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残業代の翌月払いは違法?翌月繰り越し・ボーナス払いとの違いとは

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残業代を含む賃金の支払方法については、会社によっていろいろな形があります。

しかし、どのような方法をとってもよいというわけではなく、当然ながら、労働基準法をはじめとする法律に従ったものでなければなりません。

それでは、残業代を翌月払いとすることは違法となるでしょうか。
翌月に繰り越すことや、ボーナス払いとすることはどうでしょうか。

今回は、残業代の支払時期をめぐる問題について、解説していきます。

残業代の翌月払いは違法となる可能性がある

まず、残業代の翌月払いは違法となる可能性があることについて解説していきます。

(1)就業規則で残業代の支払い時期を定めることは違法ではない

残業代について、就業規則で「当月分の残業代は翌月支払い」とすることは、単に支払い時期について定めているだけであり、違法ではありません。
実際にも、このような規則を定めて運用している企業は数多く存在します。

(2)残業代の翌月繰り越しは違法

もっとも、会社が一方的に、当月の残業代を支払うべき時期であるにもかかわらずその全額を支払うことなく、一部を翌月に繰り越して支払うことは、労働基準法第24条が規定している「賃金全額払の原則」に違反します。

1項 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
2項 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。

引用:労働基準法24条

また、繰り越している期間中は残業代が支払われていないとして、時間外、休日、深夜に行った労働に対して使用者が割増賃金の支払い義務を負うと規定している労働基準法37条に違反するものと評価される可能性があります。

残業代が支払われる時期に全額支払われない場合、労働者の生活が不安定になります。
また賃金の一部が支払われていないことを理由に、自由に退職できない可能性もあります。
残業代を含めた賃金を、毎月決められた支払い時期に全額払うことは、労働者の人生そのものを支える重要なルールといえるのです。

(3)残業代のボーナス払いは違法

残業代をボーナスと併せてまとめて支給する、または残業代をボーナスとして支給することも違法となります。
これは、上記で引用したとおり、労働基準法24条によって、残業代(賃金)は、「毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」とされていることによります。

また、ボーナス払いまでの期間は残業代が支払われていないとして、労働基準法37条違反と評価される可能性があることも、翌月繰り越しの場合と同様です。

(4)残業代の支払いが遅れると「遅延損害金」が発生

残業代の支払いが遅れた場合には、一般の貸金債権などと同様に、遅延損害金が発生します。

遅延損害金の利率は、在職者であれば2020年3月31日までの残業代については商事法定利息として年利6%(商法514条。民法改正に伴い現在は削除)でしたが、2020年4月1日以降の残業代については法定利率である年利3%(民法404条。ただし、3年ごとに変動)、退職後については年利14.6%(賃金の支払の確保等に関する法律6条)とされることとなっています。

残業代の未払いは労働基準法違反!

残業代の未払いは労働基準法に違反しています(労働基準法24条、同法37条)。
これは、残業代が未払いであったり、翌月繰り越し・ボーナス払いとされていたりする場合は、「賃金が支払われるべき時期に支払われていない」とみなされることによります。

労働基準法の24条や37条に違反した場合は、罰則が予定されています。
具体的には、労働基準法24条に違反した場合は30万円以下の罰金、労働基準法37条に違反した場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が、それぞれ科せられることになります。

会社が労働基準監督署からの指導に応じず、違法行為を繰り返す場合には、上記の罰則を受ける可能性があります。

また、訴訟に移行する場合は、付加金の請求(労働基準法114条)がなされる可能性があります。
付加金とは、労働者の請求により、未払金と同額を上限として裁判所の命令によって支払いを命じられるものをいいます。この付加金の規定には、未払いが悪質な場合に認められるべきペナルティという意味合いがあります。

付加金に対する遅延損害金は、付加金の支払いを認める判決が確定した日の翌日から発生します。
利率は、2020年3月31日までの残業代については年利5%、2020年4月1日以降の残業代については3%(民法第404条。ただし、3年ごとに変動)となります。

未払い残業代の請求方法

それでは、未払い残業代の請求方法について解説いたします。

(1)未払いの残業代がある証拠を集める

まず、実際に残業が発生しているという事実の証明に役立つ証拠を集めます。
証拠の例としては、勤怠を記録したデータ(タイムカード、パソコンのログイン記録など)、給与明細書、就業規則の写し、雇用契約書、労働条件通知書などがあります。

これらはそれぞれ、実際の労働時間を証明する証拠、実際に支払われた賃金及び残業代の額を証明する証拠、所定労働時間を含む労働条件の規定を証明する証拠としての意味を持つことになります。

(2)未払い残業代の金額を計算する

次に、集めた証拠を参考にして、未払い分の残業代を計算します。
未払い分の残業代は、割増率が状況に応じて変わるなどのこともあって複雑なものになりますが、正確に計算するよう注意しましょう。

(3)会社へ残業代を請求する

会社へ残業代を請求する際は、「未払いがあることの通知書」「未払い残業代の計算書」を提出します。

書面を郵送する際は、「配達証明付内容証明」を利用すると、書類を郵送した証拠を残すことができます。ただし、未払い残業代の計算書は内容証明郵便で送ることができないので、別途送付する必要があります。

参考:内容証明|日本郵便
参考:配達証明|日本郵便

退職後でも未払い残業代の請求は可能

たとえ退職後であっても、未払い分の残業代を請求することは可能です。
未払いの残業代を請求する場合は、時効を迎える前に請求する必要があるため注意しましょう。

残業代請求権の時効の期間は、2020年3月までの残業代は「請求できる時期が来てから2年間」、2020年4月以降の残業代は「請求できる時期が来てから3年間」となっています。

これは、法改正直後のため経過措置として3年間とされていますが、将来的には5年に延長される予定となっています。付加金の請求期間についても同様に、経過措置として当面の間3年間に延長されています。

気を付けておきたいのは、退職後に残業代請求をする場合は、証拠集めが難しくなるという点です。タイムカードやパソコンのログイン記録などの証拠は、できるだけ在職中に集めておくようにしましょう。

そうした証拠集めに関するアドバイス等も含め、未払い分の残業代を請求する際は、対応を弁護士に依頼するとスムーズに手続きを進めることができます。

【まとめ】残業代を翌月に支払うだけでは違法とはいえませんが、翌月繰り越し・ボーナス払いは違法です!

今回の記事のまとめは以下のとおりです。

  • 残業代の支払時期を発生した月の翌月払いとするだけでは違法とはなりませんが、会社が一方的に、残業代の一部または全部を翌月に繰り越して支払うこと、ボーナス払いとすることは違法となります。毎月の支払時期に遅れれば遅延損害金も発生します。
  • 残業代の未払いは労働基準法違反であり、その場合の使用者は、懲役を含む罰則を科されるおそれや、付加金や遅延損害金の支払いが命じられる可能性があります。
  • 労働者が未払い残業代を請求するには、まず証拠を集め、残業代を計算し、会社に配達証明付内容証明郵便で送るのがよいでしょう。
  • 退職後の請求も可能ですが、時効に注意する必要があります。また証拠集めが在職中に比べると難しいため、在職中に準備しておいた方がよいでしょう。

残業代の未払いや翌月繰り越し・ボーナス払いの措置をとられているなどでお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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