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期限までに税金を払えないとどうなる?負担を軽減するための対処法まとめ

作成日:更新日:
kiriu_sakura

「税金が高いな…。税金って払えないとどうなるの?猶予してもらったり、分納はできるかな。」

税金と一言で言っても、所得税、住民税、固定資産税、消費税、自動車税…その種類は様々です。

会社員の方であれば、所得税や住民税は給与から天引きされる特別徴収ですので、払えないと悩むことはあまりないかもしれません。

ですが、そうでない方や、固定資産税など普通徴収の場合には、納期限までにご自身で納付しなければいけませんよね。
税金の負担は決して軽くありませんが、期限までに払えないと延滞税が上乗せされるばかりでなく、財産の差押えを受けるリスクもあります。
早期に対処することで、差押えを回避し、分納等の負担の少ない支払方法を選べる可能性があります。

この記事では、次のことについて弁護士がご説明します。

  • 納期限までに税金を払えない場合のデメリット
  • 納税の負担を減らすための対処法
  • 借金も抱えている場合の対処法    など
この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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納期限までに税金を払えない場合のデメリット

生活費など日々の出費に追われると、税金を払えず納付をつい後回しにしたくなるかもしれません。

しかし、税金を払えないと色々な不利益があります。
それでは、期限までに税金等の公租公課を払えない場合の主なデメリットについて説明します。

(1)延滞税の上乗せ

納付書に書かれている期限までに税金を払えないと、期限の翌日から完納するまで、遅れた日数分の延滞税が発生します。
延滞税の利率は、納付が遅れれば遅れるほど高くなることが多いです。

参考:延滞税の計算方法|国税庁

地方税の税率は各自治体によって異なりますが、例えば東京都税の場合、納付期限の翌日から1ヶ月を経過するまでの期間は2.4%、1ヶ月を経過した日以降は8.7%の延滞金が発生します(令和4年1月1日~令和4年12月31日までの延滞金)。

参照:税金の支払い|東京都主税局

(2)財産への差押えリスク

納期限を過ぎても税金を払えないと、早く支払うようにと書かれた督促状が届きます。
督促状が届いても税金を払えないでいると、給与や預貯金、不動産等の財産が差し押さえられてしまう可能性があります。
督促状が届いた場合には、その後はいつ差押えを受けてもおかしくない状況です。差押えを避けるためには、早急に今後の支払について窓口などで相談しましょう。

公租公課を滞納した場合の差押えについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。

借金や税金を滞納し続けると、事前連絡なしでいきなり差押えされるって本当?

納税負担を軽減するための対処法

延滞税の額を減らし、差押えを回避するためには、早めの対処が不可欠です。
それでは、納税の負担を減らすための対処法について説明します。

(1)国税について

国税の猶予制度は、国税の期限までの納付が厳しい場合に、期限後に支払えるようにするものです。
必要に応じて、分割で支払える場合もあります。

また、国税の猶予制度を利用することで、本来発生するはずの延滞税の金額を減らすこともできます。

国税についての猶予の制度には、主に「換価の猶予」「納税の猶予」の2つがあります。
それぞれについて説明します。

参考:No.9206 国税を期限内に納付できないとき|国税庁

(1-1)「換価の猶予」とは

「換価」とは、差し押さえた財産をお金に換え、滞納している税金に充てることです。

「換価の猶予」を利用すると、差押えを一定期間しないでおいてもらえます。

また、本来だったら発生したはずの延滞税の額を減らしてもらえます。

差押えを待ってもらえ、延滞税が軽減される期間は、原則として1年間が限度です。
その間に、滞納となっていた分の金額と延滞税を支払うこととなります。
また、必要に応じて分納もできることとされています。

「換価の猶予」を利用できる可能性があるのは、次の条件を満たしている場合です。

  1. 国税を一時に納付することで、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること
  2. 納税について誠実な意思を有すると認められること
  3. 換価の猶予を受けようとする国税以外に、国税の滞納がないこと
  4. 納期限から6ヶ月以内に申請書が提出されていること
  5. 担保の提供が明らかに可能である場合は担保の提供
  6. 納付すべき国税について納税の猶予の適用を受けていないこと

参照:申請による換価の猶予の要件等|国税庁

(1-2)「納税の猶予」とは

「納税の猶予」は「換価の猶予」と異なり、差押えだけでなく納付も待ってもらえます。
また、猶予を受けている間は、延滞税の利率も軽減されます。

納付を待ってもらえる期間は、原則として1年間が限度です。

次のような事情がある場合には、個別に納税の猶予を受けられることがあります。

  1. 災害によって、納税者が財産について相当な損失を受けた場合
  2. 災害や病気、事業の休廃止をした等の事情によって、納税者が納付すべき国税を一時に納付することができない場合
  3. 一定の期間の経過後に納付すべき税額が確定した場合で、納税者がその国税を一時に納付することができない理由がある場合

参照:第2章 納税の猶予|国税庁

「換価の猶予」では…
差押えを待ってもらえる+延滞税が減る

「納税の猶予」では…
差押えを待ってもらえる+延滞税が減る+納付も待ってもらえる

(1-3)国税の納付方法についての相談窓口

国税の納付が難しい場合には、国税庁の電話窓口である「国税局電話相談センター」等に納付方法についてご相談ください。

参照:税についての相談窓口|国税庁

(2)地方税について

地方税の場合、税金の分納等の軽減負担の対応は自治体ごとに異なります。
しかし、税金が支払えない方に対して、分納や猶予等の相談に応じている自治体は多いです。

地方税の一括納付が厳しい場合には、分納や猶予が認められないか、早めにお住まいの自治体の窓口に相談しましょう。

国税は基本的に「免除」はされませんが、地方税については、国税よりも広く免除が認められる可能性があります。まずはお住まいの自治体にご相談ください!

(3)国民健康保険税(料)について

国民健康保険税(料)も、滞納を続けていると財産への差押えに至るリスクがあります。
市町村国保の場合には、住んでいる市町村(特別区を含みます)の国民健康保険の窓口に連絡し、分納等ができないか相談しましょう。

また、資力等の一定の条件を満たしていれば、免除や猶予の制度を利用できる可能性もあります。

国民保険税(料)や国民年金なども、払えないと財産の差押えのリスクがあります!
どうしても税金や年金などを払えない場合には、そのままにせず、必ず早めに担当窓口に相談してください。

国民年金の免除・猶予について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

国民年金の納付が免除になる年収ってどのくらい?免除や猶予制度の方法について

借金も抱えている場合の対処法

税金が払えないという方の中には、毎月の支出の中に、借金返済があって納税が苦しいという方も多いです。
そこで、税金は納付の猶予や分納で負担を減らし、借金は債務整理によって負担を軽減できれば、その分納税が楽になる可能性があります。
それでは、債務整理について説明します。

(1)債務整理とは

債務整理とは、借金の支払額を減らしたり、支払に猶予を設けること等によって、支払負担を総合的に軽減するための方法です。
債務整理には、主に次の3種類があります。

  • 任意整理
    支払い過ぎた利息がないか負債を再計算します。
    残った負債について、将来利息のカットや数年間での分割払などによる負担減を目指し、個々の債権者と交渉します。
  • 個人再生
    負債を支払えなくなってしまうおそれがある場合に、裁判所の認可を得て、法律に基づき決まった金額を原則3年間で分割して支払っていく手続。
    ケースにもよりますが、任意整理よりも大幅に総支払額を減らせることがあります。
  • 自己破産
    債務者の財産や収入からは負債を支払えない場合に、裁判所から原則全ての負債について支払を免除してもらう(免責許可決定)ことを目指す手続。
    一定の財産は処分される可能性がある、一定の職種については手続中の従事が制限されるなどの注意点はありますが、3つの手続の中で最も支払負担を軽くできる可能性があります。

債務整理の種類や選び方について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

借金完済までの道のりを50万円・100万円・200万円のケース別に解説

負担を減らせる程度や手続の複雑さが、それぞれの手続で異なります。
どの手続が最適かについては、借金額などによって変わりますので、まずは債務整理に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

(2)債務整理では税金の額を減らすことはできないが……

債務整理によって負担の軽減を図ることができるのは、金融機関からの借金等、民事上の義務についてです。
たとえ債務整理を行っても、税金等の公租公課の納付義務は、減らしたりなくしたりすることはできません。

しかし、自身の状況に適した債務整理を行い、借金返済の負担を減らすことができれば、その分家計に余裕ができます。

債務整理でできた余剰を貯蓄に回し、無駄な出費がないか家計を見直すことで、以前よりもスムーズに税金を払えるようになることを期待できます。

【まとめ】税金が払えない時は、早期に猶予や分納の相談を

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 税金を滞納すると、納付が遅れた日数分の延滞税が発生したり、財産を差し押さえられるリスクが高まる等のデメリットがある。

  • 延滞税の減額や、差押えリスクの回避のためには早期の対処が必要。
    国税の場合……換価の猶予や納税の猶予等について、国税局電話相談センター等に相談
    地方税の場合……分納や猶予について、お住まいの自治体窓口に相談
    国民健康保険税(料)の場合……免除や猶予、分納等についてお住まいの市区町村の担当窓口に相談

  • 借金の返済と相まって税金の支払が困難な場合には、借金について債務整理を検討するのがおすすめ。

アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続につき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続に関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。

また、完済した過払金返還請求の手続の場合は、原則として過払金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2022年11月時点)。

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