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後遺障害10級の慰謝料|後遺障害等級認定の申請方法と異議申立て

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「後遺障害10級に認定されたけど、納得できない」
「後遺障害10級は、どれくらい慰謝料がもらえるのか知りたい」
この記事をご覧の方には、このような方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、後遺障害10級についてより詳しく知りたい方に向けて、後遺障害10級の慰謝料や、等級認定の申請方法、認定に納得できない場合の異議申立てについて、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

目次

後遺障害等級10級とは?

まず、後遺障害の概要と等級10級の後遺障害について解説します。

(1)後遺障害とは?

交通事故に遭ってケガをした場合に、治療しても完治せずに症状の改善が見込めなくなり、機能障害や運動障害などの一定の症状が残ってしまうことがあります。
このように、症状の改善が見込めない状態のことを、症状固定といいます。
一般的には、ケガや病気により症状が残ってしまうことは「後遺症」という言葉が使われていますが、交通事故の実務においては、症状固定後の後遺症について「後遺障害」として等級認定を受けることが大切です。
後遺障害は、その重さにより1~14級に類型化され、それぞれ定義づけされています。

後遺症について後遺障害等級が認定されると、その等級に応じて、加害者側の自賠責保険や任意保険会社に対して、後遺症による逸失利益及び後遺症慰謝料を請求することができます。
後遺障害等級が認定されなくても、裁判で争って最終的に逸失利益や後遺症慰謝料の支払いが認められたケースもありますが、例外的です。
したがって、交通事故においては、その後遺症について、特に「後遺障害」として適切な等級認定を受けることが大変重要になります。

(2)後遺障害10級と認定される後遺症

後遺障害10級の等級認定は、1~11号に分かれていますので、それぞれ具体的な後遺障害認定を受ける症状について説明します。

(2-1)【1号】片方の視力が0.1以下

視力障害の原因は、大きく、視神経損傷又は眼球の外傷によるものに分かれます。
視力は、原則として、裸眼視力ではなくメガネやコンタクトレンズの装用などで得られた矯正視力のことをいい、万国式試視力表で検査します。
検査により、1眼の視力が0.1以下になったものについては、10級1号が認定されます。

(2-2)【2号】正面を見たときに複視の症状が残る

複視とは、右眼と左眼の網膜の対応点に外界の像が結像せずにずれてしまっているために、モノが二重に見える状態をいいます。
複視が生じる原因は、目の周りにある眼筋の一部の麻痺等です。
複視には、正面を見たときに生じるものと、上下左右を見たときに生じるものとがあります。
正面を見たときに生じる複視については、10級2号の認定がなされます。
一方で、上下左右の複視は、正面ほどの大きな生活への支障は生じないと考えられていますので、13級2号の認定がなされます。

(2-3)【3号】咀嚼(そしゃく)又は言語の機能に障害が残る

「咀嚼(そしゃく)機能に障害が残る」とは、固形食物の中に咀嚼ができないものがあること、又は咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できる場合をいいます。
また、「言語の機能に障害が残る」とは、口唇音・歯舌音・口蓋音・喉頭音の4種の語音のうち、1種類が発音できなくなる場合をいいます。
咀嚼(そしゃく)傷害や言語障害は、顎の骨や筋肉の損傷、脳や神経に障害が残った場合に生じることが多いです。

(2-4)【4号】14歯以上に歯科補綴(ほてつ)を加えた

歯科補綴(ほてつ)とは、現実に喪失又は著しく欠損した歯に対して加えた補綴のことをいいます。
例えば、13歯の喪失に対して、隙間を埋めるために14本の義歯を補綴した場合には、13歯の補綴(ほてつ)として取り扱われます。

(2-5)【5号】両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難となる

聴力障害の等級については、純音による聴力レベル(以下「純音聴力レベル」といいます。)及び語音による聴力検査結果(以下「明瞭度」といいます。)を行って聴力を検査します。
両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のもの、又は両耳の平均純音レベルが40dB以上であり、かつ最高明瞭度が70%以下のものについて、「1m以上の距離では普通の話声を解することが困難」として、10級5号の認定がなされます。

(2-6)【6号】片耳の聴力が耳に接しないと大声も解することができない

片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満となったものについては、「耳に接しないと大声も解することができない」として、10級6号の認定がなされます。

(2-7)【7号】片方の親指又は親指以外の2本の手指の用を廃した

「手指の用を廃した」とは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節もしくは近位指節間関節(親指にあっては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいい、具体的には次の場合などを指します。

  • 親指の撓側外転又は掌側外転の動く範囲が、健側の可動域角度の2分の1以下に制限された
  • 中手指節関節又は近位指節間関節(親指にあっては、指節間関節)の可動域が、健側の可動域角度の2分の1以下に制限された

※語句説明

  • 「末節骨」:手指の先から数えて第1関節より上の部分の骨
  • 「中手指節関節」:手指(親指以外)の先端に近い方から、3番目の関節。親指の先端に近い方から、2番目の関節
  • 「近位指節間関節」:手指(親指以外)の先端に近い方から、2番目の関節
  • 「指節間関節」:親指の先端に近い方から、1番目の関節
  • 「健側」:左右ある関節のうち障害のない側
  • 「親指の撓側外転」:親指を掌面側で、他の指から離す動き(掌を上に向けて、親指を掌面で他の指に接した状態から、親指側に離す)
  • 「親指の掌側外転」:親指を掌から離す動き(掌を上に向けて、親指を掌につけた状態から上に動かす)

(2-8)【8号】1下肢が3cm以上短縮した

下肢の短縮は、健側の下肢の長さと比較することによって判断します。
短縮障害は、後遺障害認定の対象となるのは下肢のみで、腕は対象外です。

(2-9)【9号】片足の親指または親指以外の4本の足指を失った

「足指を失った」とは、その全部を失ったものをいい、具体的には、中足指節関節(足指の付け根の関節)から先を失った場合を指します。

(2-10)【10号】1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害が残る

上肢の3大関節とは、肩関節、肘関節及び手関節を指します。
「関節の機能に著しい障害が残る」とは、関節の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限された場合などをいいます。

(2-11)【11号】1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害が残る

下肢の3大関節とは、股関節、膝関節及び足関節を指します。
「関節の機能に著しい障害が残る」とは、関節の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限された場合などをいいます。

後遺障害10級の後遺障害慰謝料・逸失利益とは?

後遺障害等級の認定を受けると、加害者側に対して、損害賠償として、後遺障害分の慰謝料及び逸失利益を請求することができます。
慰謝料及び逸失利益とは何なのか、後遺障害10級で受け取ることのできる慰謝料及び逸失利益の額について説明します。

(1)後遺障害に対する慰謝料

交通事故の被害者は、加害者に対して、不法行為を原因として、受けた精神的苦痛に対して損害賠償を請求することができます。これを慰謝料と言います。
交通事故で請求することのできる慰謝料は、実務上、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、死亡慰謝料の3つに分かれています。
入通院慰謝料はケガの程度や入通院の期間などを考慮して決定され、後遺障害の慰謝料は、後遺障害として認定された等級によって決定されます。
後遺障害等級は重い方から1~14級に分類されていますが、重い後遺障害であればあるほど、慰謝料の額は高くなります。

また、慰謝料の賠償基準は、自賠責保険の基準、任意保険の基準、裁判所の基準(弁護士の基準)の3種類存在し、どの基準で算定するのかによっても慰謝料の額が異なってきます。通常のケースでは、裁判所の基準(弁護士の基準)で計算することが被害者にとって最も有利です。

(2)逸失利益は収入の補償

逸失利益とは、後遺症が残ったために、又は死亡したために失った、被害者が将来得られるはずであった収入のことをいいます。
後遺症のために体の一部が動かなくなったり、痛みが残ったりした場合に、事故前と同じように働けるとは限りません。そのため、後遺障害がある場合には、逸失利益を請求することができるのです。

後遺症逸失利益の計算方法

後遺障害のために失ってしまう将来の収入は、逸失利益として、加害者に損害賠償請求することができます。
ただし、一人一人、将来実際にどれくらいの収入を失うかを正確に計算することはできません。
将来のことであり、失う収入額については不確かであるからです。
そのため、後遺障害の逸失利益は、基礎となる事故前の収入額(「基礎収入額」)に、今後どの程度労働能力を失うのかという「労働能力喪失率」と「労働能力喪失期間」の中間利息控除のためのライプニッツ係数を掛けて計算します

具体的な計算式は、次の通りです。すでに働いている人と、学生では、計算式が異なります。

<有職者又は就労可能者>
後遺症逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

<18歳未満の未就労者>
後遺症逸失利益=基礎収入額(学歴計の男女別又は全労働者平均賃金)×労働能力喪失率 ×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)

慰謝料・逸失利益を得るには後遺障害等級認定が必要

後遺症について適切な賠償を受け取るためには、後遺障害等級認定を受けることが必要です。
後遺障害等級認定を受けずに、加害者側に後遺症について慰謝料などを請求しても、応じてくれることはまずありません。
次では、後遺障害等級認定の要件と手続き、適切な等級認定を受けられなかった場合の異議申立てについて説明します。

(1)後遺障害等級認定に必要な要件

まず、交通事故によるケガが原因で、後遺症が残存している必要があります。
医師から、後遺症が残存しているとして症状固定の診断を受けたら、後遺障害の等級認定の申請手続きを行います。

(2)後遺障害等級認定の申請手続き

後遺障害認定の手続きは、次の二つの方法があります。
適切な後遺障害認定を受けるには、それぞれの等級の認定要件を満たすことについて根拠をもって説得的に示す必要がありますので、弁護士に依頼して行うことをお勧めします。
弁護士に依頼すれば、被害者請求の手続きをとることが多いと思いますが、事情によっては、事前認定で保険会社を通じて手続きを取ることもあります。

(2-1)被害者請求

被害者自身が、病院からケガについての画像等(レントゲン写真、CT、MRI等)や、医師記載の後遺障害診断書を、加害者が加入している自賠責保険会社に提出する方法です。
メリットは、自分で資料を準備することで、資料を確認して選別し、納得のいくものを提出することができる点にあります。
また、後遺障害に認定されれば、自賠責保険から直接、速やかに保険金を受け取ることができます。
ただ、審査には時間がかかります。むち打ち症の場合には、平均して2~3ヶ月程度、それ以外の場合には半年以上かかる場合もあります。
症状固定の診断を受けたら、早めに資料を準備して請求するとよいでしょう。

(2-2)事前認定

加害者の任意保険会社に後遺障害診断書を提出し、認定の手続きを依頼する方法です。
メリットは、本人の負担が少ないことです。
本人は、医師に書いてもらった後遺障害診断書を準備するだけでよく、病院から他の資料を集める必要はありません。
しかしながら、デメリットもあります。任意保険会社は損害賠償金を支払う側であり、被害者とは基本的に利害が対立します。
そのため、任意保険会社が、被害者にとって利益となる資料(適切な後遺障害等級が認定されるための資料)を積極的に収集してくれることは、あまり期待できません。
また、審査の結果、後遺障害に認定されても、すぐには賠償金を受け取ることができず、示談後に任意保険会社から支払いを受けることになります。

(3)結果に不服な場合は異議申立てをする

後遺障害の認定で、「非該当」とされてしまったり、認定された等級に納得できないという場合には、再度審査するよう申立てることができる制度があります。
不服申立てには、次の3つの方法があります。

(3-1)自賠責保険会社に異議申立て

基本的には、異議申立書を作成して、加害者加入の自賠責保険会社に提出することで、異議申立てをすることができます。
しかしながら、多くのケースにおいて、異議申立書の提出だけでは不十分です。
異議申立ての是非を判断するにあたって、新たな資料提出がなければ、後遺障害認定申請の時に提出された資料に基づいて判断することになりますので、初回と同じ判断(非該当ないし納得できない等級)になることが見込まれるからです。
したがって、異議申立書に加えて、必要に応じて、医療照会の回答書や画像所見、弁護士作成の意見書等の書類を併せて提出すべきです。

(3-1-1)異議申立ての方法

異議申立ての方法は、後遺障害の認定の申請方法と同様に、次の二通りあります。

  1. 事前認定
    事前認定は、異議申立書を相手方加入の任意保険会社に提出する方法です。
  2. 被害者請求
    被害者請求は、自分が主導権を持ち、医療照会の回答書や意見書等を収集したうえで、異議申立書を相手方の自賠責保険会社に提出する方法です。

どちらの方法で異議申立てをすべきでしょうか。
事前認定は、資料収集等の自己負担が少ないので、この方法で異議申立てをする人も少なくありません。
しかしながら、事前認定の方法はおススメしません。
後遺障害等級認定を受けるためには、等級ごとに要件がありますが、その要件を満たしていないと判断されたから、非該当だったり、低い等級が認定されたのです。
そこで、異議申立てでは、まず、等級ごとの認定要件を正確に把握して、初めの認定判断の理由「なぜ非該当なのか」「なぜこの等級なのか」を理解した上で、「その判断はおかしい」「要件を満たしているから認定されるべきだ」「要件を満たしているから等級をあげるべきだ」ということを、新しい医療照会の回答書や画像、意見書などで説得力を持って反論しなければなりません。
しかしながら、異議申立てにおいて、このような作業や主張を、加害者の任意保険会社が行っててくれるとは限りません。
また、非該当か否か、等級が上がるか否かは、最終的な損害賠償額に大きく影響します(等級によりますが、数百万~数千万になることもあります)。
したがって、後悔のないように、任意保険会社に手続きを委ねることなく、自分で納得できる書類を準備して、被害者請求で異議申立てをするとよいでしょう。
ご自身での対応が難しい場合には、弁護士に依頼することもできますので、弁護士事務所にご相談ください。

(3-1-2)認定が覆る可能性はどれくらい?

異議申立ては何度でも可能ですが、実際に異議申立てをしても、新たな資料や意見書の提出がなければ、初回の認定が覆る可能性は低いです。
さらに言いますと、新たな資料や意見書があっても、認定を覆せる可能性は高くないのが実情です。
したがって、異議申立てにおいては、後遺障害の認定要件を正確に理解し、「この要件について、根拠が不十分だから積極的に資料を集めて反論する」等、専門的知識に基づいた戦略が必要となります。

(3-2)紛争処理機構に申請

紛争処理機構は、自賠責保険・共済の紛争解決などを目的として、設立されました。
自賠責保険・共済からの支払いに関して発生した紛争を適確に解決するため、公正・中立な判断を行うための第三者機関です。
非該当や認定等級に納得できない場合には、調停(紛争処理)の申請を行い、医師や弁護士などの専門家が審査を担当します。
調停結果については、保険会社は遵守義務がありますが、申請者は受諾する必要はありません。
調停結果に納得できない場合は、再度の調停申請はできませんが、任意交渉や訴訟を提起して争うことができます。

(3-3)裁判

訴訟を提起して、裁判所に後遺障害の認定や等級を判断してもらうこともできますが、これは例外的ケースです。
訴訟提起前に、判例や実務の認定等級の基準を理解したうえで等級認定を受けられるのかどうかについてしっかりと見通しを立て、訴訟を提起し、訴訟手続きにおいて効果的な主張・立証をする必要がありますので、被害者が自分で対応するのは困難だと考えられます。
交通事故の経験豊富な弁護士に相談し、対応を依頼した方がよいでしょう。

後遺障害10級で総額2500万円以上の賠償金を獲得した事例

後遺障害等級10級の認定を受け、弁護士に依頼して総額2500万円以上の賠償金を獲得した事例を紹介します。

被害者のKさんは、自転車で信号のない交差点を走行中に、右側から直進してきた乗用車と接触するという事故に遭ってしまいました。
Kさんは、約7ヶ月の通院後、症状固定の診断を受け、残存した右肩の痛みと可動域の制限の後遺症について、後遺障害等級認定の申請を行ったところ、10級10号の認定を受けました。
Kさんは、保険会社と賠償金について話し合いをしていましたが、疲れ切ってしまい、アディーレ法律事務所に相談しました。
アディーレ法律事務所では、Kさんにとって有利となる裁判所の基準(弁護士の基準)を前提として粘り強く交渉したところ、後遺症慰謝料について裁判所の基準の満額を認めさせることができました。

【まとめ】後遺障害10級の慰謝料請求でお悩みならアディーレ法律事務所にご相談ください

この記事のまとめは次のとおりです。

  • 交通事故で後遺障害10級の等級認定を受けるためには、まず症状固定の診断を受ける必要がある。
  • 後遺障害10級の認定を受けたら、後遺障害に関する慰謝料や逸失利益などの損害も賠償請求することができる可能性があるので、適切な賠償額を把握する。
  • 後遺障害の認定非該当や、認定された等級に納得できない場合には、不服申立てが可能。

アディーレ法律事務所には、交通事故被害者による損害賠償請求を取り扱っています。
「後遺障害等級認定を受けたけれども、任意保険会社が提案する慰謝料や逸失利益の額が妥当なのかわからない」など、質問やご不安がある方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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