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養子縁組を解消するためにはどうすればよい?注意点やよくある疑問も解説

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再婚する際に、再婚相手の連れ子と養子縁組する方は少なくありません。
連れ子養子をして法律上の親子関係が生じても、その後養子関係を解消することもできます。
ただし、連れ子養子をすること、及び養子縁組を解消することは、双方の身分関係に影響する重大な行為ですので、事前に知っておきたい注意点があります。
そこで今回の記事では、養子縁組について、養子縁組を解消する方法、注意点などについて弁護士が解説します。

養子縁組とは

養子縁組とは、実際には親子ではない者同士の間に、法律上親子関係をつくるための制度です。
養子縁組をすると、養子は養親の戸籍に入り、原則として養親と同じ姓になります。
また、養親と養子の間には法律上の親子関係が生じますので、実際の親子と同様に、お互いに相続権(民法887条、889条1項1号)や扶養義務(民法877条1項)が生じます。

養子縁組には次のように2種類あり、その目的や効果に明確な違いがあります。

(1)養子縁組の種類

養子縁組には、「普通養子縁組」(民法798条)と「特別養子縁組」(民法817条の2)の二種類あります。
原則として、養子縁組には裁判所の許可が必要となりますが、普通養子の場合は、いわゆる連れ子養子などで例外的に裁判所の許可が不要となります。

普通養子縁組は、養子は実親との親子関係はそのままで、養親との間にも親子関係が成立します。養子の年齢制限はなく、養親より年下であれば養子とすることができます(民法793条)。
普通養子縁組は、古くは、家の跡継ぎとする目的や、子どもを増やして相続税を軽減する目的などで利用されていました。

一方、特別養子縁組は、養子と実親側との家族の親族関係を断ち切って終了させ、養親と養子との間に実父母と同様の親子関係を認めようとするものです。
特別養子縁組は、実親との関係を終了させますので、普通養子縁組と比べて、縁組が認められるための要件が厳格です。
例えば、養子は原則として15歳以下でなければならず(民法817条の5)、裁判所が縁組を許可するにあたっては縁組前に養親が養子を6ヶ月以上監護した状況が考慮されます(同法817条の8)。
また、特別養子縁組は、普通養子縁組と異なり、子の利益(福祉)のために認められているので、実父母による養子となる者に対する監護が著しく困難又は不適当であるなどと特別の事情がある場合に、子の利益のために特に必要があると認められるときのみ、成立します(同法817条の7)。
さらに、普通養子縁組と異なり、特別養子縁組の解消には厳格な要件があり、原則として解消は認められません(民法817条の10)。

今回の記事では、特に断りのない限り、普通養子縁組について解説します。

(2)子連れ再婚する際の養子縁組

前婚で生まれた子(この、婚姻関係にある両親から生まれた子を「嫡出子」といいます)を監護する者が再婚すると、法律上の夫婦関係が生じ、再婚相手と同じ戸籍に入ります。
一方、再婚によっても、再婚相手と連れ子との間に法律上の親子関係は生じないため、子どもは再婚相手と同じ戸籍に入ることができません。
連れ子と再婚相手とを養子縁組をすることにより、法律上の親子関係を生じさせ、子どもも同じ戸籍に入ることができます。
また、養親に養子に対する扶養義務が発生するため、再婚後の生活が安定するというメリットもあります。
この連れ子養子(配偶者の嫡出子を養子とするケース)は、子どもが15歳未満の場合には、親権者の代諾により養子縁組が可能で、例外的に家庭裁判所の許可は不要となっています(民法797条1項)。
したがって、「自分が未成年の子の親権者であり、他方親は監護権者ではない」という方が再婚する場合には、他方親の了解を得ることなく、再婚相手と子どもとの間で、養親子関係を成立させることができます。

(3)連れ子養子後の実親との関係

連れ子養子をした場合、子どもと子どもを監護していない実親(非監護親といいます)との関係はどうなるのでしょうか。

養子縁組の結果、養親には養子に対する扶養義務が生じるため、養子の生活費を負担する義務があります。
実親にも、子どもに対する扶養義務がありますが、養育費に関しては、子どもと同居している養親が第一次的な扶養義務を負うことになると考えられています。
したがって、再婚相手との養子縁組により、非監護親が第一次的に負う子どもに対する扶養義務は、再婚相手へ移るものと考えられ、非監護親から養育費減額を求める調停や審判を申立てられた場合、最終的に減額や免除が認められる可能性が高くなります。
そのため、再婚相手よりも非監護親の収入が高く、非監護親から高額の養育費を受け取っている場合には、養子縁組しない方が、子どものための養育費が多く確保できる可能性があります。
ただし、養子縁組はしていなくても、再婚相手が子どもの生活費を負担しているような場合には、非監護親から養育費減額を求める調停や審判を申立てられることがあり、再婚家庭の家計状況、非監護親の家計状況など様々な事情を考慮した結果、減額請求が認められる可能性もあります。

また、非監護親と子どもの面会交流については、再婚相手と養子縁組をするしないにかかわらず、再婚により、非監護親と子どもの交流を断絶できるものではないと考えられています。
したがって、連れ子養子後、それを理由として非監護親と子どもとの面会交流を制限することは困難です。

離婚後に連れ子と養子縁組を解消しないとどうなるか

連れ子養子後に離婚した場合は、連れ子との養子縁組も解消することがほとんどです。
これは、次のような問題が生じるのを避けることが目的と考えられます。

(1)どちらかが死亡したときの相続権の問題

養子縁組をすると法律上の親子の関係が形成されるため、養親又は養子が死亡すると、お互いに相続権があり遺産を相続することになります。
具体的には、養子は、常に養親の相続人となり、養親は、養子に子がいない場合には養子の相続人となります(民法887条、889条1項1号)。
したがって、養親が養子縁組を解消せずに、再婚して実子ができ死亡した場合には、配偶者及び子(養子と実子)が相続人となり、養子と実子の相続分に差はありません。

養子縁組を解消せず、「養子に遺産を一切相続させない」旨の遺言書を作成したとしても、養子には「遺留分(いりゅうぶん)」(法律上、一定の相続人に保障された最低限の相続分のこと、民法1042条)がありますので、養子は、遺留分の支払いを求めることができます(これを、「遺留分減殺請求」といいます)。

また、養子が死亡した場合、養子に子がいなければ、その遺産は実親だけでなく、すでに離婚している養親も相続することになります。

このように、相続関係が複雑になることから、養親及び養子の死亡後の相続トラブルを防ぐためにも、離婚時に縁組を解消することが多いようです。

(2)扶養義務や養育費の問題

離婚後は、通常実親が子どもと同居して監護します(子どもと同居して養育する親を、監護親といいます)。
養子縁組を解消しなければ、法律上親子関係が継続し、お互いに扶養義務がありますので、養親は、監護親に対して養育費を支払う義務を負うことになります。

また、養子も養親への扶養義務を負うため、養子の成人後に養親が経済的に困窮した場合など、養子が養親を扶養しなければならないケースも考えられます。

このようになお互いの法律上の扶養義務をなくすことを目的に、離婚時に縁組を解消します。

養子縁組を解消するとどうなるか

養子縁組を解消することを、法律上「離縁(りえん)」といいます。
離縁には、法律上次のような効果があります。

(1)養子の姓が戻り戸籍から抜ける

養子の姓は、基本的に養子縁組前の姓に戻ります(民法816条1項本文)。
ただし、養子縁組から7年以上経っている場合には、3ヶ月以内に縁氏続称の届出をすることにより、養子縁組中の姓をそのまま利用することができます(同条2項)。
養子は養親の戸籍から抜けて、元の戸籍に戻るか、新しい自分の戸籍を編成するかを選ぶことになります。

(2)互いに相続権がなくなる

離縁により、法律上の親子関係はなくなりますので、お互いに相続権がなくなります。

(3)扶養義務がなくなる

離縁により、法律上の親子関係はなくなりますので、お互いに扶養する義務はなくなり、養育費を支払う義務もなくなります。

養子縁組を解消する方法と手続きの流れ

日本では、養子縁組を解消する方法として、次の「協議離縁」「調停離縁」「判決離縁」「死後離縁」という4つの方法が定められています。
協議離縁は、双方の話し合いで成立させることができますが、一方が離縁を拒否するなど話し合いが成立しない場合には、調停離縁など裁判所を利用した手続きが必要となります。
次では、それぞれの手続きについて解説します。

(1)協議離縁による養子縁組解消

協議離縁とは、養子と養親との話し合いにより離縁することをいいます。
養子が15歳未満の場合には、離縁後に養子の法定代理人となる者(親権者である実親)との間で協議を行うことになります(民法811条2項)。
養子離縁届に、養親及び養子(15歳未満の場合は親権者)が署名捺印し、本籍地又は所在地の役所に提出します。

(2)調停離縁による養子縁組解消

調停離縁とは、協議によって離縁の話し合いが解決しない場合に、家庭裁判所に離縁調停を申立てて、調停委員仲介のもとで話し合って調停を成立させ、離縁することをいいます。
調停離縁が成立しても、役場に対する離縁届(調停の申立人の署名・押印で足りる)の提出は必要で、その際に調停調書の謄本も持参する必要があります。

調停は、調停委員を介して双方の意見の調整を行い、離縁をすることや、離縁の条件についての合意を目指すものですので、一方が離縁を拒否するなど合意が成立しない場合には、調停は不成立となります。
調停が不成立となった場合、裁判所は一切の事情を考慮して、調停に代わる審判をして離縁を認めることもできますが(家事事件手続法284条1項)、当事者が異議を申立てれば審判の効力が失われることもあり(同法286条5項、287条)、実務ではあまり利用されていないようです。

したがって、離縁を希望する者は、離縁を求める訴訟を提起することになります。

(3)判決離縁による養子縁組解消

調停不成立となった場合には、離縁を求める訴訟を提起し、裁判上での解決を目指すことになります。
判決により離縁を認めてもらうことを、判決離縁といいます。
離縁を求める訴訟を提起する際には、法律上次の事由が必要とされています(民法814条1項)

  • 他の一方から悪意で遺棄されたとき(扶養義務などを果たさずに見捨てること)。
  • 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
  • その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき(DVなど)。

訴訟提起後、判決に至る前に、相手方が離縁の要求を認めて離縁が成立したり(これを「認諾離縁」といいます)、離縁の和解により離縁が成立したりすることもあります(これを「和解離縁」といいます)。

裁判上離縁が成立しても、役所に対する離縁届(訴えを提起した者の署名・押印で足りる)の提出は必要で、その際に判決調書などの謄本及び確定証明書も持参する必要があります。

(4)死後離縁による養子縁組解消

死後離縁とは、養子又は養親が死亡した後に、生存している当事者が離縁を希望する場合に、家庭裁判所に対して許可審判を申立てて、許可審判により離縁をすることをいいます(民法811条6項)。
死後離縁をしても、養子又は養親が死亡した時点では親子関係が存在していたことには変わりがないため、生存している当事者は一方の相続人となります。
死後離縁は、養子縁組によって生じた親族関係(親子関係より広い)を解消するという目的で利用されています。

養子縁組解消に関するQ&A

養子縁組解消に関してよくある質問と回答を紹介します。

(1)相手と連絡が取れないときはどうするか

協議離縁するためには相手方と連絡を取らなければなりませんが、住所や携帯の電話番号がわからないと話し合い自体困難です。
戸籍の附票(本籍地の区市町村において戸籍の原本と一緒に保管している書類)には、住所地の移転の履歴が記載されていますので、相手方が本籍地内で住民票を移動していれば、相手方の現在の住所がわかることがあります。
また、弁護士に離縁手続きについて依頼すると、弁護士は職権により相手方の戸籍や住民票を調査し、また携帯電話会社に照会をしたりして相手方の調査を行うことができます。

(2)慰謝料を支払う必要はあるか

慰謝料は、不法行為を行ったことに対する賠償責任として発生しますので、DVや悪意の遺棄があったような場合を別として、通常の離縁では支払う必要はありません。
しかし、相手が離縁に難色を示しているような場合には、離縁に応じてもらう条件として、解決金の名目で金銭を支払う合意をすることもあります。

(3)離婚しないで養子縁組解消だけできるか

離婚をせずに、連れ子との養子縁組だけを解消することは可能です。
その場合、子どもだけが夫婦の戸籍から抜けることになり、姓も基本的に元に戻るため、親子で姓や戸籍が違う状態が生じます。
ただし、子が父又は母と姓を異にする場合には、家庭裁判所の「子の氏の変更の許可」を得て、入籍届を提出することにより、その父又は母と同じ戸籍に入ってその氏を称することができます(民法791条1項、3項、戸籍法98条1項)。

養子縁組解消は交渉が難しいケースも……お悩みの方は弁護士に相談も

離縁して養子縁組を解消すると、法律上の親子関係はなくなり他人となるため、法律上の相続権や扶養義務もなくなります。
離縁は、離婚と同じように、当事者同士の話し合いで合意して、届出をすることで行うことができますが、相手方が離縁を拒否する場合には、話し合い自体が困難であったり、調停や訴訟の提起が必要になったりするケースもあります。
養子縁組解消でお悩みの方は、法律に詳しい弁護士に一度相談してみるとよいでしょう。

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