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介護休暇と介護休業とは?給料や制度の内容、取得する条件を解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「介護と仕事の両立は難しい。」

そう感じる方も多いでしょう。
法律上、一定の場合に、「介護休暇」、「介護休業」という休みを取ることが認められています。
介護休業の場合には、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されることがあります。

少しでも、利用可能な休暇や給付金を取得して生活を楽にしましょう。
介護休暇と介護休業について弁護士が解説いたします。

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

介護休暇とは家族の介護をするための短期休暇のこと

介護休暇は、「病気やケガ、高齢などの理由で要介護状態になった家族」を介護や世話をする労働者に対して与えられる短期間の休暇です。
要介護の家族の通院の付き添いなどに利用できます。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下、育児介護休業法といいます)で、介護休暇について定められています(同法第16条の5)。

参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五章|e-GOV 法令検索

(1)介護休暇の休暇日数

要介護状態にある対象家族1人につき、最大年5日、介護休暇を取得できます。
ただし対象家族が2人以上の場合は、最大年10日までとされており、要介護状態の家族が3人でも年10日を超える介護休暇は取得できません。

(2)介護休暇中の給料(賃金)

育児介護休業法では、介護休暇中に、給料を支払うよう定めていないので、会社によって、給料が貰えるかどうかは異なります。
就業規則を確認してみましょう。

(3)介護休暇の申請方法

介護休暇は、事業主に対して申請します(育児介護休業法第16条の5第1項)。
介護休暇を取得したい日の当日でも申請は可能で、口頭でも申請できます。
ただし、社内に介護休暇の申請方法についてルールが定められていることも多いため、当該ルールに則った方がトラブルは少ないでしょう。
会社によって申請方法は異なりますが、申請書が用意されていることが多いです。

(4)介護休暇を取得できる労働者

介護休暇を取ることができるのは、「要介護状態にある対象家族を介護する労働者」です。
要介護状態とは、「ケガ、病気又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上、常時介護を必要とする状態」をいいます(育児介護休業法第2条3号、育児介護休業法施行規則第2条)。

ただし、日雇い労働者は介護休業を取ることができません。
また、会社によっては、労使協定により以下のいずれかに該当する労働者に介護休暇を取らせないことができます。

  • 入社6ヶ月未満
  • 1週間の所定労働日数が2日以下

上記要件を満たせば、正社員だけでなく、パート、アルバイトなども介護休暇を取得することができます。

(5)介護休暇の対象となる家族との続柄

介護休暇の対象となる家族は次の通りです(育児介護休業法第2条4号、育児介護休業施行規則3条)。

  • 配偶者(事実婚の場合を含む)
  • 父母(養父母含む)
  • 子(養子を含む)
  • 配偶者の父母(養父母含む)
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

介護休業とは家族の介護をするための長期休暇のこと

介護休業は「ケガや病気、もしくは身体・精神の障害などの理由で要介護状態にある家族」を介護する場合に取得できる休暇です(育児介護休業法第11条)。
要介護状態とは、前述の通り、要介護状態とは、「ケガ、病気又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上、常時介護を必要とする状態」をいいます(育児介護休業法第2条3号、育児介護休業法施行規則第2条)。

短期間の休暇しかとれない介護休暇と異なり、介護休業は、「長期休暇」を取得できる制度です(後述)。

介護休暇と同じく、育児介護休業法で定められています。

参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第三章|e-GOV 法令検索

(1)介護休業の休暇日数

介護休業の対象となる家族1人につき3回まで、通算93日まで取得可能です。
介護休暇のように「1年度で何労働日」という規定ではありませんので、注意しましょう。

(2)介護休業中の給料(賃金)

育児介護休業法では、介護休暇中に、給料を支払うよう定めていないので、会社によって、給料が貰えるかどうかは異なります。
就業規則を確認してみましょう。

介護休業の場合は、介護休暇とは異なり、一定の要件を満たすと、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。

(3)介護休業の申請方法

介護休業の場合は、当日申請はできません。
休業開始予定日の2週間前までに、書面などにより会社に申請する必要があります。
会社によって申請方法は異なります。

(4)介護休業を取得できる労働者

介護休業を取ることができるのは、要介護状態の対象家族を介護する労働者です。
ただし、日雇い労働者は介護休業を取ることができません。
また、労使協定により以下のいずれかに該当する労働者に介護休業を取らせないことができます。

  • 入社1年未満
  • 申出の日から93日以内に雇用期間が終了
  • 1週間の所定労働日数が2日以下

雇用期間に定めがある労働者の場合は、介護休業を申請する時点において、次の要件をいずれも満たすことが必要です。

  • 入社1年以上
  • 「介護休業開始予定日から数えて93日を経過する日」から6ヶ月経過する日までに雇用約期間が満了となり、雇用契約が更新されないことが明らかでないこと

なお、介護休業は、産前・産後休業中に開始することはできません。

(5)介護休業の対象となる家族との続柄

介護休業の対象となる家族は次の通りです(育児介護休業法第2条4号、育児介護休業施行規則3条)。

  • 配偶者(事実婚の場合を含む)
  • 父母(養父母含む)
  • 子(養子を含む)
  • 配偶者の父母(養父母含む)
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

介護休業給付金について

介護休業期間に雇用保険から「介護休業給付金」を受け取ることができる場合があります。

参考:Q&A~介護休業給付~|厚生労働省

(1)介護休業給付金の金額

介護休業給付金では、おおよそ、賃金の67%を貰うことができます。

具体的には、介護休業給付金は次の通り計算します(原則)。
休業開始時の賃金日額×支給日数×67%

ただし、給付額には一定の上限があります。
また、介護休業期間中に賃金が支払われていると減額されたり、不支給となる場合があります。

さらに、介護休業の期間中に、次のいずれかの新たな休業が開始されると、それら新たな休業の開始日の前日に当初の介護休業は終了し、その日以降の分は介護休業給付金の支給対象となりませんので注意しましょう。

  • 他の家族に対する介護休業
  • 産前・産後休業
  • 育児休業が開始された場合

介護休業給付金の正確な金額はハローワークに確認しましょう。

(2)介護休業給付金の申請方法

介護給付金を申請するためには、勤務している会社を管轄するハローワークへの申請が必要となります。
基本的に会社が申請手続きを行うため、会社の担当部署に問い合わせしましょう。
希望すれば、本人がハローワークで直接手続きを行うことも可能です。

会社経由で申請する場合には、会社に次のような必要書類を提出することになります。

【提出書類の例】

  • 介護休業申出書
  • 住民票記載事項証明書

※介護対象家族の氏名、性別、生年月日、申請者本人との続柄、などが確認できる書類

(3)介護休業給付金を取得できる労働者とは

労働契約の期間の定めがある労働者か、そうでないかによって、介護給付金を受給するための要件が異なります。

(3-1)期間の定めのない労働者の場合

期間の定めのない労働者の場合、介護休業給付金を受給するためには、「介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月(※)以上」あることが必要です。
(※)介護休業開始日の前日から1ヶ月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1ヶ月としてカウントします。

なお、「介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月(※)ない場合」であっても、当該期間中に本人が病気などをしている場合は、例外的に、受給要件を満たす場合があります。
また、介護休業の当初から、退職を予定している場合には、介護休業給付金は取得できませんので注意しましょう。

詳しくは、専門家にお尋ねください。

(3-2)期間の定めのある労働者の場合

期間の定めの有る労働者の場合、「介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月(※)以上ある」という先ほどの要件の他にも、次の要件をいずれも満たす必要があります。

  • 介護休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上雇用が継続していること
  • 介護休業開始予定日から数えて93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに、労働契約(労働契約が更新された場合は、更新後のもの)が満了することが明らかでないこと

(3-3)介護休業中の就労に注意

支給単位期間において、就労した日数が10日を超えると、その支給単位期間(原則30日間)については介護休業給付金の支給対象となりません。
また、介護休業終了日の属する1ヶ月未満の支給単位期間については、「就労している日数が10日以下かつ、全日休業している日が1日以上」でないと、介護休業給付金を支給できませんので注意しましょう。

(4)介護休業給付金を申請するタイミング

介護休業給付金は介護休業が終了してから申請します。
申請期間は、介護休業が終了した日の翌日から2ヶ月後の月末となっていますので、申請が遅れないように気を付けましょう。
介護休業給付金は、支給決定日から約1週間後に振り込まれます。

参考:介護休業給付の申請時の必要書類|厚生労働省

【まとめ】介護休暇や介護休業でお困りの方は専門家に相談

介護休暇は短期間の休暇、介護休業は長期間取得可能な休暇という違いがあります。
また、介護休暇をとっても雇用保険から給付金は支給されませんが、介護休業の場合は、雇用保険から介護休業給付金が支給されることがあります。

介護休暇、介護休業中に給料が支払われるか否かは会社によって異なります。

介護休暇や介護休業でお困りのことがあれば専門家に相談しましょう。

参考:育児・介護休業制度ガイドブック|厚生労働省

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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