あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

交通事故での手足のしびれは後遺障害に認定される?慰謝料請求も解説

作成日:
リーガライフラボ

Uさんは、自動車運転中の衝突事故でむち打ち症と診断され、通院治療を余儀なくされました。治療により首の痛みはほぼ取れたものの、その後も右手の指先にしびれが残っています。このような症状は交通事故後によく見られ、「末梢(まっしょう)神経障害」と呼ばれます。
末梢神経障害が後遺障害として認定されると、事故の加害者に対して後遺症慰謝料などを請求できるようになります。
この記事では、

  • 末梢神経障害の症状と原因
  • 末梢神経障害と後遺障害認定
  • 後遺障害認定を受けるためのポイント

について、弁護士が解説します。

交通事故後の手足のしびれは後遺症になる?

交通事故でケガを負った際に感じる、手足のしびれといった末梢神経障害の症状は、治療を続けても回復せず後遺症として残ることがあります。
以下ではまず、末梢神経障害の症状や原因について説明します。

(1)末梢神経障害とは

人の神経には、大きく分けて中枢神経と末梢神経の2つがあります。

中枢神経は、脳やせき髄などからなり、情報を処理し、全身に命令を送る神経系統の中心部分です。
これに対し末梢神経とは、中枢神経から出て感覚器官や筋肉、皮膚などを走る神経です。
中枢神経からの命令を、体の各部位に伝え、感覚信号を中枢神経に戻す役割をします。
末梢神経には、大きく分けて

  • 運動神経:全身の筋肉を動かし運動を行う神経
  • 感覚神経:痛みや感触などを感じる神経
  • 自律神経:呼吸や血液の循環など、体の無意識の活動を調整する神経

の3つがあります。

交通事故によるケガで末梢神経に損傷を受けると、皮膚の感覚麻痺や手足の運動障害、慢性的な疼痛(とうつう)などが生じることがあります。
これらの症状を総称して、末梢神経障害といいます(「ニューロパチー」と呼ばれることもあります)。
末梢神経障害の具体的な症状としては、次のようなものがあります。

  • 運動神経の障害:手足の筋力の低下、筋肉がやせ細るなど
  • 感覚神経の障害:痛み、しびれ、感覚が鈍くなるなど
  • 自律神経の障害:発汗障害、血管運動障害、栄養障害など

これらの障害は単独で生じることもありますが、同時に複数の症状が現れることもあります。
つまり、交通事故による手足のしびれは、末梢神経障害により生じる症状の一つということができます。

むち打ち症状で圧迫される「神経根」は、脊髄から出て末梢神経の始まる場所で、末梢神経の一部です。
激しい事故で頸椎に強い衝撃が加わった場合には、中枢神経である脊髄が損傷して手足のしびれが生じることもあります。

(2)交通事故後の末梢神経障害の原因

末梢神経障害は、交通事故により身体に強い衝撃を受け、体内の末梢神経が損傷を受けることによって起こります。
交通事故の場合は、骨折、脱臼、打撲、首のむち打ち症などが原因となります。
末梢神経障害の検査としては主に、

  • 感覚機能検査:筆やピン、音叉などを患部にあてて触覚・痛覚・振動覚を調べる
  • 徒手筋力検査(MMT):手足を動かして、どの程度筋肉に力が入るかを確認する
  • 腱反射:ハンマーで関節を叩き、反応が起こるかを確認する
  • 神経伝導検査:手足の神経が通っている箇所を電気で刺激し、神経の伝わり方を調べる
  • 針筋電図検査:筋肉に針を刺して、筋肉の電気的活動に関する異常の有無を調べる
  • 血液検査:血液を採取し、栄養や免疫の状態を調べる
  • MRI検査:神経が圧迫されたり、腫れなどがないかを画像から調べる
    (CT検査では神経の圧迫や炎症をはっきり映すことが難しいため、MRI検査が必要です。)

などがあります。

認定が難しい末梢神経障害の後遺障害

交通事故のケガなどにより、これ以上治療しても改善も悪化もしない状態(「症状固定」といいます)となって残る症状を後遺症といいます。
この後遺症について、所定の機関(自賠責保険の損害保険料率算出機構など。以下「自賠責保険」といいます)により「後遺障害」の等級認定を受けると、加害者に対し、治療費や休業損害だけでなく後遺症慰謝料や逸失利益も請求できるようになります(後述します)。

後遺障害は、症状の部位と程度・深刻度などによって、1~14級(および、要介護の1級・2級)の等級に分類されます。
1級の症状が最も重く、症状が軽くなるに従って2級、3級……と等級が下がっていきます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

交通事故により、末梢神経障害の後遺症が残った場合は、

  • 12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
    または
  • 14級9号「局部に神経症状を残すもの」

に認定される可能性があります(その他の障害が同時に生じた場合は、より上位の等級が認定されることもあります)。

もっとも、末梢神経障害は、MRI検査などではっきりと確認することが難しく、しびれや痛みといった自覚症状が中心となるため、後遺障害と認定されるのが難しい部類に入ります。
以下では、末梢神経障害が後遺障害認定されるための要件について説明します。

(1)後遺障害12級に認定されるために必要なこと

後遺障害の等級認定を受けるためには、等級に関わらず

  • 交通事故と後遺症の間に因果関係があること
  • 医師により、症状固定(=これ以上治療しても改善も悪化もしないこと)の診断を受けること
  • 医師により後遺障害診断書を作成してもらうこと

の3つが前提となります。
その上で、後遺障害12級13号の認定を受けるためには、同号のいう「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する必要があります。
末梢神経障害で12級13号の認定を受けるためには、自覚症状の他に他覚的所見があることを要します。
ここでの「他覚的所見」とは、検査結果など客観的な資料に基づく医師の判断をいいます。つまり、患者本人が訴える「しびれる」「痛い」といった症状を、検査結果や画像などに基づいて医師が客観的に裏付けることをいいます。
MRI検査などの画像診断は、他覚的所見を得るための最も有力な資料となるため、これらの検査は必ず受けるようにしましょう。

ア むちうち症による神経根症状の場合
通常、MRI画像による神経根の圧排(=圧迫され押し出されること)所見と、腱反射の異常所見が必要です。自賠責保険は、腱反射以外の神経伝導検査などは、事実上、補助的にしか評価していないようです。
事故が激しく、被害者が経年性のヘルニアを生じないような若年者(20代)で、ヘルニアによる神経根の圧排がMRI画像ではっきりしている場合には、腱反射の異常所見がなくとも、画像所見と治療経過のみで認められることがあります。

イ 神経根症状以外の画像所見のない神経症状の場合
むちうち症・神経根症状以外の末梢神経障害は、MRI検査ではっきりと異常を確認するのは困難です。上肢の場合、神経伝導検査や筋電図検査によって、神経根、肩、肘、手首のどこの間に神経損傷があるのかを特定することになります。
受傷状況、受傷から治療中の症状経過、腱反射とそれらの客観的な電気的検査を総合して、神経損傷を客観的に立証できている場合にのみ12級13号が認定されます。

ウ 神経根症状以外の画像所見のある神経症状の場合
骨折後の変形癒合、偽関節(遊離骨片)、腱板断裂その他靭帯損傷、半月板損傷その他軟骨変形損傷は、レントゲン(XP)やMRIで画像所見がはっきりしている場合、神経症状の客観的証拠となります。しかし、中高年の腱板や半月板は、経年性の変化や長年の酷使によって事故前から損傷していることがあるため、程度によっては14級どまりとされたり、事故後のMRI画像所見が事故原因かどうかが争われることがしばしばあります。

ア~ウいずれの場合も、交通事故と後遺症との間の因果関係を証明するため、事故直後から通院し、継続的に症状の訴えがあり、定期的に診察を受けているのもポイントとなります。

(2)後遺障害14級に認定されるために必要なこと

後遺障害14級9号は、等級表によると「局部に神経症状を残すもの」とされます。
抹消神経障害について「医学的な証明」はできなくても、「医学的な説明」ができれば、14級9号に認定されることがあります。
「医学的に説明できる」とは、事故によって生じた症状が一貫していることなどを指します。
例えば、椎間板の膨隆はあっても神経根を常時圧排していない場合や、尺骨神経に麻痺があるのにMRI検査や神経伝導検査などの異常がはっきりせず、神経症状の存在を立証できない場合は、「医学的な証明」には足りないとされます。しかし、受傷がありうる事故態様で、事故直後から症状の訴えがあり、6ヶ月ないし相当期間医師が治療しても症状が残存していると認められる場合には、神経症状の存在が「医学的に説明できる」とされる可能性があります。
この意味からも、事故後すぐに受診し、医師に対して症状を詳しく説明しておくことが重要です。

(3)認定されない場合

末梢神経障害の症状が自覚症状(「しびれる」・「痛い」など)によるだけで、MRI検査などの精密検査で異常が見られず、また医学的な説明もできない場合、残念ながらいずれの後遺障害等級にも該当しない(=非該当)ということになります。
また、事故から治療開始まで4日以上期間が開いていたり、治療期間が短かかったり(6ヶ月未満)、通院を長期間(4週間以上)中断している場合にも非該当となることがあります。
なお、車対車の事故で修理費が10万円未満の場合や、駐車場内の事故の場合など衝突速度が低速の場合、バックによる逆突事故の場合なども、事故態様が軽微とみられて非該当となることがあります。

交通事故による手足のしびれで後遺障害認定を受けるポイント

交通事故による手足のしびれ(末梢神経障害)で後遺障害の等級認定を受けるのは、容易なことではありません。担当医が作成する後遺障害診断書に、自賠責保険が着目する点について十分な記載をしてもらうことが重要です。
弁護士に依頼すれば、適正な認定を受けるために後遺障害診断書にどのような事項が書かれていると望ましいのかアドバイスを受けることができます。
また、等級認定のために必要な検査事項や資料についてもアドバイスを受けることができ、検査不足や資料不足で適正に等級認定されない遠回りを避けることができます。
つまり、弁護士に依頼することにより、適正な後遺障害認定がスムーズになされる可能性が高まるのです。

交通事故による手足のしびれで慰謝料はどうなる?

交通事故による手足のしびれ(末梢神経障害)が後遺障害として認定されると、加害者に対し、後遺症慰謝料を請求することができるようになります。

後遺症慰謝料の金額(相場)を決める基準には、次の3つがあります。

  • 自賠責の基準……自動車損害賠償保障法(自賠法)で定められた、必要最低限の賠償基準
  • 任意保険の基準……各保険会社が独自に定めた賠償基準
  • 弁護士の基準……弁護士が、加害者との示談交渉や裁判で用いる賠償基準(「裁判所の基準」ともいいます)

どの基準を用いるかによって慰謝料の額が変わります。
3つの基準を金額の大きい順に並べると、一般に、

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

となります。
後遺障害12級または14級が認定された場合の後遺障害慰謝料(目安)を、自賠責の基準と弁護士の基準で比べてみると、下の表のようになります。

後遺障害12級後遺障害14級
自賠責の基準94万円32万円
弁護士の基準290万円110万円

(2020年4月1日以降に起きた事故の場合)

12級・14級いずれの場合にも、弁護士の基準のほうが自賠責の基準よりも3倍以上の金額になることがお分かりでしょう。
被害者が、自分自身(または加入している保険会社の示談代行サービス)で示談交渉を行うと、加害者側の保険会社は、自賠責の基準や任意保険の基準を用いた低い金額を提示してくるのが通常です。
これに対し、弁護士が被害者の代理人として交渉する場合、金額の最も高い弁護士の基準が用いられます。
つまり、示談交渉を弁護士に依頼すると、後遺症慰謝料を含む賠償金の増額が期待できるのです。
なお、弁護士に交通事故の解決を依頼すると、次のようなメリットも得られます。

  • 加害者との示談交渉において、法的な知識不足によって不利益を被る心配がない
  • 症状に応じた適正な後遺障害の等級認定を受けやすくなる

交通事故による手足のしびれで逸失利益も請求できる

交通事故による手足のしびれ(末梢神経障害)が後遺障害として認定されると、加害者に対して逸失利益を請求することができます。
逸失利益とは、後遺障害によって得られなくなった将来の利益のことをいいます。
例えば、歌手として生計を立てている人が、交通事故による言語障害のため歌手の仕事ができなくなってしまった場合、歌手業により将来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入をいいます。
逸失利益の金額は、

基礎収入×後遺障害による労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

という計算式で算出します。

「基礎収入」は、原則として事故発生前の収入の金額が採用されます。
「労働能力喪失率」とは、後遺障害により労働能力がどれだけ失われたのか、その割合をいいます。後遺障害等級ごとに目安が定められており、12級と14級の場合は次のとおりです。

【労働能力喪失率】

12級14級
14%5%

つまり、100%の労働能力のうち、12級では14%、14級では5%が失われたとみなされることになります。
「ライプニッツ係数」とは、被害者が将来得られたはずの利益を前もって受け取ったことで得られた利益(利息など)を控除するための数値です。

逸失利益の計算についても、特に労働能力喪失期間について加害者側と争いになることが多くなります。
その際も、弁護士に依頼すれば法律的な観点から妥当な労働能力喪失期間を算定し、適正な逸失利益額を主張することができます。

なお、逸失利益について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

逸失利益とは?休業損害や慰謝料との違いと逸失利益の計算方法を解説

【まとめ】交通事故による手足のしびれにお悩みの方は弁護士にご相談ください

交通事故が原因の手足のしびれ(末梢神経障害)は、後遺障害認定を受けるのが難しい後遺症といえます。
後遺障害が認定されるかどうかは、加害者に対して後遺症慰謝料や逸失利益を請求できるかどうかに関わるため、非常に切実な問題です。
手足のしびれが後遺障害に認定されるためには、適切な治療・検査の受け方、後遺障害診断書の書き方にも工夫が必要です。
また、後遺障害に認定された後、加害者側との示談交渉を弁護士に依頼すれば、賠償額を増額できる可能性が高まります。
交通事故被害による手足のしびれ(末梢神経障害)でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

弁護士による交通事故のご相談は何度でも無料

費用倒れの不安を解消!「損はさせない保証」あり

ご相談・ご依頼は、安心の全国対応。国内最多の60拠点以上

もしくは

ゼロイチニーゼロ ジコヲ ナシニ

0120-250-742

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

交通事故被害の慰謝料・示談金増額の ための資料を無料でご提供します!

お気軽にお問い合わせください

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

交通事故に関するメリット満載

よく見られている記事

弁護士による交通事故
ご相談は何度でも無料

メールでお問い合わせ

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

0120-250-742

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中