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解雇理由証明書とは?記載内容から受け取った後の対応方法も解説【記載例付】

作成日:
s.miyagaki

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

突然の解雇通知を受け取り、不安と戸惑いを感じていませんか? 
解雇通知を受け取ったときには、原則として解雇理由証明書を請求することができます。 
解雇理由証明書を確認して、解雇理由に客観的合理性・社会的相当性がない場合には、不当解雇である可能性があります。 
不当解雇であれば、解雇は無効です。 
解雇理由書は、あなたの権利を守るうえで大切な文書です。 

本記事では、解雇理由証明書の基本知識から記載内容、受け取ったときの対応方法まで、わかりやすく解説します。 

この記事を読んでわかること 

  • 解雇理由証明書の基礎 
  • 解雇理由証明書の記載内容 
  • 解雇理由証明書を受け取ったときの確認事項 
  • 不当解雇の可能性があるときの対応方法 

ここを押さえればOK!

解雇理由証明書は、労働者が解雇される際に会社に請求できる重要な文書です。この証明書には、解雇の具体的な理由が記載されます。労働者は解雇予告日から退職日までの間に請求する必要があります。 
会社には証明書を遅滞なく発行する義務があり、違反すると罰金が科される可能性があります。 
記載内容には、解雇の具体的理由や該当する就業規則の条項などが含まれます。抽象的な記載では不十分で、具体的な事実関係を示す必要があります。 
証明書を受け取ったら、記載内容の範囲、基本情報の正確性、解雇理由の具体性と客観性、就業規則との整合性などを確認しましょう。不明点や疑問点がある場合は、会社に確認や説明を求めます。 
不当解雇の可能性がある場合は、即時に異議を申し立てたり、労働組合や弁護士、労働基準監督署に相談したりすることをお勧めします。話し合いで解決できない場合は、労働審判や訴訟で解決する方法があります。

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この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

解雇理由証明書の基本知識 

解雇理由証明書は、労働者を解雇する理由について具体的に記載された書面です。 
労働者が、解雇を予告された日から退職日までに、解雇理由証明書を請求すると、会社は遅滞なく発行する義務があります(労働基準法22条2項本文)。 
解雇予告がされた日以後に、当該解雇以外の事由で退職した場合、退職日以降は請求できないことに注意が必要です。 
会社が発行義務に違反した場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります(同法120条1号)。 

解雇理由証明書は、解雇が不当である場合、不当解雇の証拠として重要な役割を果たします。 

解雇理由証明書と退職証明書の違い 

解雇理由証明書と退職証明書は似ているようで異なる文書です。 

主な違いは以下の通りです。 

  1. 発行理由:
    • 解雇理由証明書:会社による解雇の場合 
    • 退職証明書:主に自己都合退職や定年退職の場合 
  1. 記載内容: 
    • 解雇理由証明書:解雇の具体的理由が含まれる 
    • 退職証明書:使用期間、業務の種類、地位、退職の事由(解雇の場合はその理由も含む)などが記載される 
  1. 法的根拠:
    • 解雇理由証明書:労働基準法第22条2項本文 
    • 退職証明書:労働基準法第22条1項 
  1. 使用目的: 
    • 解雇理由証明書:主に不当解雇の証拠 
    • 退職証明書:退職した証明書として、次の就職先への提出や国民年金・国民健康保険の加入手続き、失業保険の手続きなどで利用 

両書面とも退職の証明に使われる文書です。退職証明書は、自主退職だけではなく解雇された場合にも請求でき、そのときは使用期間などに加えて解雇理由も記載されます。それに対して、解雇理由証明書は、解雇される労働者のみが請求でき、基本的に解雇の理由のみが記載されます。 

不当解雇が疑われるときは、必ず解雇理由書を請求するようにしましょう。 

解雇理由証明書の書式例 

解雇理由証明書の書式例を紹介します。 

引用:解雇理由証明書│厚生労働省 

(1)解雇のルールの基本 

解雇は、使用者が自由にできるものではありません。 
一定の場合には法律で解雇が禁止されています。 

また、法律で解雇が禁止されていないとしても、解雇が、客観的に合理的な自由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、無効となります(労働契約法16条)。 

そして、解雇理由については「業務命令違反のため」などと抽象的な記載では不十分で、具体的に示す必要があります。 
就業規則の一定の条項に該当することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係についても、証明書に記載しなければなりません。(厚生労働省の通達:平成11年1月29日基発第45号) 

(2)解雇理由書の記載例 

業務命令違反や能力不足を理由とする解雇理由証明書の記載例を紹介します 

【記載例】 

●●●● 殿 

当社が、〇年〇月〇日付であなたに予告した解雇については、以下の理由によるものであることを証明します。 

〇年〇月〇日 

〇〇株式会社 

代表取締役〇〇〇〇 

具体的には、以下の事情から当社就業規則第〇条〇項〇号の「〇〇〇〇」に該当したことによる解雇 

  1. 2023年5月15日、上司の指示に反し、重要顧客とのミーティングを無断でキャンセルした。 
  1. 2023年1月から6月までの6ヶ月間、月間売上目標の達成率が平均40%に留まり、改善の見込みがなかった。 
  1. 2023年3月10日、4月15日に勤務成績について指導及び警告を行い、5月20日に勤務態度について指導及び警告を行ったが、改善が見られなかった。 
  1. 2024年6月4日には、上司の指示に反し再度重要顧客とのミーティングを無断で欠席した。 

解雇理由証明書を請求する際の注意事項 

(1)退職日までに請求する 

解雇理由証明書は、退職予告日から退職日までに請求することができ、法律上は退職後は請求することができません(ただし退職後の請求であっても交付に応じる企業もあります)。 

そして、退職予告日以降、当該解雇事由とは他の理由で退職した場合には、その退職日以降は会社に交付義務はありません。 
解雇理由証明書を受け取るためには、退職日までに請求することを忘れないようにしましょう。 

(2)請求して欲しい事項を明確に伝える 

退職証明書と解雇理由証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはいけません(労働基準法22条3項)。 
したがって、別に記載を請求しない限り、解雇理由証明書には、解雇の理由のみ記載されます。 
例えば使用期間、業務の種類、地位、賃金なども証明してほしい場合には、明確に記載を請求するようにしましょう。 

一方、解雇されて退職証明書を請求するが、退職理由を記載して欲しくないという場合には、「解雇の事実のみ証明書に記載して欲しい」(解雇の理由は不要)と明確に伝えます。 

解雇理由証明書を受け取る際の注意事項 

(1)記載内容を確認する 

解雇理由証明書を受け取ったら、以下のポイントを慎重に確認しましょう。 

  1. 記載内容の範囲
    •  自分が請求した以外の内容が書かれていないかどうか 
  1. 基本情報の正確性 
    • 氏名や企業名など 
  1. 解雇理由の具体性と客観性 
    • 解雇の具体的な理由が明記されているか 
    • 客観的な事実や数値が示されているか  
  1. 就業規則や労働契約との整合性 
    • 解雇の根拠となる規定が明記されているか 例:「就業規則第15条第3項に基づく解雇」 

これらのポイントを確認し、不明点や疑問点、事実と異なる点がある場合は、速やかに会社に確認や説明を求めましょう。 

(2)不当な解雇の可能性がある場合の対応 

解雇理由証明書の内容から不当な解雇の可能性がある場合、以下の対応を検討しましょう。 

  1. 異議申し立て 
    • 会社に速やかに異議を申し立てる 
    • 具体的な理由と根拠を示す  

例:「解雇理由とされる事実関係に誤りがあります」 

  1. 相談する 
    • 労働組合に相談する 
    • 弁護士に法的アドバイスを求める 
    • 労働基準監督署に相談する 

解雇を主張する会社側と、解雇理由はないというあなたとの意見が異なり、話し合っても解決できない場合には、裁判所を利用した紛争解決(労働審判や訴訟)を検討する必要があります。 

自分自身でも労働審判や訴訟を起こすことは可能ですが、書面の準備や裁判官とのやりとりなどをすべて自分で行うのは、大変な労力やストレスがかかります。弁護士に依頼すれば、あなたの味方としてあなたの利益を第一に考えて、必要な手続きを行ってもらえるでしょう。 

話し合いで解決できない場合には、不当解雇を扱っている弁護士への相談をお勧めします。 

【まとめ】 

解雇理由証明書は、請求したら会社には交付する義務があります。 
受け取ったら内容を慎重に確認し、解雇理由に間違いがないのか、その解雇理由で解雇は有効とされるのか(社会的に相当で合理的理由があるのか)を検討する必要があります。 
不当な解雇から身を守るためにも、本記事の内容を参考に、自身の状況に合わせた行動を起こしましょう。 
不安や疑問がある場合は、労働組合や不当解雇を扱っている弁護士に相談することをお勧めします。 

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不当解雇でお悩みの方は、不当解雇を積極的に扱っているアディーレ法律事務所へご相談ください。 

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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