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労働基準法が定める休憩時間とは?違反しているときの適切な相談先も紹介

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「休憩時間中なのに電話待ちの当番をさせられている……」

実は、休憩時間中に来客や電話待ちの当番をした時間は、休憩時間にはならずに労働時間となります。
そして、この当番をさせられたことにより、労働基準法が定めている休憩時間を下回ると、労働基準法違反となることもあります。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 労働基準法における休憩時間
  • 休憩時間を取らせてくれない場合の相談先
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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労働における休憩時間は労働基準法で定められている

労働基準法34条1項によって、休憩時間は次のとおり決まっています。

1日の労働時間休憩時間
6時間以下0分以上
6時間超え~8時間以下45分以上
8時間超え~1時間以上

会社がこの休憩時間のルールに違反すると、6ヶ月以下の懲役または30万以下の罰金刑に処されます(労働基準法119条1号)。

※2022年6月刑法改正により「懲役」「禁錮」は廃止され、「拘禁刑」に一本化されました。改正刑法は2025年頃までに施行される予定です。

参考:労働時間・休憩・休日関係|厚生労働省

休憩時間の三原則

労働基準法第34条には、休憩時間について、次の三原則が定められています。

  • 「途中付与」
  • 「一斉付与」
  • 「自由利用」

この三原則を会社が守らない場合は、労働基準法違反として訴えることができることがあります。

※一部の業種や企業については、この休憩時間の三原則の全部または一部が適用されません。

(1)途中付与の原則

休憩時間は、必ず労働時間の「途中」に入れなければなりません(労働基準法34条1項)。
例えば、8時間労働の場合に、最後の1時間を休憩にあてると、会社は労働基準法に違反していることになります。

(2)一斉付与の原則

休憩は、事業場で従業員が一斉に取るようにしなくてはなりません(労働基準法34条2項)。

しかし一部の業種で例外的に個別の休憩付与が認められています。また、それ以外の業種でも、事業場の労使協定を結ぶことで、一斉付与の原則が適用されず、各人が個別に休憩を取ることが認められています。

一斉付与の原則が適用されない業種は、次の業種などです。

  • 運送業
  • 郵便・電気通信
  • 商業
  • 病院・保健衛生
  • 旅館・飲食店
  • 金融・広告
  • 接客娯楽業
  • 映画・演劇
  • 官公署の事業

(3)自由利用の原則

労働基準法34条3項により、休憩時間中は一切の労働をする必要はありません

そのため、上司などから休憩時間中に業務を頼まれたりした場合、その業務をした時間は労働時間となり、休憩時間にはなりません。

また、休憩時間中に、来客や電話対応のため待機する当番をしている時間(手待ち時間)は、休憩時間ではなく、労働時間となります。
休憩時間中に労働をしたために、労働基準法の定める休憩時間を下回った場合は、労働基準法違反となります。

手待ち時間とは

手待ち時間とは、以下のような時間を指します。

  • 電話の応対や来客を待っている時間
  • 他の人の作業が終わらないと自分の作業ができない場合に、他の人の作業が終わるのを待っている時間
  • 会議開始を待っている時間など

休憩時間中の手待ち時間を、休憩として扱うことは、労働基準法第34条3項に違反する可能性があります。

通達でも、休憩時間とは、「単に作業に従事しない手待時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間」(昭和22年9月13日発基17)とされています。

参考:知っておきたい働くときのルールについて|厚生労働省 労働基準局 監督課

休憩時間を取らせてくれないなどの場合の相談口

休憩時間に仕事をさせられるなど不満を感じた場合は、相談をすることが大切です。
労働契約書や就業規則に記載された休憩の規定を確認し、次の相談先への相談を検討しましょう。

  • 会社の人事担当
  • 労働基準監督署
  • 労働条件ほっとライン
  • 総合労働相談センター
  • 弁護士

(1)会社の人事担当

直属の上司に対し、休憩時間について相談をするという方法もありますが、直属の上司が、必ずしも労働基準法の知識を持ちあわせているわけではありません。

他方、会社の人事担当であれば、休憩時間など労働基準法に対する法的知識を持ち合わせている可能性が高いです。
そのため、会社の人事担当に対し、休憩時間について相談をしてみましょう。

(2)労働基準監督署

社内で相談しても、解決する見込みがない場合には、労働基準監督署に休憩時間について相談してみましょう。労働基準監督署は、会社の労働基準法の違反などを取り締まる行政機関です。

労働基準監督署に相談すれば、事業主から事情を聴取してくれることもあります。会社の違法状態を認めた場合は、会社に対して、労働基準法違反の状態を改善するよう、是正勧告を行ってくれます。

ただし、労働基準監督署に相談しても、相談のみで終わってしまうことも多々あります。
なるべく労働基準監督署に動いてもらいやすくするためにも、休憩時間を十分に取ることができていない証拠(※)を、労働基準監督署への相談の際に持参するとよいでしょう。

※証拠の例

  • 休憩時間を規定した労働契約書、就業規則
  • 本来の休憩時間中に、仕事をするように指示されたことを証明する録音データ、メールなど

参考:全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

(3)労働条件ほっとライン

労働条件ほっとラインは厚生労働省の委託事業であり、無料で電話相談できます。
匿名での相談も可能です。

ただし、労働基準監督署のように、会社に指導してくれるわけではありません。
あくまでも、相談者にアドバイスをする、というものに留まります。

参考:労働条件相談「ほっとライン」に相談してみよう|厚生労働省

(4)総合労働相談センター

総合労働相談センターは、全国の都道府県労働局や労働基準監督署内などに、380ヶ所設置されています。
休憩時間のトラブルなど労働関係の相談を受け付け、解決のための情報提供をワンストップで行っています。

必要に応じて、助言・指導や、あっせん(当事者間の話し合いの仲立ち)を行っています。
また、労働基準法等の違反が疑われる場合には、行政指導の権限を持つ部署へ取り次いでくれます。

参考:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

(5)弁護士

休憩時間中に、不当な労働を強いられており、その労働した分について会社に賃金や残業代を請求したいという場合は、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談・依頼すると次のようなことをしてくれます。

  • 休憩時間が労働基準法に違反しているかどうか、実態を踏まえて、アドバイス
  • 本来払われるべき、休憩時間の労働分の賃金や残業代がいくらになるのか算定
  • その結果、未払いの賃金等があると疑われる場合、弁護士が、会社に対し、休憩時間に労働した分の賃金や残業代を請求
  • 話し合いをしても、会社が、これらのお金を払ってくれない場合は、弁護士が、裁判手続きなど、強制力のある手続きを代理

「休憩時間に働いた分、お金を払ってほしい」と考えている場合は、労働基準監督署などに相談するよりも、弁護士に相談した方が近道になることも多いです。

その他労働基準法で決められた休憩時間に関する事項

休憩時間は、15分と45分、30分と30分といった分割で取ることもできます。
この他にも、休憩時間について疑問がおありの方も多いことでしょう。
休憩時間に関する、よくある疑問について解説します。

(1)残業時間中に休憩を取ることができるか

所定労働時間(定時)が、5時間である方の場合、労働基準法上、休憩時間は0分で足ります。
しかし、残業を2時間したことで、総労働時間が7時間となった場合には、休憩を45分以上取る必要があります。
このような場合は、残業時間の途中で、休憩を取ることができます。

他方で、所定労働時間が8時間を超えている方が、定時の労働時間の中で休憩1時間を取り、その後残業をした場合は、労働基準法上は、残業時間中に休憩を取らせなくとも違法にはなりません。
1日の中で、労働基準法上決められた時間分の休憩を1回取らせればよいからです。

ただし、就業規則など社内のルールで、残業時間中に別途休憩を取ってよいと規定されている場合には、残業時間中に休憩を取ることができます。

(2)休憩を切り上げて早上がりできるか

労働基準法に定められた休憩時間を返上して早上がりしたい場合でも、休憩を取らなければなりません。
会社は、労働基準法によって決められた休憩時間は絶対に守らなければいけないものなので、労働者もそれを遵守する必要があります。

(3)雇用形態によって休憩時間を与えないことはできるか

同じ会社の中に、パート、正社員など雇用形態が異なる従業員が働いていることがあります。

しかし、パートだから、という理由で休憩時間を与えない、ということはできません。法律上、休憩時間を与えなくてよい、とされている一部の業種でない限り、全ての雇用形態の労働者に対して、労働基準法上定められている休憩時間を与えなければなりません。

【まとめ】休憩時間は労働基準法で定められている

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 休憩時間は労働基準法で定められている。
    例えば、1日の労働時間が6時間を超えて8時間以下の場合には、45分以上の休憩時間を取らなければならない。
  • 休憩時間には、「途中付与」「一斉付与」「自由利用」の三原則がある。
  • 休憩時間を取らせてくれないなどの場合の相談先として、会社の人事担当や労働基準監督署などがある。

休憩時間中に労働をさせられている場合、未払い賃金や残業代が発生している可能性があります。休憩時間に労働した分、賃金や残業代が払われているのか確認しましょう。

アディーレ法律事務所では、未払いの残業代請求に関するご相談を取り扱っています。
休憩時間に労働をさせられているのに、賃金や残業代が払われていないかも?と思った方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみを報酬をいただくという成功報酬制です。
そして、原則として、この報酬は獲得した残業代からお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
※以上につき、2022年12月時点

残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

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