あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

養育費の基準は?気になる相場や考えられるトラブルを解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

離婚の際には、財産分与、親権者をどちらにするか、年金分割など、様々なことを話し合う必要があります。
その中でも、子どもがいる夫婦にとって大切になってくるのは、養育費についての話し合いです。
離婚して親子が別々に生活するようになっても、法律上、親は子どもに対する扶養義務を負っていますので、両親は、子どもの生活費を分担して負担することになります。この、子どもの生活費のことを「養育費」といいます。
子どものための養育費ですから、両親が話し合って納得し、自主的に継続的に支払われるのがベストなのですが、実際には、子どもの親権者となり実際に子どもを養育する親が、別れて暮らす親に対して請求する場面でトラブルが生じることが多くあります。

ここでは、養育費を決める基準、相場や考えられるトラブルを解説していきます。

知っておくべき養育費の基本情報

養育費とは何なのか、また養育費の支払い期間について解説します。

(1)そもそも「養育費」とは?

養育費とは、衣食住の費用、教育費、医療費など子どもの監護に必要な費用のことを言います。養育費は、「余裕があるときに支払えばよい」という性質のものではありません。
養育費を支払う義務は、「自分の生活を保持するのと同程度の生活を、子にも保持させる義務」(生活保持義務)であるといわれています(民法877条第1項)。
これは、一般的には、おにぎりが一つあれば、それも分けるというレベルの義務と考えられています。

参考:養育費|法務省

(2)養育費の支払い期間について

養育費はいつから発生し、いつまで受け取ることができるのでしょうか。
「いつから」という始期については、複数の考え方がありますが、基本的には、養育費を請求した時点と考えられています。

具体的には、次の通りです。

  • 離婚時に養育費の取り決めをした場合……離婚時から
  • 離婚時に養育費の取り決めをせずに離婚後に請求した場合……請求時から

「いつまで」という終期については、養育費が「未成熟子」の監護に関する費用とされることから、子どもが「未成熟子でなくなるときまで」と考えられています。
「未成熟子でなくなる」とは、必ずしも成人になるということとイコールではなく、経済的・社会的に自立して生活できるかどうかという点がポイントになります。

養育費の話し合いにおいて、通常、未成熟子でなくなる時点を特定しますが、特定しない場合、基本的に20歳となる時点と考えられます。
大学の進学率が高くなっていますので、大学卒業するまで養育費を支払ってほしい、と希望する場合には、具体的に大学卒業が見込まれる「○年○月○日まで」、「子が22歳に達した後の3月まで」というように、支払いの終期をピンポイントで特定するとよいでしょう。

参考:子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A(Q7)|法務省民事局参事官室

養育費の金額決定の参考になる「養育費算定表」は2種類ある

養育費の金額については「この金額でなければならない」という決まりはなく、基本的には話し合いで決めることになります。
ただ、妥当な金額が分からなければ、話し合いも難しくなりますね。
ですので、公表されている「養育費算定表」を参考にしながら話し合って、養育費の額を決めるとよいでしょう。
この「養育費算定表」は、離婚の際に両親が話し合って迅速に養育費の額を決定することができるよう、典型的な家庭について、一見して、妥当な養育費の算定ができるように作成・公表されたものです。公表されている養育費算定表には、「裁判所が作成したもの」と「日本弁護士連合会が作成したもの」の2種類あるので、それぞれについて解説します。

(1)裁判所が作成した「養育費算定表」

裁判所作成の養育費算定表は、実務上、夫婦間の話し合いや、話し合いがこじれて調停や裁判で養育費を判断してもらうような場合に全国で広く利用されています。
算定表では、両親の年収(養育費を受け取る側が「権利者」、養育費を支払う側が「義務者」です)を、それぞれ縦軸と横軸に当てはめると、交差するマスが標準的な養育費の額を示すようになっています。
算定表は、子どもの数と子どもの年齢別に複数存在しますので、自分のケースに当てはまる算定表を参考にするようにしてください。
2019年12月に公表された最新の養育費算定表は、次の裁判所のサイトから入手することができます。

参考:平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所 – Courts in Japan

(2)日本弁護士連合会が作成した「養育費算定表」

養育費を算定する実務においては、裁判所の養育費算定表が2019年12月に最新のものに変わるまでは、裁判所が2003年に公表していた古いものを利用していました。
ですが、古い養育費算定表は、昨今の社会情勢や家族生活などを踏まえていないから改善されるべき、という意見が強くありました。
そこで、日本弁護士連合会が、2018年2月に、独自に養育費算定表を発表したのです。
算定表の見方は、裁判所のものと同様です。
子どもの数、子どもの年齢により算定表が分かれていますので、自分が該当する算定表を選びます。
両親の年収を、それぞれ縦軸と横軸に当てはめると、交差するマスが養育費の額を示すようになっています。

参考:養育費・婚姻費用の新算定表とQ&A|日本弁護士連合会

日本弁護士連合会がこの算定表を公表した後、裁判所は、古い算定表をより社会実態を反映したものに改良し、公表しました。
養育費の話し合いの場においては、主に、裁判所の最新の算定表が利用されているようです。

実際の養育費の相場はどれくらい?

算定表により妥当な養育費の額をすぐに算定することができますが、実際の養育費は、家庭の状況によって様々です。
ですが、厚生労働省による「平成28年度全国ひとり親世帯等調査の発表」から、ひとり親が実際に受け取っている養育費の平均額が分かりますので、実際の養育費の相場といえるでしょう。

<母子世帯の平均養育費(月額)>
子ども1人:38207円
子ども2人:48090円
子ども3人:57739円

参考:「平成28年度全国ひとり親世帯等調査の発表」から「養育費の状況」|厚生労働省

一度決めた養育費は変更されることもある

養育費を話し合って取り決めた場合でも、その後予測できなかった個人的な事情、社会的な事情が変化した場合には、相手方に対して、養育費の増額又は減額を請求することができます。
「個人的な事情」の変化とは、典型的には、両親の勤務する会社倒産による失業、親や子の病気・ケガによる長期入院、再婚などです。
「社会的な事情」の変化とは、急激なインフレによる養育費の増大などです。

例えば、子どもを養育している親が再婚して、再婚相手からの収入で子どもを養育できるのであれば、養育費を支払っている親から、「個人的な事情の変化があった」として、減額の請求をなされることがあります。
逆に、養育費を支払っている親が再婚して、子どもが生まれたりして扶養家族が増えた場合にも、同じように減額の請求がなされることがあります。

養育費の変更についても、まずは当事者間で話し合って協議します。
養育費増額・減額を希望する理由を、真摯に相手方に伝えて理解を求めるようにしましょう。
当事者間の話し合いで決められない場合には、家庭裁判所の調停又は審判を申し立てて、裁判所の仲介のもとで養育費の増額又は減額を求めることができます。
調停は、話し合いベースで進み、合意できなければ不調となり調停は不成立となります。
一方で審判は、家庭裁判所が、当事者の意見や事情などを考慮したうえで、家庭裁判所が相当とする判断をします。
通常は、まず調停を申し立てて話し合ったけれども調停が不成立となった場合に、審判手続きに移行します。調停を経ずに審判を先に申し立てることもできますが、養育費については話し合いで納得した結果支払われた方がいいので、裁判所の判断で調停手続きに付されることも多いようです。

養育費に関するトラブルと対処法|こんな時どうするのが正しい?

養育費は子どものための生活費ですから、両親が納得するまで話し合って合意し、その後も問題なく支払われるというのがベストです。
ですが実際には、金額と支払い期間などについて争いがあり合意ができなかったり、合意しても支払いが滞ったりするトラブルが生じることも多くあります。後々生じうるトラブルを未然に防ぐ方法と、トラブルが起こってしまったときの対処法を説明します。

(1)養育費はどこまで決めるといい?

養育費の取り決め内容が、抽象的だったり、支払い終了時期をあいまいにしてしまったりすると、その解釈をめぐって後々トラブルが生じる可能性があります。

話し合いでは、養育費の金額、養育費の金額は子ども一人当たりなのかすべてなのか、支払期間(始期と終期)、支払時期(「毎月末日までに」など)、支払い方法(多くは銀行振り込み)、振込先(口座情報を明示)、振り込み費用の負担者(多くは振り込む方が負担)、などを具体的に決めておくようにしましょう。

また、合意内容を明確にし、後々支払いが滞ったときに速やかに強制執行手続きがとれるように、公正証書を作成するとよいでしょう。
公正証書を作成する際には、「執行認諾文言」(養育費を支払う者が支払いを滞らせたら強制執行されてもかまわない旨の条項)を忘れずに入れるようにしましょう。この条項があれば、公正証書を「債務名義」として、支払いが滞ったときには訴訟を提起せずに相手方の財産(給与や預金など)に強制執行して、養育費を強制的に回収することができます。

(2)話がまとまらない・相手が応じない場合はどうするべき?

話し合っても養育費の取り決めができない場合や相手が話し合いに応じない場合には、家庭裁判所の調停又は審判の手続きを利用して、養育費の支払いを求めることができます。
別居の有無や離婚の有無で、利用できる手続きや申し立てる裁判所の管轄が異なってきますので注意しましょう。

  1. 婚姻中・同居中の場合
    「夫婦関係調整(離婚)」の調停を申し立てて、離婚について話し合うのに加えて、養育費についても話し合います。
    申し立てる裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です。
  2. 婚姻中・別居中の場合
    「婚姻費用の分担」の調停又は審判を申し立てます。婚姻費用には子どもの生活費が含まれていますので、婚姻費用の話し合いをするなかで子どもに関する費用の話し合いを行います。
    申し立てる裁判所は、調停の場合は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所、審判の場合は申立人の住所地を管轄する家庭裁判所、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、当事者が合意で定める家庭裁判所のいずれかです。
  3. 離婚後の場合
    「子の監護に関する処分(養育費)」の調停又は審判を申し立てて、養育費について話し合います。
    申し立てる裁判所は、調停の場合は相手方の住所地を管轄する裁判所又は当事者が合意で定める裁判所、審判の場合は子の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です。

調停又は審判を申し立てるに当たっては、印紙代や切手などの必要な費用がかかりますが、子ども1人であれば2000~3000円程度です。
家庭裁判所によって多少異なりますので、詳しくは管轄の家庭裁判所に問い合わせるとよいでしょう。

調停や審判の審理期間は、当事者の話し合いに応じる姿勢や緊急度合いによって異なると考えられますが、平均的には4ヶ月程度といわれています。

参考:子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A(Q4)|法務省民事局参事官室

(3)養育費を払ってもらえない場合はどうするべき?

ここでは、養育費とは?支払い期間から金額の算定方法、不払いの対処法までわかりやすく解説の記事でも紹介した、3つの対処法を説明します。

(3-1)強制執行の手続きをとる

養育費について強制執行力のある書面(債務名義)がある場合には、地方裁判所に対して強制執行の申し立てをすることで、相手方の財産から強制的に支払いを確保することができます。
債務名義としては、次のようなものがあります

  • 確定判決
  • 和解調書
  • 調停調書
  • 審判調書
  • 公正証書(執行認諾文言有) など

離婚の際に公正証書を作成せず、口頭や公正証書以外の書面で養育費の合意をしたにすぎない場合には、すぐに強制執行の手続きをとることはできません。
相手の協力が得られないなど、公正証書の作成が難しければ、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に養育費支払いの申立てをして、債務名義となる調停・審判調書を得る必要があります。

(3-2)履行勧告・履行命令の制度を利用する

履行勧告・履行命令は、家庭裁判所の調停・審判調書などに養育費の支払いについて記載されている場合のみ利用できます。
公正証書を作成しただけの場合には利用できませんので注意しましょう。

履行勧告は、家庭裁判所により、履行状況を調査し、相手方に対して取り決め通りに支払うよう履行を勧告し、督促してもらう制度です(履行勧告、家事事件手続法289条)。
勧告に強制力はありませんが、相手方は、裁判所から直接督促を受けることになるので、一定の効果が期待できるというメリットがあります。

履行勧告によっても支払われない場合、家庭裁判所が相当と認めると、一定の時期までに支払うよう命令を発してもらうこともできます(履行命令、家事事件手続法290条)。
この命令に正当な理由なく従わない場合は、10万円以下の過料に処せられるという制裁があるので、一定の強制力を有します。しかし、強制力が乏しいため、あまり利用されていないのが実情です。

(3-3)弁護士に相談する

養育費の未払いがある場合、どのような対処法が適切なのか、慎重に判断する必要があります。
例えば、債務名義があり、相手方の職場が分かっている場合には、給与債権を差し押さえることが最も効果的かつ確実な回収方法ですが、相手方が差し押さえを嫌がって仕事を辞めてしまうと、差し押さえる対象の給与自体がなくなってしまいます。
弁護士であれば、事案の内容を踏まえて、突然強制執行の手続きをする前に、交渉によって自主的な支払いを求めたり、裁判所による履行勧告の手続きを利用したりした方がいいかについて、的確にアドバイスすることができるでしょう。
また、強制執行する場合は、まず、相手方の財産を特定する必要があります。
例えば、預金口座であれば、基本的に銀行名と支店名まで必要です。本人が分からない場合でも、弁護士であれば、職権により調査することで、支店名を特定できることがあります。
弁護士の職権によっても、銀行の支店や、職場などを特定できないこともあります。その場合は、裁判所の「第三者からの情報取得手続」という制度を利用することで、相手方の勤務先や、銀行口座について把握することができます。相手方の職場や預金口座などの財産の情報が分からない場合には、弁護士に相談・依頼することで、相手方の財産を特定できる可能性が高まります。

【まとめ】養育費支払いは子どものための当然の義務!お困りの方は弁護士事務所に相談を

養育費は、毎月、基本的に子どもが20歳になるまで支払われるものですので、合計すると金額も多額になります。
そのため、話し合いが難航することもあるでしょう。
養育費の合意はできたけれど、その後事情が変化して合意した養育費では足りなくなったり、高すぎて支払えなくなったりするかもしれません。
弁護士であれば、法的な観点からアドバイスをしたり、本人の代わりに相手方と交渉したり、裁判所の手続きに必要な書面の準備をしたりすることができます。
養育費についてお悩みの方は、一人で悩むことはせず、是非弁護士にご相談ください。

浮気・不貞による慰謝料の
ご相談は何度でも無料

メールでお問い合わせ

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

0120-783-184

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中