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専業主婦が離婚で失敗しないためのポイントと準備、お金や親権の不安も徹底解説!

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専業主婦が離婚する場合、離婚後は経済的に自立して生活する必要がありますので、仕事を見つけられるのか、働きながら子育てができるのか、という点で悩む方が少なくありません。
そこで今回の記事では、専業主婦が離婚で失敗しないためのポイントや、離婚の準備などについて解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

専業主婦が離婚する際に知っておくべき3つのポイント

離婚後は、現在の配偶者とは別々の人生を送ることになります。
離婚後に、「こんなはずじゃなかった」「離婚しなければよかった」と後悔しないように、専業主婦が離婚する際に、特に知っておくとよい3つのポイントについて説明します。

(1)離婚後の生活費と養育費を把握する

離婚後も子どもを引き取って育てるのであれば、離婚後も片方の親から養育費をもらえます。
しかし、養育費は、片方の親が負担すべき子どもの生活費相当分のみですので、基本的に自分の生活費は自分で稼がなければなりません。
住居費、光熱費、食費、教育費、被服費など、具体的に離婚後に生活費としていくらかかるか計算してみましょう。
また、離婚の際に自分が受け取ることのできる財産分与額や、養育費についても計算してみましょう。
独身時代の個人名義の貯蓄や、親からの援助、ひとり親世帯が受けられる公的扶助など、他に生活費として使えるものがないかも確認します。
そのようにして毎月の収支を明確にすると、不足する金額が明確になり、働いて得なければならない収入の目安額もわかるようになります。

離婚後、生活費のめどが立たない場合には、生活保護を受けることも視野にいれます。
また、収入額によっては、児童扶養手当を受け取ることができますので、役場に対する申請を忘れないようにしましょう。
その他、自治体によって各種支援が受けられる可能性がありますので、担当窓口で問い合わせてみましょう。
シングルマザーに対する支援について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

シングルマザーの貧困化|母子世帯の現状や受けられる支援について

(2)離婚に掛かる費用を知る

夫婦の話し合いにより離婚に合意し、離婚届を提出するのには、費用はかかりません。
しかしながら、通常離婚により別居しますので、自分が引っ越すのであれば、引っ越し費用、新しく住む住居の賃貸契約の初期費用、生活家電一通りを購入するなどの費用がかかります。
また、夫婦の離婚の話し合いが決裂した場合には、離婚調停を申立てたりする必要があります。
自分で離婚調停を申立てれば、必要な費用は調停申立費用や、裁判所までの交通費、資料入手費用などだけですので、高額になることはありません。
しかし、自分の意見を冷静に法的意見も踏まえて裁判所に伝えたり、書面にまとめたり、適宜証拠を提出したり、相手方からの反論に再反論したりするのは、時間と労力がかかりますし、ストレスにもなります。
そこで、離婚調停の手続きを弁護士に依頼する人もいます。弁護士に依頼するとなると、弁護士費用が別途必要になります。
弁護士費用は、弁護士事務所によって異なりますので、一度相談するときに、費用についてもよく確認するようにしましょう。
また、全国各地にある「法テラス」という公的な法律事務所では、一定以下の所得・資産であることなどの条件を満たせば法律相談を無料で受けることができます。また、実際に依頼する際にも費用を長期で分割支払いができるなどのメリットがありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

参考:民事法律扶助業務|日本司法支援センター 法テラス

(3)DVの場合は細心の注意を払う

離婚したい理由が、夫の身体的DVの場合には、まずは自身の身体の安全を確保することが最優先です。
離婚や別居を決意したら、それが夫に判明するとさらに暴力を受けるおそれがあります。
警察や配偶者暴力相談支援センターへ相談し、保護を求めるようにしましょう。
警察に相談後、役所に対して、住民票の閲覧制限を申し出ます。
これにより、夫から住民票の閲覧、住民票の写しの交付、戸籍の附表の交付の請求があっても、これを制限する措置が取られます。
役所では、相談した窓口名、担当者、連絡先などを聞かれますので、控えておいて伝えるようにしましょう。

子どもと共に避難する場合には、学校や保育園などにも事前に相談が必要となります。
伝えにくいことかもしれませんが、正確に伝えておかないと、父親が迎えに来て子どもを連れ去ってしまうおそれがあります。
また、避難先はなるべく第三者に伝えない方がよいのですが、家族や支援してくれた友人などに伝える場合には、他の人や夫に対して伝えないように依頼しておきます。

夫が自分につきまとったりするときには、DV防止法により、裁判所から夫に対する接近禁止命令を出してもらうことできるかもしれませんので、警察や支援機関、弁護士に相談してみるようにしましょう。

接近禁止命令について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

接近禁止命令の効果は?申立ての方法や注意点についても解説

専業主婦が離婚に向けてやるべき3つの準備

離婚は、双方が同意して離婚届を提出すれば成立するのですが、離婚に至るまでの経緯は様々であり、築いてきた共同生活を実際に解消するのはそう簡単ではありません。
夫婦によって、慰謝料や財産分与に争いが生じることがあります。
ここでは、離婚に向けて特に必要な3つの準備について説明します。

(1)浮気や借金、身体的DVなどの証拠を集める

夫に、不貞行為(肉体関係を伴う浮気)や身体的DVなどの離婚事由がある場合には、そのために離婚せざるを得なかったとして、離婚に伴う慰謝料を請求することができます。
また、不貞行為と身体的DVは、法定の離婚事由に該当しますので(民法770条1項)、夫が離婚を拒否したとしても、最終的に裁判所で強制的に離婚できる可能性があります。

したがって、夫に不貞行為やDVなどの離婚事由がある場合には、別居・離婚前に、なるべく次のような客観的な証拠を確保するようにしましょう。

<不貞行為の証拠>

  • ラブホテルに二人で出入りする写真(顔や日時が分かるもの)
  • 肉体関係をもったことが推認できる当事者のやりとり(SNS、メール、手紙など)
  • 肉体関係をもったことが推認できる動画・写真(性行為の最中やその前後など)

<身体的DVの証拠>

  • 暴力により受けたケガの写真
  • 診断書
  • 通院したことがわかる診療報酬明細書
  • 日記(DVの被害を受けたことが記載されている)
  • 暴行を受けたことを第三者に相談しているメール など

また、夫婦で築き上げた財産を把握し、適切な財産分与を受けるためには、正確に共有財産を把握する必要がありますので、次のような資料を確保するようにしましょう。

  • 夫名義の通帳の表紙と最新の残高がわかる頁のコピー
  • 住宅ローン契約書、不動産売買契約書
  • 車検証のコピー
  • 共有で購入した家電の写真、領収書のコピー
  • 有価証券の保有状況がわかる資料
  • 夫の給与明細・源泉徴収票のコピー など

(2)離婚後の住まいの確保

専業主婦は、特に離婚後の経済面で不安があることが多いです。
離婚後に安心して住める住居を確保することは、経済面でも精神面でも重要です。
婚姻期間に住居を購入して住んでいた場合には、その住居の財産分与を受けることができれば、継続して居住することができます。

しかしながら、住宅ローンがアンダーローンの場合(不動産の価値が住宅ローン残高を上回っている場合)は、売却して、住宅ローンを完済した残金を財産分与する(2分の1ずつ分ける)ことが多いです。
売却せずに、住居そのものの財産分与を受けるとなると、2分の1を超える部分については、配偶者に対してその代金を支払う必要があると考えられます。

一方で、オーバーローンの場合(不動産の価値が住宅ローン残高を下回っている場合)は、売却しても借金が残るので、ローンの返済を継続できるのであれば、売却せずに維持することが多いようです。
不動産を売却せずに、名義人以外の者が不動産を引き取って住み続ける場合には、不動産の所有名義の変更や、ローン名義の変更が必要な場合があり、その手続きには費用が生じることがあります。
もっとも、ローンが残っている場合、ローンの名義変更にはローンを借りている金融機関の事前の承諾が必要ですし、不動産の所有名義の変更にも通常は、同じく承諾が必要です。
収入が乏しい方へのローンの名義変更を希望する場合や、ローンの名義を変更せず不動産の所有名義のみ名義変更する場合は、金融機関からの承諾を得ることが難しいことが多いので、名義変更できない場合にどこに住むかなども対策をたてておきましょう。

夫が不動産の所有者で、ローンも全額支払い、自分は離婚後その不動産にかかわらない、という場合には、自分や両親がローン支払いの連帯保証人や連帯債務者となっていないことを確認してください。

新居に引っ越す場合には、新居を購入又は賃貸する費用、引っ越し代、家電家具購入費がかかります。
実家の協力が得られる場合には、安定的に収入が得られるまで、実家に帰って同居する方も少なくありません。
新生活の初期費用がいくらかかるのか、月々の支払いがいくらになるのか、事前にシミュレーションしておくようにしましょう。

(3)離婚の話し合い

夫と離婚するためには、まずは夫と離婚や離婚条件について話し合う必要があります。
話し合うべき事柄(財産分与、親権者、慰謝料、養育費など)について事前にまとめて、メモを作成したりして話すと、冷静に伝えることができます。

ただし、離婚したい理由が夫の身体的DVである場合には、二人だけで話すと、夫が怒り出してDVを行うおそれがありますので、やめた方がよいでしょう。
事前に警察署や支援機関に相談のうえで、避難するなどして身の安全を確保してから、弁護士を通じて離婚を伝えるようにしましょう。

子持ち専業主婦の方が離婚したときの親権について

未成年の子どもがいる場合には、どちらが親権をもつか、面会交流についての取り決め(月の回数、時間、方法など)、養育費の額、いつまで養育費を支払うか、塾や私立学校に行く場合の学費をどうするかなどを、話し合う必要があります。
また、離婚後引っ越して生活環境や学校・保育所などの変更が必要になることがあります。
引っ越して学区が異なっても以前の学校・保育所に通えることもあるようですので、役場の担当者とよく話し合うようにしましょう。

親権と監護権の違い

離婚後、子どもを引き取って育てるのは、親権及び監護権を持つか、親権はないが監護権を持つ側(これを、「親権と監護権の分離」といいます)です。
親権者でなくても監護権者であれば、子どもと一緒に住み、日々子供を養育しほめたり叱ったりして教育することができます。

昔は、離婚の際の親権は、原則として「家」にある父親が有し、協議で母に監護権を与えることができるとされていました。その後「家」制度の廃止に伴って、母も親権者となることができるようになりましたが、監護権者を定めることができるとの規定は、修正されて残ったのです。

このように、親権と監護権の分離は可能ですが、母親も親権者となることのできる現在では、実務上はあまり利用されていません。
特に理由のない限り親権と監護権の分離は認めるべきではないと考えられていますので、子どもと同居して育てていきたいのであれば、親権を求めるべきといえるでしょう。

専業主婦の方が離婚する際に覚悟しておきたい3つのこと

(1)離婚後の再就職のハードル

専業主婦は、その期間就業経験がないことから、一般的に、再就職のハードルが高くなります。労働市場において、就業経験のある同年齢の他の候補者と比べれば、ハンデがあると言わざるをえないためです。
そのため、正社員としての就職をあきらめて非正規雇用として働かざるを得ず、給与が低くなってしまう可能性もあります。
また、幼い子どもがいる場合には、正社員となっても時短勤務や子どもの体調不良による休みが多くならざるをえなくなりますので、給与に影響せざるを得ません。
離婚後すぐには期待通りの給与を得られないかもしれませんが、まずは働くことが大切です。
資格取得を支援する公的援助を受けたり、実家の援助を受けたりして、ステップアップを試みるようにしましょう。
ひとり親に対する就職支援は、地方自治体によって異なりますので、どのような支援を受けられるのかについては、役場の担当窓口とよく話し合うようにしましょう。

(2)熟年離婚はとくに注意が必要な年金分割

婚姻期間中に、夫婦の一方が納付した年金保険料に対応して将来受領できる年金の保険料納付記録については、夫婦で折半すべきと考えられています。
離婚前に、加入している年金団体から、「年金分割のための情報提供通知書」を取り寄せます。50歳以上であれば、分割後の年金見込額の照会もすることができますので、熟年離婚の場合には見込み額も照会するとよいでしょう。

年金法には年金分割制度が定められており、婚姻期間に対応する厚生年金・共済年金の保険料納付記録の最大2分の1までを分割することができます。
分割制度には、3号分割と合意分割という二つの種類があります。
3号分割は、専業主婦や年収の少ない第3号被保険者に限り、2008年4月から離婚までの保険料納付記録について、配偶者との合意がなくても、2分の1を分割することができる制度です(3号分割)。
3号分割ができない場合(2008年3月以前も婚姻関係にある場合はその期間、夫婦とも会社員で収入がある場合など)には、当事者で話し合って合意割合を決めるか、調停の話し合いの中で割合を決めていくことになります。

年金分割の対象とならない公的年金や、個人型確定型拠出年金などの私的年金を分割するためには、上記のような年金分割制度が存在しないので、財産分与請求のなかで、分割を求めていくことになります。
ただし、請求期限は、原則離婚等した日の翌日から起算して2年以内ですので、早めに行うようにしましょう。

(3)専業主婦の離婚後の姓と戸籍

結婚で姓を変えた配偶者は、離婚により原則として元の氏に戻ります。
婚姻中の氏を継続して利用したい場合には、離婚後3ヶ月以内に、役所に対して婚氏続称届を提出する必要があります。
婚姻中の氏を継続して利用するためには、相手方の同意は不要です。したがって、相手方が反対したとしても、婚姻中の氏の継続使用は可能です。

また、未成年の子がいる場合には、子どもの姓をどうするかも考える必要があります。
母親が結婚に際して姓を変え、未成年の子どもがいて離婚するケースで、離婚後母親が元の姓を名乗る場合、子どもも当然に母親の元の姓となるわけではありません。子の姓の変更には、別途手続きが必要です。
まず、子どもの所在地を管轄する家庭裁判所に対して、子の法定代理人として、子の氏の変更について許可の審判を申立てて、許可を得る必要があります。
家庭裁判所には書式が用意されているので、管轄の家庭裁判所に電話で問い合わせてみるとよいでしょう。子どもが15歳以上の場合は、子ども自身が手続きを行う必要があります。

家庭裁判所では、特段の事情がなければ、即日許可が出ます。その後、許可書を持参して、市町村役場に対して、「子の母の氏を称し母の戸籍に入籍する」旨の入籍届を提出します。これにより、母と子は同じ戸籍で、同じ氏を称することができます。

子どもが物心ついている年齢だと、自分の姓が変わることに不安を覚えたり、学校で違う姓を名乗ることを嫌がるかもしれません。
姓をどうするのかについては、子どもへの影響も考えて、子どもの意見も尊重しながら判断するとよいでしょう。

参考:子の氏の変更許可|裁判所- Courts in Japan

【まとめ】離婚には覚悟が必要!良し悪しを見極めて熟考し我慢しすぎないことも大切

専業主婦が後悔のない離婚をするためには、離婚後の経済面で自立できるかどうかが重要です。
夫からの財産分与、養育費、実家の援助、公的支援、就職活動して内定を得るなど、離婚後の生活費を確保できるかどうか、事前にシミュレーションするようにしましょう。
本当に離婚すべきかどうか(メリットやデメリット)をよく考えて、決断するようにしましょう。
離婚すること決断したけれども、当事者同士で冷静な話し合いが難しい場合には、弁護士に依頼して代わりに話し合ってもらったり、離婚調停を申立てるのも一つの方法です。
弁護士が代理で話し合うので、冷静に今後の生活を見据えて交渉することができるでしょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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