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調停離婚・審判離婚の違いは?手続きの流れや法的効力について解説

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kiriu_sakura

「調停離婚」、「審判離婚」という言葉を聞いたことがありませんか。
しかし、どういった手続きなのか、裁判離婚と何が違うのか、わからない部分も多いのではないでしょうか。

調停離婚とは、裁判離婚とは違い、家庭裁判所で当事者の話し合いで離婚をする手続きになります。

一方、審判離婚は、裁判官が離婚か否かを判断するという点では裁判離婚と同じなのですが、利用されることはほとんどありません。

調停離婚では、話合いの解決となりますので、結論に納得がいかない場合には、結論に対して同意せずに調停不成立とすることも可能です。
審判離婚についても、異議申立ての機会が与えられていますので、納得がいかない場合には、異議を申立て、審判を効力が及ばないようにすることができます。

この記事では、

  • 離婚の方法(協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚)
  • 調停離婚・審判離婚の手続き流れ
  • 調停離婚・審判離婚の法的効力

について、弁護士が詳しく解説します。

調停離婚、審判離婚について検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚の方法

離婚の方法には、調停離婚・審判離婚を含めて次の4つの方法があります。

  1. 協議離婚
  2. 調停離婚
  3. 審判離婚
  4. 裁判離婚

離婚の大まかな流れは次のようになります。

(1)協議離婚

夫婦間の話し合いで合意することによって離婚を決める、もっとも一般的な方法です。

厚生労働省の統計によると、2017年の日本の離婚総数は21万2262件で、うち18万4996件が協議離婚の方法で離婚していますので、日本での離婚のうち、約87%が協議離婚の形をとっています。

参考:人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚・離婚の種類別にみた年次別離婚件数及び百分率|e-Stat

協議離婚の場合、双方で合意ができたら、離婚届を役所に提出し、受理されると離婚が成立します。
離婚原因も特別な手続きや費用も必要なく、離婚届が市役所で受理さえすれば、離婚が成立することになります。

この方式は、離婚届以外の手続きは不要のため、早く離婚することができます。

離婚の際に話し合う内容は、財産分与や、親権、子供の養育費などになります。
ただし、合意は口約束ではなく、離婚協議書を作成し、合意内容を明記することが大切です。
離婚協議書は、養育費や慰謝料の未払いに備えて、公正証書で作成するとより良いでしょう。

(2)調停離婚

離婚について話し合いがまとまらない場合や話し合いが難しい場合には、調停による離婚手続きを進めることになります。

「調停離婚」とは、家庭裁判所に離婚調停を申立てて、話し合いを行って離婚をする方法です。

話し合いといっても、当事者が顔を合わせて直接話し合うことはありません。

家庭裁判所が選任した調停委員二名(男女1名ずつが多い)が夫婦の間に入り、夫婦双方の意見を聞きながら、離婚すること、各離婚条件について調整を進め、夫婦での離婚に関する合意を目指します。

お互いの言い分を調停委員に伝え、双方の事情を踏まえて合意を目指すことになります。

家庭裁判所の行なう調停で離婚する夫婦は、上記の統計によると、2017年の日本の離婚総数は21万2262件で、うち2万902件が調停離婚の方法で離婚していますので、日本の離婚のうち、約9.8%が調停離婚の形をとっています。

調停離婚は、夫婦双方に離婚することの合意が成立し、家庭裁判所で調書が作成されることで離婚が成立します。その後、戸籍に離婚の事実を反映させるため、離婚届を提出します。

もし、夫婦で離婚についての合意が得られなければ、調停をしても離婚は成立しません。

(3)審判離婚

調停が不成立となった場合に、家庭裁判所が調停に代わる審判によって離婚を命ずる方法があります。

審判に納得できない場合、当事者が審判の告知を受けた日から2週間の間は、書面で異議を申立てることができ、異議申立てがなされると審判離婚の効力はなくなります。
異議申立てがなされずに2週間経過すると、審判は確定します。

異議申立てが可能であることから、審判離婚はあまり利用されていません。

離婚自体には同意しているが離婚条件にわずかな意見の違いがある場合で、当事者が審判に委ねることに合意している場合や、離婚・離婚条件に争いがないが当事者の一方がどうしても出廷できない場合などに、限定的に利用されています。

(4)裁判離婚

家庭裁判所で調停をしても、夫婦で離婚(条件)することに合意ができなかったときは、次のステップとして裁判をすることになります。

家庭裁判所で離婚判決の言い渡しがあって、その判決が確定すると離婚が成立します。
この方法による離婚を、一般に「裁判離婚」又は「判決離婚」といいます。

ただし、裁判をして離婚する夫婦は少なく、上記統計によると、2017年の日本の離婚総数は21万2262件で、裁判離婚はうち2204件にすぎませんので、全体の1%程度となっています。

調停離婚・審判離婚の手続きと離婚の流れ

調停離婚・審判離婚の手続きの流れと離婚の流れについて解説します。

  1. 家庭裁判所に離婚調停を申立てる
  2. 離婚調停当日までの準備
  3. 調停期日当日
  4. 第2回目の調停以降
  5. 離婚調停の終了
  6. 調停調書や審判書が作成されてから

順番に説明します。

(1)家庭裁判所に離婚調停を申立てる

配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書類一式を提出し、申立費用を納付します(持参又は郵送)。

申立て時の手数料として収入印紙代1200円(申立の内容が増えれば、印紙代も増加)、戸籍謄本代や住民票代、切手代1000円程度(家庭裁判所によって異なる)が一般的に必要となります。

調停手続きを弁護士に依頼する場合には、弁護士費用も必要です。

参考:夫婦関係調整調停(離婚)|裁判所 – Courts in Japan

(2)離婚調停当日までの準備

申立書を提出し、受理されたら2週間程度で申立人と相手方に調停期日を通知する書類が郵送されてきます。

調停が開かれるのは、裁判所が開廷している平日の10~17時までの間になります。
所要時間としては、概ね2~2時間半程度が予定されています。

ただし、1回目期日の日程は双方の都合を考慮していないため、都合が合わない場合は日程変更が可能です。

調停で主張をするにあたっては、言いたいことを事前にまとめておくとよいでしょう。

(3)調停期日当日

申立てから約1~2ヶ月後に第1回調停期日が実施されます。
調停期日通知書を持参し、通知書に記載の日程で家庭裁判所に行くことになります。

離婚調停では、調停委員が中立の立場で、それぞれの主張を聞きながら話し合いを進めていくことになります。
ただ、話し合いといっても、当事者が顔を合わせて直接話し合うことはありません。夫婦が待機する待合室も別々ですし、調停委員と話をするときも別々となります。

(4)第2回目の調停以降

第1回期日と同じく、申立人・相手方がそれぞれ1、2回調停室に案内され、調停委員と話をします。
話し合いが終わらず調停を続行する場合には、第1回期日と同じように次回期日までの検討事項などを確認し、次回期日を調整します(約1ヶ月後)。

期日回数は2~4回、期間は3~6ヶ月のケースが多いです。
ただし、親権や面会交流など、子供に関する話し合いは、家庭裁判所調査官の調査があるので、次回の期日までの間隔が開きやすい傾向にあります。

(5)離婚調停の終了

話し合いで合意し、調停が成立すると離婚成立となります。
調停成立した場合には合意した内容について調停調書にまとめます。

また、話合いでの解決が難しい場合には、調停を不成立として、離婚裁判に移行する場合があります。

調停不成立となった場合の手続きについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

離婚調停不成立になった場合の手続きや離婚訴訟における注意点などを解説

(6)審判離婚の手続き

離婚自体には同意しているが離婚条件にわずかな意見の違いがある場合で、当事者が審判に委ねることに合意している場合や、離婚・離婚条件に争いがないが当事者の一方がどうしても出廷できない場合には、調停を不成立として、家庭裁判所が調停に代わる審判によって離婚を命ずる方法(審判離婚)をとることがあります。

この手続きは、家庭裁判所の判断で行われますので、当事者に特に手続きが必要となることはありません。

(7)(離婚が成立した場合)調停調書や審判書が作成されてから

調停調書や審判書が作成された後は

  1. 調停調書の謄本を請求する(審判の場合は審判書謄本と審判確定証明書)
  2. 調停調書の謄本と併せて離婚届を提出(審判の場合は審判書謄本と審判確定証明書)

という流れになります。

(7-1)調停調書の謄本を請求する(審判の場合は審判書謄本と審判確定証明書)

調停調書謄本(審判書と審判確定証明書)を請求して交付してもらいます。
調停証書謄本(審判書謄本と審判確定証明書)の申請方法には、郵送で申請する方法(郵送申請)と、裁判所に足を運んで申請する方法(来庁申請)があります。

調停が成立したら、引き続いて書記官室に行って謄本申請するのが通常です。帰宅前に申請書を提出して帰れば、2、3日で郵送してもらえます。
こうしておけば、わざわざ後日に裁判所へ出向いたりホームページからダウンロードして郵送したりする必要がありません。

(7-2)調停調書の謄本と併せて離婚届を提出(審判の場合は審判書謄本と審判確定証明書)

調停調書謄本(審判書と審判確定証明書)と離婚届を役所に提出します。
この際には、夫婦の本籍地または所在地の市区町村役場に提出することになります。

本籍地以外の役場に提出する場合には、戸籍謄本も提出します。

離婚届は、離婚調停の成立した日を含めて10日以内に提出します。
10日を過ぎると、5万円以下の過料が課されてしまいます。

調停調書についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

離婚の調停調書とは?公正証書との違いや確認すべきポイントを解説

離婚における「調停調書」と「審判」の法的効力

「調停調書」と「審判」には、裁判所の判断である「判決」と同等の法的効力があります。

調停調書作成後には不服を申立てることはできず、内容の変更も簡単ではないので、調停調書の内容に誤りや記入漏れがないかしっかり確認する必要があります。
したがって、内容に納得できないなら合意すべきではありません

具体的には、次のような効力があります。

(1)離婚について

本来、役所に提出する離婚届には夫婦双方の署名捺印が必要となります。

一方、調停離婚や審判離婚の場合、夫婦のうち申立人(場合によっては相手方)が署名捺印をした離婚届と調停調書謄本(審判離婚の場合は審判書謄本、審判確定証明書)を役所提出することで離婚が成立します。

(2)慰謝料などの金銭の支払いについて

調停調書に記載されている合意内容が守られない場合には、権利者側が申立てることで、調停調書に執行文を付けて強制執行を行うことが可能です。

強制執行とは、勝訴判決を得たり、相手方との間で和解が成立したにもかかわらず、相手方がお金を支払ってくれなかったり、建物等の明渡しをしてくれなかったりする場合に、相手方に対する請求権を、裁判所が強制的に実現する手続です。

(3)子どものとの面会交流について

調停や審判で面会交流の取り決めがなされたにもかかわらず、監護親がその取り決めを守らない場合には、面会交流実現のために、次のような方法があります。

  • 履行の勧告
    非監護親が、家庭裁判所に対して、面会交流を取り決めどおり履行するように、履行勧告の申し出を行うことができます(家事事件手続法289条)。
    家庭裁判所は、履行状況を確認して履行されていない場合には、面会交流を実行するよう説得や勧告を行います。
    手続きに費用は掛かりませんが、面会交流を強制することはできません。
  • 間接強制
    間接強制とは、決められた債務(ここでは面会交流を実施する債務)を履行しない義務者(ここでは監護親)に対し、「1日当たり1万円」などと金銭の支払いを命じることにより、自主的な履行を促す方法です(民事執行法172条)。
    間接強制が認められるためには、調停・審判が成立しており、その中で面会交流の方法が具体的に特定されていることが必要です。
    どの程度まで具体的に特定されていれば間接強制が可能かどうかは、判例に基づいたケースバイケースの判断が必要となりますので、面会交流に詳しい弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(4)年金分割について

本来、年金分割の手続きは、当事者双方が年金事務所で行う必要があります。

しかし、調停離婚や審判離婚の場合は、調停調書謄本や審判書謄本・審判確定証明書があれば、分割する側が年金事務所に出向くことで手続きを行うことができます。

【まとめ】調停離婚は調停委員を介した話し合いによる離婚|審判離婚になるケースは稀

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚の方法
  1. 協議離婚…夫婦間の話し合いで合意することによって離婚を決める方法
  2. 調停離婚…家庭裁判所に離婚調停を申立てて、話し合いを行って離婚をする方法
  3. 審判離婚…家庭裁判所が調停に代わる審判によって離婚を命ずる方法
  4. 裁判離婚…家庭裁判所で離婚判決によって離婚する方法
  • 調停離婚・審判離婚の手続きの流れと離婚の流れ
  1. 家庭裁判所に離婚調停を申立てる
  2. 離婚調停当日までの準備
  3. 調停期日当日
  4. 第2回目の調停以降(調停に代わって審判がされる場合もあります)
  5. 離婚調停の終了
  6. 調停調書や審判書とともに離婚届を提出
  • 離婚における「調停調書」と「審判」の法的効力
  • 調停離婚や審判離婚の場合、夫婦のうち申立人(場合によっては相手方)が署名捺印をした離婚届と調停調書謄本(審判離婚の場合は審判書謄本、審判確定証明書)を役所提出することで離婚が成立。
  • 調停調書に記載されている合意内容が守られない場合には、権利者側が申立てることで、調停調書に執行文を付けて強制執行を行うことが可能。
  • 調停や審判で面会交流の取り決めがなされたにもかかわらず、監護親がその取り決めを守らない場合には、履行勧告、間接強制が可能。
  • 調停離婚や審判離婚の場合は、調停調書謄本や審判書謄本・審判確定証明書があれば、分割する側が年金事務所に出向くことで手続きを行うことが可能。

調停離婚、審判離婚に関するお悩みは、弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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