あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

個人事業主の借金は経費として計上できる?返済が困難になった場合の解決策を紹介

作成日:更新日:
リーガライフラボ

新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店をはじめとして多くの個人事業主が苦しい状況に追い込まれています。実際、売上が大きく減り、倒産に追い込まれた事業者が2020年 11月20日時点で600件を超えたとのことです。倒産まではしなくても、借金の返済に頭を悩ませている個人事業主の方は多いでしょう。
今回は、個人事業主の借金が経費として計上できるのか、返済が困難になった場合の解決策を弁護士が解説します。

参考:「新型コロナウイルス関連倒産」は 723 件~飲食店の累計倒産件数は110件に|帝国データバンク

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

個人事業主が借金(資金調達)する方法

個人事業主が借金(資金調達)する方法を解説します。

(1)金融機関から借金(資金調達)をする

銀行や日本政策金融金庫、信用金庫等から融資を受けようとする場合、2~4%と低い金利で融資を受けうるというメリットがあります。
特に日本政策金融公庫は、金利が2%前後であり、他の民間の金融機関に比べると圧倒的に金利が低いです。通常、申込みから融資を受けるまでの期間は、1、2ヶ月です。
他方、消費者金融などに比べると、一般に融資の審査が厳しく、融資を受けられないこともあるというデメリットがあります。

(2)消費者金融から借金(資金調達)をする

消費者金融から融資を受けようとする場合、銀行や日本政策金融金庫、信用金庫等に比べると審査に通りやすいというメリットがあります。申込みから融資を受けるまでの期間は、おおむね3日以内であり、必要な時にお金を用立てやすいでしょう。
一方で、消費者金融は、調達金額にもよりますが、金利が概ね5~18%となっており、他の金融機関に比べ、金利が高いというデメリットがあります。

(3)個人事業者向けの助成金や補助金の給付を受ける

助成金や補助金は、国や地方自治体からもらえる交付金であり、返済する必要がありません。
その反面、審査が比較的厳しく、多くの書類を提出しなければならない場合もあります。
なお、助成金や補助金は、申請からお金の受け取りまでにある程度の期間を要するため、お金に困ってから申請してもすぐに受け取ることはできないので、注意してください。

新型コロナウイルス感染症に伴い新設された個人事業主向けの借入金の制度

新型コロナウイルス感染症の拡大により新設された、個人事業主向けの借入の制度を紹介します。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルス感染症特別貸付とは、日本政策金融公庫が行う運転資金や設備資金の貸付制度のことです。
この貸付制度は、新型コロナウイルス感染症による影響を受け、一時的な業績悪化となった事業者が対象となっています。
当初3年間は、特別利子補給制度を併用することで金利負担が実質的になくなります。
最長で5年間にわたり元本の返済が不要となります。
担保が無くても貸付を受けることができます。

個人事業主による借金の返済は経費として計上できる?

個人事業主が経費として計上できるのは、売上を生み出すためにかかった費用です。具体例として、店舗の賃料や消耗品費が挙げられます。
反対に、売上を生み出さない支出は経費として計上できません。具体例として、所得税や生命保険料が挙げられます。
返済する借金は、以下のように、経費にならない部分と経費になる部分とに分かれます。

(1)個人事業主が返済する借金(元金)は経費として計上できない

返済する借金のうち、元金の部分については、借りたものを返すだけなので、売上を生み出したものといえません。
そのため、経費としては認められません。
事業資金としてお金を借りたおかげで、設備に投資できたり、仕入れをしたりして、売上を生み出すことができているのではないかとも思えます。
しかしながら、借金の返済ではなく、借金を充てた設備投資費用などが経費になるのです。

(2)個人事業主が返済する借金のうち利息部分は経費として計上できる

借りたお金を設備投資費用や仕入れ代などに充てたために、売り上げを伸ばすことができます。利息は、お金を借りることに対するお礼であり、売上を生み出すために役立ったといえます。したがって、確定申告時に、その年に支払った利息分を経費として計上できます。

個人事業主が直面する借金問題を解決するための債務整理

新型コロナウイルス感染症による影響もあり、借金の返済が困難になった場合は、早期に弁護士に相談した方が良いです。
弁護士に相談することで、以下のように自身に適した方法で解決してくれる場合があります。

(1)債務超過が小さい場合

債務超過とは、借金などのマイナスの財産が、現金・預貯金などのプラスの財産を越えている状態のことです。
任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と支払条件等について交渉する手続きをいいます。
借金の元本の減額はなかなか見込めませんが、将来利息すなわち債権者との和解後完済にいたるまでの利息をカットしてもらい、長期にわたる分割で借金を返済していくことができます。

(2)債務超過が大きい場合

〇自己破産
自己破産とは、返済ができないような状態(支払不能)に陥っていると裁判所から認めてもらった上で、さらに裁判所の免責許可決定を得れば、一定の負債の返済義務を免れることができる手続きです。
原則として、不動産、自動車、保険の解約返戻金といった自身の財産は処分されます。

自己破産の手続きには、大きく分けて、管財手続事件と簡易な同時廃止事件があります。管財手続は、裁判所に選任された破産管財人が、換金して債権者に分配するために財産を調査したり、免責つまり自己破産者を借金の支払いから免れさせることが相当かを調査したりします。そのような管財人の仕事の報酬も破産者が支払わなくてはなりません。
個人事業主の場合、一般的に、店舗や事業所を借りていたり、リース物件があったり、在庫・売掛金といった財産があったりするため、管財人による調査が必要です。そのため、原則として、簡易な手続きである同時廃止でなく、管財手続になります。

制限職種にあたる場合、破産の手続き中、その仕事に就くことができません。制限職種に該当するものとしては、建築事務所開設者、宅地取引業、不動産鑑定業者、産業廃棄物処理業者などが挙げられます。何らかの資格を得て事業を営んでいる場合には、自己破産によってどのような影響があるのかを自己破産を依頼した弁護士に尋ねてみてください。また、自己破産の手続き中には買掛、売掛などの掛取引が原則として禁止されるため、個人事業の継続に支障が生じる可能性が高いです。この点についても、弁護士に相談したときに合わせて確認しておくと良いでしょう。
免責不許可事由がある場合には、破産の申立てをしても、借金の支払い義務を免れさせてもらえない場合があります。免責不許可事由には、浪費・風俗・キャバクラ・ギャンブルを理由とした借入れなど借金を免除することが公平に反するような事情が含まれます。

〇個人再生
個人再生とは、裁判所を通して、支払い義務をおよそ5分の1から10分の1に圧縮してもらうための手続きです。
債務のおよそ5分の1から10分の1を3~5年かけて弁済すると、残りの支払い義務は免除されます。
制限職種にあたったり免責不許可事由があったりするために、自己破産という手続きを選択できない人は、一般的に個人再生を利用します。また、住宅ローンを支払っていて住宅を維持したい人が利用する場合が多いです。

自己破産、個人再生のいずれの手続きを採るにしても、法的整理をすると、ブラックリストに載ってしまい、手続き終了後一定期間新たに借り入れることができなくなります。そのため、法的整理をするとそれ以後事業を継続するのは難しくなってしまうでしょう。

【まとめ】利息の返済部分は経費として計上できる

銀行や日本政策金融金庫、信用金庫、消費者金融などから融資を受け、事業を継続している個人事業主の方も多いでしょう。新型コロナウイルス感染症の影響により、経済的に困窮してしまった個人事業主の方は、融資制度や給付金制度によって事業資金を調達することができる場合があります。
ここで、借金の返済を経費として計上できるかが問題となりますが、経費として計上できるのは利息部分についてのみであり、元本部分の返済は経費として計上できません。
仮に融資等を受けたとしても借金の問題の解決が難しくなっている個人事業主の方は、任意整理、自己破産、個人再生といった債務整理の検討をお勧めします。
個人事業主で借金問題を抱えている方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

債務整理に関するご相談は何度でも無料

費用の不安を安心に。気軽に相談!3つのお約束をご用意

国内60拠点以上,弁護士140名以上。ご相談・ご依頼は、安心の全国対応

もしくは

ゼロイチニーゼロ サイム ナシニ

0120-316-742

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

新型コロナウイルス感染対策における電話での債務整理相談実施について
(1月14日更新)

お気軽にお問い合わせください

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。