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財産隠しは絶対NG!重大犯罪詐欺破産罪について弁護士が解説

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破産をする人が絶対にやってはいけないことが財産を隠すことです。

皆様は2017年に世間を賑わせた格安旅行会社「てるみくらぶ」の事件を覚えていますか?

てるみくらぶを通して旅行を予約したところ、てるみくらぶが倒産したために、旅行者がてるみくらぶに預けた飛行機代やホテル代が航空会社やホテルに支払われずに、トラブルになった事件です。倒産直前に現金で支払えば旅行代金を割り引くキャンペーンを実施していたことから、被害者の数が増え、問題が大きくなりました。

これだけでもかなり悪質な事件ですが、この事件はそれだけでは幕を閉じませんでした。
会社だけでなく個人としても破産を申請した同社元社長山田千賀子氏は、社内に自身の役員報酬として保管してあった現金約1000万円を自宅に隠したというのです。

結局、山田氏にはこの破産法違反などを理由として懲役6年の実刑判決が下されました。

多くの人に迷惑をかけておきながら自分だけ1000万円もの財産を隠し持とうとしたなんて許せませんよね。個人としても破産を申立てたならば、すべての財産の在処を裁判所に伝えなければなりません。それは破産する人全員の義務です。

そこで、今回は「詐欺破産罪」について解説しましょう。

参照:てるみくらぶ社長を4回目逮捕 1000万円隠した疑い|産経ニュース
参照:てるみくらぶ元社長、懲役6年の判決 東京地裁|ライブドアニュース

詐欺破産罪とは?

詐欺破産罪は、債権者を害する意図で次の行為をしたときに成立します。

  • 破産者が自分の財産を隠した
  • 破産者が自分の財産をあえて破壊した
  • 破産者が自分の財産の価値を損なわせた
  • 破産者が財産を知人や友人に譲渡した、または譲渡したように見せかけた

「詐欺」という名前ではありますが、日常生活で一般的によく耳にする詐欺罪とは大きく異なります。

詐欺破産罪の刑罰は、以下のとおりです。

  • 1ヶ月以上10年以下の懲役
  • 1000万円以下の罰金

懲役と罰金が両方とも下される可能性もあります。

自己破産は生活に必要な範囲を超える財産をすべて手放す代わりに、借金の支払いを免除してもらう手続きです。生活に必要な財産かどうかは法律や裁判所の判断によって決まります。そのため、財産を隠し持とうとすると逮捕されるたり、さらに裁判の結果、罰金を科されたり、懲役になってしまう可能性もあるということです。

財産隠しはバレる?

財産隠しをするとき、人はバレないと思い込むものです。
山田氏もきっとバレないと思っていたことでしょう。
うしかし、どんなに巧妙に隠したつもりであっても、高い確率で発覚します。

自己破産手続きでは、自己破産手続きを依頼した弁護士(申立代理人)や裁判所の代わりをする弁護士(破産管財人)が預金口座の入出金記録や源泉徴収票、確定申告書、課税証明書などをくまなくチェックします。

その際、もし不審な点が見つかれば、さらに徹底した調査を行います。

うっかり伝え忘れていたからといって、直ちに詐欺破産罪で処罰されることはありません。
しかし、財産隠しは確実にバレますので、財産の在処をありのままに弁護士に伝えましょう。

免責不許可になるリスク!

詐欺破産罪で逮捕・起訴されるのはかなり悪質なケースに限られるでしょう。
そうすると、財産隠しをした最大のリスクは、弁護士費用を払ってせっかく申立てた自己破産が認められず、借金の返済義務が免除されない(免責不許可になる)ことです。
裁判所の指示に従わないのに破産だけ認めてもらおうとするのは都合がよすぎるということですね。

また、その取引の効果が否認されることもあります。
たとえば自分の財産を誰かに売却していた場合、破産管財人によって、その売買が最初からなかったものとして扱われます。その後、その財産がどうなるかは管財人と裁判所次第です。
取引の相手に迷惑をかけることにもなりますので、借金の返済に困窮した後で、専門家などにも相談せず独自の判断で財産を処分するのはやめてください。

ほかに、自己破産を申立てる前に財産隠しが発覚すると、弁護士(申立代理人)から辞任されてしまう可能性が高いので、財産の在処を思い出したら、その都度弁護士に伝えましょう。

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