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事故の治療で有給を使うと休業損害請求できる?休業損害の計算方法

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交通事故のケガで仕事を休み、収入が減ってしまった場合には、加害者に対して、休業損害として損害賠償請求することができます。
ただし、有休を使って仕事を休んだ場合には、収入は減りません。
この場合にも、休業損害を請求できるのでしょうか。
今回の記事では、有休を使った場合の休業損害請求の可否、休業損害の計算方法などについて解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

交通事故の休業損害における有給・代休の扱い

まず、交通事故の休業損害とは何か、有給・代休を利用して仕事を休んだ時も休業損害を請求できるのかについて説明します。

(1)休業損害とは?

「休業損害」とは、交通事故によるケガのため、通常通り働くことができずに収入が減少したことによる損害のことを指します。
休業損害が認められる期間は、基本的にケガが完治すれば完治したときまで、完治せずに後遺症が残るときは症状固定日までですが、ケガの程度や治療の経過、仕事への影響などを考慮して休業期間が長すぎる場合には、それよりも短くなることもあります。

交通事故のケガによる収入への影響は、完治して仕事への影響がなくなる場合と、症状固定として後遺障害が残ってしまい将来の収入が減少してしまう場合があります。

実務では、完治又は症状固定前の収入減少については休業損害として、症状固定後の後遺障害については逸失利益として、別々に損害を算定します。

<交通事故のケガによる収入減少について>

(2)有給を使っても休業損害を請求できる

ケガの治療のために有給休暇を使った場合、その日数についても、休業損害の計算に加えることができます。
有給休暇は、給与が支払われているので、本人に収入減少の実害はないともいえますが、本来自由に使えるはずの有給休暇を、交通事故のために使わざるを得なくなったので、その点を損害と考えます。

(3)代休は休業損害と認められない

ケガの治療のために代休を使った場合、通常はその日数を休業損害の計算に加えることはできません。
代休は、休日出勤の変わりに平日に得られる休みのことをいいますが、代休に通院すると、会社の休日に通院したことと同じとみなされてしまいます。
会社の休日に通院しても、給料は減りませんので休業損害は発生しません。

【職業別】休業損害の計算方法

休業損害は、次のように計算します。

  1. 1日当たりの損害額(仕事をしていれば得られていたはずの収入=基礎収入)を算出
  2. 実際に休んだ日数を算出
  3. 1と2を掛けて、休業損害を算出

<計算式>
休業損害額=日額基礎収入×休業日数(※)
(※)休業日数は、治療期間内で実際に休業した日数のうち、傷害の内容・程度、治療過程、仕事の内容などを見て、妥当な日数が認められます。実際に休んだ日数=休業日数とは限りません。
日額基礎収入の算定方法は、所得の種類によって異なりますので、所得の種類別に計算方法を説明します。

(1)給与所得者の日額基礎収入の計算方法

給与所得者の日額基礎収入は、事故前3ヶ月分の給与の合計額を、稼働日又は3ヶ月の歴日数である90日で割り、計算します。
通常は事故前3ヶ月の給与合計額で算定しますが、3ヶ月では年間収入の平均を算出できない場合は、事故前1年間の給与総額などから算出することもあります。
給与額は、手取りではなく税込みの金額で、賞与は含めません。事故が原因で賞与が減額された場合には、別途計算します。

<計算の具体例>
7月17日に交通事故でケガ、9月末まで連続して会社を休んだ場合(休業76日)

  • 4月の給与:25万1000円
  • 5月の給与:22万4000円
  • 6月の給与:23万8000円

日額基礎収入=(25万1000円+22万4000円+23万8000円)÷90=7922円
休業損害額=7922円×76日=60万2072円

給与所得者の場合、給与額の証明は、通常雇用主の発行する「休業損害証明書」と「源泉徴収票」を加害者側の任意保険会社に提出することで行います。
休業損害証明書は、交通事故により欠勤した日、有給取得日、遅刻・早退回数、事故前3ヶ月の給与額などを記載する欄がありますので、雇用主に記載してもらいましょう。

(2)自営業・専業主婦・学生の日額基礎収入の計算方法

自営業者は、基本的に事故前年度の確定申告書の控えをもとに基礎収入を算定します。
そして、事業の維持・継続に必要な固定経費(租税公課、減価償却費、損害保険料、地代家賃など)が、実際の所得にプラスされます。

事業所得者の基礎収入=(総収入額―固定経費を除く経費)÷365日
          =(申告所得額+固定経費)÷365日

専業主婦(夫)は、家事従事者ともいわれますが、家事労働の対価としての報酬は支払われていませんので、交通事故のケガのために家事ができなくなったとしても、その対価としての報酬が減るわけではありません。
しかし、洗濯や掃除、料理などの家事労働は、人を雇えばお金がかかるものであり、経済的な価値があると考えられています。
家事従事者も、家事労働の対価としての報酬はないとはいえ、経済的な価値のある仕事をしていることには変わりがありません。
そこで、専業主婦(夫)であっても、交通事故が原因でケガをし、家事労働に支障が出た場合には、これを休業と考え、休業損害を請求することができます。
ただし、自分のための家事労働は、誰しも生活するために行うものであり、経済的価値がないと考えられますので、家事労働ができなくなったことを理由として休業損害を請求することはできません。

専業主婦(夫)の収入は、「賃金センサス」の女性労働者の全年齢平均給与額又は年齢別平均給与額を基礎収入として算定します。
「賃金センサス」とは、厚生労働省が行なっている「賃金構造基本統計調査」のことで、毎年、性別・学歴・年齢等に分類した平均賃金を公表しています。

学生は、収入がないことが普通ですので、休業損害は原則として認められません。
しかし、アルバイトをしていて事故が原因でそれができなくなった場合には、休業損害を請求することができます。また、事故が原因で内定を得ていた就職が遅れた場合には、就職が遅れた期間について休業損害を請求することができることがあります。

(3)無職者の場合

無職の場合は、仕事を休んでいませんから、原則として休業損害は発生しません。
しかしながら、就職が内定した場合や、就職する蓋然性が高い場合には、内定先の給与額や賃金センサスの平均給与額などを考慮して計算した休業損害を請求できることがあります。

年金生活者や生活保護受給者、地代・家賃収入などで生計を営んでいる人は、原則として休業損害を請求することはできません。ケガを治療中でも、収入が減少することはなく、実質的な損害がないためです。

休業損害を計算する3つの基準

日額基礎収入の算定方法は説明したとおりですが、休業損害の算定基準は実は3種類あり、どの基準で計算するかによって、休業損害の金額が異なってきます。
一般的に一番高くなるのが、裁判所の基準(弁護士の基準)ですが、3つの基準の特徴について説明します。

(1)自賠責保険の基準

自賠責保険は、被害者保護のために法律上加入が強制されたもので、一般的に補償額は3つの基準で最も低額になることが多いです。
自賠責の基準では、基本的に1日あたりの損害額が6100円(2020年4月1日以降の交通事故)と定められています。
1日の基礎収入がこの額を超える場合、金額について証明できればその金額が損害額と認められますが、上限額は1万9000円となります。

(2)任意保険の基準

任意保険の基準は、保険会社がそれぞれ独自に定めているもので、公表されていません。
裁判所の基準よりも低い金額の提示がなされることが多いです。

(3)裁判所の基準(弁護士の基準)

裁判所の基準は、弁護士が被害者の代理人として加害者側と示談交渉する場合や、損害賠償の支払いを求めて訴訟を提起する場合に利用されています。
実務では、『交通事故損害額算定基準(青本)』(財団法人日弁連交通事故相談センター本部発行)及び『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本)』(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行)という本が、弁護士・裁判所の基準を踏襲したものとして、損害賠償の算定に利用されています。

【まとめ】有給を使用した休業損害でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

今回の記事のまとめです。

  • 休業損害は、交通事故のケガの治療で、仕事を休んで収入が減少してしまった分の損害のこと。
  • 有給を使った日も休業損害を請求できるが、代休を使った日は請求できない。
  • 休業損害の日額基礎収入の計算方法、請求に必要な書類は、所得の種類(給与所得者、自営業など)で異なる。
  • 休業損害の算定基準は3つあり、通常被害者にとって最も有利なのは裁判所の基準(弁護士の基準)。

適切な休業損害を請求して受け取ることは、被害回復にとって極めて重要です。
アディーレ法律事務所では、交通事故でケガをした被害者からの損害賠償請求を取り扱っております。休業損害と有給についてお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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