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貸金業法とは?借金をする際に押さえておくべき4つのルールを解説

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私たちの身の回りには、さまざまな法律があります。
そのすべてが国民一般を対象としたものではなく、法律の中には一定の会社や人々だけが守らなくてはならないとされるものがあります。
その1つが今回弁護士の解説する「貸金業法」です。

貸金業法とは貸金業者が守るべき法律のこと

貸金業法とは、消費者に金銭を貸し付ける貸金業者(クレジットカード会社や消費者金融)が守るべきルールを定めた法律です。深刻化する多重債務問題を背景に、2006年に改正がなされ、2010年に改正貸金業法が施行されました。

多重債務とは、「複数の金融機関に借金をして返済が困難な状態」をいいます。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

生活費に困って30日間無利息で20万円を借り入れたAさん。来月の給料が得られれば利息を支払わずに返せると思っていたのに、やはり翌月も生活費が足りず、翌月30万円を借り入れ、20万円を返済に充てました。

そもそも生活費に困り果て借金をせざるを得なかった状況で、ダブルワークなど収入を増やす努力をせずに「来月の給料が入れば大丈夫」と安易に考えてしまうのは危険です。
良くて借金をせずに済む状態、普段通りに暮らすと借金を増やす結果となるでしょう。

無利息で借りることができれば利息を支払う必要はありませんが、無利息の期間内に支払えなかったり無利息で貸してもらえなくなったりすると、利息分も支払わなければなりません。そうなると、状況は次第に悪化していき、借金が膨れ上がっていきます。

お金がないことによる苦痛やプレッシャーまた借金返済の負担は大きく、1992年以降、経済問題は自殺者の動機として2番目に多い動機となっています。1978~2018年で最も経済問題を理由とする自殺者が多いのが2003年の8897人で、貸金業法の改正された2010年以降減少傾向にあります。

参照:自殺対策白書|厚生労働省
参照:貸金業法改正等の概要|金融庁
参照:多重債務とは|全銀協

改正貸金業法で導入された3つの規制

改正貸金業法で導入された3つの規制を解説します。

(1)総量規制

お金に困っていると、貸してもらえるだけ借りたいと思ってしまうものです。特に買い物依存症やギャンブル依存症などお金を使うことに依存している人であれば、どんどんお金を使ってしまい、歯止めがききません。しかし、返済できない借金を抱えても、利息だけを支払う日々が続き、一向に完済できません。そこで、「返済能力を超える貸付け」を禁止する必要があります。

返済能力を超える貸付けを禁止する1つの手段として、貸金業者には利用者の年収等の3分の1を超えて貸し付けてはならないとの規制がかけられています(総量規制)。
たとえば、年収300万円の人であれば100万円までしか借りられません。借金の金額は貸金業者1社ずつみるのではなく、合計金額でみるので、年収300万円の人がX社から80万円を借りている場合には、Y社から20万円しか借り入れることができません。

総量基準における「年収等」には、次のものが含まれます。

  1. 給与
  2. 恩給
  3. 年金
  4. 定期的に受け取る不動産の賃貸収入(事業として行う場合は除外)
  5. 年間の事業所得(過去の事業所得を踏まえて安定していると認められるものに限る)

保証人の有無や事業目的か否か等個別具体的な事情を問わずに、個人に対する貸付は原則として総量規制の対象となります。例外的に、個人事業主の場合には、借り手の事業実績や事業計画などに基づいて借入総額の返済が合理的に見込まれるケースなど年収等の3分の1を超えて借り入れられることがあります。

(2)上限金利の引下げ

貸金業者からお金を借りたときには、通常利息をつけて返済します。
借主としては、なるべく金利を下げたいと思うものですが、借金が多かったり収入が低かったりして信用状況が悪ければ、良い条件でお金を借りることができません。それでもお金に困っているとお金を借りてしまう人がいるため、歯止めをかけなければなりません。

利息制限法では、次のように金利の条件が定められています。

借入総額10万円未満10万~100万円100万円以上
利息20%18%15%

もっとも、利息制限法は民事法のひとつなので、その上限利率を超えても刑事罰は科されません。
改正貸金業法の施行前は、出資法で上限金利を29.2%と定めており、出資法には刑事罰があります。つまり、利息制限法の上限を超えた金利を設定しても、出資法の上限金利を超えなければ刑事罰は科されなかったということになります。そのため、100万円を1年借り入れた場合に、29万2000円を利息として求められることが多々あったのです。利息制限法と出資法の間の金利を「グレーゾーン金利」と呼びます。

貸金業法をめぐる改正により、出資法における上限金利は29.2%から20%に引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。

(3)取立規制を含む業務の適正化

貸金業法の改正により、借主に無暗にプレッシャーを与える取立ては禁止されました(貸金業法21条1項)。たとえば、次のような行為は禁止されています。

  • 正当な理由がないのに、21~翌8時までの時間帯に、借主等に電話をかけたりFAXを送信したり、あるいは借主等の居宅を訪問したりすること
  • はり紙、立看板など何らかの手段で、借金に関する事実その他借主等の私生活に関する事実を周囲に明らかにすること
  • 借主や保証人以外の者に対し、借主等に代わって借金を返済するように求めること

そのほか、トータルの元利負担額などを説明した書面の事前交付の義務付け(貸金業法16条の2)や借主等の自殺により貸金業者に保険金が支払われる保険契約の締結の禁止(貸金業法12条の7)など、適正に貸金業務がなされるように改正がなされました。

もし貸金業者が違法・不正なことをしているならば、内閣総理大臣や都道府県知事は、必要に応じて業務改善命令を発することができます(貸金業法24条の6の3)。

貸金業法を踏まえた借入の際の4つのルール

改正貸金業法を踏まえ、借入れの際に関係する4つのルールを解説します。

(1)借入は年収の3分の1が上限

これまでは借入額に上限がありませんでしたが、借入れの残高が年収の3分の1を超えている場合には、原則として借入れができなくなりました。

(2)収入証明の提出を求められる場合がある

貸金業者は、貸付けの際に返済能力を調査することが義務付けられているため(貸金業法13条)、調査の一環として、給料明細、源泉徴収票、確定申告書など収入証明の提出を求められる場合があります。

(3)貸付利率は15~20%が上限

借入総額に応じた貸付利率の上限が設定されました。

借入総額10万円未満10万~100万円100万円以上
利息20%18%15%

(4)住宅ローンなどは規制に関係なく借りることができる

総量規制は、貸金業者が個人にお金を貸し付ける際に適用される規制です。
そのため、ショッピングローンには貸金業法は適用されません。また、銀行は貸金業者ではないため、銀行からの借入れに貸金業法は適用されません。

また、貸金業者からの借入れであっても、総量規制の適用対象外となるものがあります。

  • 不動産購入のための貸付け(いわゆる住宅ローン)
  • 自動車購入時の自動車担保貸付け(いわゆる自動車ローン)
  • 高額療養費の貸付け

これらはもともと年収等の3分の1を超えることが想定されているため、総量規制にはなじみません。そのため、総量規制の適用が除外されます。
さらに、個人事業主の借入れやおまとめローンなど利用者の利益に反しない場合には、総量規制の例外とされることがあります。

貸金業法が利用者に与えるメリット

このような貸金業法の改正を踏まえて、利用者には次のようなメリットがあります。

そもそも、貸金業法はどのような目的で定められているのでしょうか。
貸金業法1条によると、次のように規定されています。

この法律は、貸金業が我が国の経済社会において果たす役割にかんがみ、貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体を認可する制度を設け、その適正な活動を促進するほか、指定信用情報機関の制度を設けることにより、貸金業を営む者の業務の適正な運営の確保及び資金需要者等の利益の保護を図るとともに、国民経済の適切な運営に資することを目的とする。

引用:貸金業法1条

2010年の改正もこのような目的に基づいて行われたので、「国民経済の適切な運営」が図られているといえます。簡単に言うと、借金で困る人を減らそうという狙いです。

(1)返済の負担が軽くなった

出資法の上限金利が引き下げられたことにより、利息を支払う負担が軽減されました。
たとえば100万円を借り入れて1年で29万2000円の利息が発生していたころに比べ、利息が15万円まで下がったので、負担が半減されました(出資法の上限金利は20%ですが、多くの貸金業者では利息制限法の上限金利が守られています)。

また、従来グレーゾーン金利として扱われていたものが無効な契約に基づく支払いとして扱われるようになり、払いすぎた利息を取り戻せるようになりました(過払い金請求)。

(2)多重債務に陥るリスクが減った

借入れの際には給料明細や確定申告書等収入を示す客観的な資料の提出が求められ、また、信用情報機関を通じて、貸金業者同士で利用者の借入総額などの情報が共有されるようになったので、借入れに際して返済能力を超えないかが厳密に審査されるようになりました。
また、総量規制により、借入残高が年収等の3分の1に達している場合には新たな借入れができなくなりました。これにより、多重債務に陥るリスクは軽減されたといえます。

貸金業法に違反する取引をしてしまった場合の対処法

しっかりとした法制度があっても、違法なことをする業者は現れるものです。
たとえばヤミ金と呼ばれる業者は、貸金業者として登録しておらず、上限金利や総量規制にも従いません。このような業者と取引をすると、事態が悪化し、場合によっては求められるがまま自分名義の口座を譲渡し犯罪に加担するなど取り返しのつかない事態になりかねません。自身で対応することは困難なので、ヤミ金と取引してしまったならば、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】借金の問題でお困りの方はアディーレ法律事務所へ

2010年の貸金業法の改正により、総量規制が設けられ、上限金利が引き下げられ、そして、取立規制が導入されました。住宅ローンのように一部総量規制に関係なく借入れができるものもありますが、その場合にも自身の収入に見合わない借入れはすべきでありません。
もし借金で首が回らなくなってしまったならば、さらに借金を重ね、多重債務状態に陥る前に、弁護士に相談してください。

借金の問題でお困りの方はアディーレ法律事務所にお任せください。