お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

交通事故の裁判の流れを解説!費用や期間についても弁護士が紹介

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「交通事故の被害に遭った。損害賠償について、相手方の任意保険会社と話し合っているけど、自分の希望額と差がありすぎて示談の成立は難しそう」

交通事故の相手方の保険会社と話し合いがうまくいかない場合、損害賠償について当事者同士の話し合いで解決するのではなく、裁判官という中立的な第三者の判断を求めて訴訟を提起することがあります。

これが「民事裁判」です。

もっとも、いざ「民事裁判」となってしまうと、

「民事裁判は、どのような流れになる?」
「どれくらい費用や期間がかかる?」

など、裁判に対する不安が尽きないのではないでしょうか。

実際、裁判は、一般的に、月に一度程度のペースで進むことになるため、示談交渉よりも時間がかかります(費用もかかってしまいます)。

しかし、裁判は、争いのある点について裁判官に判断してもらうことで、示談交渉よりも適切な賠償金を受け取れる可能性があります。

裁判を起こす前に、裁判の費用や期間、裁判の流れについて知っておきましょう。

この記事では、

  • 交通事故の民事裁判と刑事裁判の違い
  • 民事裁判にかかる費用や期間
  • 民事裁判の流れ

などについて弁護士が詳しく紹介します。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

弁護士による交通事故のご相談は何度でも無料

費用倒れの不安を解消!「損はさせない保証」あり

ご相談・ご依頼は、安心の全国対応。国内65拠点以上(※1)

交通事故の裁判とは?

まず、交通事故の裁判は「民事裁判」と「刑事裁判」があります。

ここでは、民事裁判と刑事裁判の違いと、民事裁判となってしまうケースについて説明します。

(1)「民事裁判」と刑事裁判」の違い

交通事故が発生すると、刑事裁判と民事裁判という二つの裁判が行われることがあります。

民事裁判

刑事裁判

この二つの裁判は、手続きの基礎となる法律も、その目的も全く異なります。

刑事裁判の基礎となる法律は、主に刑事訴訟法です。刑事訴訟法に基づいて、検察官が加害者を起訴し、裁判所が加害者の有罪・無罪や量刑について審理します。

一方で、民事裁判の基礎となる法律は、民事訴訟法です。交通事故における民事裁判では、民事訴訟法に基づき、被害者と加害者で争いがあるところ(例えば、賠償金の金額や後遺障害等級、交通事故の過失割合など)についてお互いに主張・立証して裁判官に判断を求めることになります。

なお、この記事では、「民事裁判」について説明します。

(2)交通事故の民事裁判になるケース

双方が主張する損害賠償額に隔たりがあり、話し合っても合意できない場合などでは、中立的な第三者の判断をもとめて民事裁判を行うことがあります。

そもそも、交通事故が発生しても、多くのケースでは加害者と被害者で損害賠償額について話し合って示談が成立しますので、民事裁判となるケースはあまり多くありません。

もっとも、加害者側の示談案に納得できない被害者が加害者との示談交渉を打ち切り、適切と考える損害賠償の支払いを求めて裁判所に訴訟を提起することがあります。
また、加害者側からも、自らが妥当と考える金額以上の損害賠償の支払い義務はないとして、それを確認するために裁判所に訴訟を提起することがあります。

なお、交通事故の示談交渉がうまくいかない場合に、すぐに訴訟を提起することもできますが、訴訟提起前に、交通事故の紛争について仲裁するADR機関(交通事故紛争処理センターなど)の手続きや、裁判所の調停を利用して、話し合いをすることもできます。
しかし、ADR機関や調停を利用しても合意できなければ、最終的には民事裁判で解決することになります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

交通事故紛争処理センターとは?メリットと利用法を弁護士が解説
交通事故の問題は民事調停で解決できる?申立方法とメリットを解説

<コラム>交通事故の示談とは?

交通事故の賠償金の金額などについて、当事者同士が話し合いにより円満に解決することを「交通事故の示談」といいます。
加害者が任意保険に加入している場合には、加害者の任意保険会社が加害者に代わって示談交渉をするので、被害者は加害者と直接交渉するのではなく、加害者が加入する保険会社と話し合うことになるでしょう。

なお、示談は口頭でもすることができますが、誤解が生じ後々争いになることがあるので、通常は、合意内容を明確にして、客観的な証拠とするために示談書を作成し、双方が署名・押印します。

交通事故の民事裁判を起こす3つのメリット

交通事故について民事裁判で争うことには次のようなメリットもあります。

  1. 保険会社の提示よりも高額な損害賠償金を受け取れる可能性がある
  2. 遅延損害金も請求できる
  3. 示談や調停で話し合いが成立しない相手に対して強制力を発揮する

民事裁判を起こすメリットも考慮して、示談をせずに民事裁判をすることを視野にいれて検討することが必要な場合もあります。

なお、被害者が、示談案に納得できない場合や、金額が妥当なのかわからない場合には、示談を成立させる前に、増額可能性がないか、裁判を起こすべきかなどを、一度弁護士に相談するとよいでしょう。

(1)保険会社の提示よりも高額な損害賠償金を受け取れる可能性がある

民事裁判を起こすと、当事者双方が交通事故や損害に関する主張及び証拠を提出することで、最終的に、裁判所が妥当と考える損害賠償額を受け取ることができる可能性があります。

そもそも示談で加害者側の任意保険会社から提示される金額は、保険会社が自社基準に基づいて判断した金額ですので、本当の意味で、被害者側の気持ちや状況に寄り添った適切な金額とは言い難い場合があります。

一方、裁判所は中立な立場で判断するため、特に被害者側に寄り添って判断することはしませんが、加害者側の保険会社提案の示談案よりも償金額が高額となり、被害者が納得することのできる金額を受け取れる可能性があります。

交通事故裁判をしたことによって、納得できる額の賠償金の獲得に成功した事例についてはこちらをご覧ください。

(2)遅延損害金も請求できる

民事裁判では、遅延損害金を請求することができます。

そもそも、遅延損害金とは、損害賠償金の支払いが遅滞した場合に支払う金銭のことをいい、基本的に法定利率で計算されます(民法419条1項)。

不法行為に基づく損害賠償支払債務(損害賠償を支払う責任のこと)は、判例上、損害の発生と同時に、つまり交通事故が発生したと同時に遅滞に陥るものとされているため、交通事故の発生時からの遅延損害金を受け取ることができます。

示談では、早期解決という観点から双方が歩み寄って譲歩し、損害賠償の額について合意しますので、通常、遅延損害金について請求することはありません。

しかし、民事裁判では、遅延損害金についてもきちんと請求します。死亡事故や重篤な後遺障害が残った事故など損害賠償の額が極めて高額になるケースでは、遅延損害金だけでもかなりの金額になりますので、忘れずにきちんと請求する必要があります。

<コラム>遅延損害金の法定利率って?

遅延損害金の法定利率は、事故日によって異なります。これは、民法改正により遅延損害金の法定利率の定めが変わったためです。

  • 2020年3月31日以前の事故 事故発生日から年率5%
  • 2020年4月1日以降の事故 事故発生日から年率3%
    (※3%の法定利率は3年ごとに変動する可能性がある)

例えば、2018年に発生した交通事故による損害賠償請求権が2000万円で、支払日まで3年かかったケースでは、遅延損害金として300万円を請求することができます(2000万円×5%×3年)。

(3)示談や調停で話し合いが成立しない相手に対して強制力を発揮する

そもそも当事者同士で話し合っても、合意する・しないは当事者の自由であるため、合意に至らず、示談交渉が決裂したり調停が不成立となる場合があります。
示談や調停が成立しないでそのままにしておくと、賠償金はいつまでも支払われず、交通事故の被害者の損害回復は実現されません。

他方、民事裁判では、裁判所が下した、加害者が被害者に対して賠償金の支払いを命じる判決が確定すると、加害者は被害者に対して賠償金を支払う義務が生じます。

仮に、加害者が被害者に賠償金を支払わない場合には、被害者は加害者の財産を強制的に差し押さえることが可能となります。

このように示談や調停で話し合いが決裂した場合には、民事裁判は有効な解決策となりえます。

交通事故の民事裁判を起こす4つのデメリット

民事裁判には説明したようなメリットがある一方で、次のようなデメリットも存在します。

  1. 民事裁判の手続きは複雑
  2. 交通事故裁判の平均審理期間は12.4ヶ月
  3. 裁判所費用や弁護士費用が発生する
  4. 敗訴する可能性もある

それぞれ説明します。

(1)民事裁判の手続きが複雑

民事裁判の手続きは、示談や調停に比べて専門的で複雑です。裁判所も、基本的な法的知識があることを前提に裁判の手続きを進めていきますので、民事裁判の知識や経験がないと、手続きの理解が困難なことがあります。

自分の請求内容を裁判所に認めてもらうためには、適切な主張をまとめた書面を準備し、主張を裏付ける適切な証拠を準備する必要があります。

その書面や証拠を、裁判所が指定した日までに、民事訴訟法のルールに従って準備して提出しなければなりません。

相手方から反論があった場合には、その反論に対しては説得的な再反論が必要となります。

交通事故の民事裁判の経験や、民事訴訟法などの法的知識がなければ、このような対応は困難だと考えられます。

(2)交通事故裁判の平均審理期間は12.4ヶ月

民事裁判は基本的に、月に1回程度のペースで開かれますので、進行は示談交渉に比べてゆっくりといえます。そのため、判決までは短くても半年程度かかるのが一般的で、複雑な事故や当事者の争点が多いケースなどでは、1~3年かかることもあります。

実際、2018年における全国の交通事故裁判(第一審)の平均審理期間は12.4ヶ月となっており(裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(第8回)資料2-2-1より)、交通事故裁判は、第一審が終了するまでに平均1年強はかかることを知っておくとよいでしょう。

なお、また、控訴審や上告審まで争う場合には、実際に判決が確定するまでにさらに時間がかかることになります。

(3)裁判所費用や弁護士費用が発生する

民事裁判を起こすためには、裁判所に訴訟費用(手数料と当事者に書類を送る切手代)を納付する必要があります。さらに、弁護士に依頼する場合には弁護士費用が必要となります。

(3-1)手数料

手数料は、裁判所に提出する訴状に収入印紙を貼ることによって納めます。
この手数料は、相手方に請求する金額(これを「訴額」といいます)によって違います。詳しくは、次のサイトにてご確認ください(2022年7月現在)。

参考:手数料額早見表|裁判所 – Courts in Japan

なお、裁判に勝訴すれば、判決文で示される負担割合に応じて訴訟費用を相手方に請求できるケースもあります。

(3-2)当事者に書類を送る切手代

裁判所から当事者に対して各種の書類を送るための切手代が5000~6000円程度かかります。

裁判を起こす側を原告、相手方を被告と言いますが、被告が複数いる場合は、切手代が増やされます。

裁判所ごとに必要となる費用が異なるため、詳しくは各地の裁判所にお問い合わせください。

例えば、東京地方裁判所では、当事者(原告、被告)がそれぞれ1名ずつの場合には切手代として合計6000円が必要となります(2022年7月現在)。

参考:【平成28年1月変更】東京地方裁判所への民事訴訟事件又は行政訴訟事件の訴え提起における郵便切手の予納額について|裁判所 – Courts in Japan

(3-3)弁護士費用

弁護士に依頼して対応してもらう場合には、弁護士費用が発生します。

もっとも、交通事故の裁判といった不法行為に基づく損害賠償請求の場合、損害賠償額の10%程度を弁護士費用として請求できる運用がなされていますので、加害者に対して弁護士費用の一部の支払いを求めることもできる場合があります。

また、自身が加入している自動車保険や損害保険に弁護士費用特約が付いていて、弁護士費用特約を利用できる場合には、弁護士費用は一定額まで保険がカバーされます。

裁判にかかる弁護士費用は、弁護士事務所によって異なりますので、相談する弁護士事務所に詳しく聞くようにしましょう。

弁護士費用については、こちらの記事をご覧ください。

交通事故における弁護士費用の内訳&費用倒れを防ぐポイント
弁護士費用特約は保険に入っていない人でも補償範囲になる?利用できるケースを解説

<コラム>裁判は弁護士なしで、自分で行うことも可能

日本では、弁護士に依頼せずに、当事者本人だけで裁判にのぞむことができます(これを「本人訴訟」といいます)。

本人訴訟であれば、弁護士費用を支払わなくて済みますが、よほどの法律知識がない限り、弁護士のサポートを受けずに裁判にのぞむことはおすすめしません。

民事裁判は、当事者が一定の法律の知識があることを前提に進行します。本人訴訟により手続きに不慣れな場合には、裁判所が説明してくれることもありますが、あくまで中立な立場ですので、弁護士とは異なり、被害者に寄り添って「こうした方がよい」とアドバイスしてくれるものではありません。
特に交通事故の民事裁判では、ケガの程度によって請求できる損害項目も異なり、カルテなどの医療記録、刑事裁判記録などを証拠として提出することになります。
交通事故の裁判の経験がある弁護士であれば、被害者の立場に立って、受けた損害について漏れなく請求し、書面をまとめ、適切な証拠を収集して提出することができるでしょう。

(4)敗訴する可能性もある

裁判をしたとしても、争いがある点について最終的には裁判所が判断することになりますので、勝訴できる保証はなく、敗訴する可能性もあります。
自身が妥当と考える損害賠償額を請求したけれども、主張や証拠が不十分だったりして、裁判所に請求自体が認められなかったり、示談案程度やそれより低い額の損害賠償しか認められなかったりすると、原告が敗訴したといえるでしょう。

裁判中、裁判官の考えが明らかにされ、その結果敗訴見込みが濃厚な場合には、示談案に近い形で和解を成立させることもあります。

民事裁判の流れ

民事裁判の大まかな流れは、1.裁判所へ訴状の提出、2.口頭弁論、3.証拠提出、4.和解勧告・和解協議、5.証人尋問・本人尋問6.判決の順となります。

特に交通事故の裁判においては、次のような流れとなることが一般的です。

なお、弁護士に民事裁判の対応を依頼すれば、基本的に裁判所に対する手続きは弁護士がすべて行いますので、本人が裁判所に出廷する必要はありませんが、本人尋問が必要な場合には、裁判所に出廷する必要があります。

(1)裁判所に訴状を提出

民事裁判は、原告(裁判を起こす側)が裁判所に対して訴状(請求したいことなどを書いた書類)を提出し、裁判所が被告(裁判を起こされた側)に訴状の写しを送達することから始まります。

訴状を提出する裁判所は、基本的に被害者の住所地、加害者の住所地又は事故発生地のいずれかの住所地を管轄する裁判所です。

物損事故など支払いを求める金額が高くない場合(140万円以下)には、簡易裁判所に訴訟を提起することもできますが、訴訟の提起先は地方裁判所となることが多いでしょう。

(2)口頭弁論

通常、訴状を提出して1~2ヶ月後に、第1回の口頭弁論が行われます。

「口頭弁論」とは、いわゆる皆さんがイメージする裁判になります。法廷に裁判官・原告・被告が一堂に集まり、原告・被告がお互いに主張したり証拠を提出したりすることになります。

実務上、第1回口頭弁論期日は、被告の都合を聞かずに指定されますので、被告は出廷せずに答弁書だけ提出することが多いです。

その後の口頭弁論は、およそ1ヶ月に一度のペースで行われることが一般的です。
2回目以降の口頭弁論では、原告・被告がそれぞれ裁判所に出向き、被告の反論、被告の反論を踏まえた原告の再反論という形で、順に主張していきます。

なお、口頭弁論は公開の法廷で行いますが、「弁論準備」と言って、裁判所内の一室で、非公開で書面をやり取りすることもあります。弁論準備期日は、電話会議の形式で行われたり、リモート会議システムで行われることもあります。

(3)証拠提出

口頭弁論を複数回行い、双方の主張・反論を踏まえたうえで、双方の主張に争いがある争点について整理をし、証拠を提出します。

証拠は、見込まれる争点について事前に準備できるものについては訴状に添付して提出することもありますし、口頭弁論で提出する当事者の主張・反論について書いた書面(「準備書面」といいます)と共に提出することもあります。

刑事事件や医療関係資料について交通事故の民事裁判でも証拠として提出したい場合には、裁判所を通じて文書送付嘱託(民事訴訟法226条)を申立て、必要な証拠を入手することもあります。

原告や被告が、本人尋問で証言することもあります。その場合は、証言内容が証拠となります。

(4)和解勧告・和解協議

民事裁判では、裁判の途中で裁判官が和解を提案してくることがあります(これを、「和解勧告」または「和解の勧試」といいます)。和解勧告のタイミングは、裁判官の裁量によりますが、主な主張・立証が完了したタイミングで行われることが多いです。

裁判所が具体的な和解案を提案することもありますし、和解を希望する被告に対して和解案の提出を促すこともあります。

和解では、原告、被告双方の譲歩が必要となり、内容について納得できれば和解が成立し、裁判は終了します。

もっとも、裁判官から提案された和解であるとはいえ、必ず和解に応じなければならないというものではありません。和解に応じるべきか、和解を拒否してさらに裁判を進めるべきかは、あなたが決めることができます。

なお、交通事故の事件に限って見ると、2018年に全国の地方裁判所に提起された交通事故訴訟のうち、判決により終了した事件は約20.1%、和解により終了した事件は74.9%と、和解で終了する割合は高くなっています(裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(第8回)資料2-1-1より)。

交通事故の裁判の和解についてくわしくは、こちらの記事もご覧ください。

交通事故裁判、和解案に納得できなければ拒否しても大丈夫?

(5)証人尋問・本人尋問

裁判官が示した和解案に当事者が納得せず、和解が成立しなかった場合、一般的に、証人尋問や本人尋問が行われる流れになります。

  • 証人尋問:事故の目撃者や治療を担当した医師などが出廷して、質問に答える
  • 本人尋問:原告本人、被告本人が質問に答える

尋問では、尋問を申請した側からの「主尋問」と、相手側からの「反対尋問」が交互に行われます。双方の尋問のあと、裁判官からも訪ねたいことがあった場合には、裁判官から「補充質問」がされます。

なお、尋問をする前に、対象となる証人や本人は、尋問で立証したい事実を「陳述書」として提出します。

交通事故裁判の尋問が不安です……。どのようなことが聞かれるのでしょうか?

交通事故の民事裁判の尋問では、それぞれ次のような内容について尋問することが多いといえます。

  • 原告本人(被害者):1.事故の状況(過失割合)、2.被害の状況(損害額)
  • 被告本人(加害者):1.事故の状況(過失割合)

通常は原告本人だけで実施しますが、事故状況に争いがある場合には、原告被告の双方が尋問されることがあります。その他の証人が呼ばれることはあまりありません。

証人尋問や本人尋問終了後に、改めて裁判所から和解の提案があることも多いです。この時点では、基本的に原告・被告の主張・立証は出尽くしていますので、裁判官によっては、かなり判決に向けた具体的な心証を明らかにしてくれることもあります。和解をした方が良いのかどうか、しっかり弁護士と相談されることをお勧めします。

(6)判決

和解案に納得できず、和解が成立しなかった場合には、裁判所が判決を下すことになります。

判決に不服がある場合には、判決書を受領してから2週間以内に控訴する必要があり、控訴しなければ判決は確定します。

【まとめ】交通事故裁判は時間も費用もかかるが、適正な賠償金を受け取れる可能性がある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 交通事故の民事裁判は、示談や調停で損害賠償金について合意ができなかった被害者が、裁判で損害賠償金を請求できる手段
  • 交通事故の民事裁判を起こす3つのメリット
  1. 保険会社の提示よりも高額な損害賠償金を受け取れる可能性がある
  2. 遅延損害金も請求できる
  3. 示談や調停で話し合いが成立しない相手に対して強制力を発揮する
  • 交通事故の民事裁判を起こす4つのデメリット
  1. 民事裁判の手続きは複雑
  2. 交通事故裁判の平均審理期間は12.4ヶ月
  3. 裁判所費用や弁護士費用が発生する
  4. 敗訴する可能性もある
  • 交通事故の民事裁判の大まかな流れは、1.裁判所に訴状の提出、2.口頭弁論、3.証拠提出、4.和解勧告・和解協議、5.証人尋問・本人尋問6.判決の順

交通事故の民事裁判は、弁護士なしでも行うことができます。

しかし、相手が保険会社の場合には、弁護士をつけて対応することが一般的です。

そして、相手に弁護士が付いている場合、相手は相手に有利になる証拠や資料を用意してきます。あなたも、適切な主張をした上で、主張を裏付ける証拠や資料を用意する必要がありますが、弁護士なしではどういった証拠や資料が有利になるのかがわからずに、気づいたら相手に有利に裁判が進んでいたということも少なくありません(裁判官も中立の立場である以上、あなたに有利になるようなアドバイスはできません)。

交通事故の民事裁判で相手が保険会社の場合には、特に弁護士への依頼をご検討ください。

交通事故の被害に遭い、民事裁判に不安がある方は、お気軽にアディーレ法律事務所へご相談ください。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年7月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

交通事故に関するメリット満載

弁護士による交通事故のご相談は何度でも無料

朝9時〜夜10時
土日祝OK
まずは電話で無料相談 0120-250-742
メールでお問い合わせ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています