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【体験談あり】交通事故裁判の流れと費用・ポイントを徹底解説

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交通事故にあいケガなどをした場合、治療費や慰謝料の賠償について、加害者と示談交渉を行います。
その示談交渉で折り合いが付かない場合、最終的に解決する手段は裁判となります。
この記事では、交通事故の賠償について裁判を起こした場合の

  • 裁判の流れ
  • 裁判にかかる費用
  • 裁判のメリット、デメリット

について、体験談を交えながら弁護士が解説します。

目次

交通事故裁判の体験談

まず、裁判の具体的なイメージを持っていただくために、実際にあった交通事故の民事裁判の体験談をいくつかご紹介しましょう。

(1)死亡逸失利益で画期的な判決が下され、賠償金は6300万円以上に増額

【Uさん(女性・40歳・会社員)のケース】
私の妻であるUは、乗用車を運転していたところ、対向車線を走行していた乗用車がセンターラインをオーバーし、正面衝突される交通事故にあいました。この事故で、Uは脳損傷を負い、すぐに搬送先の病院で手術を受けましたが、意識が戻ることはなく、翌日に亡くなりました。
その後私は、加害者側の保険会社から示談金の提示を受けましたが、それが適正な金額であるかどうかわかりませんでした。そこで、交通事故の被害に詳しい弁護士に示談交渉を依頼しました。
依頼後、弁護士はすぐに相手方の保険会社と増額交渉を開始してくれましたが、保険会社は交渉に消極的でした。特に、死亡逸失利益(Uが生きていれば将来得ていたはずの収入)の金額について弁護士の考えと大きな差がありました。そのため、金額に関する具体的な話し合いは進まず、「交渉を打ち切りにしたい」と回答してきました。
そこで私は子供と一緒に、加害者側に対して損害賠償を請求する裁判を起こすことにしました。
裁判では、死亡逸失利益の生活控除率(Uが生きていれば将来かかったはずの生活費を逸失利益から差し引くこと)が最大の争点となりました。保険会社は、私たち夫婦が共働きで仕事を辞める予定もなかったことから、Uは家族の生計を支えていたと判断し、一家の支柱が死亡した際の基準となる生活費控除率40%を主張してきました。
弁護士は、現代では夫婦共働きが一般的で、共働きの家庭に適した生活費控除率が認められるべきであり、生活控除率40%は適切ではないと反論しました。その結果、裁判官は、私とUのどちらが生計の柱とも言い難いことから、生活控除率を35%とするべきであるという判断を下し、死亡逸失利益は5900万円以上、死亡慰謝料は2700万円となり、私と子供の二人に対して、総額6300万円以上の賠償金が支払われる判決が下されました。

(2)綿密な調査にもとづく主張で賠償額が3倍に増額

【Cさん(男性・24歳・会社員)のケース】
私は、交通事故で左鎖骨骨折、顔面挫創、急性硬膜下血腫という重い被害に遭い、後遺障害7級の認定を受けましたが、その後の加害者側の保険会社との示談交渉で提示された金額(約2250万円)に納得がいかなかったことから、弁護士に相談しました。
弁護士が保険会社と協議をしたところ、主張の開きを埋めることが極めて困難だと思われたため、示談交渉を早期に打ち切り裁判を起こすことにしました。
裁判では、私が事故後に職場復帰を果たし、就労を続けていることから、7級の認定は不相当であるとの主張が出てくることが予想されました。
弁護士は、事故前後の私の就労状況の変化や職場の就業サポート体制について、職場の方々の協力を得て証拠化を進めるなど、私の現状を正確に伝えるための事前調査を重ねてくれました。
その結果、裁判所より和解の提案がなされ、最終的にほぼ私の主張どおりの賠償(約7000万円)を受けることができました。

(3)弁護士による示談交渉→裁判の2ステップで賠償額がさらに増額

【Tさん(男性・43歳・会社員)のケース】
私は、赤色信号のため交差点の手前で停車中に、前方不注意の車両に後方から激しく追突されるという事故にあいました。
その後、自宅近くの整形外科や接骨院に約8ヶ月間通院した後、症状固定を迎えました。残ってしまった頸部の痛みや両足のしびれについては、それぞれ14級9号の後遺障害等級が認定されました。
加害者側の保険会社から提示された示談金額は、入通院慰謝料と後遺症慰謝料・逸失利益合わせて135万円というものでした。この金額は妥当なものかよく分からず、自分で交渉するのも不安だったため、弁護士に交渉を依頼することにしました。
弁護士は、それから約4ヶ月間にわたり、保険会社と粘り強く交渉を重ねてくれました。その結果、保険会社からは、入通院慰謝料については弁護士基準(裁判をしたら認められる基準)の8割前後まで、後遺症慰謝料・逸失利益についても6割程度まで、それぞれ増額を認めさせることができました。しかし、保険会社は「これ以上は一切譲歩しない」という姿勢を見せてきたのです。

そこで弁護士から、この金額で納得するか、それともこれ以上の賠償を得るために裁判を起こすか、それぞれのメリットとデメリットについて説明してもらい、裁判を起こすことにしました。
約半年を経たころ、裁判所から和解案が提示されました。提示された和解案は入通院慰謝料が弁護士基準の9割以上、後遺症慰謝料・逸失利益が満額、というものでした。結果的に、当初保険会社が提示してきた額(約330万円)から約155万円もアップし、約485万円となりました。
私は十分に納得し、相手の保険会社も諦めて承諾し、和解成立となりました。

交通事故の問題が裁判に持ち込まれやすいケース

交通事故による賠償問題の多くは、示談交渉・ADRの利用によって解決していますが、中にはそれらの手段で解決できずに裁判に至るケースもあります。
交通事故の被害を受けたとき、裁判を起こすことになるケースを3つご紹介しましょう。

(1)示談交渉が決裂して当事者間で決着がつかないケース

交通事故で被害を負った場合、まずは当事者どうしで(通常は、被害者と加害者側の保険会社との間で)賠償に関する示談交渉を行います。
当事者どうしの交渉のみでは折り合いが付かない場合、ADRという方法もあります。
ADRとは、Alternative(代替的)Dispute(紛争)Resolution(解決)の略で、裁判外紛争解決手続ともいいます。
ADRには、第三者が間に入って当事者どうしの話し合いを円滑にする「あっせん」や「調停」、仲裁人が解決内容を判断する「仲裁」の3種類があります。
実際には、交通事故紛争処理センターによる和解あっせんや、裁判所による調停が多く利用されます。
詳しくはこちらの記事もご確認ください。

交通事故紛争処理センターとは?業務内容や利用方法を解説
交通事故の問題は民事調停で解決!調停の申立て方法と調停のメリット

これらの手続きを利用しても難しい場合、裁判で最終的な決着を付けることになります。

(2)証拠が揃っているのに相手方がこちらの主張を認めないケース

示談交渉において、一方の当事者が適切な証拠を揃えて示談条件を提示しているにもかかわらず、相手方が頑なにその条件や主張を認めないこともあります。
示談交渉で解決に至るためには、必ず双方の合意を要します。被害者がどんなに論理的な主張をし、損害賠償額の増額を訴えても、相手方保険会社に「無理です」と言われたら増額はできません。
このような場合、裁判を起こして裁判官に判断を仰ぐことが有効です。
なぜなら、示談交渉の際に合意できないと言っていた条件でも、裁判で出た判決には従わなければならないからです。
つまり、裁判は相手方との合意がなくても紛争を解決できる手段なのです。

(3)損害賠償を大きく増額できる可能性があるケース

交通事故における後遺障害慰謝料など、賠償金を算出する基準には、

  • 自賠責の基準
  • 任意保険の基準
  • 弁護士の基準

の3つがありますが、どの基準を用いるかによって賠償額が変ってきます。

3つの基準を金額の大きい順に並べると、一般的に

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

となります(一部例外もあります)。

慰謝料の額について、被害者が自分自身(または加入している保険会社の示談代行サービス)で相手方と示談交渉を行うと、相手方の保険会社は、自賠責の基準や任意保険の基準を用いた低い金額を提示し、話をまとめようとしてきます。
また、保険会社は、逸失利益についても、生涯治る見込みのない重度の後遺障害であっても、労働能力喪失期間を10年間や20年間に短く区切って算定することがしばしばあります。
これに対し、被害者に代わって弁護士が示談交渉や裁判を行う場合は、通常最も高額な弁護士基準が用いられます。裁判所は、労働能力喪失期間については、将来の回復の見込みがあるかどうかを見定め、それが乏しい場合には67歳までの長期の喪失期間を認めます。

裁判を起こすと、訴訟費用(=裁判所に支払う手数料など)がかかります。また、裁判手続きは複雑なため、弁護士に依頼することが多いですが、弁護士に依頼すると弁護士費用が別途かかります。もっとも特に被害の大きな事故の場合には、これらを支払っても、損害賠償の増額によりなお金銭的なメリットがあるケースが少なくありません。

さらに、「弁護士費用特約」という保険が利用できる場合には、保険によって弁護士費用が賄われますので、原則として弁護士費用の負担がありません(なお、弁護士費用特約には限度額があり弁護士報酬等は300万円までとなっている任意保険会社が多いです)。

また、示談の場合は、遅延損害金をもらえることはほぼありませんが、裁判で勝訴すれば「遅延損害金」(=支払いが遅れたことのペナルティーとしての金銭)を受け取ることができます。

(4)自賠責保険の等級認定に不満があるケース

自賠責後遺障害等級は、自賠責保険の損害調査事務所で審査され認定されます。自賠責保険は、全国の多数の事件について、公平かつ迅速に審査を行う関係上、その審査基準は硬直的で画一的になっていますので、どうしてもある程度の取りこぼしは生じます。異議申立てや紛争処理機構へのあっせん申立てでも、その硬直性と画一性はほとんど変わりません。
激しい事故で、重大な後遺障害が明らかに残存しているのに、自賠責保険の審査基準があまりにも画一的で硬直的なために、適切な後遺障害等級が認定されないような場合には、証拠を集めて裁判所に訴えて、裁判所による総合判断で適切な後遺障害等級の認定と、その認定等級に基づく損害の賠償を求めることができます。

よくあるのは、

  • 労災保険の認定等級と自賠責保険の認定等級に差がある場合
  • MRI画像所見のない、高次脳機能障害、外傷性てんかん、脊髄損傷の場合
  • 20年前にむち打ち14級の認定があるために同じ14級の認定が受けられなかった場合

などです。

(5)過失割合がある被害者に、人身傷害保険が付帯しているケース

人身傷害保険は、加害者が正当な損害を支払わない場合や、不注意で加害者側になってしまった場合に使える、自分や家族の人身損害のための損害保険です。
自分の側に運転上の不注意があったため、自分や家族のケガの損害について過失割合で減額されてしまう場合にも、その減額分を人身傷害保険の保険金で充当することで、加害者側の支払分と合わせて損害の100%の賠償を受けることができます(いわゆる人身傷害保険の「訴訟基準差額説」:最高裁判決平成24年2月20日(民集66巻2号742頁、判時2145号103頁)。
ただし、このような過失分への人身傷害保険の充当と支払は、「訴訟での判決」、「訴訟上の和解」または「調停」でないと、約款上認められません(保険会社ごとに、約款は微妙に違っていますので、確認が必要です)。
被害者側の損害と過失割合がそれなりに大きく、過失で減額される金額が100万~200万円を超えているような場合は、訴訟する価値が出てくることが多いようです。

(6)65歳以上の被害者が要介護となり、介護保険を支給されるケース

交通事故で、高齢者の方が足を骨折したり、転倒して高次脳機能障害を残した場合などで、治療中または症状固定後に介護保険の要介護認定を受け、介護保険の支給を受けることがあります(いわゆる「第三者行為」)。
介護保険は、介護サービス費用の大部分を支給してくれますので、被害者の方の自己負担分は通常1割分となります(※)。
被害者としては、事故がなければ介護保険を利用することも介護費用を負担することもなかったのですから、将来介護費として加害者に請求することになります。また、介護保険当局(市役所)も9割分について、原因を作った加害者に代位求償します(介護保険法21条)。

ところが、将来介護費の交渉は、加害者側の保険会社と金額に差がある(10割請求vs1割主張)ことが多く、また、交渉内容について介護保険当局との調整が必要になる場合があります。この場合、三者で折り合いつかず訴訟せざるを得ないことが、やや多いと言えます。

(※)介護保険の自己負担割合は1~3割で、年齢とご収入等によります。

交通事故裁判について知っておくべき3つのこと

以下では、交通事故の被害者が裁判を起こすにあたって知っておくべきことを3つ説明します。

(1)被害者側はどのような裁判を起こせるか

交通事故の加害者が問われる責任には、次の3つがあります。

  • 刑事責任:刑罰を受ける(道路交通法違反、危険運転致死傷罪など)
  • 民事責任:金銭で損害を賠償する(民法、自動車損害賠償法)
  • 行政責任:運転免許の取消しなどを受ける

これら3つはそれぞれ独立しており、例えば刑罰を受けなかったから民事責任も負わなくてよいということにはなりません。
これらのうち、被害者が加害者に直接問うことができるのは民事責任のみです。
つまり、被害者が加害者に対して起こせるのは金銭賠償などを求める民事裁判のみということになります。
民事裁判では、

  • 訴訟のための費用が必要(弁護士費用とは別に)
  • 原則として手続きが公開される(誰でも自由に傍聴できる)
  • 判決が出たら双方が従わなければならない
  • 裁判の途中で裁判所が和解案を提示してくることもある

という特徴があります。

(2)弁護士なしで裁判にのぞむことは可能か

日本では、弁護士に依頼せず、当事者本人だけで裁判にのぞむことも認められています(これを「本人訴訟」といいます)。
本人訴訟であれば、弁護士費用を支払わなくて済みますが、よほどの法律知識がない限り、弁護士のサポートを受けずに裁判にのぞむことは困難を伴います。
というのも、法律上の根拠に基づく明確な主張ができなかったり、尋問にうまく答えられなかったり、手続きにうまく対応できなかったりすると、敗訴となるリスクが高まるからです。

(3)裁判に勝った場合・負けた場合にどうなるか

裁判で勝訴した場合・敗訴した場合、それぞれ次のようになります。

【勝訴した場合】

  • 相手方に、こちらが主張した賠償金を支払う義務が生じる
  • 加えて、通常は、判決で訴訟費用につき、どちらがどのくらいの割合負担すべきかが示されるため、これに従って一定の手続きを踏むことにより訴訟費用を請求できる。また、弁護士費用として、通常は、賠償金の10%程度の支払が相手方に命じられる。
  • 相手方が判決に従わず支払いをしてこない場合、預金や給料などを差し押さえることにより強制的に支払わせることができる

【敗訴した場合】

  • こちら側が主張した賠償金を受け取れなくなる
  • 示談交渉で、加害者側から提示されていた賠償金額も受け取れなくなる(裁判は、示談交渉で提示された賠償金を得る権利を放棄した上で起こすため)
  • 訴訟費用や弁護士費用は全額自己負担となる(賠償金が全く認められなかった場合)
  • 相手方が反訴(=反対に訴えてくること)をしてきた場合、こちら側が相手方の損害を賠償する義務を負うことがある。
  • 敗訴したとしても、何らかの罰を受けるということはない

交通事故裁判の流れ

次に、交通事故裁判の流れを見ていきましょう。

【交通事故裁判の流れ】

(1)訴状の提出

まず、裁判を起こす側(「原告」といいます)が、裁判所に訴状を提出することからスタートします。
裁判所に訴状が提出されると、裁判所から裁判を起こされた側(「被告」といいます)のもとに訴状の写しが送付されます。
被告は、訴状の内容を認めるか反論するかを記載した答弁書を提出します。

(2)口頭弁論

被告が答弁書を提出した後、口頭弁論が行われます。
実務上は、第一回目の口頭弁論には原告のみ出廷し、訴状の内容をそのまま述べるだけのケースが多いです。
その後の口頭弁論期日では、原告・被告がそれぞれ裁判所に出向き、主張・反論を行います。期日の日までに、前もって主張・反論を記した書面(「準備書面」といいます)と証拠を提出しておきます。
約1ヶ月ごとのペースで口頭弁論が行われます。
口頭弁論にかかる期間は事案によってさまざまですが、最低でも3ヶ月程度、複雑な事件では1~2年ほどかかることも珍しくありません。
口頭弁論は公開の法廷で行いますが、民事裁判の2回目以降は弁論準備期日と言って、裁判所の小さな会議室で、非公開で書面をやり取りすることがほとんどです。弁論準備期日は、電話会議の形式で行うことができます。リモート会議システムを使うことも認められています。

(3)和解勧告

民事裁判では、裁判の途中で裁判官が和解を提案してくることがあります(これを、「和解勧告」または「和解の勧試」といいます)。
和解勧告のタイミングは裁判官の完全な裁量によるため、あらゆるタイミングで行われる可能性がありますが、主な主張・立証が完了したタイミングで行われることが多いです。
原告か被告のどちらかから和解案を提示することもありますが、多くの場合は裁判官が和解案を提示してくれます。
和解案を当事者双方が受け入れればその時点で和解成立となり、「和解調書」が作られます。
和解調書には、判決と同じく強制執行力があります。これにより、相手方が和解調書に記載された合意内容を守らず支払いをしてこない場合は、預金や給料などを差し押さえて強制的に支払わせることができます。
和解に応じるべきか、これを拒否してさらに裁判を進めるべきかは、どちらが有利かを慎重に判断する必要があります。
なお、交通事故の事件に限って見ると、2018年に全国の地方裁判所に提起された交通事故訴訟のうち、判決により終了した事件は約20.1%、和解により終了した事件は74.9%と、和解で終了する割合は高くなっています(裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(第8回)資料2-1-1より)。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

交通事故裁判、和解案に納得できなければ拒否しても大丈夫?

(4)証人尋問・本人尋問

裁判官が示した和解案に当事者が納得せず、和解が成立しなかった場合、口頭弁論が再開され、証人尋問や本人尋問が行われます。

  • 証人尋問:事故の目撃者や治療を担当した医師などが出廷して、質問に答える
  • 本人尋問:原告本人、被告本人が質問に答える

尋問をする前に、対象となる証人や本人は、尋問で立証したい事実を「陳述書」として提出します。
尋問では味方の弁護士からの「主尋問」と、敵方の弁護士からの「反対尋問」が交互に行われます。

  • 主尋問:原告側弁護士から原告本人(または原告側証人)に/被告側弁護士から被告本人(または被告側証人)に質問する
  • 反対尋問:被告側弁護士から原告本人(または原告側証人)に/原告側弁護士から被告本人(または被告側証人)に質問する

「陳述書」は「主尋問」を効率化するとともに、「反対尋問」を十分準備させるためのものです。
「主尋問」は、陳述書の内容の重要部分について、法廷の場で本人に確認する意味を持ちます。
「反対尋問」は、「主尋問」や「陳述書」の内容について、矛盾があったり曖昧な部分を攻撃してきます。基本的に「尋問」は「反対尋問」のために行うといっても過言ではありません。
双方の尋問のあと、裁判官から「補充質問」がされます。裁判官が考える判決文に必要な穴埋めをするもので、非常に重要です。

交通事故の民事裁判の尋問では、それぞれ以下のような内容について尋問することがほとんどです。

  • 原告本人(被害者):1.事故の状況(過失割合)、2.被害の状況(損害額)
  • 被告本人(加害者):1.事故の状況(過失割合)

通常は原告本人だけで実施しますが、事故状況に争いがある場合には、原告被告の双方が尋問されることがあります。その他の証人が呼ばれることはめったにありません。
尋問は、裁判所を午前または午後の半日使いますし、日程調整、原告と被告の準備などにも時間と労力を要します。そのため、裁判所としては、尋問をせずに和解で解決するよう促すケースも多いです。

そういうわけで、読者の方にとっては「裁判」のイメージと言えば「尋問」でしょうし、「尋問」は裁判の華、弁護士の晴れ舞台ではあるのですが、交通事故の民事裁判の場合、「尋問」を実施するのは、争点が複雑な事件や和解が困難な事件に限られます。

(5)判決

尋問の後で再び裁判官から和解を勧告される場合もありますが、それでも和解できなければ、最終的に判決が下されます。
裁判所の判決は、法的な強制力を持ちます。相手方が判決に従わず支払いをしてこない場合、預金や給料などを差し押さえることにより強制的に支払わせることができます。
なお、2018年における全国の交通事故裁判(第一審)の平均審理期間は12.4ヶ月となっています(裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(第8回)資料2-2-1より)。

(6)不服申立て

判決に納得がいかなければ、不服申立てをすることができます。
第一審の判決に対する不服申立てを控訴、第二審の判決に対する不服申立てを上告といいます(ただし、上告できるのは憲法違反・法令違反・判例違反・重大な事実誤認などの場合に限られます)。
これらの場合、新たな証拠を準備したり、戦略を練り直した上で、次の審理にのぞむことになります。
なお、第二審で和解することもでき、第一審の判決より有利な内容での和解を目指すこともあります。
独力で第一審の判決を覆すのは容易ではないため、不服申立ての際は弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
(民事裁判の場合、判決書の送達または受領から14日以内に控訴状(または上告状)を提出することが必要です。印紙も必要です)。

交通事故裁判にかかる費用

ここで、裁判にかかる費用についても見ておきましょう。
まず、訴えを提起するためには、裁判所に対して手数料を納める必要があります。
手数料は、訴状に収入印紙を貼ることによって納めます。金額は、相手方への請求額(「訴額」といいます)によって変わります。
例えば、1000万円の損害賠償を請求するなら5万円、3000万円なら11万円などです(2021年2月現在)。

参考:手数料額早見表|裁判所 – Courts in Japan

また、裁判所から被告に対して各種の通知をするための郵便切手代が5000〜6000円程度かかります。被告が複数ある場合は、郵便切手代が増やされます。
証人への旅費日当は、1日につき約1万円程度です。もっとも、これは証人の職業などによっても異なり、例えば開業医など、収入が高い人を呼ぶ場合には1日当たり数十万円程度に及ぶこともります。
その他、専門性の高い分野について、学識経験を有する第三者に意見を求める場合(これを「鑑定」といいます)には鑑定費用がかかることもあります。
交通事故事件の場合は、工学鑑定、医療鑑定がありますが、最低でも30万~50万円程度でしょうか。
弁護士費用については、弁護士事務所によって金額が異なりますが、加入中の自動車保険や損害保険に弁護士費用特約が付いて、当該交通事故に利用可能であれば、一定の補償金額の限度で保険会社が弁護士費用を支払ってくれます。ご自身が加入している弁護士費用特約だけでなく、一定のご家族が加入している弁護士費用特約が利用できる場合もあります。実際に弁護士費用特約が利用できるかどうかは加入先の保険会社に事前に確認しましょう。

これらの訴訟費用や弁護士費用はまずは原告が負担しなければなりません。もっとも、後日勝訴すれば、判決文で示される負担割合に応じて訴訟費用を相手方に請求できます。また、弁護士費用も、判決文において、賠償額の10%程度の支払が相手方に命じられるのが通常です。

交通事故で裁判を検討する際のポイント

交通事故で裁判を検討する場合、気をつけるべきポイントとして以下の2点をご紹介します。

(1)裁判のメリット・デメリットを比較検討する

裁判にはメリットだけでなくデメリットやリスクもあり、どんなケースでも裁判を起こせばよいというわけではありません。
例えば、裁判には時間がかかるというデメリットや、敗訴してしまった場合は相手方から1円も支払ってもらえなくなるなど金銭的なデメリットもあります。
裁判では、双方の代理人弁護士が、専門技術と知力を尽くして資料を掘り出して、事実を徹底的に明らかにするヒートアップした展開になることがあり、そこで思わぬ新資料、新事実が出てきて、予想と異なる着地点になることがあります。

どんな裁判でも『絶対』はありません!

したがって、個別具体的な事情に基づき、示談交渉を続けるべきか、ADRを利用すべきか、裁判を起こすべきかを慎重に判断する必要があります。

(2)弁護士のサポートを受ける

交通事故の賠償問題については、弁護士に相談することがおすすめです。
裁判まで視野に入れるなら、なおさら弁護士のサポートを受けるのがよいでしょう。
弁護士に相談すれば、「そもそも裁判を起こすべきか」という部分から、客観的かつ法的な視点で考えてもらえるからです。
もちろん裁判になった場合、訴訟を起こす手続きから証拠・証人探し、主張・立証までをサポートしてもらえます。

なお、裁判などを弁護士に依頼する際には弁護士費用が必要となりますが、ご加入の任意保険に弁護士費用特約が付いていれば、基本的には弁護士費用をそちらから賄うことができます。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

弁護士費用特約とは?家族も利用できる特約内容についても解説

【まとめ】交通事故に関する裁判でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

交通事故で被害を受けた際、満足な賠償を受けるためには、相手方との示談交渉から裁判に至るまで、多くの労力と知識を要します。
面倒な交渉から裁判まで弁護士に任せることにより、ご自身はケガの治療などに専念することもできます。
交通事故で被害を受けたときは、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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