仕事と私生活の両立に悩んでいませんか?
特別休暇は、そんなあなたの強い味方になるかもしれません。
結婚、妻の出産、災害など、人生の重要なイベントや予期せぬ出来事に対応するための特別休暇。
その仕組みや取得方法、給与への影響を知ることで、あなたのワークライフバランスが大きく改善する可能性があります。
この記事では、特別休暇の基本から効果的な活用法まで、詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
- 特別休暇とは
- 特別休暇の種類
- 特別休暇の取得方法
- 特別休暇の給料の取り扱い
ここを押さえればOK!
結婚、妻の出産、災害など、従業員の人生の重要なイベントや予期せぬ出来事に対応するために設けられています。
主な種類には、慶弔休暇、病気休暇、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇、災害休暇、ドナー休暇などがあります。これらは企業の裁量で設定され、就業規則や労使協定で定められます。
取得する際は、通常、所定の申請書を提出し、上司や人事部門の承認を得る必要があります。突発的な事由の場合、事後申請が認められることもあります。
給料の取り扱いは休暇の種類や会社の規定によって異なります。慶弔休暇は有給となることが多いですが、長期の病気休暇や自己啓発休暇は無給の場合があります。
特別休暇は年次有給休暇とは別枠で付与され、併用も可能です。ただし、特別休暇の目的に合致する場合は、特別休暇を優先的に使用することが一般的です。
東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。
特別休暇とは?目的と種類
特別休暇とは、会社が福利厚生の1つとして従業員に与える休暇制度です。
その主な目的は、従業員の福利厚生の向上と、仕事と私生活のバランスを保つことにあります。
特別休暇は、従業員のライフイベントや突発的な事態に対応するための重要な制度であり、企業の人材確保や従業員満足度向上にも寄与します。
有給休暇など法律で義務付けられている休暇を法定休暇というのに対して、法律で義務付けられていない特別休暇を法定外休暇ということもあります
特別休暇は、多くの場合、会社の就業規則や労使協定によって定められます。
(1)特別休暇の定義と概要
特別休暇は、従業員が特定の事由により休暇を取得する必要がある場合に、年次有給休暇とは別に付与される休暇です。
法的には会社に特別休暇を設ける義務はなく、各企業の裁量で設定されるため、その内容や条件は会社によって異なります。
一般的に、結婚、忌引き、災害などの理由で取得できます。特別休暇の特徴として、以下が挙げられます。
- 年次有給休暇とは別枠で付与される
- 特定の事由に限定して取得可能
- 有給か無給かは会社の規定による
- 取得可能日数は事由や会社規定により異なる
(2)特別休暇の主な種類
特別休暇には様々な種類がありますが、一般的に以下のようなものがあります。
- 慶弔休暇:本人や子の結婚、妻の出産、家族の死亡など
- 病気休暇:従業員本人の傷病治療のため
- ボランティア休暇:社会貢献活動参加のため
- リフレッシュ休暇:長期勤続者向けの特別休暇
- 災害休暇:自然災害などの被災時
- ドナー休暇:ドナー登録していた従業員が手術などに対応する期間の特別休暇
これらの休暇は、従業員のニーズや会社の方針に応じて設定されます。
例えば、結婚休暇では5日間、忌引きでは親族の関係に応じて1〜7日間など、事由ごとに取得可能日数が定められることが一般的です。
なお、年次有給休暇は2年の時効にかかりますが、2年の時効にかかった年次有給休暇を積み立て、病気治療といった特別の目的のために特別休暇として利用を可能とする企業もあるようです。
特別休暇制度の法律と規定
特別休暇制度は、労働基準法などの法律で直接規定されているものではなく、企業の裁量によって設けられる制度です。
特別休暇の多くは就業規則や労使協定によって定められ、その内容や条件は企業によって異なります。このため、企業は従業員のニーズや業界の動向を考慮しながら、柔軟に制度を設計・運用することができます。
就業規則における特別休暇の記載
特別休暇は、通常、就業規則の「休暇」のうち、「特別休暇」の項目に記載されます。
次のような内容が記載されていることが多いです。
- 特別休暇の種類(例:慶弔休暇、病気休暇)
- 各休暇の取得条件や事由
- 休暇の日数及び数え方
- 有給か無給かの区別
- 申請手続き
特別休暇の取得方法と手続き
特別休暇の取得には、所定の手続きにより申請が必要です。
申請方法は企業ごとに異なりますが、一般的には所定の申請書を提出し、上司や人事部門の承認を得る流れとなります。
申請に際しては、休暇の種類や理由、期間を明確にする必要があります。また、証明書類の提出が求められる場合もあります。
特別休暇の中には、突発的な事由(例:忌引き)で取得するものもあるため、事後申請が認められることもあります。
重要なのは、就業規則や社内規定を確認し、適切な手続きを踏むことです。
特別休暇における給料の取り扱い
特別休暇における給料の取り扱いは、休暇の種類や会社の規定によって異なります。
一般的に、慶弔休暇は有給となることが多いですが、長期の病気休暇や自己啓発休暇などは無給となる場合があります。
給与の取り扱いは、通常就業規則に明記されていますので、従業員は事前に確認することが重要です。
有給の特別休暇の場合、通常の勤務日と同様に給与が支払われますが、無給の場合は給与が減額されます。
また、一部有給・一部無給といった複合的な取り扱いをする企業もあるようです。
特別休暇と有給休暇の関係
有休は、法律上会社が一定の従業員に与えることを義務付けられた休暇です。
特別休暇と年次有給休暇は、以下のような関係にあります。
- 別枠での付与:
- 特別休暇は年次有給休暇とは別に付与される
- 特別休暇の取得は、年次有給休暇の付与や取得に影響しない
- 併用の可能性:
- 多くの企業で、特別休暇と年次有給休暇の併用が認められている
- 例:ハネムーン旅行のために、5日間の特別休暇の前後に年次有給休暇を取得し、長期休暇とする
- 優先順位:
- 一般的に、特別休暇の目的に合致する場合は特別休暇を優先的に使用
- 例:忌引きの場合、年次有給休暇ではなく慶弔休暇を使用
会社が、従業員に年次有給休暇の取得を認めないのは違法です。会社は、「事業の正常な運営を妨げる場合」には、取得時期について変更するよう指示することはできますが(時季変更権)、取得させないということはできません。
特別休暇と有給休暇を組み合わせて長期の休みを取りたい場合には、上司などに事前に打診したうえで、無理なく休めるようにしたいところです。
【まとめ】特別休暇の重要性と効果的な活用
特別休暇は、従業員の生活の質を向上させ、企業の持続的成長にも寄与する重要な制度です。適切に活用することで、仕事と私生活の調和を図り、心身の健康を維持しながら、自己実現の機会も得られます。
自社の特別休暇制度を今一度確認し、計画的な取得を心がけましょう。
明日からでも、上司や人事部門に相談して、あなたに合った特別休暇の活用方法を見つけてください。より充実した人生が、きっと待っているはずです。