お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

無職で離婚!専業主婦(夫)が離婚しても生活に困らない方法は?

作成日:更新日:
kiriu_sakura

「離婚した方がいいのか迷っているけど、無職なので離婚後の生活が不安……」

このようなお悩みをお持ちの方はいないでしょうか?

現在無職である場合、離婚後の生活を案じ、離婚するかどうか悩むのは当然のことです。
特に小さな子どもがいる場合、これから教育費などのお金もかかるため、離婚へのハードルは高くなりがちです。

この記事が、離婚を検討している専業主婦(夫)の方の参考になれば幸いです。

今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 無職で離婚するときに心配なこと
  • 無職で離婚しても生活に困らないための方法
  • 配偶者が無職になった場合
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

無職で離婚するときに心配なこと

これまで専業主婦(夫)として家庭を支えてきた場合、離婚後は自分の生活費は自分でまかなう必要がありますので、離婚後の生活について心配になることが多いといえます。
特に離婚するときに心配になる事項は次のとおりです。

  • 離婚後の収入源
  • 健康保険と年金
  • 親権

(1)離婚後の収入源

一般的に専業主婦(夫)は、もう一方の配偶者が働いて収入を得ていることにより生活が成り立っています。
離婚すれば収入を得ていた配偶者がいなくなるため、基本的には自分が働いて収入を得て、離婚後の生計を立てていくことになるでしょう。

離婚準備として、離婚前に仕事を見つけて働き始めたり、離婚後、実家などで家族の助けを得ながら職探しをして働き始める方が多いようです。
そして、まだ小さな子どもを引き取って育てていく場合には、自分が働いている間は保育園に預けたり、実家で面倒を見てもらったりということも考えなければならなくなります。

(2)健康保険と年金

専業主婦(夫)の場合、婚姻中の健康保険は配偶者の扶養に入っていることが多いでしょう。
離婚すれば当然、配偶者の扶養からは外れることになりますので、離婚後は自分で健康保険に加入し、保険料を支払っていくことが必要となります。
離婚後、働き始めた会社で社会保険に加入する場合は、保険料は給与から天引きされることになるでしょう。

離婚して実家に戻る場合であれば、親など実家の家族が社会保険に加入していれば、その扶養家族になるという選択肢も考えられます。
社会保険にも入らず、扶養にも入らないということであれば、国民健康保険や国民年金に加入することになります。

収入が少ない場合などであれば、国民年金保険料の減免制度が利用できる可能性がありますので、市町村役場などに確認すると良いでしょう。

保険料の減免について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

国民年金の納付が免除になる年収ってどのくらい?免除や猶予制度の方法について

(3)親権

未成年の子がいる場合、離婚の際に親権者を定める必要があります。
無職の場合、自分が親権を欲しいと思っても、実際に親権者となれるのかどうか不安に感じる方も多いでしょう。

親権者は、夫婦の話し合いにより決定することができます。なので、ご自身が離婚後親権者となることについて配偶者が同意すれば、ご自身が親権者となることができます。
もし、夫婦双方が離婚後に親権者となりたいと考える場合には、次のようなポイントを考慮して、どちらが親権者として相応しいかを話し合うようにしましょう。

離婚時に親権を決定する際のポイントとして、主なものを3つ紹介します。

子どもの利益が守られていること

親権を獲得するために大切なポイントのひとつに、子どもへの愛情があるかどうか、というものがあります。
親権者となる人が、子どもに愛情を持って接しているかはもちろん、客観的に見て親として当たり前のこと(例えば、十分な栄養を摂ることができる食事を与えているか、衛生的に過ごすために入浴や洗濯などの身の回りの世話をしているか)ができるかどうかが重要です。

これまでの子の監護状況

将来的に、親権者として適切な行動が期待できるかだけでなく、これまでの子の監護状況も考慮すべきです。監護状況とは、基本的にどちらが主に子どもの世話をしていたのか、ということです。子どもが育つ環境はなるべく変更しない方が、子どもへの負担が少ないと考えられるからです。

子どもの希望

どちらと一緒に生活したいか、という子ども自身の希望も大切にしてください。
親権について裁判で争うことになった場合には、子どもが15歳以上ならば裁判所は必ず子ども自身の意思を確認しなければなりません。
15歳未満の場合であっても、乳児などでなく、自分の意思を表示できる年齢に達しているのであれば、裁判所も子どもの希望を大いに考慮することになるでしょう。

無職で離婚しても生活に困らないための方法

無職のまま離婚する場合には、慰謝料など、離婚の際に請求できるお金についてきちんと約束しておくことが、当面の生活における安心材料となります。
次に、離婚の際に請求できる可能性のあるお金についてご説明します。

(1)慰謝料について

配偶者の不貞行為(基本的には性行為を伴う浮気・不倫のこと)や暴力があり、精神的苦痛を負った場合、慰謝料を請求できることがあります。
裁判になった場合、配偶者の不貞行為などが原因で離婚することになった場合の慰謝料の相場は100万~300万円程度とされています。

(2)財産分与について

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、離婚に伴って分与する制度のことをいい(民法768条1項)、次の3つの性質があるといわれています。

  • 清算的財産分与
    夫婦での共同生活中に形成された、夫婦の共有財産の清算を目的とする財産分与のこと
  • 扶養的財産分与
    離婚すれば夫婦の片方が生活に困窮してしまうなどの事情がある場合に、その生活を補助するという扶養目的の財産分与のこと
  • 慰謝料的財産分与
    夫婦の一方の不貞行為などが原因で、離婚によって精神的苦痛を被る場合に、その精神的苦痛に対する慰謝料としての性質の財産分与のこと

「財産分与」とは通常「清算的財産分与」のことを指すことが多いのですが、清算的財産分与の対象となる財産は、婚姻中に夫婦が協力して形成した財産(共有財産)です。
結婚前から夫婦のどちらか一方が所有していた財産や、婚姻中でも夫婦の協力とは別に築いた財産、相続財産については「特有財産」とみなされ、清算的財産分与の対象とはなりません。

共有財産はあまりないけれど、無職で今後の生活が不安であるような場合には、扶養的財産分与について話し合うとよいでしょう。

※財産分与は、離婚後2年以内でなければ請求できなくなりますのでご注意ください(民法768条2項)。

(3)養育費について

離婚した夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、子どもを引き取って直接育てる親(「監護親」といいます)が、もう一方の親(「非監護親」といいます)に対して、その養育に必要な費用を請求することができます。この費用のことを養育費といいます。

養育費は、離婚時でも、離婚後でも話し合いにより合意することができます。
もっとも、離婚後は、引越しをして物理的に距離ができてしまったり、心理的にも話したくないという意識が強くなったりして、養育費についての話し合いが難しいことがあります。
養育費については、離婚時に合意しておいた方がよいでしょう。

ただし、離婚時に合意をしたとしても、非監護親が勝手に減額したり、支払わなくなるなどのトラブルが多いため、養育費のみを頼りに生活していくのはリスクが高いといえます。

(4)婚姻費用について

まだ離婚成立前で、別居している場合には婚姻費用の請求を検討しましょう。
婚姻費用とは、「夫婦と未成熟の子」という家族がその収入や財産・社会的地位に応じた通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことです。
基本的に、婚姻費用は資産や収入が多く、支払い能力の高い側が、より多くの婚姻費用を負担することになりますので、たいていの場合、収入の低い側が高い側に対して請求することになります。

また、養育費とは異なり、婚姻費用は婚姻期間中に請求できるもので、未成熟の子どもの生活費だけでなく、夫婦の一方の生活費も含まれています。
離婚調停や裁判中であっても、法律上夫婦であれば互いに生活を助け合う義務があるためです。

離婚後は「婚姻費用」を請求することはできませんから、離婚前に「婚姻費用」を受け取りながら、しっかりと離婚後の生活設計を立ててくださいね。

婚姻費用の金額は一般的に、裁判所の「婚姻費用算定表」を利用して決められます。

(5)公的支援について

離婚後ひとり親になる人には、さまざまな公的支援が用意されています。
支援を受ける条件を満たしていれば利用可能なので、積極的に活用すると良いでしょう。
公的支援の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 生活保護
  • 児童手当
  • 自立支援教育訓練給付金
  • 公営住宅への入居の優遇
  • ひとり親家庭に対する医療費補助制度 など

また、このほかにも市町村独自の支援制度がある場合がありますので、市町村役場などに確認すると良いでしょう。

離婚した配偶者が無職になった場合はどうなる?

離婚後、配偶者が無職になってしまった場合、養育費や慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

(1)養育費はもらえる?

監護親は、非監護親に対して養育費を請求することができますが、非監護親が無職になった場合にも、養育費を請求することはできます。
無職であっても、失業給付や年金を受け取っている可能性や、働くことができるのに働いていない場合など、非監護親の収入をゼロと考えて養育費を決定するのは不合理だからです。

ただし、法的に権利があるとはいっても、無職で本当に収入や財産が無いのであれば、支払ってもらうことは現実的には難しいと考えられます。

(2)慰謝料請求はできる?

不貞行為などの離婚の原因を作った配偶者に対しては、法律上、慰謝料を請求することができますが、養育費の場合と同じで、配偶者が無職になった場合実際に支払ってもらうのは難しいでしょう。

離婚協議書などに慰謝料の支払いについて記載し、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成すれば、記載通りに支払われない場合には配偶者の財産を差押えることができるようになります。
しかし、実際には差押えるべき財産がなく泣き寝入りせざるを得ないということも少なくないでしょう。

(3)慰謝料請求は不倫相手にも請求できる可能性がある

無職の配偶者への慰謝料請求は、法的には可能ではあるものの実際に支払いを受けられずに泣き寝入りの可能性が少なくありません。

一方で、不貞行為の場合、慰謝料は不倫相手にも請求することが可能です。
不貞行為は、配偶者と不倫相手の「共同不法行為」(民法第719条)に当たるため、配偶者と不倫相手は「不真正連帯債務」を負うことになります。

つまり、配偶者と不倫相手の2人は加害者として「共同」で責任を負う必要があり、それぞれが損害の「全額」を支払う義務があります。
したがって、「半額しか払いたくない」という反論は認められていません。

もっとも、慰謝料を支払った加害者には、もう一方の加害者に、支払った慰謝料の分担を求めることができ、この分担を求める権利のことを「求償権(きゅうしょうけん)」といいます。

離婚する場合であっても、慰謝料を支払った不倫相手が配偶者に対して求償権を行使することにより、配偶者のお金が減ってしまうことになります。
そのため、金額によっては養育費などの支払いに影響が出る可能性があります。

不倫相手に慰謝料を請求する際には、後になって不倫相手が求償権を行使してこないように求償権を放棄させる約束ができると良いでしょう。

求償権について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【まとめ】無職の専業主婦(夫)が離婚する場合、離婚時に請求できるお金についてきちんと約束しておくことがポイント

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 専業主婦(夫)が離婚する場合、健康保険や年金など、今まで個人的に支払っていなかった費用が発生することが多い
  • 離婚時に、慰謝料や財産分与などについてきちんと約束しておくことが、離婚後当面の生活に困らないようにするためのポイント
  • 配偶者が無職になった場合でも養育費や慰謝料の請求は可能だが、実際に支払ってもらうのは難しいことも多い
  • 配偶者が不貞行為をした場合であれば、不倫相手に対して慰謝料請求できる可能性があるため、配偶者への請求が難しい場合には検討すべき

無職の方が離婚を決意するには、離婚後の生活について様々な不安があることは当然です。離婚後の生活にお悩みの方は、離婚時に配偶者から慰謝料や財産分与などをきちんと約束しておくためにも、離婚問題について取り扱うアディーレ法律事務所へ相談されることをお勧めします。

弁護士に相談することで、あなたの状況に応じた具体的なアドバイスを受けることができるでしょう。

アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※)。
(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)

また、アディーレ法律事務所では、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることは原則ありません(2023年6月現在)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2023年10月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

浮気・不貞による慰謝料のご相談は何度でも無料

朝9時〜夜10時
土日祝OK
まずは電話で無料相談 0120-783-184
メールでお問い合わせ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています