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後遺症慰謝料とは?後遺障害8級の症状と後遺障害認定の申請方法

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交通事故によるケガが原因で後遺障害が認定された場合、加害者に対して後遺症慰謝料を請求することができます。この記事では、後遺障害8級について、

  • 後遺症慰謝料とは何か
  • 後遺障害8級の症状
  • 後遺障害等級認定の申請方法
  • 慰謝料を増額するポイント

を弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

目次

後遺症慰謝料の基礎知識

まずはじめに、

  • 後遺症慰謝料とは何か
  • 後遺症慰謝料の計算基準

について説明します。

(1)後遺症慰謝料とは?

後遺症慰謝料とは、交通事故によるケガが原因で後遺障害が残った場合に、その精神的苦痛に対して支払われる賠償金をいいます。
被害者が、加害者である事故の相手方に対して請求するものです。
治療費や、入通院慰謝料(=入院や通院の苦痛に対して支払われる慰謝料)とは別に支払われるもので、請求するためには後遺障害等級の認定が必要となります。

後遺障害は、症状の部位と程度によって、

  • 要介護(=介護を要する)の1~2級
  • 介護不要(=介護を要しない)の1~14級

の等級に分類されます。

いずれも1級の症状がもっとも重く、症状が軽くなるに従って2級、3級……と等級が下がっていきます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

後遺障害等級の認定を受けるためには、後で述べるように、所定の機関に審査を申請する必要があります。

(2)後遺症慰謝料の計算基準

では、後遺症慰謝料の金額はどのように算出されるのでしょうか。
後遺症慰謝料の金額を算出するための基準には、

  • 自賠責の基準
  • 任意保険の基準
  • 弁護士の基準(裁判所の基準ともいいます)

の3つがあります。
以下、これら3つの基準の違いを説明します。

(2-1)自賠責の基準とは?

自賠責の基準とは、自賠責保険により定められている賠償基準です。
必要最低限の救済を行うためのものであり、3つの基準の中では金額が最も低くなります。
加害者が任意の自動車保険に加入していなくても、この自賠責の基準による慰謝料は最低限受け取ることができます。

(2-2)任意保険の基準とは?

任意保険の基準とは、示談交渉で加害者側の任意保険会社が用いる独自の基準です。
一般に自賠責の基準以上ではありますが、弁護士の基準と比べるとかなり低く設定されています。
金額は基本的に非公開となっています。

(2-3)弁護士の基準(裁判所の基準)とは?

弁護士の基準とは、これまでの裁判所の判断の積み重ねにより認められてきた賠償額を目安として基準化したものです。
弁護士が、被害者に代わって慰謝料請求をする際に用いられることから、弁護士の基準と呼ばれます(裁判所の基準ともいいます)。
裁判に至った場合に限らず、加害者(通常は相手方の保険会社)との示談交渉の段階でも用いられます。
弁護士の基準では、他の2つの基準に比べて慰謝料額が最も高く設定されています。

以上の3つの基準を金額の大きい順に並べると、

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

となります。

(3)後遺症慰謝料の等級ごとの金額相場

では、後遺症慰謝料の等級ごとの金額(目安)について、自賠責の基準と弁護士の基準を比べてみましょう(いすれも、2020年4月1日以降に起きた事故の場合の金額です)。

【自賠責の基準の場合】
自賠責の基準を用いた場合の後遺症慰謝料の目安は、次の表のとおりです。
例えば、交通事故によるケガで右手の親指と人差し指を失い、後遺障害8級3号の認定を受けた場合、331万円となります。

自賠責の基準

第1級第2級第3級第4級第5級第6級第7級
1150万円998万円861万円737万円618万円512万円419万円
第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
331万円249万円190万円136万円94万円57万円32万円

要介護の場合

第1級第2級
1650万円1203万円

【弁護士の基準の場合】
これに対し、弁護士の基準を用いた場合の後遺症慰謝料の目安は、次の表のとおりです。

弁護士の基準

第1級第2級第3級第4級第5級第6級第7級
2800万円2370万円1990万円1670万円1400万円1180万円1000万円
第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
830万円690万円550万円420万円290万円180万円110万円

自賠責の基準の金額と弁護士の基準の金額を比較すると、次の表のようになります。

自賠責の基準と弁護士の基準の比較(単位:万円)

第1級第2級第3級第4級第5級第6級
自賠責の基準1150998861737618512
弁護士の基準280023701990167014001180
金額差(倍)2.432.372.312.272.272.30
第7級第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
419331249190136945732
1000830690550420290180110
2.392.512.772.893.093.093.163.44

例えば、後遺障害8級の認定を受けた場合、自賠責の基準では331万円なのに対し、弁護士の基準では830万円となります。弁護士の基準のほうが自賠責の基準の2.51倍の金額となっているのがお分かりかと思います。

後遺障害8級の症状と後遺障害等級認定審査の方法

では続いて、

  • 後遺障害8級の具体的な症状
  • 後遺障害等級認定の申請方法

について説明します。

(1)後遺障害8級と認定される症状

後遺障害8級は、最も重い1級から数えて8番目の等級です。
後遺障害8級の労働能力喪失率(=後遺症により労働能力がどの程度失われたかを示す数値)は45%とされており、労働能力の半分近くが失われた状態にあたります。
後遺障害8級は、症状の部位ごとにさらに1~10号に分かれています。
以下、後遺障害8級1~10号に該当する具体的な症状を見ていきましょう。

(1-1)【1号】一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの

片方の眼が失明するか、またはメガネやコンタクトを付けたときの矯正視力で0.02以下になった場合がこれにあたります。

(1-2)【2号】脊柱に運動障害を残すもの

脊柱とは、首から腰の下あたりまでを貫く一本の太い骨格をいいます。
首の骨や背骨の可動域(=動かせる範囲)が2分の1以下になってしまった場合や、頭蓋骨から首の骨・背骨にかけて関節に著しく異常な動きが生じるようになった場合がこれにあたります。

(1-3)【3号】一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失ったもの

片方の手の親指を含む2本の指を失った場合、または親指以外の3本の指を失った場合がこれにあたります。

(1-4)【4号】一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの

片方の手の親指を含む3本の指、または親指以外の4本の指の用を廃した状態です。
「用を廃した」とは、一部切断や麻痺などで指が使えなくなったことを指します。

(1-5)【5号】一下肢を5センチメートル以上短縮したもの

足の骨を骨折するなどして、片方の足が5センチメートル以上短縮してしまった状態です。
なお、短縮したのが3センチならば10級、1センチならば13級となります。

(1-6)【6号】一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

「上肢の三大関節」とは、肩関節・肘関節・腕関節を指します。片方の腕の三大関節のうち、一つが動かなくなってしまった場合がこれにあたります。

(1-7)【7号】一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

「下肢の三大関節」とは、股関節・膝関節・足(=足首)関節を指します。片方の足の三大関節のうち、一つが動かなくなってしまった場合がこれにあたります。

(1-8)【8号】一上肢に偽関節を残すもの

片方の腕に偽関節が残った状態です。
「偽関節」とは、骨折した骨が癒合(=くっつくこと)せず、その部分が関節のようグラグラ動くようになった状態を指します。

(1-9)【9号】一下肢に偽関節を残すもの

片方の足に偽関節が残った状態です。
「偽関節」の意味は、8号と同じです。

(1-10)【10号】一足の足指の全部を失ったもの

片方の足の指をすべて失った状態がこれにあたります。
なお、両足の指をすべて失った場合は、5級8号となります。

(2)後遺障害等級認定の審査とは?

後遺症慰謝料を請求するためには、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。
その前提として、医師から症状固定(=これ以上治療を続けても、良くも悪くもならない)の診断を受け、その旨を後遺障害診断書に記入してもらわなければなりません。
後遺障害の等級認定は、この後遺障害診断書を含む必要書類を提出して申請します。審査は、通常は損害保険料率算出機構という機関が行います。

後遺障害等級認定の申請方法には、

  • 事前認定
  • 被害者請求

の2つがあります。

以下、これら2つの申請方法について説明します。

(2-1)事前認定の申請方法

事前認定は、等級認定の申請を加害者側の保険会社に任せるものです。
後遺障害診断書さえ提出すれば、あとは加害者側の任意保険会社が書類の収集・提出などの手続きを代行してくれます。
事前認定には、手続きの手間が省けるというメリットがあります。
しかしその反面、十分な書類が提出されず、適正な等級が認定されないなど、被害者にとって不利な結果になることもあります。

(2-2)被害者請求の申請方法

これに対し被害者請求は、必要書類の収集・提出など、手続きを被害者自身で行う方法です。
後遺障害診断書・交通事故証明書など必要書類一式を、加害者が加入する自賠責保険会社に提出します。
事前認定とは異なり、自分で書類を準備する手間がかかります。もっとも、提出書類の内容を自らチェックしたり、より有利な等級認定のために書類を追完することができるため、納得のいく結果を得やすいというメリットがあります。

後遺障害8級の慰謝料で知っておくポイント

以下では、後遺障害8級の後遺症慰謝料を請求する際に、知っておくべきポイントをご紹介します。

(1)慰謝料が増額・減額するケースがある

事故について被害者側にも過失(=落ち度)があった場合、慰謝料が減額されることがあります。これを過失相殺といいます。
また、事故前からもともと被害者が有していた疾患が後遺障害につながった場合も、慰謝料が減額されることがあります。これを素因減額といいます。
他方、事故の相手方の運転があまりにも悪質だった場合などには、慰謝料が増額されることもあります。

(2)慰謝料請求には時効がある

後遺症慰謝料は、事故後いつまでも請求できるわけではありません。
慰謝料を請求する権利は、原則として症状が固定してから5年(自動車損害賠償保障法上は3年)で時効により消滅してしまいます。
ケガの治療が長引く場合は特に、時効にかからないよう早めに示談交渉を開始することをおすすめします。

(3)弁護士に依頼すると増額が期待できる

被害者が、自分自身(または加入している保険会社の示談代行サービス)で加害者と示談交渉を行うと、加害者側の保険会社は、自賠責の基準や任意保険の基準を用いた低い慰謝料額を提示し、話をまとめようとしてきます。
これに対し、被害者に代わって弁護士が示談交渉を行う場合は、最も高額な弁護士の基準が用いられます。
また、慰謝料の他に逸失利益(=後遺障害によって、将来得られるはずだったのに得られなくなった収入など)を請求する際にも、弁護士は後遺障害による影響や個別の事情を踏まえて金額を計算するため、逸失利益の額が増える可能性があります。
加害者側との示談交渉を、弁護士に依頼するメリットはここにあります。

後遺障害8級で総額4100万円以上の賠償金を獲得した事例

最後に、後遺障害8級で総額4100万円以上の賠償金を獲得した事例をご紹介しましょう。
これは、バイクで交差点を走行中、対向車に衝突された―スです。
被害者は、加害者側の保険会社から示談金額の提示を受けたものの、その金額の低さに疑問を感じアディーレ法律事務所に相談されました。
事故の影響で、通っていた専門学校の授業に大幅な遅れが生じ、資格取得ができなかったことも懸念点としてありました。
弁護士は、相手側の保険会社と粘り強く示談交渉を行い、当初の提示額から3000万円以上もの増額を認めさせました。

【まとめ】後遺障害8級の慰謝料請求でお悩みならアディーレ法律相談事務所にご相談ください

後遺症慰謝料は、治療費や入通院慰謝料とは別に請求できる慰謝料です。
後遺症慰謝料を請求するには、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
後遺症慰謝料は、弁護士の基準の方が高くなる可能性があるため、加害者との示談交渉は弁護士に依頼するのが得策です。
後遺症慰謝料の請求については、アディーレ法律相談にご相談ください。

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