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交通事故の自賠責の補償内容&慰謝料額は?もらい事故のときの注意点

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自動車を購入する際には必ず加入する自賠責保険。運転者なら誰しも名前は聞いたことがあると思います。しかし、実際にどのような保険なのか、その補償内容まで詳しくご存知の方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、自賠責保険の補償内容と、もらい事故にあってしまった際の示談交渉について弁護士が説明します。

自賠責保険とはどんな保険?

まず、自賠責保険の概要と、補償内容について説明します。

(1)自賠責保険とは?

自賠責保険とは、正式名称を自動車損害賠償責任保険といい、自動車(原付を含みます)を所有する場合に加入することが自動車損害賠償保障法(自賠法)により義務付けられている保険です。加入が義務であることから「強制保険」とも呼ばれます。
自賠責保険に加入せずに自動車を運転すると、

  • 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 違反点数6点=免許停止処分
  • 車検が受けられない

といったペナルティを受けます。
なお、運転中に自賠責保険の証明書を所持していなかっただけでも、30万円の罰金に処せられることになっています。

参考:自賠責保険について知ろう!|国土交通省

(2)自賠責保険の補償内容と支払い限度額

自賠責保険は、自動車の運転により他人にケガを負わせたり、死亡させたときの被害者救済のためのものです。したがって、対人賠償事故のみが補償の対象となり、運転者自身のケガや、物の損害(対物賠償)は補償の対象外となります。
このように、自賠責保険だけでは補償範囲が限定的なため、任意保険の加入が一般的に推奨されています。
自賠責保険の補償内容は次のとおりです(2020年4月1日以降に起こった事故の場合)。

(2-1)傷害による損害

傷害(=ケガ)による損害に関しては、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などが支払われます。なお、傷害に関する補償の限度額は、被害者1名につき120万円です。

【傷害に関する補償内容】

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

支払いの対象となる損害支払い基準
治療関係費治療費診察料や手術料、または投薬料や処置料、入院料等の費用など治療に要した、必要かつ妥当な実費
看護料原則として12歳以下の子供に近親者等の付き添った場合や、医師が看護の必要性を認めた場合の入院中の看護料や自宅看護料・通院看護料入院1日4200円
自宅看護または通院1日2100円
これ以上の収入減の立証で近親者1万9000円、それ以外は地域の家政婦等の料金を限度にかかった実額が支払われる
諸雑費入院中に要した雑費など原則として入院1日1100円
通院交通費通院に要した交通費通院に要した、必要かつ妥当な実費
義肢等の費用義肢や義眼、眼鏡、補聴器、松葉杖などの費用必要かつ妥当な実費
眼鏡の費用は5万円が限度
診断書等の費用診断書や診療報酬明細書などの発行手数料発行に要した、必要かつ妥当な実費
文書料交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料発行に要した、必要かつ妥当な実費
休業損害事故の傷害で発生した収入の減少(有給休暇の取得、家事従事者を含む)原則として1日6100円
これ以上の収入減の立証で1万9000円を限度として、その実額が支払われる
慰謝料交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償1日4300円が支払われ、対象日数は被害者の傷害の状態、実治療日数などを勘案して治療期間の範囲内で決められる

(2-2)後遺障害による損害

交通事故でケガを負った場合、治療してもこれ以上回復できない状態で症状が残ることがあります。これを後遺症といいます。
「後遺障害」とは、このように交通事故で負った後遺症のうち、自賠責保険の基準に基づき、所定の機関(損害保険料率算出機構など)により障害を認定されたものをいいます。
後遺障害は1~14級(および要介護1級・2級)の等級に分かれており、1級の症状が最も重く、症状が軽くなるに従って2級、3級……と等級が下がっていきます。
各等級で、眼・耳・四肢・精神・臓器などの部位、障害の系列に応じた障害の認定基準(各号)が定められています。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

後遺障害が認定されると、逸失利益(=後遺障害によって得られなくなった将来の収入)や慰謝料などが支払われます。

後遺障害に関する補償の限度額は、逸失利益や慰謝料すべて含めて

ア 神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害
(被害者1名につき)
常時介護を要する状態(要介護1級)4000万円
随時介護を要する状態(要介護2級)3000万円
イ 上記ア以外の後遺障害
(被害者1名につき)
3000万(1級)~75万円(14級)

となります。

【後遺障害に関する補償内容】

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

支払いの対象となる損害支払い基準
逸失利益身体に残した障害による労働能力の減少で、将来発生するであろう収入減収入および障害の各等級(1~14級)に応じた労働能力喪失率で、喪失期間などによって算出する
慰謝料等交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償上述アの場合、1650万円(要介護1級)、1203万円(要介護2級)が支払われ、初期費用などとして500万円(要介護1級)、205万円(要介護2級)が加算される
上述イの場合、1150万(1級)~32万円(14級)が支払われ、いずれも1~3級で被扶養者がいれば増額される

(2-3)死亡による損害

死亡による損害については、葬儀費、逸失利益、被害者および遺族の慰謝料が支払われます。
死亡に関する補償の限度額は、被害者1名につき3000万円です。

【死亡に関する補償内容】

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

支払いの対象となる損害支払い基準
葬儀費通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用(墓地、香典返しなどは除く)100万円が支払われる
逸失利益被害者が死亡しなければ将来得たであろう収入から、本人の生活費を控除したもの収入および就労可能期間、被扶養者の有無などを考慮のうえ算出する
慰謝料被害者本人の慰謝料400万円が支払われる
遺族の慰謝料は、遺族慰謝料請求権者(被害者の父母、配偶者及び子)の人数により異なる請求権者1名で550万円、2名で650万円、3名以上で750万円が支払われる
被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円が加算される

(3)自賠責保険の保険金が支払われない場合

自賠責保険を請求する側の責任が100%の事故(これを「無責事故」といいます)については、相手方車両の自賠責保険金からの支払い対象にはなりません。
無責事故の例としては下記の3つがあります。

ア 自賠責保険を請求する側の車両がセンターラインをオーバーした場合

イ 自賠責保険を請求する側の車両が赤信号を無視していた場合

ウ 脇見運転や居眠り運転により自賠責保険を請求する側の車両が追突した場合

交通事故の被害者に支払われる慰謝料

交通事故でケガをした場合、加害者側が加入する保険会社に入通院慰謝料(「傷害慰謝料」ともいいます)や後遺障害慰謝料の請求をすることができます。
以下では、請求の流れや慰謝料の算定方法を説明します。

(1)慰謝料請求にはケガの治療が必要

交通事故でケガをした場合は、まず病院で治療を受けることになります。
入通院慰謝料の請求は、ケガが完治してから行ないます。
途中で通院を止めてしまうと完治したとみなされ、症状が再び出ても入通院期間に算入されず、慰謝料額が減ってしまうことになるため注意が必要です。
治療を続けてもそれ以上回復が見込めない場合は「症状固定」となります。医師から症状固定の診断を受けてはじめて、後遺症慰謝料の請求が可能となります。

(2)自賠責保険の入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険の入通院慰謝料は、次のイ・ロのうち少ないほうの金額となります。

イ 実入通院日数×2×4300円
ロ 入通院期間×4300円

例えば、入通院期間30日、その間の入院が10日・通院が10日だった場合、

イ 20日(入通院日数の合計)×2×4300円=17万2000円
ロ 30日×4300円=12万9000円

イとロを比べると、ロのほうが少ないため、ロの12万9000円が採用されます。
自賠責保険では、傷害に関する補償限度額は120万円のため、治療が長引いたりすると十分な補償を受けられないことも起こり得ます(もっとも、後遺症慰謝料は補償限度額120万円に含まれず、別途支払われます)。

(3)自賠責保険における後遺症慰謝料

上で述べたように、医師により症状固定の診断が出た後、所定の機関(損害保険料率算出機構など)により後遺障害等級が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺症慰謝料を請求できます。
自賠責保険における後遺症慰謝料は、後遺障害の等級に応じて支払われます。

【自賠責保険における後遺症慰謝料】(2020年4月1日以降に起きた事故の場合)

第1級第2級第3級第4級第5級第6級第7級
1150万円998万円861万円737万円618万円512万円419万円
第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
331万円249万円190万円136万円94万円57万円32万円

要介護の場合

第1級第2級
1650万円1203万円

(4)慰謝料額を決める基準は3つある

もっとも、上で挙げたのはあくまでも自賠責保険の基準に基づく慰謝料額です。
実は、後遺症慰謝料の金額を決める基準は次の3つがあります。

  • 自賠責の基準…自動車損害賠償保障法(自賠法)で定められた、必要最低限の賠償基準
  • 任意保険の基準…各保険会社が独自に定めた賠償基準
  • 弁護士の基準…弁護士が、通常、加害者との示談交渉や裁判で用いる賠償基準(「裁判所基準」ともいいます)

これらの3つの基準を金額の大きい順に並べると、一般的に

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

となります(一部、例外となるケースもあります)。

交通事故の被害者が、加害者に対して慰謝料などの賠償金を請求する場合、その金額について、通常は加害者が加入する任意保険会社と示談交渉を行うことになります。
その際、被害者本人(加入する保険会社の示談代行サービスを含む)が加害者側の保険会社と示談交渉すると、加害者側の保険会社は自賠責の基準や任意保険の基準による低い慰謝料額を提示してくるのが通常です。
これに対し、弁護士が被害者本人に代わって示談交渉や裁判を行う場合は、通常は最も高額となる弁護士の基準を用いた主張を行います。
これにより、慰謝料の増額が期待できます。

【自賠責の基準と弁護士の基準の比較(単位:万円)】

第1級第2級第3級第4級第5級第6級
自賠責の基準1150998861737618512
弁護士の基準280023701990167014001180
金額差(倍)2.432.372.312.272.272.30
第7級第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
419331249190136945732
1000830690550420290180110
2.392.512.772.893.093.093.163.44

(いずれも、2020年4月1日以降に起きた事故の場合)

例えば、交通事故によるケガで後遺障害8級の認定を受けた場合の後遺症慰謝料は、自賠責の基準では331万円なのに対し、弁護士の基準では830万円となります。弁護士の基準のほうが自賠責の基準の約2.51倍の金額となっているのがお分かりかと思います(ただし、賠償金を請求する側の過失が70%未満の場合)。

(5)交通事故の慰謝料については弁護士に相談するのがおすすめ

被害者本人が加害者側の任意保険会社と示談交渉すると、慰謝料などの賠償金を弁護士の基準の額まで引き上げるのは困難です。
また、後遺障害が残った場合、弁護士に依頼すれば後遺障害認定の申請手続きのサポートも受けることができます。
弁護士の基準で慰謝料を請求したい場合は、弁護士に示談交渉を依頼するのがおすすめです。

もらい事故のときはどうなる?

最後に、いわゆる「もらい事故」の場合の示談交渉の注意点を説明します。

(1)もらい事故とは?

「もらい事故」とは、被害者に過失(=不注意・ミス)が全くなく、一方的に事故に巻き込まれた場合をいいます。
もらい事故の具体例としては、

  • 信号待ちで停止中に後方から追突された
  • 信号無視の車に衝突された
  • センターラインを超えた車に正面衝突された

などがあります。

(2)もらい事故では保険会社が示談交渉に入れない

もらい事故ではこちら側の過失がゼロのため、自身が加入している任意保険会社の示談代行サービスを利用することができません。
というのも、保険会社が示談交渉するには、自社の保険の被保険者(加入者)にも過失があり、加害者に対して保険金支払い義務があることが前提となります。自社に保険金支払い義務がないにもかかわらず、被保険者の示談交渉を代行すると弁護士法72条違反となってしまいます。
したがって、加害者に対する支払い義務が発生しないもらい事故では、保険会社は加入者の示談交渉を代行することができないのです。
そこで、もらい事故では被害者が加害者側の保険会社と直接示談交渉しなければならないことになります。

(3)もらい事故における慰謝料請求

もらい事故でケガを負った場合でも、一般的な衝突事故と同様、もちろん慰謝料請求が可能です。
もっとも、もらい事故の場合、保険会社の示談代行サービスが使えず、被害者が加害者側の任意保険会社と直接示談交渉しなければなりません。
その際、加害者側の任意保険会社は、慰謝料などの賠償金について、自賠責の基準や任意保険の基準などに基づき、弁護士の基準と比較すると低い金額を提示してくるのが通常です。
もらい事故の場合には、保険会社の示談代行サービスが使えないため、適正な賠償金の支払いを求めるためには弁護士に依頼して示談交渉してもらうことがおすすめです。
なお、示談交渉などを弁護士に依頼する際には弁護士費用が必要となりますが、ご加入の任意保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用をそちらから賄うことができる場合があります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

弁護士費用特約とは?家族も利用できる特約内容についても解説

【まとめ】自賠責保険は、必要最低限の賠償基準

自賠責保険は人身事故における相手側への補償をするものです。自分のケガや対物賠償についての補償はありません。
自賠責保険の補償は限定的であり、支払限度額も低いため、任意保険にも加入しておくことが一般的に推奨されます。
交通事故による慰謝料の算定基準には自賠責保険の基準のほかに、任意保険の基準、弁護士の基準があり、金額が異なります。
衝突事故やもらい事故において適正な慰謝料を請求するためには、弁護士の基準による示談交渉がおすすめです。
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