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B型肝炎訴訟にはHBc抗体の検査が必要となることがあります|給付金請求で押さえるべき知識を解説

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HBc抗体の値が高力価であると、B型肝炎ウイルスに持続感染(長期間感染)しているまたはしたことがあることになります。
「B型肝炎ウイルスに持続感染している」ということがB型肝炎訴訟で証明すべき要件の一つとなりますので、B型肝炎訴訟において、HBc抗体の値が高力価であるという血液検査結果を裁判所に提出することがあります。
HBc抗体や、B型肝炎給付金請求について弁護士が解説いたします。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

HBc抗体とは

まずHBc抗体についてご説明します。

(1)抗体とは体内に異物が侵入したときに作られる物質

細菌やウイルスなどの異物(抗原)が、体内に侵入してくると、体を防衛するための武器として、体内で抗体が作られます。

抗原ごとに専用の抗体が作られますので、体内に抗体があるかどうかを調べれば、B型肝炎ウイルスへの感染歴の有無を調べることができる場合があります。

(2)HBc抗体はB型肝炎ウイルスの抗体のひとつ

B型肝炎HBVウイルス(HBV)に関連する抗体には、HBs抗体、HBc抗体、HBe抗体があります。

HBs抗体:HBs抗原に対応する抗体
HBs抗体はHBVの感染を防御する働きを持っています。
HBs抗体が陽性であると、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあるものの既に治癒していること、または、HBVのワクチンを接種したことがあることを示しています。

HBc抗体:HBc抗原に対応する抗体
HBc抗体にはHBVの感染を防御する働きはありません。
HBc抗体が陽性であると、HBVに感染したことがあることを示しています。
HBVワクチンを接種しても、HBc抗体は陽性にはなりません。

このHBc抗体の値が高力価であるとHBVに持続感染(長期間の感染)をしているまたはしていたことを示すことになります(後述のB型肝炎訴訟の際に証明すべき要件に関連してきます)。

なお、HBc抗体には、IgG-HBc抗体とIgM-HBc抗体があり、単にHBc抗体と言ったときは、これらの総和またはIgG-HBc抗体を意味します。IgM-HBc抗体が高力価陽性の場合は、最近HBVに感染したことを示しています。

HBe抗体:HBe抗原に対応する抗体
HBe抗体にはHBVの感染を防御する働きはありません。
HBe抗体が陽性であると、基本的にHBVの増殖が抑えられ、感染力が弱い状態であることを示しています。

参考:血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン Q&A|厚生労働省
参考:B型肝炎について(一般的なQ&A)|日本医師会
参考:B型肝炎ウイルス検査について|肝炎情報センター

B型肝炎訴訟でHBc抗体に関わる要件

B型肝炎訴訟では、「HBc抗体」に関わる血液検査結果を証拠として提出することがありますので、ご紹介します。

HBc抗体高力価陽性の検査結果が証拠となる

B型肝炎給付金を受け取るためには、B型肝炎訴訟にて、一定の要件を満たしていることを証明して、和解をすることが必要です。
そして、B型肝炎訴訟で和解するための要件として、「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」を証明する必要があります。

この持続感染の要件を満たしていることを証明するために、次のいずれかの検査結果を提出する必要があります。

1.6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液の検査結果
次の検査結果うち、いずれか1つが必要です。

  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

2.HBc抗体陽性の検査結果(高力価陽性)
HBc抗体の検査方法にはいくつか種類があり、検査方法によって、どのくらいの数値を越えれば高力価陽性になるのかが異なります。
また、病院によっては、検査方法が選択できず、特定の検査方法に決まっている場合もあります。
出てきた検査結果が、高力価陽性といえるのかどうかについては、専門家にお尋ねください。

3.その他の証拠
1、2のいずれの検査結果を得られなくとも、医学的知見から、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認定される場合があります。詳しくは、専門家にご相談ください。

参考:B型肝炎訴訟の手引き第5版|厚生労働省

B型肝炎給付金の受給対象

ところで、B型肝炎給付金の対象となる方は、主に以下の感染経路です。

  • 幼少期の集団予防接種等で感染(一次感染者)
  • 母子感染(二次感染)
  • 父子感染(二次感染)
  • 二次感染者である母または父から感染(三次感染)

また、上記の感染経路で感染した方が、B型肝炎給付金を請求しないまま亡くなった場合、これらの方の相続人の方も、B型肝炎給付金を請求できます。

B型肝炎訴訟で必要なその他の要件と書類

さて、B型肝炎訴訟では、先ほどご説明した持続感染の要件(HBc抗体が高力価陽性であるなど)の他にも、満たさなければならない要件があります。
また、要件ごとに、裁判所に提出する必要がある書類も決まっています。

一次感染についてその他の要件や必要書類をご紹介します。
(なお、事案によっては、次にご紹介する書類以外にも提出が必要となる場合があります。)

(1)要件「満7歳の誕生日前日までに集団予防接種等を受けていること」、及び「集団予防接種等で注射器の連続使用があったこと」

これらの要件を満たしていることを証明するため、B型肝炎訴訟で提出する必要のある書類は以下のいずれかのものです。

  1. 母子手帳
    ご本人が1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種等を受けたことが、証明できることが必要です。
  2. 予防接種台帳
    予防接種台帳は、市町村が行った予防接種につき記録した台帳で、市町村が保管しています(ただし保管義務は5年間)。
    これにより、ご本人(原告)が、1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種などを受けたことが、確認されることが必要です。

    なお、予防接種台帳を保存している市町村に満7歳までに住んでいたことがあるのに、予防接種台帳には、ご本人が予防接種したという記載がない場合には、その旨を記載した証明書が必要です(市区町村に発行してもらいます)。
  3. その他
    母子手帳または予防接種台帳を提出できない場合は、B型肝炎訴訟で以下の書類の提出が必要です。

  • 陳述書
    ご本人または、関係者(お父様・お母さま・年上のご兄弟など)が、集団予防接種等が行われた時期、場所、母子手帳などを提出できない理由をできるだけ具体的に記載したもの
  • 接種痕が確認できるかについての医師の意見書
    種痘やBCGの接種痕があるのかなどを医師に記載してもらいます(定型の用紙あり)
  • 住民票または戸籍附票
    満7歳になるまでに日本国内に住んでいたことが証明できる住民票または、戸籍附票(一定時期の住所歴が記載されたもの)
  • 戸籍
    出生日が1941年7月1日~1988年1月27日までの間なのかを証明できることが必要

(2)要件「母子感染ではないこと」

この要件を満たしていることを証明するため、B型肝炎訴訟で提出する必要のある書類は以下のいずれかのものです。

  1. お母様の次の血液検査結果
    HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性
  2. お母様が亡くなっている場合⇒お母様の次の血液検査結果
    お母様が80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果
    (80歳以上の時点のHBs抗原陰性の検査結果しかない場合には、原則として、HBc抗体陰性又は低力価陽性の検査結果も必要になります)
  3. 母親が亡くなっていて、母親の血液検査の結果もない場合⇒兄、姉(年長者)のうち一人の以下の血液検査結果
    HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性
  4. その他医学的知見を示す書類
    1~4の書類が揃わない場合、医学的知見から、母子感染でないと認められる場合もあります。
    ※いずれのパターンの書類を出すにしても、ご本人と、血液検査を受けた方(お母様母など)との間柄を示す戸籍などの提出も必要です。
    お母様が亡くなっている場合には、その旨記載された戸籍の提出も必要となります。

(3)要件「母子感染や集団予防接種等以外で感染した原因がないこと」

この要件を満たしていることを証明するため、B型肝炎訴訟で提出する必要のある書類は以下のものです。

A 医療記録(カルテなど)

  • 提訴日前1年分
  • 持続感染の判明から1年分
  • 最初の発症から1年分
    ※肝がん、肝硬変、慢性肝炎を発症している方のみ必要
  • 肝疾患に関する入院中のすべて(退院時要約でも可)
    ※肝疾患に関して入院したことがある方のみ必要

肝疾患に関する医療記録だけ必要なのか、それ以外の病気が記載された医療記録も必要なのかは、医療記録の種類によって異なります。
詳しくは、専門家へお尋ねください。

B 父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合⇒父親とご本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査

父親が持続感染者であるかどうかを確認するために、原則として父親のHBs抗原の検査結果を提出することが必要になります。
父親のHBs抗原が陰性であれば、塩基配列を比較する血液検査結果を提出する必要はありません。

なお、父親とご本人の続柄が記載された戸籍などの提出も必要になります。

C 1995年以前に持続感染が判明した証拠がない場合⇒ご本人のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではないことを証明する検査結果

要件「病態の原因がB型肝炎ウイルスの持続感染であること」

肝がん、肝硬変、慢性肝炎を発症している方は、病態(病気)およびその原因がB型肝炎ウイルス持続感染であることを証明する書類を、B型肝炎訴訟で提出することが必要です(無症候性キャリアの方は提出不要です)。

例えば、

  • 血液の検査結果
  • 病理組織の検査結果
  • その他の検査の結果やB型肝炎ウイルスに特異的な治療歴が記載された医療記録

などが必要書類となります。
B型肝炎ウイルスに特異的な治療は、インターフェロン、バラクルード(エンテカビル)、ベムリディなどによる治療です。

(4)二次感染者や三次感染者の場合の要件や書類

二次感染や三次感染の場合も基本的には、B型肝炎訴訟にて一次感染で必要とされる書類の提出をし、これに加えて、二次感染や三次感染特有の書類を提出することになります(母子感染の証拠など)。
要件に関しても、一次感染者が、基本的には先ほどご説明した各要件を満たしている必要があります。
これに加え、二次感染者、三次感染者特有の要件を満たす必要があります(母子感染した、など)
二次感染、三次感染の詳しい要件や書類については専門家にお尋ねください。

提訴の期限は2027年3月末まで

B型肝炎給付金には請求期限があり、2027年3月末までに、B型肝炎訴訟を提起する必要があります(2021年6月11日の改正法)。
 期限を過ぎないように注意しましょう。

【まとめ】B型肝炎給付金についての相談はアディーレ法律事務所へ

HBc抗体とは、B型肝炎ウイルスが体内に侵入したときに作られる物質のひとつです。
B型肝炎給付金を受けるためには、HBc抗体が高力価陽性であるという検査結果が必要となる場合があります。
B型肝炎給付金についてのお悩みの方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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