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懲戒処分の種類は一般的に6つ!弁護士が不当な処分への対処法も解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

会社で問題を起こしてしまい、上司に「懲戒処分も考えられる」と言われて、クビになるかもしれないと不安に感じていませんか?
懲戒処分と聞くと、「懲戒解雇」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実はその種類は様々です。

会社での問題行動に対する制裁である懲戒処分について、正しい知識がなければ、不当な処分を受けて泣き寝入りしてしまう可能性もあります。
この記事では、懲戒処分の種類や、どのような行為が対象になるのか、そしてもしもの時にどう対応すべきか、法的観点からわかりやすく解説します。

ここを押さえればOK!

懲戒処分は、従業員が会社のルールや業務命令など労働契約上の義務に違反した場合に科されるペナルティです。
その種類は企業によって異なりますが、一般的には軽い順に譴責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇の6つ程度が定められています。

譴責は注意をして将来を戒め、始末書の提出を求めます。減給は労働基準法で上限が定められています。出勤停止は一定期間出勤を禁じ、その間の賃金は支払われません。降格は役職や職位を引き下げる処分です。
諭旨解雇は退職を勧告する処分で、応じない場合は懲戒解雇となります。最も重い懲戒解雇は、会社が一方的に労働契約を解除する処分です。

懲戒処分は、就業規則に根拠がなければ無効となります。また、違反行為に対して処分が重すぎる場合も無効と判断される可能性があります。
もし不当な懲戒処分を言い渡されたと感じたら、感情的な対応や安易な退職届の提出は避け、弁護士に相談することを検討しましょう。特に懲戒解雇はキャリアに大きな影響を与えうるため、早急な対応が重要です。

懲戒解雇を言い渡されたけど納得できないという方は、1人で悩まずアディーレ法律事務所にご相談ください。

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懲戒処分は会社のルール違反に対する不利益処分

懲戒処分とは、従業員が会社のルールや業務命令など労働契約上の義務に違反した場合に、会社が行う不利益処分のことです。
どのような場合に、どのような懲戒処分が可能かは法律に定められているわけではありません。
使用者である企業が、合理的な裁量で定めることができます。
しかし、懲戒処分は就業規則に定められていなければならず、就業規則にない懲戒処分を行うことはできないと考えられています。

懲戒処分の種類と内容

懲戒処分と一口に言っても、懲戒処分の内容は、企業によって異なります。
一般的に懲戒処分の種類は、6種類程度であることが多いようですが、企業によって定める種類は異なります。
まずは、どのような種類があるのか、それぞれの処分の内容や重さを正しく理解することが重要です。

懲戒処分として定められていることが多いのは、軽いものから順に、譴責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、そして懲戒解雇の6種類程度です。

(1)譴責|注意をして書面の提出を求める

譴責(けんせき)は、最も軽い懲戒処分です。従業員に口頭または書面で注意を与え、将来の行動を改善するよう促します。
そして、従業員に反省を促すために、書面(始末書などと呼ばれる)の提出を求めることが多いです。
法令上は、「戒告」という言葉が用いられており、書面の提出義務はありません(地方公務員法29条1項など)。

(2)減給|給与を一定額減らす

減給は、給与を一定期間、一定額減額する処分です。
譴責と同じく、書面の提出を求められることが多いようです。
労働基準法91条により、1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、総額は一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならないと定められています。

(3)出勤停止|一定期間、会社への出勤を禁止する

出勤停止は、一定期間、従業員の出勤を禁止する処分です。
期間中の賃金は支払われません。職務上の違反行為や規律違反に対して適用され、その期間は会社の就業規則によって定められています。

(4)降格|役職や職位引き下げ

降格は、役職や職位を引き下げる処分です。これに伴い、給与も減少することが一般的です。従業員の能力不足や重大な規律違反など、その責任が重い場合に適用されます。

(5)諭旨解雇|退職を勧告し、応じない場合は懲戒解雇にする

諭旨解雇(ゆしかいこ)は、従業員に自ら退職するよう勧告する処分です。
懲戒解雇に値するほどの重大な違反行為があったものの、本人が反省を示していたり情状酌量の余地がある場合に選択されることがあります。
従業員が退職勧告に応じない場合は、懲戒解雇となります。
退職金が支給されるか否かは、会社の就業規則によります。

(6)懲戒解雇|一方的に労働契約を解除する

懲戒解雇は、最も重い懲戒処分であり、実質的に会社からの追放を意味します。
会社が一方的に労働契約を解除するもので、極めて悪質な違反行為や重大な背信行為があった場合にのみ適用されます。
退職金が支給されるか否かは会社の就業規則によりますが、一般的に懲戒解雇の場合には退職金は(全部又は一部が)支給されないと定めていることが多いです。
また、履歴書の賞罰欄に記載する必要があるため、転職活動にも大きく影響することになるでしょう。

どんな行為が懲戒処分の対象となる?

懲戒処分の種類を理解したところで、次に気になるのが「どんな行為が処分されるのか」という点でしょう。
どのような行為が懲戒処分の対象となるのか、具体例を挙げて解説します。

(1)懲戒処分の対象となる行為と処分の重さの目安

懲戒処分の対象となる行為は、会社の就業規則に定められています。
短期間の無断欠勤、複数の遅刻早退、虚偽申告、指揮命令に従わない、素行不良(ハラスメント)、備品を私的利用する、服務規律違反など、比較的軽微な違反行為から、社内で刑法等の犯罪に該当する行為をした時、重大な企業秘密を洩らした時など重大な違反行為まで様々です。

処分の重さは、行為の悪質性や会社に与えた損害の大きさ等によって、裁量の範囲内で企業が取り決めています。

(2)ケース別に知る:無断欠勤、ハラスメント、経歴詐称

いくつかの具体例を見ていきましょう。

(2-1)無断欠勤

たとえば、無断欠勤(正当な理由なく無断で欠勤する)は、1日であれば、規律違反も軽微ですので、譴責・減給・出勤停止など比較的軽微な懲戒処分が定められていることが多いでしょう。
一方で、無断欠勤が2週間にも及び、出勤要請に応じない又は連絡が取れないというような場合には、規律違反は重大なものとして、論旨解雇や懲戒解雇が選択肢として可能となっていることもあります。

(2-2)ハラスメント

セクハラやパワハラは、被害者の精神的苦痛だけでなく、会社の職場環境を悪化させる行為でもあります。
その態様が軽微で職場環境への影響もあまりないと判断されれば、譴責・減給・出勤停止など比較的軽微な懲戒処分が定められていることが多いでしょう。
一方で、態様が長期間にわたり複数回行われており、態様も酷く非常に悪質で、職場環境を著しく乱したなどと判断されれば、論旨解雇や懲戒解雇など重い処分が定められていることもあります。

(2‐3)経歴詐称

採用時の経歴詐称は、労働契約の根幹を揺るがす行為ですので、重い懲戒処分が定められていることが多いです。
ただし、採用に当たっては重要な経歴とそうでない経歴があります。実務では、学歴や職歴や懲罰など、重要な経歴を偽って採用されたことを、論旨解雇や懲戒解雇など重い懲戒処分の対象として定めていることが多いようです。

突然の懲戒処分に納得がいかない!対応方法とNG行動

会社から一方的に懲戒処分を言い渡されても、その内容に納得できないこともあるでしょう。そのような場合、冷静に状況を判断し、適切な対応を取ることが重要です。

(1)懲戒処分が「無効」になる可能性

会社は、その裁量でどのような懲戒処分でも下せる、というわけではありません。
次の条件を満たさなければ、懲戒処分は無効となる可能性があります。

① 懲戒事由や懲戒処分が就業規則で定められていて、労働者に周知されている
② 労働者の行為が就業規則に定める懲戒事由に当てはまる
③ 懲戒処分に合理的な理由と社会的相当性がある

例えば、就業規則に「無断欠勤が1日でもあれば懲戒解雇ができる」旨の規定があるとします。そして、無断欠勤1日という軽微な規律違反に対して、懲戒解雇という処分が下された場合、上記条件の①と②は満たしていても、③を欠く(問題になる行為に対しての制裁が重すぎるので合理的理由と社会的相当性が認められない)と考えられますので、そのような懲戒処分は無効とされる可能性があります。

(2)会社から処分を言い渡されたときの正しい対応

もし懲戒処分を言い渡されたら、まずはその内容を冷静に確認しましょう。
就業規則で、懲戒処分を行うときは書面で通知すると定められているときは、会社は必ず書面を作成し交付しなければなりません。
(就業規則でそのような定めがない場合、法律上は書面交付義務まではありません。)
したがって、就業規則を確認したうえで、書面交付が規定されているのに書面が渡されないときは、書面交付を要求します。

書面を受け取ったら、処分の種類、対象となる行為などを確認します。

納得できない場合には、その場で感情的に怒ったりするのではなく、一度持ち帰って検討する旨を伝え、労働問題を扱う弁護士への相談を検討しましょう。

(3)絶対にやってはいけないNG行動とは?

会社から懲戒処分を言い渡された際に、感情的な反論や、熟慮しないで退職届を提出すること、SNSなどでの会社への誹謗中傷はやめましょう。
感情的な反論は、会社との関係をさらに悪化させる恐れがあります
今後を考慮せず退職届を提出してしまうと、収入が絶たれ生活やキャリアに悪影響があるリスクがあります。
SNSで会社名を明かして誹謗中傷を行って会社の社会的評価を下げると、名誉毀損罪という刑法上の刑罰に該当するおそれがあるほか、バレればさらなる処罰事由となったり、損害賠償を請求されたりするおそれがあります。

懲戒解雇を言い渡されたら?納得できないときは弁護士に相談する

特に重い懲戒解雇という懲戒処分は、今後のキャリアや生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
会社から懲戒解雇の処分を言い渡されて、「処分は重すぎないか」「指摘されている行為をした覚えがない」など、納得できない方は、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

(1)弁護士に相談するメリット

弁護士に相談すると、弁護士は、懲戒処分の有効性について、裁判例や実務を踏まえて、法的な観点から無効となる余地があるかどうか見通しをたてることができます。
弁護士に依頼すれば、会社側の主張や証拠を精査したうえで、処分は不当であるとして、あなたの言い分を整理して交渉を代行してくれます。
もし、交渉で話がまとまらなかった場合には、労働審判や訴訟手続きなど、依頼者と相談の上、必要な法的な手続きを取ることも任せることができます。

(2)無料相談を活用して、まずは弁護士の意見を聞いてみる

労働事件を扱う法律事務所では、初回の法律相談を無料で受け付けているところもあります。
何度でも無料という法律事務所もありますので、活用して、「争える余地のある懲戒解雇かどうか」という点について弁護士から見通しと、アドバイスをもらうと良いでしょう。

一人で悩まずに、まずは状況を整理するためにも、弁護士に相談してみましょう。

【まとめ】

この記事では、懲戒処分の種類や内容、そして会社から不当な処分を言い渡された場合の対処法について解説しました。
会社から懲戒処分を告げられても、それが必ずしも有効な処分とは限りません。就業規則に根拠がない場合や、不当に重すぎるなど合理性相当性がない場合には、処分が無効になる可能性があります。

特に懲戒解雇は、あなたのキャリアや生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。会社から懲戒解雇を言い渡されたけれども不当だと感じる方は、一人で抱え込まず、一度弁護士に相談することが重要です。

「不当に解雇された」という方は、1人で悩まず、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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