離婚慰謝料を弁護士に依頼すると、弁護士費用がかかってしまうのではないかと心配する人も当然、多いでしょう。
しかし、弁護士との相談だけであれば無料としている法律事務所もたくさんあります。
相談をして、依頼をしないという選択をすることもできます。
この記事を読むことで、離婚慰謝料の基本、弁護士に依頼することで得られるメリット、相談・依頼への流れについて知ることができます。
この記事では、
- 離婚慰謝料とは
- 離婚慰謝料の請求を弁護士に依頼すべき理由
- 弁護士に相談・依頼する流れ
- 依頼するかどうかを決めるポイント
について、弁護士が詳しく説明します。
慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。
離婚慰謝料とは

「離婚慰謝料」とは、離婚の原因を作った有責配偶者に対して、精神的苦痛を被った他方の配偶者が請求する金銭のことをいいます。
(1)離婚慰謝料を請求できる場合
「離婚慰謝料」は、離婚の際に必ず支払われるものではありません。
例えば、次のような場合には、配偶者に対して離婚慰謝料を請求することができます。
- 不貞行為(浮気・不倫)があったこと
- 配偶者の暴力
- 配偶者の悪意の遺棄(経済的DVなど)
- 性交渉がなかったこと
- 婚姻生活の維持への不協力
もっとも、これらにあてはまる場合であっても、他の事情によって慰謝料請求が認められない場合もあります。
これらに当てはまる場合であっても、慰謝料請求が認められるものであるのかどうか不安な場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
(2)離婚慰謝料を請求できない場合
離婚になってしまった原因が、夫や妻のどちらかが一方的に悪いわけではない場合は、慰謝料請求ができない場合があります。
例えば、次のような場合には、離婚したとしても、配偶者に対して離婚慰謝料を請求することはできません。
- 性格の不一致
- 価値観の相違
- どちらも同じくらい悪い場合(夫婦双方、浮気をしていたなど)
離婚慰謝料の請求を弁護士に依頼すべき理由

浮気・不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットは、次の3つが挙げられます。
- 弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
- 高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる
- 配偶者と連絡をとらなくてもよい
- トータルでサポートしてもらえる
順番に説明します。
(1)弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
配偶者は、「家庭の問題だから」などあなたにしたことを軽く考えていることがあります。そのため、あなたから慰謝料請求が来ても無視したり、適当にあしらったりすることもあります。
しかし、弁護士からの書面が届くと、あなたの本気度が伝わって態度が一変し、事の重大性に気付いてきちんと対応するケースが多いといえます。
(2)高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる
少しでも高額な慰謝料を獲得するためには、過去の裁判例や法律の知識、交渉のテクニックが必要となります。
高額な慰謝料を請求する場合には、配偶者からの反発も当然大きくなりますので、その反発をおさえるためにも、専門家による交渉が必要となるのです。
弁護士であれば、法律の専門家としての知見を駆使して、配偶者と粘り強く交渉し、少しでも高額な慰謝料の獲得を目指しますので、高額な慰謝料を獲得できる可能性があります。
(3)配偶者と連絡をとらなくてもよい
弁護士が慰謝料の支払いを交渉する場合、弁護士が交渉すべてを代行しますので、あなたが自ら配偶者と連絡を取る必要はありません。
慰謝料の請求を検討するといった場合、当然配偶者に対する怒りも大きい場合が多いと思います。
そのような場合に、慰謝料交渉のために、自ら配偶者と連絡をとらなければいけないということは、肉体的にも精神的にも大きい負担がかかります。
弁護士が交渉を代行することで、あなたにかかる負担を減らすことができます。
また、怒りを抱えた状態で配偶者と連絡をとることは、冷静な交渉を妨げる要因ともなり、かえって他のトラブルを招く要因にもなりかねません。
(4)トータルでサポートしてもらえる
離婚は慰謝料だけでなく、養育費や財産分与などお金にまつわる問題が多いといえます。財産分与や養育費は今後の生活に関わる重要なことです。
弁護士に相談することで、慰謝料請求のみならず、財産分与や養育費の計算方法などのアドバイスも受けることができます。
さらに、弁護士は、慰謝料請求に限らず、不倫相手と配偶者の関係を断ち切ったり、慰謝料の未払いなど後々に起こりうるトラブルを防ぐための和解書などを作成したりすることもできます。
弁護士は、依頼者の悩みに寄り添い、依頼者にとって一番よい解決を目指します。
弁護士に相談・依頼する流れ
弁護士に相談・依頼する方法・流れは次のようになります。
- 法律事務所に電話をして相談予約
- 弁護士と対面相談、もしくは、電話相談
- 弁護士の話を聞いた上で、依頼するかどうかを決める
- (依頼をした場合)弁護士が相手に慰謝料を請求する
弁護士と相談した時点で必ず依頼をしなければならないというものではありません。
弁護士に相談したうえで、依頼するかどうかを決めることができます。
弁護士に相談したうえで、依頼しないと判断することもできます。
(1)法律事務所に電話をして相談予約

弁護士への相談には、電話をして相談予約するところから始まります。
最初の電話だけでは相談することはできません。
相談予約をする際には、アディーレ法律事務所のように土日でも相談に対応している法律事務所もありますが、平日しか対応していない法律事務所もあるため、注意が必要です。
(2)弁護士と対面相談、もしくは、電話相談

弁護士への相談は、法律事務所において対面で行うか、もしくは、電話で行うか、です。
弁護士はあなたの悩みを聞き、法律上どうなるか、最善の解決方法などを教えてくれます。
相談しただけでは、依頼したということにはなりません。
弁護士に相談したうえで、依頼するかどうかを決めることができます。
その場で依頼することもできますが、いったん家に持ち帰って、依頼するかどうかを決めることができます。
弁護士の相談は無料という法律事務所もありますので、そのような事務所に相談した場合には、相談しただけではお金をとられることはありません。
アディーレ法律事務所では何度相談しても無料です。
(3)弁護士の話を聞いた上で、依頼するかどうかを決める

依頼するかどうかを決めるポイントは、次の3つです。
- 弁護士の説明のわかりやすさ
- 慰謝料請求の実績
- 弁護士費用を明確に提示されているかどうか
(3-1)弁護士の説明のわかりやすさ
専門用語ばかりを使うのではなく、相談者にとってわかりやすい言葉で説明できているか、その弁護士が知識をきちんと自分のものにしているか、慰謝料請求の経験があるのかを見極めることが大切です。
言葉の意味をきちんと理解していなかったり、これまで慰謝料請求の経験がなければ、わかりやすい言葉に言い換えて説明するのは難しいのです。
相談者の状況や今後の方針などをわかりやすく具体的に教えてくれて、どんな質問にも丁寧に答えてくれる弁護士を選ぶのがおすすめです。
仮に、正式に依頼した場合にも、今の交渉状況などを、定期的に報告を受けることになりますので、説明のわかりやすさという点は依頼後も重要になります。
(3-2)慰謝料請求の実績
弁護士や法律事務所には、それぞれ特に積極的に依頼を受け付けている分野(得意な分野)がある場合もあります。
慰謝料請求の実績のある弁護士であるかどうかを確認しましょう。
弁護士であるからといって、全ての分野に精通しているということではなく、お医者さんと同様に専門分野(得意分野)があるのです。
お医者さんでも、ケガや病気の場所に応じた病院に受診するように、慰謝料請求の相談をするのであれば、慰謝料請求を専門分野(得意分野)としている事務所に依頼することが大切です。
最近では、法律事務所のホームページに過去の解決事例や対応実績を掲載している事務所もありますので、依頼する前に確認してみるのもよいでしょう。
例えば、アディーレ法律事務所のホームページではこれまでの慰謝料請求の解決事例を掲載しています。
ホームページに記載がない場合には、正式に依頼する前に弁護士本人に聞いてみるのもいいでしょう。
(3-3)弁護士費用を明確に提示されているかどうか
弁護士に慰謝料請求の解決を依頼するにあたっては、やはり費用面が気になるものです。
相談者にとって、最も気になる費用の部分も、前もってきちんと説明してくれる弁護士や法律事務所を選ぶようにしましょう。
費用について明確な説明がないと、後々、弁護士費用についてトラブルになってしまう恐れもありますので、明確な説明をすることでそのようなトラブルを防いでいるともいえます。
さらに、相談者が気になる面について、前もって明確に説明してくれている弁護士や法律事務所は、相談者の悩みや気になる点に丁寧に対応しているということにもなります。
例えば、アディーレ法律事務所では相談時点で費用面について丁寧に説明するのはもちろんのこと、ホームページ上でも弁護士費用について説明しています。
(4)(依頼した場合)弁護士が相手に慰謝料を請求する

弁護士に依頼することに決めた場合、弁護士との間で委任契約書を作成します。
委任契約書を作成して、依頼を受けた弁護士は、依頼者の意向を汲んだうえで、相手に慰謝料を請求します。交渉についても弁護士があなたに代わって行います。
なお、この依頼の時点で、着手金(不倫慰謝料を請求する場合の一般的な相場は約20万円程度)を請求する事務所もあります(なお、アディーレ法律事務所のように着手金が無料の事務所もあります。)。
【まとめ】慰謝料請求を弁護士に依頼することで精神的負担も軽減される
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 「離婚慰謝料」とは、離婚の原因を作った有責配偶者に対して、精神的苦痛を被った他方の配偶者が請求する金銭のこと。
- 離婚慰謝料が請求できる場合・できない場合
離婚慰謝料が請求できる場合 | ・不貞行為(浮気・不倫)があったこと ・配偶者の暴力 ・配偶者の悪意の遺棄(経済的DVなど) ・性交渉がなかったこと ・婚姻生活の維持への不協力 |
離婚慰謝料が請求できない場合 | ・性格の不一致 ・価値観の相違 ・どちらも同じくらい悪い場合(夫婦双方、浮気をしていたなど) |
- 離婚慰謝料の請求を弁護士に相談すべき理由
- 弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
- 高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる
- 配偶者と連絡をとらなくてもよい
- トータルでサポートしてもらえる
- 離婚慰謝料を弁護士に相談・依頼する方法・流れ
- 法律事務所に電話をして相談予約
- 弁護士と対面相談、もしくは、電話相談
- 弁護士の話を聞いた上で、依頼をするかどうかを決める
- (依頼した場合)弁護士が相手に慰謝料を請求する
- 依頼するかどうかを決めるポイント
- 弁護士の説明のわかりやすさ
- 慰謝料請求の実績
- 弁護士費用を明確に提示されているかどうか
離婚についてお悩みの方は弁護士に相談することをおすすめします。