国内のB型肝炎感染者は、推計110万~140万人いて、年間約1万人の新規感染者が発生しています。
そして、肝臓は「沈黙の臓器」といわれており、慢性肝炎になってもほとんど自覚症状がなく、気づかない人が多いです。
しかし、放置しておくと肝硬変や肝がんに進行し、命にかかわることもあります。
そのため、今までB型肝炎検査を受けたことない人は、B型肝炎検査を受けてみた方がよいでしょう。
名古屋市では、一定の方を対象にB型肝炎ウイルスの血液検査を無料で行っています。
この記事を読んでわかること
- B型肝炎の検査を特に受けた方がよい人
- 名古屋市のB型肝炎ウイルスの無料検査について
- 検査の結果が陽性だった場合の対処法
ここを押さえればOK!
国内のB型肝炎感染者は推計110万~140万人おり、年間約1万人の新規感染者が発生しています。B型肝炎は自覚症状がないまま進行する可能性があるため、検査したことがない方は一度検査してみることをお勧めします。
名古屋市では、一度もB型肝炎検査を受けたことがない市民を対象に、無料の血液検査を提供しています。検査結果が陽性の場合、精密検査や定期的な治療が必要となります。
医療費に関しては、愛知県が医療費助成を行っており、インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療の自己負担額が所得に応じて1万円または2万円に抑えられます。
さらに、幼少期の集団予防接種等でB型肝炎ウイルスに感染した方は、国から最大3600万円のB型肝炎給付金を受け取れる可能性があります。
アディーレ法律事務所は、B型肝炎給付金に関するご相談をお受けしていますので、一度ぜひご相談ください。
B型肝炎に関するご相談は何度でも無料!
弁護士費用は安心の成功報酬制!
ご相談・ご依頼は安心の全国対応。国内65拠点以上(※1)
お電話によるご相談だけでなく、お近くの本店・支店にお越しいただいてのご相談も可能です
香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。
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B型肝炎ウイルスの検査を特に受けた方がよい人
B型肝炎ウイルスに感染していても自覚症状がない場合が多いです。
しかし、放置しておくと、いつの間にか慢性肝炎、肝硬変、肝がんに進行する危険があります。
そのためB型肝炎ウイルスの検査をこれまでに一度も受けたことがない方は、検査を受けた方がよいでしょう。
特に、次のいずれかに当てはまる方は、B型肝炎ウイルスの検査を一度は受けておきましょう。
健康診断等で、肝臓の値が悪かった方
…暴飲暴食などによって肝臓の値が悪くなることもありますが、
B型肝炎ウイルスに感染していると、肝臓の値が悪くなることがあります。
検査結果で見るべき肝臓の値は、例えば、次の値です。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP
B型肝炎ウイルスに感染している人と性交したことがある
…B型肝炎ウイルスの主な感染経路は血液です。
また、B型肝炎ウイルスの活動が活発な時期は、精液などの体液を通じて感染する
こともあります。
注射器やカミソリ・ピアッサー・歯ブラシの使いまわしをしたことがある
…B型肝炎ウイルスに感染している人の血液が付着したものを使いまわすと
B型肝炎ウイルスがうつる可能性があります。
輸血を受けたことがある
…輸血に使われる血液は、B型肝炎ウイルスに感染していないかのスクリーニングが
されており安全性は高くなっております。しかしながら、ごく稀に、輸血によってB型
肝炎ウイルスに感染してしまうことがあります。
1941年(昭和16年)7月2日~1988年(昭和63年)1月27日生まれの方
…幼少時の集団予防接種等で注射器の使いまわしがされ、これにより推計40万人以上の
方が感染したことがあります。
1941年(昭和16年)7月2日~1988年(昭和63年)1月27日生まれの方は、
集団予防接種等の際、注射器が使いまわされた可能性があります
(詳しくは後でご説明します)。
B型肝炎ウイルスに感染している方と生活を共にしたことがある場合
…B型肝炎ウイルスは、血液や体液を通して、母から子、父から子など家族間で感染
することがあります。
その他、集団生活でも感染が広がる場合があります。
名古屋市で受けられる、無料のB型肝炎ウイルス検査
全国で無料のB型肝炎ウイルス検査が行われており、名古屋市でも無料の肝炎検査を受けることができます。
参考:ウイルス性肝炎|名古屋市
(1)名古屋市の無料検査の内容
問診をした後、血液検査をします。
この血液検査により、「HBs抗原」の値を調べることができます。
HBs抗原が「陽性」だと、「現在、B型肝炎ウイルスに感染している」ということになります。
「B型肝炎ウイルスに感染したことがない方」は、HBs抗原は「陰性」となりますが、「現在は治癒しているものの、過去にB型肝炎ウイスルスに感染したことがある方」も、HBs抗原が「陰性」となります。
【HBs抗原】
陽性 | 現在、B型肝炎ウイルスに感染している方 |
陰性 | 現在も過去も、B型肝炎ウイルスに感染していない方 |
現在は治癒しているが、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがある方 |
参考:肝炎ウイルス検査|名古屋市医師会
(2)名古屋市の無料検査の対象者
「一度もB型肝炎・C型肝炎の検査を受けたことがない、名古屋市民の方」が、無料のB型肝炎ウイルス検査の対象です。
(3)無料検査ができる場所
名古屋市のB型肝炎ウイルスの無料検査は、協力医療機関で受けることができます。
無料検査を受けて陽性だった場合の対処法
まずは、医療機関で精密検査を受けることをおすすめします。
精密検査の結果、B型肝炎ウイルスに感染しているということであれば、定期的な検査や治療を受けることになります。
(1)定期的な検査・治療を受ける
症状の有無、症状の程度によって、必要な定期検査・治療は異なります。
(1-1)症状がない場合
症状がない場合(無症候性キャリア)の場合でも約10%の方が、慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどを発症するといわれています。
肝炎発症を予防・早期発見するために定期的な検査を受けます。
(1-2)慢性肝炎や肝硬変になっている場合
慢性肝炎や肝硬変になっている場合は、「インターフェロン」や、「核酸アナログ製剤」という薬剤を投与することで、B型肝炎ウイルスの増殖をできるだけ抑えていくことになります。
肝がんの場合、投薬(抗がん剤等)や、手術などで治療していくことになります。
(2)医療費助成を受ける
ここで心配になるのは、医療費ですよね。
B型肝炎ウイルスに感染して、次の保険適用の治療を受ける場合、愛知県より医療費助成を受けることができます。
- インターフェロン治療
- 核酸アナログ製剤治療
この医療費助成を受けることにより、上記治療の自己負担額が所得に応じて、原則として1万円または2万円になります。
申請しないと、医療費助成を受け取れないことに注意しましょう。
名古屋市民の方の場合、名古屋市の保健センターが窓口ですので、こちらに申請をすることになります。
愛知県の医療費助成の要件や、助成を受けられる期間などについて詳しくは「あいち肝炎ネットワーク(B型・C型肝炎患者医療給付事業)|愛知県」のページをご覧ください。
また、医療費助成について詳しくははこちらをご覧ください。
(3)感染原因によってはB型肝炎給付金をもらえる
「幼少期(満7歳未満)の集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染した」という方は、国から最大3600万円の「B型肝炎給付金」をもらえる可能性があります(症状等に応じて金額は異なります)。
1948年(昭和23年)7月1日~1988年(昭和63年1月27日)の間、自治体が主催する集団予防接種等において注射器の使いまわしがされていました。
また、上記の注射器の使いまわしは、特定の地域だけではなく、全国で行われていました。
そのため、ご自身が満7歳未満になるまでの間に、「1948年(昭和23年)7月1日~1988年(昭和63年)1月27日」の期間内において、自治体が主催する集団予防接種等を受けた方は、B型肝炎給付金をもらえるかもしれません(B型肝炎給付金をもらうためには、B型肝炎ウイルスに6ヶ月以上感染したことがあるなど、いくつかの所定の要件を満たす必要があります)。

また、次の方もB型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
- この集団予防接種等でB型肝炎ウイルスに持続感染した親(一次感染者)から、母子感染
- 父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染している方(二次感染者)
- 二次感染者(法令上は母子感染による二次感染に限る)から、母子感染・父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染している方(三次感染者)
また、B型肝炎ウイルスに持続感染していた方がお亡くなりになられてしまっている場合には、各相続人も代わりにB型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
B型肝炎給付金をもらっても、医療費助成には影響ありません。
もし、名古屋市の無料検査でB型肝炎が陽性だった方は、ご自身がB型肝炎給付金をもらえる対象となりうるかを確認することをお勧めします。
なお、過去にB型肝炎ウイルスに感染していた方もB型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
名古屋市の無料検査では、現在、B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを確認する「HBs抗原」検査しか実施しません。
過去に、B型肝炎ウイルスに感染したかどうかは、他の病院等で「HBc抗体」などの検査をする必要があります。
HBs抗原が陰性であっても、必ずしも「B型肝炎給付金の対象外」というわけではありませんので、注意しましょう。
B型肝炎給付金の要件や金額については、こちらをご覧ください。
【まとめ】症状がなくともB型肝炎ウイルスに感染していることも
今回の記事をまとめると次の通りになります。
- 一度もB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスの検査をしたことがない人は、名古屋市の協力医療機関にて、無料の肝炎検査を受けることができる。
- もし、肝炎検査で陽性だった場合は、精密検査、治療などが必要。
- 所定の治療に関しては、医療費助成を受けることにより自己負担額を1万円、または2万円に抑えることができる
- また、幼少期の集団予防接種等で注射器が使い回されたことにより、B型肝炎ウイルスに感染した方は、国から最大3600万円のB型肝炎給付金をもらえる場合がある。
集団予防接種等での注射器の使いまわしは、特定の地域ではなく、全国で行われていました。
そのため、自分は関係ないだろう、と思っていても、実はあなたもB型肝炎給付金の対象かもしれません。
なお、B型肝炎給付金を申請するには、カルテなどの書類を集め、国を相手に訴訟を提起して、裁判内で和解し、その後、社会保険診療報酬支払基金に対して、給付金の申請という手続きを経なければなりません。
専門的知識を必要としますので、弁護士に相談・依頼する方も多いです。
アディーレ法律事務所では、ご依頼いただいた場合、B型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行います。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。
また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料は一切いただいておらず、報酬は、原則として給付金を受け取り後の後払いとなっております。
なお、B型肝炎給付金の支給が決定すれば、和解協議にあたり、弁護士等に報酬を支払った方に対して、各給付金額の4%の額が訴訟手当金として国から給付されます。
※以上につき、2024年9月時点
B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。