。
ここでしっかりお金を受け取っておくことで、離婚後の生活に備えになります。

また、子どもがいる場合は、養育費の額や支払い方法、親権者の決定や、面会交流、連絡先が変更になったときの通知義務などをあらかじめ明確にしておく必要があります。

離婚後、面会交流や養育費について決めたくても、なかなか相手と連絡が取れなくなってしまうケースもあります。離婚時にきちんと決めておくことがおすすめです。

離婚後に取り決めを守られないことがないように、協議離婚の取決めもきちんと公正証書として作成しておくことがおすすめです。
公正証書は、法務省に属する機関である公証役場で公証人により作成される公文書のことです。公正証書を作成することにより、二人の間での約束が離婚後に守られる安全性を高められるメリットがあります。

離婚に関して弁護士に相談する3つのメリット

法律の専門家である弁護士に離婚問題を相談すると、次のようなメリットがあります。
  • 離婚条件についての話合いは、財産分与、慰謝料、養育費など金銭的な面が多く、一方が金銭を得ると一方が失う関係にあることから、当事者で話し合うと感情的になって話合いがまとまらない場合があります。弁護士に相談すると、交渉方法や妥協点についてアドバイスを受けることができ、話合いの膠着状態を打開するきっかけとなるかもしれません。
  • 配偶者から離婚条件を提示されても、自分ではその条件が妥当なのか判断が難しいですが、弁護士に相談すると、条件について客観的な意見を聞くことができるでしょう。
  • 相手方と話したくない、話すこと自体がストレスだという方は、相手方との交渉を弁護士に依頼して代わりに話し合ってもらうことができます。弁護士は、本人の希望を聞き、法的知識に基づいて、本人の希望を最大限実現するために相手方と冷静に交渉します。

【まとめ】後悔しない離婚のためには準備が重要!

今回の記事のまとめは次のとおりです。
  • 離婚を後悔する6つの理由
1.経済的に苦しい
2.子どもに負担をかけることがつらい
3.離婚の話合いをすればよかった
4.仕事と家事を1人でするのが大変
5.周囲の目が気になる
6.1人が寂しい
  • 後悔しない離婚のためにすべき3つの準備
1.離婚以外の方法はないか考える
2.離婚後の生活が成立させるための準備をする
3.離婚時の取決めをしっかり行う
その他、離婚問題についてよくある質問については、こちらをご覧ください。
離婚は必ずしも後ろ向きな選択ではなく、辛い婚姻生活を続けている方には婚姻生活から抜け出すための前向きな選択です。

しかし、十分な準備なしに離婚の選択をしてしまうと、特に経済的な問題から離婚を後悔されてしまう方もいらっしゃいます。

一人で考えることはつらいことでしょうから、専門知識を持つ第三者として弁護士に相談することも検討してみてください。

離婚を後悔しないためにはどういった準備が必要なのかなど離婚問題でお悩みの方は、離婚問題を取り扱う弁護士へ相談されてみてはいかかでしょうか。

離婚に関するご相談は
アディーレへ!

この記事の監修弁護士

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

林 頼信の顔写真
  • 本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

こんな記事も読まれています

FREE 0120-818-121 朝9時~夜10時・土日祝日も受付中