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財産隠しの可能性があるなら?離婚の財産分与で損しないための対処法

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離婚をする場合、夫婦が婚姻期間中にお互い協力して築きあげてきた財産を分け合う制度が財産分与です。

状況は夫婦によってさまざまでしょうが、離婚後に単独で生計を立てていかなければならない場合も多いでしょうから、財産分与によって少しでも多くの財産を得ておきたいと誰しもが思うところです。

ところが、財産分与請求を受ける相手方が、少しでも多くの財産を維持したいという思いから「財産隠し」に走るようなケースも出てきます。

相手方に「財産隠し」をされたことによって、財産分与の額が本来受け取るべきだったものより低くなってしまうようでは、公平な解決とは言えないでしょう。

実は財産隠しをしても、刑事罰では基本的に処罰されません。とはいえ民事上の損害賠償請求は可能ですし、財産の引き渡しを求めることも可能です。

この記事では

  • 「財産隠し」が疑われる際の対処法

ついて解説していきます。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

配偶者の財産隠しは、基本的に刑罰で処罰されないが、民事上の損害賠償が可能なことも

配偶者が財産隠しをしていても基本的には、詐欺罪や窃盗罪などでは処罰されません。

というのも、夫婦間においては「親族相盗例」という刑法上のルールが適用される結果、刑の免除を受けることになるからです。

「親族相盗例」とは、「法は家庭に入らず」という考え方から定められた刑法上のルールで、他人同士では犯罪が成立するような行為を行った場合でも、それが親族間で行われた場合には、特例として処罰しないというものです。

1項 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第253条の罪(窃盗罪)、第253条の2の罪(不動産侵奪罪)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

引用:刑法244条(親族間の犯罪に関する特例)

この条文が、他のいくつかの財産犯についても準用されており、詐欺罪、背任罪、恐喝罪、横領罪などは、配偶者との間で行われたとしても不処罰になります。

ただし、財産隠しによって財産分与を受ける側が損害を受けた場合には、財産分与請求に加えて、民事上の損害賠償請求ができる可能性はあります。

財産隠しをされているかもしれない!財産分与請求の手続き方法

次に、財産隠しが疑われる場合の財産分与請求の手続き方法を説明していきます。

(1)相手に財産の開示を直接求め、財産分与の話し合いを行う

可能な限り、別居する前や離婚を切り出す前に相手の財産状況を調べておくと、その後の手続きをスムーズに進めることができます。
相手の財産状況を調べる際には、預金通帳、給与明細や確定申告書、証券口座の明細等を集めておくとよいでしょう。

すでに別居や離婚をしている場合は、メールや電話等で財産開示と話し合いを申し入れましょう。
財産分与の話し合いに応じてもらえない場合には、相手方にプレッシャーを与えるべく、内容証明郵便で財産分与の請求書を送付すると良いでしょう。

財産分与は、夫婦の共有財産の清算や離婚後の扶養をめぐる問題ですから、財産分与の額や方法をどのようにするかは、あくまで当事者間で協議して決めるのが原則です。

(2)家庭裁判所に調停を申立てる

夫婦間による協議で財産分与の話がまとまらない場合は、離婚時は「離婚調停」を、離婚後は「財産分与請求調停」を、それぞれ家庭裁判所に申立てることになります。

いずれも、基本的には調停委員を介して相手方と財産分与についての話し合いを行なうことになりますが、その展開によっては調停委員が裁判官と評議をして調停を進めることがあり、裁判官の指示によって、調停に進展がみられることがあります。

裁判所の判断で、裁判所を通じて銀行口座などの相手の財産を調べることができる場合もあります。

相手があなたに対して財産を分与するよう調停が成立したにもかかわらず、相手が調停結果に従わない場合は、相手の財産を差し押さえる強制執行の手続きを行うことになります。

(3)離婚裁判や財産分与請求審判で財産分与を求める

調停が不成立に終わった場合は、共有財産や財産分与方法について、離婚時は「離婚裁判」、離婚後は「財産分与請求審判」で財産分与を求めることとなります。

相手があなたに対して財産を分与するよう審判が出たにもかかわらず、相手が審判に従わない場合は、相手の財産を差し押さえる強制執行の手続きを行なうことになりますす。

(4)「財産の保全処分」を求める方法

しかし、これらの調停などが終わるまでに長い時間がかかることも少なくありません。この間に相手方が財産を使い果たしていたら、調停や審判等でいくらあなたに有利な内容を勝ち取れても、財産を回収できなくなってしまいます。

そのため、「保全処分」という手段があります。
保全処分とは、裁判手続きの結果が出る前に相手の財産が散逸してしまわないように確保しておき、裁判で勝訴判決を得た場合に、確実に判決内容を実現できるようにする手続のことをいいます。

相手の財産隠し等の行為を防ぐための有力な「財産の保全処分」の方法としては、以下の2つがあります(ただし、一定の要件を満たさないと保全処分はできません。また、原則として保証金も必要です。詳しくは弁護士などにお尋ねください)。

  1. 民事保全手続(離婚成立前)
    債権者(財産分与手続においては、財産分与請求権を有する者)が調停等を起こしたとしても、調停等が終了して強制執行を行うまでには一定の時間を要します。しかし、この間に債務者が財産を処分してしまった場合には、せっかく得られた調停等の結果が無意味なものになりかねません。そのような事態を防ぐために、調停を申し立てる前等に債務者の財産を一時的に処分できないようにしておく手続が民事保全手続です。

    民事保全手続には大きく分けて、

    • 金銭債権を目的とする「仮差押え」(民事保全法20条)
      <例:債務者が銀行口座から預金を引き出せないようにする>
    • 特定物の引渡請求権などを目的とする「係争物に関する仮処分」(同法23条1項)
      <例:債務者が所有不動産を処分することを禁止する>
    • 争いがある権利関係について現在債権者に生じる著しい損害又は急迫な危険を避けるために暫定的な措置をすることを求める「仮の地位に関する仮処分」(同法23条2項)
      <例:債権者の生活が困窮しているため、当面の生活費として財産分与の仮払いを求める>

      の3種類があります。

  2. 審判前の保全処分(離婚成立後)
    家事事件手続法105条に規定されている手続です。
    審判が確定する前に財産を処分されてしまわないように、審判に先行して財産を確保しておく手続きになります。

財産隠しをされている可能性があるときに、弁護士に依頼する3つのメリット

財産隠しが疑われる財産分与請求では、「相手の財産が分からない」「相手の財産の評価が難しい」「相手が財産分与の話し合いに非協力的である」などの点が問題になるケースが多いのが現実です。

法務知識や交渉ノウハウに長けた弁護士に依頼し、以下で説明する3つのメリットを最大限に生かすことができれば、これらの問題をクリアしやすくなる可能性が高まります。

(1)弁護士法によって財産を調査できるケースがある

弁護士は、「弁護士法第23条の2に基づく照会」によって、個人の生命保険の加入状況や、証券取引、不動産取引等についての履歴を、所属弁護士会を通じて、保険会社や証券会社各社、各機関に照会することができます。
この制度を「弁護士会照会」といい、弁護士法23条の2に根拠規定があることから「23条照会」などとも呼ばれます。

弁護士会照会に応じるかどうかについては、それぞれの機関が情報開示についてのガイドラインを設けていることも多く、各機関次第ということになります。

しかし、この弁護士会照会に応じてもらうことができれば、より正確な事実に基づいた事案の解決が可能となります。

1項 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に紹介して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があった場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。
2項 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に紹介して必要な事項の報告を求めることができる。

引用:弁護士法23条の2

(2)財産分与の対象となる財産やその価値の評価等を適切に判断できる

財産分与請求を有利に進めるためには、適切な財産の評価方法(額面か時価か等)を知っている必要があります。

どの財産が財産分与の対象となるのかなども、法務知識やノウハウがないと判断が難しいでしょう。

弁護士に依頼すると、そのような面での不安を小さくすることができます。

(3)協議・調停・審判を有利に進められる可能性が高い

弁護士のアドバイスや指示に従って話し合い(協議)をすれば、不利な条件で合意するリスクを極力抑えることができます。

また、調停や審判の手続きは自分で行うことも可能ですが、弁護士に依頼した方が、不用意なトラブルを避けることができ、有利に進められる可能性が高まります。

財産分与請求ができるのは、離婚時か、離婚後2年以内

財産分与請求権は、離婚成立から2年を経過すると消滅します(民法768条2項ただし書、除斥期間)。
したがって、基本的には、離婚後2年以内に財産分与について請求しないと、財産分与の支払いを受けることができなくなるので、注意しましょう。

【まとめ】財産分与でお悩みの方は、弁護士にご相談ください

財産分与請求権は、離婚成立から2年を経過すると消滅してしまいます。
そのため、財産分与の問題は早めにクリアしておく必要があります。

離婚時はもちろん、離婚後であっても、相手が財産を隠しているという疑いが強まったときは、財産分与請求について弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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