あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

自己破産の条件を解説!条件に当てはまらない場合の対処法も紹介

作成日:更新日:
リーガライフラボ

弁護士に相談することについて敷居が高いと感じている人が少なくありません。
さらに、その相談内容が「自己破産」となればますます尻込みしてしまうでしょうか。
もっとも、どのようなケースならば自己破産が可能かを大まかにでも把握できれば、そうした心理的ハードルは少し下がるかもしれません。
そこで、今回は弁護士が「自己破産の条件」を解説します。この記事を読んでもよくわからなくても「返済しきれない借金を抱えている」ならば、ひとまずご相談ください。

自己破産とは

自己破産とは、財産、収入が不足し、借金返済の見込みがないこと(支払不能)を裁判所に認めてもらい、原則として、法律上、借金の返済義務を免除してもらえる手続です(法律上、借金の返済義務等を免除してもらうことを「免責」といいます)。
簡単に言うと、客観的にみて借金の返済ができないので、借金を帳消しにしてもらう手続きです。つまり、自己破産手続きにおいて免責が認められれば、返済のプレッシャーから解放されます。長年返済のプレッシャーに悩まされてきた人にとって、自己破産によって得られるメリットは大きいでしょう。もっとも、一定の基準を上回る財産を手放さなければならない等デメリットもいくつかあります。

個人が自己破産をするための条件

どのような状況であれば自己破産が認められるのか、手続きの段階を追って説明します。

(1)開始決定段階

裁判所が自己破産手続きを開始するのは、次の条件が満たされているときです。

  • 支払不能状態であること
  • 破産障害事由がないこと
  • 申立権を有する人が提出した申立書に不備がないこと
  • 債務者に破産能力があること
  • 予納金を納付したこと

特に重要となる支払不能について、詳しく解説しましょう。

支払不能状態であること

裁判所は、債務者(例:借金を抱えている人)が支払不能にあるときに自己破産手続きを開始します(破産法15条1項)。

支払不能とは、債務者が借金を一般的および継続的に返済することができない状態のことです。支払不能であるかどうかは、一般的に、借入総額を36(ヶ月)で割った金額が毎月の返済可能額を上回っているかで判断します。

具体例でみてみましょう。
AさんはOL、一人暮らし、めぼしい財産はないとします。

Aさん 借入総額350万
手取り月給18万円
家賃 6万5000円 食費3万円 水道光熱費1万円 通信費1万5000円
ペット代1万円 交際費5000円 雑費1万5000円 月々の支出15万円

借入総額350万円を36(ヶ月)で割ると、約9万7000円です。しかし、Aさんが返済に充てられるのは18(万円)から15(万円)を引いた3万円です。借入総額を36で割った金額が毎月の返済可能額を上回っていますので、支払不能といえるでしょう。
注意すべきなのは、収入に見合わない支出があれば適正価格としたうえで計算するということです。たとえば、ゲーム課金月5万円を借金の返済に充てれば完済が可能な場合、支払不能とは判断してもらえないでしょう。

裁判所は、借金の総額、資産額、収入、年齢、家族構成などさまざまな面から支払不能状態にあたるかどうかを判断します。

(2)手続き終了段階

多くの場合、個人が自己破産を申立てるのは借金を帳消しにしてもらうためでしょう。
そのため、自己破産の開始を申立てると同時に、免責許可の申立てをしたことになります(破産法248条4項本文)。
裁判所は、免責不許可事由がなければ免責を許可します(破産法252条1項)。

たとえば、次のようなケースが免責不許可事由に該当します。

  • 債権者を害する目的で財産を隠す行為
  • 特定の債権者にだけ返済する行為(偏頗弁済)
  • ギャンブルやショッピング、株式投資やFXなどに多額の資金を費やす行為
  • 自己破産を弁護士に依頼する間際に新たな借り入れをする行為
  • 裁判所や破産管財人に対して虚偽の事実を報告する行為
  • 前回の免責許可決定確定の日から7年以内に免責許可を申立てる行為

たとえばパチンコや競馬などのギャンブル、高級ブランド品などのショッピング、株式投資、FXなどの失敗による借金は免責不許可事由に該当しうるため、裁判所は免責を認めてよいかを慎重に判断します。ただし、このような免責不許可事由があっても、債務者が深く反省しているケースのように、裁判所が裁量で免責を認めてもよいと判断するケース(破産法252条2項)は実務上多くあります。

多額の財産をあえて隠そうとしたなど裁判所をだまそうとした場合、裁判所は冷徹に免責不許可と判断する傾向にあるため、自己破産手続きに誠実に対応することが大切です。

非免責債権って?

免責不許可によく似た概念として、「非免責債権」と呼ばれるものがあります。
非免責債権とは、どのような事情であれ、免責が認められないものです。

次のものが非免責債権にあたります。

  • 租税などの請求権(破産法253条1項1号)
  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項2号)
  • 故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項3号)
  • 夫婦間の相互協力扶助義務に基づく請求権(破産法253条1項4号イ)
  • 夫婦間の婚姻費用分担義務に基づく請求権(破産法253条1項4号ロ)
  • 親族や子どもの扶養義務および監護義務に基づく請求権(破産法253条1項4号ハ)
  • 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権(破産法253条1項5号)
  • 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産法253条1項6号)
  • 罰金などの請求権(破産法253条1項7号)

明らかに非免責債権に該当するものしかない場合、自己破産をするメリットはないでしょう。もっとも、2号や3号に該当するかどうかは弁護士でも判断に迷うことがあるため、自分一人で判断せずひとまず弁護士に相談してみるのも一手です。

自己破産ができなかったときの対処法

自己破産を申立てたのに免責が認められなかったときの対処法を解説します。

(1)異議申立てをおこなう

自己破産で免責が許可されなかった場合、高等裁判所宛に、官報に掲載された日の翌日からみて2週間以内に異議を申立てることができます(破産法9条、10条)。2週間という短期間で異議申立てをしなくてはなりませんので、免責不許可の決定がなされたら、すぐに免責不許可の理由を確認することが大切です。

(2)個人再生や任意整理を検討する

「民事再生(個人再生)」とは、返済困難な方が、裁判所の認可決定を得た上で、基本的に減額された一定の負債を原則3年で分割返済していく手続きです。

借金の額や保有している資産の額などによって異なりますが、任意整理よりも大幅に負債が減額されることが多いです(公租公課など減額されない負債が一部あります)。

民事再生(個人再生)では、住宅を手元に残したまま債務を減額する制度が設けられている点が特徴です(ただし一定の要件を満たさないと当該制度は利用できません)。債務の減額幅は債務総額及び保有している資産などによって決まっております。なお、保有している資産や債務額などによっては、減額されないケースもありえます。

親族の援助を受けられるなど借金完済の見込みがあれば、任意整理も視野に入るでしょう。任意整理とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により借金を減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3~5年程度の分割で返済する内容の和解契約を債権者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです。

【まとめ】自己破産についてのお悩みはアディーレ法律事務所へ

自己破産をするためにはいくつかの条件を満たしていなければなりません。その条件を満たすかをご自分で判断すると間違えてしまうことも多いため、借金についてお困りであればまずは弁護士によるアドバイスを受けることおすすめします。
自己破産に関してお悩みであれば、アディーレ法律事務所へご相談ください。

よく見られている記事