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【完全ガイド】親が亡くなったらやることリスト|時系列で順番に解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

親の死は、私たちの人生で最も辛く、混乱する出来事の一つです。

突然の別れに心が張り裂けそうになる中で、さまざまな手続きや決断を迫られることになります。「何をすればいいのか分からない」「この先どうなるのだろう」と不安でいっぱいになるのは当然のことです。

しかし、こんな時こそ冷静さが求められます。親の死後には、期限内に行わなければならない手続きがたくさんあるからです。

本記事では、親が亡くなった直後から数ヶ月後まで、時系列に沿って必要な手続きや対応をわかりやすく解説します。この記事を読むことで、悲しみの中にあっても必要な手続きを着実に進められるよう、道筋を立てるお手伝いをします。一つ一つの手続きをクリアしていくことが、故人への最後の務めであり、あなた自身の心の整理にもつながるはずです。

この記事を読んでわかること

  • 親が亡くなった直後・7日以内・2週間以内にすべき対応・手続
  • 親が亡くなった後にすべき相続・税金関連の手続
  • 親が亡くなった後にすべき親名義契約・サービスなどの整理
  • 親が亡くなった後に気になるよくある質問(Q&A)

ここを押さえればOK!

親が亡くなった直後には多くの手続きや対応が求められます。まずは死亡診断書の取得が必要です。これは市区町村に死亡届を出す際や保険金請求などに重要な書類です。親族や職場への訃報の連絡も早急に行い、葬儀社の選定と葬儀の準備を進めます。

親が亡くなってから7日以内に行うべき手続きには死亡届の提出や火葬許可証の取得、通夜・葬儀・火葬・初七日法要の実施が含まれます。

さらに2週間以内には年金受給停止、健康保険と介護保険の資格喪失届の提出、住民票の世帯主変更の届出などを行います。これらは期限があるため、忘れずに対応が必要です。

相続関連の手続きとしては遺言書の確認、相続人や相続財産の調査、相続放棄の検討、遺産分割協議、財産の名義変更、相続税の申告・納税、相続登記があります。
この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後、福岡支店長、大阪なんば支店長を経て、2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

目次

親が亡くなった直後にすべき対応(24時間以内)

親が亡くなった直後は、混乱と悲しみの中に暮れていることと思います。しかし、親が亡くなった後に行うべき手続きや対応は待ってくれません。

まず、死後直後に行うべき手続や対応を知っておきましょう。

(1)死亡診断書の取得

死亡診断書は、市区町村に死亡届を出す場合やその後の保険金請求などに必要となる重要な書類です。

病院や介護施設で亡くなった場合はその病院の医師から死亡診断書を発行してもらいます。一方で、自宅で亡くなった場合(死因が不明の突然死や事故死の場合など)は警察に連絡し、検視の後に死体検案書を発行してもらいます。

今後の手続に何かと必要となることが多いので、コピーを複数枚とっておくとよいでしょう。

(2)近親者への訃報の連絡

親族や職場など近親者への訃報の連絡は、できるだけ早く行いましょう。親と親しかった人の連絡先が分からない場合には、亡くなった親の携帯などで確認してもよいかもしれません。

親族や特に親しかった人などには電話などで簡潔に状況を伝え、葬儀の日程が決まり次第、再度連絡することを伝えます。それ以外の人には葬儀の連絡とともに訃報を伝えるようにします。

(3)葬儀社の選定と葬儀に向けた準備

葬儀社の選定は、費用やブラン内容、オプションなどを考慮して行います。

焦って葬儀社を決めてしまい、「予算よりも高額な葬儀費用になった」「プランの内容が納得できなかった」なんてことも聞きます。複数の葬儀社から見積もりを取るなど比較検討するようにしましょう。

とはいっても、親が亡くなってから葬儀まで時間があまりありません。もし親の死期が近いことが事前に分かっていれば前もって葬儀社について調べておくのがおすすめです。

(4)遺体の搬送・退院の手続

病院で亡くなった場合、遺体の安置をさせてもらえる時間が数時間程度であることがほとんどです。葬儀社と相談の上、適切な安置場所を決定し、搬送を依頼します。

直接葬儀社に遺体を搬送する場合もありますが、葬儀社に行く前に一度自宅に搬送する場合もあります。

親が亡くなってから7日以内に行うべき手続

親が亡くなってからの数日間もまだまだやるべきことがあります。死亡届の提出や火葬許可証の取得など通夜・葬儀が終わるまでは落ち着けない日々が続くでしょう。

(1)死亡届の提出(7日以内)・火葬許可証の取得

死亡届は多くの場合、死亡診断書と同じ1枚の用紙となっていることが多いです。右側が医師記入の死亡診断書で、左側が死亡届となっています。

病院から死亡診断書を受け取ったら、死亡届である左半分を記入し、死亡を知った日から7日以内に市区町村の役所に提出する必要があります。

死亡届の提出先:故人の死亡地・本籍地または届出人の所在地の役所

火葬許可証は、死亡届を提出する際に同時に申請できます。この許可証がないと火葬を行うことができないので、必ず取得しておきましょう。

死亡診断書を渡せば、死亡届の提出と火葬許可証の取得は葬儀社が代行してくれる場合も多いので、葬儀社に相談してみましょう。

(2)通夜・葬儀・火葬・初七日法要の実施

通夜・葬儀・火葬の形式や規模は、亡くなった親の希望や遺族の意向に応じて決定します。

近年は、小規模な家族葬を選択する方も増えています。重要なのは、故人を偲び、家族や親族が心を通わせる場となることです。葬儀社とよく相談し、適切な形式を選びましょう。

通夜は亡くなって2日日、葬儀および火葬は3日目に行うのが一般的です。ただし葬儀場や火葬場の空きなどを理由に3日以上先になることもあり、必ずしも亡くなってから2、3日目に行われるものでもなくなっています。

葬儀・火葬に合わせて初七日法要を同じ日に行うケースも増えています。本来は死後7日目に行うもので、遺骨や遺影の前で僧侶が読経を行う儀式です。

親が亡くなってから2週間以内に完了すべき手続

通夜・葬儀が終わると少しひと段落です。しかし、年金や健康保険、住民票などの手続も忘れてはいけません。期限があるので注意が必要です。

亡くなった親が在職中であった場合には、年金や保険など会社での手続が必要なものもありますので、どのような手続が必要かなど問い合わせておくとよいかもしれません。

(1)年金受給停止の手続(10日もしくは14日以内)

亡くなった親が年金の受給者だった場合、年金事務所もしくは年金相談センターで年金受給停止の手続をする必要があります。手続きをしないままだと、本来もらえないはずの年金を受給し「不正受給」ということになってしまいます。

  • 厚生年金:亡くなった日から10日以内
  • 国民年金:亡くなった日から14日以内

日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が登録されている場合には、受給権者死亡届(報告書)の提出は不要です。

(2)健康保険の資格喪失届の提出(5日もしくは14日以内)

亡くなった人の健康保険証を返却しなければなりません。国民健康保険や後期高齢者医療保険の場合には死亡日から14日以内、健康保険の場合には死亡日から5日以内に返却する必要があります。

(3)介護保険の資格喪失届の提出(14日以内)

亡くなった親が介護保険の受給者だった場合、介護保険の資格喪失届を死亡日から14日以内に市区町村役場の窓口に提出します。

(4)住民票の世帯主変更の届出(14日以内)

亡くなった親が世帯主の場合には、死亡日から14日以内に新しい世帯主を届け出る必要があります。死亡届と一緒に提出することが多いです。

ただし、次のような場合には、誰が新しい世帯主になるのかはっきりしているため、世帯主変更届を出す必要はありません。

  • 世帯に残ったのが1人だけの場合
  • 世帯に残ったのが親1人と15歳未満の子どもだけである場合

親が亡くなった後にすべき相続関連の手続

次に、親が亡くなった後にすべき相続関連の手続を見ていきましょう。「相続する財産は少ないから関係ない」と思われているかもしれません。

しかし、財産の多い少ないにかかわらず、親が亡くなった後には相続の手続が必要となります。

(1)遺言書を探す・遺言書の検認をする

まず、故人が遺言書を残していないか確認します。遺言書がある場合、その内容に従って相続手続きを進めることになります。

遺言書が見つかったら、家庭裁判所で検認の手続を行います。検認とは、遺言書の内容を明確にして、偽造・変造を防止するために行う手続です。

(2)相続人や相続財産の調査をする

相続人は誰か、どのような相続財産があるのかを確認する必要があります。親の相続人や財産について十分に把握しているつもりでも「実は離婚歴があって前の配偶者との間で子供がいた」「実は株式をもっていた」などが発覚するケースがあります。

相続人については親の戸籍をたどって確認しましょう。相続財産については遺品整理の中で知らない預金通帳が見つかったり、親の自宅に届く手紙などで株式の所有がわかったりすることがあります。

親族の相続手続に必要な戸籍の取得方法と基礎知識 
相続財産の調査は自分でできる?調査方法と相談先を解説

(3)相続放棄を検討する

相続財産を調査し、親に借金などがあった場合には相続放棄も検討しましょう。

ただし、相続放棄をすると、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことになるため、相続することを前提とした手続(財産の名義変更など)は行えなくなります。相続放棄を行うかはよく考えて行いましょう。

相続放棄は、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

相続放棄をする5つの理由と申述書への書き方を弁護士が解説

(4)遺産分割協議をする

遺言書がない場合、相続人間で遺産分割協議を行います。遺産分割協議で合意ができたら、合意した内容で遺産分割協議書を作成しましょう。

話し合いがまとまらない場合は、弁護士に依頼してあなたに代わって交渉してもらうことも検討しましょう。

遺産分割とは|手続きの進め方と揉めがちな点についてわかりやすく解説

(5)相続に伴う名義変更をする

預貯金、株式、自動車など、相続した財産の名義変更手続きを行います。各金融機関や関係機関に必要書類を提出します。これらの手続きは複雑で時間がかかる場合があるため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

(6)相続税の申告・納税(10ヶ月以内)

相続税の申告・納税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行います。一定額以上の相続財産がある場合に必要です。

(7)相続登記をする(3年以内)

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

2024年4月1日以降に発生した相続で不動産を取得した場合は、不動産取得を知った日または遺産分割協議の成立日から3年以内に相続登記を行う必要があります。また、義務化前に発生していた相続についても相続登記の義務はあり、その場合の期限は通常2027年3月31日となります。

親が亡くなった後にすべき税金関連の手続

親が亡くなった後、税金に関する手続きは避けて通れません。難しくてわからないと思われるのも当然ですが、納税も相続人の義務ですので簡単に流れだけでも知っておきましょう。

(1)所得税の準確定申告・納税(4ヶ月以内)

故人が個人事業を営んでいた場合、相続人はその故人の代わりにその年の確定申告を行います。これを「準確定申告」といい、1月1日から死亡した日までの所得と税額を申告・納付します。

期限は、この相続人が相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。

(2)固定資産税の納税

固定資産税は、1月1日時点の所有者に課税されます。親が年度の途中で亡くなった場合、その年度分は故人名義で納税します。翌年度からは相続人の名義で納税することになります。

相続登記が完了していなくても、相続人に納税義務がありますので、注意しましょう。

親が亡くなった後にすべき親名義の契約やサービスなどの整理

いつまでにしなければならないというわけではありませんが、不必要な支払いが生じたり、遺品や家を残しておくことでトラブルになったりすることもありますので、早めの対応をおすすめします。

電気、ガス、水道、固定電話、NHK受信料などの契約を解約または名義変更します。各事業者に連絡し、必要書類を確認して手続きを行います。

亡くなった親が契約していた各種サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信、新聞購読など)も確認し、解約手続きを行いしょう。

親がどういった契約や手続きをしていたのかが分からない場合には、親が使っていた携帯に届くメールを確認したり、住んでいた自宅に届いた手紙を確認したりして見つけ出す必要があります。

よくある質問と回答(Q&A)

親の死後の手続きに関して、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

(1)親が亡くなったら、親の銀行口座はどうなる?

親名義の銀行口座はその名義人である親が亡くなると、銀行口座が凍結されます。

原則として、相続人が遺産分割協議をして預金口座の扱いを取り決めない限り、勝手に故人の預金口座から引き出すことはできません。

ただし、葬儀の費用など親名義の預金を使いたいということもあるでしょう。その場合には、
引き出しに限度額ありますが、遺産分割協議をする前に預金口座からお金を引き出す方法(相続預金払い戻し制度)もあります。親名義の預金口座がある銀行に問い合わせてみてもいいでしょう。

故人の銀行口座をそのまま使うことの法的リスクと適切な対応方法 

(2)親が亡くなったら、仕事は何日休むのが普通?

親族が亡くなった場合には、忌引き休暇を使って仕事を休むのが一般的です。会社によっては忌引き休暇を「慶弔休暇」や「服喪休暇」と呼ぶ場合もあります。

忌引き休暇が何日あるかは故人との関係次第です。

一般的に親が亡くなった場合、7~10日間の休みがもらえます。祖父母や兄弟姉妹であれば3~5日間程度の休みがもらえることが多いようです。

【まとめ】親が亡くなったら近親者の連絡と葬儀社探しから|様々な手続も忘れずに

親が亡くなったあとの手続きの多さに戸惑うかもしれませんが、一つずつ着実に進めていきましょう。

もちろん、親が亡くなった後に行うべき手続は、様々でもちろんご自身で行うことも可能です。

しかし、手続によっては期限が設けられており、その期限を過ぎると延滞金の支払いなど不利益が生じる場合もございます。葬儀などと並行して進めなければなりませんが、心身ともにつらいなか慣れない手続を行うことは大きな負担となります。

そこで、弁護士などの専門家にご依頼いただく方法があります。
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