お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

家庭内別居を選ぶ理由とは?起こりやすいトラブルについても解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

「離婚せずに家庭内別居を選ぶ理由って何?」
「家庭内別居で様子を見ようと思っているけど、起こりやすいトラブルがあれば知っておきたい」

家庭内別居とは、一般的に、離婚するほどに夫婦関係が悪化しているにもかかわらず、離婚はせず同居を続けていることをいいます。
離婚ではなく家庭内別居を選ぶ主な理由として、経済的な負担が少ない、子どもへの影響が少ない等の理由を挙げることができます。
家庭内別居には、離婚と比較して、このようなメリットもありますが、夫婦での同居関係が継続する以上、離婚と比較して精神的なストレスが大きい等のデメリットもあります。

本記事では、

  • 家庭内別居を選ぶ理由
  • 家庭内別居中に起こりやすいトラブル
  • 離婚した場合の財産分与

について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

家庭内別居とは|仮面夫婦とはどう違う?

家庭内別居とは、一般的に、離婚するほどに夫婦関係が悪化しているにもかかわらず、離婚はせず同居を続けていることをいいます。
具体的には、話をしない、寝室が別、顔もあわせない、お互いのための家事をしない(食事を作らない、洗濯をしないなど)、一緒に食事をしないなどの状態を指すことが多いようです。
似て異なるのは、「仮面夫婦」という言葉です。

仮面夫婦は、一般的に、本当は夫婦間に愛情はないが、対外的に愛し合う良い夫婦を演じる関係であることをいいます。家庭でも仮面夫婦を演じるパートナーとしての会話があったり、家事をしたりすることもありますので、家庭内別居ほどに夫婦関係が悪化しているとは限らないようです。

離婚ではなく家庭内別居を選ぶのはなぜ?

離婚するほどに夫婦関係が悪化しているのに、離婚ではなく家庭内別居を選ぶのには理由があります。
ここでは3つの理由を紹介します。

(1)離婚よりも経済的な負担が少ない

家庭内別居は、離婚のように家計(家賃、光熱費など)が別々になるわけではありませんので、離婚して別居するよりも夫婦の経済的な負担が少ないことが理由としてあげられます。
特に、一方が専業主婦(夫)の場合では、離婚すれば基本的に自立して生活しなければなりませんので、離婚したくてもできないという事情があるようです。

(2)子どもが大きくなるまで待ちたい

子どもがいる場合、離婚は子どもの生活にも影響を与えます。
例えば離婚して引っ越した場合、子どもが通っている幼稚園・保育園、学校を変えなければならないかもしれません。
子どもの現在の生活環境を維持したいと考えたり、子どもの気持ちを考えたりして、子どもが大きくなるまでは、離婚せずに家庭内別居を選ぶことがあります。

(3)周囲の反応を気にしなくてすむ

離婚となると、仕事や学校など、対外的な関係で離婚の事実を伝えざるを得ない場合がありますが、家庭内別居であればあえて対外的に伝える必要はありません。周囲の反応が気になる方や、離婚の決意まではつかない方は、離婚せずに家庭内別居を選ぶことがあります。

家庭内別居中に起こりやすいトラブル

家庭内別居は、お互いに干渉しないとしても一つの家で生活しますので、通常の夫婦同様にトラブルも生じます。
家庭内別居に起こりやすいトラブルを解説します。

(1)かえって子どもに悪影響が及ぶことがある

子どものことを考えて離婚せずに家庭内別居を選んだとしても、子どもは敏感です。
夫婦の不仲や、家庭の変化を感じ取ってしまう可能性があります。
子どもがストレスを受けて、精神的に不安定となり、学業や生活に悪影響が生じてしまうかもしれません。

(2)精神的なストレスを感じてしまうことがある

家庭内別居は、夫婦関係に不満があって離婚してもおかしくないのに、離婚をせずに同居していますので、それまでは気にならなかった配偶者のささいな行動にストレスを感じてしまうことがあります。
お互いに話し合ってストレスを感じないように生活できればよいのですが、家庭内別居となっている夫婦関係では、話し合い自体が困難かもしれません。
ストレスをためることは健康によくありませんので、こまめに解消するようにしましょう。

家庭内別居中に離婚はできる?知っておきたい財産分与の進め方

将来的に離婚することを視野に入れて、家庭内別居をしている夫婦も少なくありません。
一旦は家庭内別居を選択しても、のちに離婚を希望する場合、夫婦双方が離婚に同意すれば離婚することができます。
また、家庭内別居となった原因が一方の不倫や、DVなど、法律上の離婚原因となる場合には、その原因を作った側が離婚に応じないとしても、調停や裁判で離婚を求めていくことができます。

将来的に離婚が視野に入っているのであれば、同居中は相手方名義の財産を確認できるチャンスがありますので、離婚の際の財産分与の準備として、相手方名義の財産を確認して、財産分与の進め方も把握しておくとよいでしょう。
ここで、財産分与の基本情報、財産分与で揉めてしまった際の対策について解説します。
財産分与について、より詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

離婚時に知っておきたい財産分与とは?大切な財産を失わないための基本を解説

(1)財産分与とは共有財産を分け合うこと

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産(共有財産)を、離婚に伴って分与することをいいます(民法768条1項)。
財産分与の対象となる夫婦の共有財産は、夫婦の協力関係のある婚姻時から別居時に形成された財産です。
基本的には、財産分与には2分の1ルールが適用されますので、共有財産の半分の財産分与を受けることができます。

家庭内別居の場合、財産分与をしたくない側が、「家庭内別居をしていたから配偶者の寄与はなく、夫婦で協力した財産とは言えない」として、2分の1ルールは適用されるべきではないと主張してくる可能性があります。ですが、家庭内別居は別居と異なり、客観的に夫婦関の協力関係が存在しない、ということは一見して明らかではありません。当事者に家庭内別居の事実について争いがあり、家庭内別居の証拠もない場合には、やはり2分の1ルールが適用されるものと考えられます。

(2)「分けられる財産」と「分けられない財産」の見分け方

財産分与によって「分けられる財産」は、夫婦の協力関係のある婚姻時から別居時に形成された財産です。これを「共有財産」といいます。
どちらに属するか不明な財産は共有財産と推定され(民法768条2項)、財産が夫婦一方の名義であっても、夫婦が協力して形成した財産という実質があれば財産分与の対象となります。
具体的には、不動産、車、家具、家電、現金、預貯金、有価証券、保険解約返戻金、退職金、年金などです。

一方、財産分与によって「分けられない財産」は、婚姻前から夫婦が保有していた財産と、婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産です。これを「特有財産」といいます。具体的には、婚姻前から有していた個人名義の預金、婚姻後に相続や贈与によって得た預貯金・不動産などです。

(3)財産分与の決め方

財産分与は、当事者間で話し合って取り決める方法か、家庭裁判所での調停・審判、離婚訴訟といった裁判所の手続きを利用する方法があります。

(3-1)当事者間の話し合いで決める

夫婦で話し合うことによって、財産分与について取り決めることができます。
夫婦で話し合うという方法は、費用が抑えられ、財産分与の方法も自由度が高いというメリットがあります。

話し合いで財産分与を取り決めた場合には、一定の費用はかかりますが、公正証書を作成するとよいでしょう。
公正証書は、取り決めの客観的な証拠となりますので、後々分与の割合や方法についての争いが再燃することを予防することができます。
特に、財産分与において不動産についての取り決めが必要であるなど、高額で複雑な処理が予定されている場合には、公正証書の作成をお勧めします。自身で作成するのが困難な場合は、弁護士などの専門家に一度相談してみるとよいでしょう。

(3-2)家庭裁判所の調停・審判などで決める

当事者間で話し合いをしても財産分与について取り決めができない場合には、離婚調停、離婚審判、離婚訴訟など裁判所の手続きを利用することを検討します。
裁判所を利用した手続きでは、法律や実務の専門知識が必要となりますので、弁護士に相談したり、依頼したりすることを検討するといいかもしれません。
手続き利用の費用(裁判所費用、弁護士費用)がかかりますが、弁護士に依頼せずに自分で対応するのであれば裁判所に対する費用だけなので、低額に抑えられるでしょう。

また、相手方が財産の開示に協力的でないなどの場合(預金口座の情報を隠したり、退職金額を明らかにしなかったりなど)には、調停・審判を申立てて、裁判所に間に入ってもらった方が、話し合いが進むケースがあります。裁判所が、相手方に財産を開示するよう説得してくれますし、説得に応じないような場合には、調査嘱託の申立を行い、裁判所から金融機関や相手方の勤務先に対して、必要な情報を開示するよう調査してもらうことができるためです。

(4)財産分与で揉めてしまったら弁護士に相談を

当事者で話し合いがスムーズに進まない場合には、離婚を取り扱っている弁護士に相談をしてみましょう。
相談したからと言って、離婚しなければならないわけではありませんし、離婚するにしても実際に依頼しなければならないわけでもありません。
専門家に相談することで、話し合いを進めるための役に立つアドバイスをもらえるかもしれません。

また、離婚の際には、財産分与だけではなく、慰謝料や親権についても問題になることがあります。このような問題についてのご相談も、弁護士は専門知識をもってお答えすることができます。

【まとめ】家庭内別居はメリットもあるが、最終的に離婚に至ることも少なくない

本記事をまとめると次のようになります。

  • 離婚よりも家庭内別居を選ぶ主な理由としては、次のようなことがあげられる。
    1. 離婚よりも経済的な負担が少ない
    2. 離婚による子どもへの悪影響を考慮し、子どもが大きくなるまでは離婚はしたくない
    3. 離婚に対する周囲への反応を避けたい
  • 家庭内別居は夫婦の同居生活が継続する以上、かえって子どもに悪影響が及んだり、夫婦間で精神的なストレスが大きくなったりする可能性がある
  • 家庭内別居から離婚に至るケースも少なくなく、離婚の際の財産分与の準備として、相手方名義の財産を確認して、財産分与の進め方も把握しておくとよい

家庭内別居は、離婚に比べて経済的負担が少ないなどのメリットもありますが、最終的に離婚に至ることも少なくありません。
離婚の際に財産分与などについて話し合っても、もともと夫婦関係が悪化していますから、スムーズな話し合いが難しいかもしれません。

離婚や財産分与などでお困りの方は、離婚を取り扱っている弁護士事務所に相談することをお勧めします。

離婚や財産分与などでお困りの方は、離婚問題を取り扱うアディーレ法律事務所への相談をご検討ください。弁護士に相談・依頼することで、弁護士があなたに代わり相手と交渉しますので、あなたにかかる負担やストレスを減らすことができます。

アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※)。
(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)さらに、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることはありません(2023年6月現在)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

浮気・不貞による慰謝料のご相談は何度でも無料

朝9時〜夜10時
土日祝OK
まずは電話で無料相談 0120-783-184
メールでお問い合わせ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています