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後遺障害等級7級の認定で受けられる慰謝料の相場は?その症状も解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

「後遺障害等級7級に認定されたら、慰謝料はいくらくらいんなんだろう?」

交通事故によるけがが原因で後遺障害等級が認定された場合、加害者に対して、治療費などに加えて後遺症慰謝料などの賠償金を請求することができます。後遺症慰謝料とは、後遺症が残ったことについての精神的苦痛を慰謝するためのお金です。

実は、後遺症慰謝料の基準は1つではなく、自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士の基準の3つがあります。後遺障害7級の後遺症慰謝料は、自賠責の基準では419万円、弁護士の基準では1000万円です。

もしも後遺障害等級7級に認定され、加害者の保険会社から賠償金の提示があったという方は、すぐに提示された金額で示談をするのではなく、賠償金が増額される余地はないかよくご検討ください。

この記事では、次のことについて弁護士が説明します。

  • 後遺障害の等級の概要
  • 後遺障害7級の内容
  • 後遺障害7級で請求できる賠償金
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

目次

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後遺障害7級と認定される後遺症とは?

交通事故によりケガをした場合、治療をしても症状が固定し、これ以上回復できない後遺症が残ることがあります。
この後遺症について、自賠責保険の基準で障害の等級を認定されたものを後遺障害といいます。

医師の治療及び症状固定の診断を受けた後、所定の機関に対し後遺障害等級認定の申請をすると、後遺障害の等級が認定されます。
後遺障害は、症状の部位と程度・深刻度などによって、重い順に1~14級までの等級に分類されます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

では、後遺障害7級の内容について見ていきましょう。

後遺障害7級になる後遺症と13の分類

後遺障害7級は、最も重い1級から数えて7番目の等級ですが、症状は決して軽いものではありません。
後遺障害7級の労働能力喪失率(=後遺症により労働能力がどの程度失われたかを示す数値)が56%であることが、それを示しています。

後遺障害7級に該当すると、交通事故の前と比較して、(一般的に)56%分、つまり半分以上もの労働能力が失われると評価されるということです。

後遺障害7級は、症状ごとに次の1~13号に分かれています。

【後遺障害等級7級の後遺障害】

後遺障害の内容
1.1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
2.両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3.1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4.神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5.胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6.1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
7.1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8.1足をリスフラン関節以上で失ったもの
9.1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10.1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11.両足の足指の全部の用を廃したもの
12.外貌に著しい醜状を残すもの
13.両側の睾丸を失ったもの

目や耳・手足や指の切断や麻痺だけでなく、外貌(=見た目)の後遺症も含まれます。
つまり、仕事への影響の他に、見た目の変化への精神的ダメージも考慮されているのです。
それでは、後遺障害7級の1~13号の症状を具体的に見ていきましょう。

(1-1)【1号】1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの

片方の眼が失明し、同時にもう片方の眼の視力がメガネやコンタクトを付けたときの矯正視力で0.6以下になった場合がこれにあたります。

(1-2)【2号】両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

40センチメートル以上の距離で話しかけられても、言葉を聴き取れない状態がこれにあたります。
聴力検査には、「ピー」といった単純な音を聴き取れるかを調べる純音検査と、言葉を聴き取れるかを調べる明瞭度検査がありますが、2号はこれらの検査で、次のいずれかに該当する場合です。

  • 両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上
  • 両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの

(1-3)【3号】1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

3号も聴力に関するものです。
片方の耳が聴こえなくなり、もう片方の耳については1メートル以上の距離で話しかけられても言葉を聴き取れない状態がこれにあたります。
具体的には、聴力検査で次のいずれも該当する場合です。

  • 1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上
  • 他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上

(1-4)【4号】神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

脳や神経の損傷により労働能力に支障が生じ、簡単な仕事しかできなくなった状態です。
たとえば、高次脳機能障害により、1人で手順とおりに作業を行うことに困難を生じることがあり、時々助言を必要とする場合などが該当します。

(1-5)【5号】胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

呼吸器や心臓などの障害により労働能力に支障が生じ、簡単な仕事しかできなくなった状態です。
たとえば、心臓に除細動器(=心拍数を整えるための装置)を植え込んだ場合や、完全便失禁を残した場合などが該当します。

交通事故と胸腹部臓器の障害について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

交通事故で内臓に機能障害が残った場合に認定される後遺障害等級は?

(1-6)【6号】1手のおや指を含み3の手指を失つたもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの

「手指を失う」とは、親指については指節間関節・それ以外の指は近位指節間関節以上を失うこととされています。
片方の手の親指を含む3本、又は親指以外の4本の指を失った場合です。
左右どちらの手でも該当し、利き手であるかどうかは問いません。

(1-7)【7号】1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

片方の手の全部、又は親指を含む4本の指の用を廃した場合です。
「用を廃した」とは、一部切断や麻痺などで指が使えなくなったことを指します。
6号と同様、左右どちらの手でも該当し、利き手であるかどうかは問いません。

(1-8)【8号】1足をリスフラン関節以上で失ったもの

リスフラン関節とは、かかととつま先の中央にある関節、つまり足の甲の部分にある関節です。
片方の足のリスフラン関節からつま先までの部分を失った場合がこれにあたります。

(1-9)【9号】1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

片方の腕に偽関節が残り、常に硬性補装具(=金属やプラスチック製の補装具)を必要とする場合です。
「偽関節」とは、骨折した骨が癒合(=くっつくこと)せず、その部分が関節のようグラグラ動くようになった状態を指します。

(1-10)【10号】1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

片方の足に偽関節が残り、常に硬性補装具を必要とする場合です。
「偽関節」の意味については、9号と同じです。

(1-11)【11号】両足の足指の全部の用を廃したもの

両足の指の全部の用を廃した状態です。
「用を廃した」とは、一部切断や麻痺などで指が使えなくなったことを指します。
なお、片足のみの場合は、等級が下がります(9級)。

(1-12)【12号】外貌に著しい醜状を残すもの

外貌(=見た目)に関する障害です。
交通事故により、腕や足以外の露出した部分、つまり頭・顔・首に傷跡が残った場合がこれにあたります。
「著しい醜状」とは、次のような傷などが残った場合です。

  • 頭部に手のひらの大きさ以上の傷あと又は頭蓋骨の欠損
  • 顔面にニワトリの卵の大きさ以上の傷あと、又は10円玉の大きさ以上の組織陥没
  • 頸部に手のひらの大きさ以上の傷あと

男女の性別に関係なく該当します。

外貌醜状について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

(1-13)【13号】両方の睾丸を失う

交通事故が原因で、両方の睾丸を失った場合です。
睾丸が残っていても、精子を作る機能が失われればこれに該当します。
なお、「睾丸を失う」とありますが、女性にも準用されます。
具体的には、両方の卵巣を失ったり、卵子を作る機能が失われると該当します。

後遺障害7級で受け取れる慰謝料等の相場

交通事故でケガを負った場合、加害者(通常は、交通事故の相手方)に対して次のような損害賠償を請求できます。

  • 入通院治療費
  • 入通院慰謝料
  • 休業損害    など

さらに、後遺障害等級申請により後遺障害7級が認められた場合は、通常は次の項目についての損害賠償を請求できます

  • 後遺症慰謝料
  • 逸失利益

それでは、これらの内容とその金額の相場について説明します。

(1)入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料とは、交通事故によって入院や通院をしなければならなくなった精神的苦痛に対する慰謝料です(「傷害慰謝料」ともいいます)。治療のためにかかった治療費や交通費などとは別に請求できます。

治療を開始してから症状固定(=後遺症が残ったこと)の診断を受けるまでの入通院日数や治療期間の長さに応じ、入通院慰謝料の支払いが受けられます。なお、入通院慰謝料の金額を算出する際の基準には、次の3つがあります。

  • 自賠責の基準
  • 任意保険の基準
  • 弁護士の基準(裁判所の基準ともいいます)

どの基準を用いるかによって慰謝料の額が変わります。

3つの基準を金額の大きい順に並べると、通常は次の順になります。

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

(※ただし、自賠責保険金額は交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合には、自賠責の基準が最も高額となることもあります。)

たとえば、交通事故で足を骨折し、治療を開始してから終わるまでに3ヶ月、その間の入院日数が10日、通院日数が60日の場合の入通院慰謝料の目安は次のようになります(2020年4月1日以降に起きた事故の場合)。

  • 自賠責の基準の場合:38万7000円
  • 任意保険の基準の場合:自賠責の基準よりやや高い程度
  • 弁護士の基準の場合:約81万円

被害者が、自分自身(又は加入している保険会社の示談代行サービス)で加害者と示談交渉を行うと、加害者側の保険会社は、自賠責の基準や任意保険の基準を用いた低い金額を提示し、話をまとめようとしてくることがあります。
これに対し、被害者に代わって弁護士が示談交渉を行う場合は、最も高額になるように、(通常は)弁護士の基準を用いて交渉をします
示談交渉を弁護士に依頼するメリットの多くはここにあります。

自分で弁護士の基準をもとに交渉したら、弁護士の基準で示談はできませんか?

保険会社は交渉のプロですので、交渉の相手としてはとても手強いです。
弁護士でない方が弁護士の基準で示談交渉しようとしても、なかなか基準に近い金額で示談をすることは難しいです。
弁護士の基準で示談をしたければ、弁護士に依頼されることをお勧めします。

(2)休業損害の相場

休業損害とは、事故から症状固定までの間、働くことができず得られなかった収入をいいます。
休業損害は、次の計算式で算出します。

基礎収入は、基本的に事故発生前の被害者の収入を日割りにした額となります。

現実の収入がない専業主婦(主夫)といった家事従事者も、交通事故によるけがのため家事労働に従事できなかった期間について休業損害を請求できます。
保険会社からの提示に休業損害の項目がない場合には、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

(3)後遺症慰謝料の相場

後遺症慰謝料とは、後遺症が残ったことの精神的苦痛(=痛い・つらい)に対する賠償をいいます。担当医から症状固定の診断を受けたら、加害者の自賠責保険会社に後遺障害等級認定の申請をします。

後遺障害が認定されると、等級ごとの基準に沿った慰謝料を請求できます。
後遺症慰謝料の金額も、入通院慰謝料と同様、3つの算出基準があり、それぞれ次のように金額が異なります。

後遺障害7級の後遺症慰謝料の目安

  • 自賠責の基準の場合:419万円
  • 任意保険の基準の場合:自賠責の基準よりやや高い程度
  • 弁護士の基準の場合:1000万円

(2020年4月1日以降に起きた事故の場合)

弁護士の基準では、自賠責の基準の2倍以上もの金額になるのがお分かりかと思います。

(4)逸失利益の相場

逸失利益とは、後遺障害によって得られなくなった将来の利益のことをいいます。
たとえば、歌手として生計を立てている人が、交通事故による言語障害のため歌手の仕事ができなくなってしまった場合、歌手業により将来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入をいいます。
逸失利益の金額は、次の計算式で算出します。

「基礎収入」は、原則として事故発生前の収入の金額が採用されます。
「労働能力喪失率」とは、後遺障害により労働能力がどれだけ失われたのか、その割合をいいます。
後遺障害等級ごとに目安が定められており、7級の場合の労働能力喪失率は、56%とされています(つまり、100%のうち、56%が失われた状態)。
ただし、具体的な後遺障害の内容等によって、この数字が変わってくることもあります。

特に後遺障害7級12号の「外貌醜状」は、労働能力それ自体には影響はないとして、労働能力喪失率はないとして逸失利益の賠償がされないケースも少なくありません。
保険会社からの提案に疑問がある場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。

「ライプニッツ係数」とは、被害者が将来得られたはずの利益を前もって受け取ったことで得られた利益(利息など)を控除するための数値です。

参考:平均余命年数とライプニッツ係数表|国土交通省

【まとめ】後遺障害7級の慰謝料は、自賠責の基準では419万円/弁護士の基準では1000万円

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 後遺障害等級は、要介護の1級と2級、介護不要の1~14級に分類される。
  • 後遺障害7級には、1~13号までがあり、失明や聴力を失う、手足の切断や麻痺、顔の傷などの後遺症が含まれる。
  • 後遺障害7級に認定されると、入通院治療費、入通院慰謝料、休業損害に加えて、基本的には後遺症慰謝料、逸失利益などの賠償金を請求できる。
  • 後遺障害7級の後遺症慰謝料は、自賠責の基準では419万円、弁護士の基準では1000万円。弁護士に示談交渉を依頼する場合、弁護士は弁護士の基準をもとに保険会社と交渉する。
  • 慰謝料の増額や併合は、弁護士に依頼したほうが被害者にとって有利な結果になる可能性が大きくなる。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年11月時点)

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