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元金充当とは?効果的に元金を減らす返済方法を解説

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消費者金融などからお金を借りた場合、借りたお金(元金)を返済すれば終わりではありません。
たとえば、150万円を借りて、毎月3万円ずつ返済したら、何ヶ月で完済するでしょうか。50ヶ月(4年2ヶ月)と思われるかもしれませんが、実際の返済期間は利息の金額(金利)によって異なります。たとえば、年利15%で借りたなら、79回(6年7ヶ月)支払って完済することになります。意外に返済期間を長く感じるのではないでしょうか。
今回は、借金の返済の仕方である「元金充当」について弁護士が解説します。

消費者金融などからお金を借りたときに支払うのは元金と利息

消費者金融などでお金を借りるときには、借りたお金(元金)に加えてお金を貸してくれたお礼(利息)を支払います(借金の返済が遅れたときには、ペナルティとして遅延損害金が発生しますが、遅延損害金はお金を借りたときに必ず支払うというものではありません)。

利息の一般的な計算方法は、以下のとおりです。
利息=元本額×金利(利率)×借入期間
金利は、一般的に年利(元本に対する1年間の利息を割合で示したもの)が採用されています。たとえば、100万円を年利10%で1年間借りた場合の利息は、100万×10%×1年で10万円となります。100万円が元金、10万円が利息にあたります。

元金充当とは弁済額が元金の返済に充てられること

借りたお金を返済することを「弁済(べんさい)」と呼びます。
元金充当とは、弁済額が元金の返済に充てられることをいいます。

元金と利息の関係は?

具体的な事例を想定しましょう。

1年後に返す約束で消費者金融から100万円を年利10%で借り入れたAさん(元金は100万円、利息は10万円)。1ヶ月後、まとまった金額が手に入ったため、Aさんは消費者金融などに20万円を返済しました。

この20万円は、元金と利息のいずれに充てられるのでしょうか。

その答えは、民法489条1項にあります。

債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合(債務者が数個の債務を負担する場合にあっては、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担するときに限る。)において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。

引用:民法489条1項

つまり、費用、利息、元本の順で充当されるというわけです(両当事者が異なる合意をした場合を除きます)。

先ほどの例でいえば、20万円はまず利息に充当され、残額が元本に返済されることになります。利息の金額が多ければ元本に充当される金額は少なくなり、利息の金額が少なければ元本に充当される金額が多くなります。

残元金の金額が減らないのはなぜ?

借金の返済をしていると、残元金の金額が一向に減らないと頭を悩ませる人がいます。
実際、150万円を年利15%で借り、毎月3万円ずつ返済した場合の1年後の残元金をみてみましょう。この場合、1年間で36万円返済しているにもかかわらず、1年後の残元金は、135万5314円です。つまり、実際に支払った金額のわずか半分にも満たない14万5000円程度しか減っていないことになるのです。
このような事態は、闇金業者に限らず、一般的な消費者金融などで合法的に起きています。

残元金が減らない原因は、借入額と返済額のバランスがとれていないことにあります。そのため、残元金の金額が減らないというデメリットは、毎月の支払額を低額に抑えたリボ払いで顕著になります。借入額が多額になると、それだけ利息が高くなるため、本来であれば返済額も増やさなければなりません。もし返済額を低額にしてしまうと、元金に充当される金額が少なくなるため、残元金が一向に減らないという事態が起こりえます。
このように借入額に応じて、返済額を調整しないと、返済額のほとんどが利息の支払いに充当され、残元金が減らないことになってしまうので、注意してください。

元金充当を効率的に行うためには?

効率的に元金充当するための方法を解説しましょう。

(1)元金充当と利息の意味と関係性を理解する

まず、借金の返済額がどのような順序で利息と元金に充当されるかを理解することが大切です。支払った金額は、費用、利息、元本の順に充当され、その結果、返済額の大小によって、元金充当額が左右されることになります。

(2)十分な元金充当となるように返済額を設定する

元金に十分に充当されるように返済額を設定する必要があります。
大手消費者金融などのホームページでは返済シミュレーションを行えるので、お金を借りるときにはあらかじめ毎月いくらなら返済できるのか、その返済ペースだと利息をいくら支払うことになるのかを計算してみることをおすすめします。

(3)繰り上げ返済・随時返済をする

一般的に、消費者金融などでお金を借り入れた場合、約束の期日よりも早く完済すると、完済日以降の利息は支払わなくてよいとされています。そのため、支払利息の金額を減らし、より多くの金額を元金充当するためには、繰り上げ返済や随時返済をするのが良いでしょう。

繰り上げ返済
(一部返済、増額払い)
月々の支払いにいくらか上乗せして支払うこと
随時返済毎月決められている返済(約定弁済)と別に返済をすること

利息よりも重い負担!遅延損害金

遅延損害金とは、借金の返済を滞納した場合に生じる損害賠償金です。
いわば約束どおりに借金を返さないことに対するペナルティです。
たとえば、10月31日が借金の返済期限である場合、同日までに返済をしないと、11月1日より返済するまでの間、遅延損害金が発生し続けます。
実際に返済するまでの間、お金を借り続けているようなものなので、「延滞利息」や「遅延利息」などとも呼ばれますが、遅延損害金は利息ではありません。

遅延損害金の上限利率について、利息制限法4条1項には次のように定められています。

金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

引用:利息制限法4条1項

つまり、利息の上限利率の1.46倍を遅延損害金の上限とするということです。

借入総額10万円未満10万~100万円100万円以上
利息20%18%15%
遅延損害金29.2%26.28%21.9%

※上記はそれぞれ利息、遅延損害金の上限の例です。

複数の消費者金融などから借り入れている場合、元本充当する金額を増やしたいからといって、他の消費者金融などへの返済に充てるお金まで繰り上げ返済に使ってしまうと、その結果、しわ寄せとして返済に滞りの生じた他の消費者金融について、利息よりも負担の重い遅延損害金を求められる事態になりかねません。
遅延損害金が発生しないように、普段から家計を切り詰めるなど返済が滞らないようにしましょう。

十分に元金充当できずに元金を減らせない場合の対処法

元金充当される金額が少なく思ったように元金を減らせない場合の対処法を解説します。

(1)親族から援助を受ける

消費者金融等からの借入れの場合、まとまったお金を支払うことができれば完済までの期間が短くなるため、利息として支払う金額は少なくなり(民法136条2項ただし書が適用される場合を除く)、その分元金充当される金額が増えます。そのため、思うように借金の元金を減らせなくなった場合には、親族から援助を受けられるかどうかを検討するのも1つの方法です。

たとえば150万円を年利15%で借り、3万円ずつ返済していたところ1年後に親族の援助を受けられたとしましょう。この場合、1年間で支払った金額36万円のうち、元金充当された金額は14万4686円で、利息は21万5314円です。約束どおりに完済しようとすると、利息として86万8611円を支払わなければならないので、約65万円負担が軽減されたことになります。

(2)将来金利をカットしてもらえる任意整理を検討する

親族から援助を受けられない場合には、任意整理を検討してみてはいかがでしょうか。
「任意整理」とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により借金を減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済する内容の和解を債権者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです。
任意整理の特徴として、弁護士に依頼する債権者を選ぶことができます。そのため、保証人のいる債権者、自動車や住宅のローンに関する債権者を対象から外すことも可能です。また、裁判所を通さないので個人再生や自己破産より手続きが簡便ともいえます。

たとえば、150万円を年利15%で借り、3万円ずつ返済していたところ1年後に任意整理をしたとしましょう。弁護士と債権者の交渉がうまくいき、将来金利をカットしてもらえたとすると、当初の総支払予定額から約65万円負担が軽減されることになります。

取引期間を確認する

過払い金請求ができる可能性が高いのは、おおむね2010年以前から消費者金融など相手にカードローンやキャッシングでのお借入れをしている人です。
過払い金とは、カードローンやキャッシングなどで、貸金業者に支払い過ぎていた利息のことです。消費者金融やクレジット会社は、民事上は無効にもかかわらず刑事罰を科せられない「グレーゾーン金利」を利用して、利息制限法の上限を超えた利息を違法に取り続けてきました。そのため、長年借金の返済を続けている方には、過払い金が発生している可能性があります。
過払い金が発生している場合に任意整理をすると、将来利息を支払わなくてよくなるばかりか、手元にお金を戻せるかもしれないのです。
該当する場合には、消費者金融などから取引履歴を取り寄せて引き直し計算をしたほうが良いので、弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】借金に関するご相談はアディーレ法律事務所へ

消費者金融などからお金を借りた場合、借りたお金に加えて利息を支払わなければなりません。毎月返済する金額は、まず利息に充当されるため、借り入れた金額に比べて毎月の返済額が少ない場合には、一向に元本が減らない事態になりかねません。
効果的に元金に充当するためには、随時弁済などをする必要があります。もっとも、経済的に余裕のない状態で随時弁済をすると、日々の生活に困ってしまうでしょう。経済的に困窮してしまったなら、親族から援助を受けられないか、債務整理をするかを検討することをおすすめします。借金の返済でお困りの場合は、アディーレ法律事務所へご相談ください。