お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

いらない土地を相続放棄したい!手続きの流れや注意点を弁護士が解説

作成日:更新日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「相続する財産の中にいらない土地があるみたい。いらない土地を相続放棄したい!」

相続する財産の中に土地が含まれていることがしばしばあります。
また、その土地を必ずしも受け継ぎたいわけではなく、相続放棄したいと考える方もいるでしょう。

いらない土地は相続放棄することができますが、いくつかの注意点もあります。
また、いらない土地の相続放棄手続きは、弁護士に依頼するのがおすすめです。

この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後、福岡支店長、大阪なんば支店長を経て、2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

土地を相続放棄する方法とは?

土地を相続放棄したいです。何をどうすればいいのでしょうか?

土地を相続放棄するには、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。

他の相続人に「相続放棄する」と伝えるだけでは相続放棄はできないので、注意が必要です。
必ず、家庭裁判所において相続放棄の申述手続きをとるようにしましょう。

土地の相続放棄手続きの流れ

土地を相続放棄したい場合にとるべき手続きの流れは、次のとおりです。

相続財産の把握
  ↓
相続放棄に必要な書類の準備
  ↓
家庭裁判所に相続放棄の申述
  ↓
家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く
  ↓
他の相続人に相続放棄したことを伝える

これらについてご説明します。

(1)相続財産の把握

まずは、相続財産の内容を把握しましょう。
絶対に受け継ぎたくない土地が含まれていたり、プラスの財産よりマイナスの財産のほうが大きかったりする場合には、相続放棄を検討するべきです。

(2)相続放棄に必要な書類の準備

相続放棄に必要な書類の準備をします。
「相続放棄申述書」を作成するほか、次のような書類も必要になります。

  • 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
  • 相続放棄をする相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等

自分で書類を集めるのは大変だというときは、弁護士に代行を依頼することもできますよ!

(3)家庭裁判所に相続放棄の申述

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、相続放棄の申述を行います。
申立て費用は1人あたり800円であり、収入印紙で準備する必要があります。
このほか、郵便切手も提出しなければなりません。

(4)家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

家庭裁判所に相続放棄の申述をし、書類等に問題がなければ、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」という書類が届きます。
これで、相続放棄の申述が成功したこととなるので、もし被相続人の債権者から借金の返済を求められたり、相続放棄した土地についての管理責任を問われたりした場合には、この通知書を見せることでそれ以上責任追及がなされることは基本的にありません。

(5)他の相続人に相続放棄したことを伝える

相続放棄をしたら、他の相続人に自分が相続放棄したことをしっかりと伝えるようにしましょう。
これは、ご自身が相続放棄をしたことで、相続人となる方が変わったり、他の相続人が相続する内容が変わったりするからです。

土地を相続放棄するための注意点

土地を相続放棄するにあたっては、いくつかの注意点があります。
特に、「いらない土地だけを相続放棄することはできない」ということにはしっかりと注意しましょう。

(1)注意点1|いらない土地だけを相続放棄することはできない

相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も含めて全ての遺産を相続しないこととなり、初めから相続人ではなかったこととして扱われます。
このため、価値のないいらない土地だけを相続放棄して手放しつつ、価値のある預金などだけ相続して受け継ぐということはできません。

また、後から相続放棄を撤回することもできません。
相続放棄をするかどうかの判断は慎重にしましょう。

受け継ぐ財産のうち、プラスの財産のほうが多い場合には相続放棄をしないほうがいいということもあり得ます。
プラスの財産の額とマイナスの財産の額とをしっかりと比較して決めるようにしましょう。

(2)注意点2|その土地を「現に占有」していれば管理責任を負う

土地の相続放棄をすれば、もう私はその土地とは無関係だから何もしなくていいんですよね?

そうとは限りません! 一定の場合には、引き続き土地の管理責任を負うこともあります。

とはいえ、2023年4月1日から施行された改正民法により、改正前と比べて管理の負担が軽くなることとなりました。
具体的には、改正後民法940条1項により、「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」にはその財産を保存しなければならないという責任が定められることとなりました。

改正前の法律と異なり、「現に占有」していない土地や家などについては、管理義務を負わないこととなったのです。

「現に占有している」というのはどういう意味ですか?

簡単に言えば、土地や家について言えば、放棄の時点で現実に住んでいるケースなどが「現に占有している」とされるでしょう。
現実に住んでもおらず、全く関わりがないという場合には、「現に占有している」とは言えないケースが多いでしょう。

土地の相続放棄は弁護士に依頼するのがおすすめ

相続放棄の手続きを先ほどご説明いただいたので、自分でやってみようとも思うのですが……?

ご自身でやってみるのもいいですが、土地の相続放棄を負担を軽減しつつ確実に行うためには、弁護士に依頼するのがおすすめですよ!

土地の相続放棄の手続きを進めるためには、さまざまな書類を集めたり作成したりする必要があります。
また、相続放棄の手続きには期間制限もあります。
忙しい仕事や日常生活を送りながら、必要書類をそろえたり相続放棄の手続きを調べたりするのはとても労力のかかることですし、決して多くはありませんが相続放棄に失敗してしまう例もあります。
負担を軽減し、確実に相続放棄を成功させるためにも、相続放棄を扱っている弁護士に依頼するのがおすすめです。

土地を手放すための相続放棄以外の方法

土地を手放すために、相続放棄以外の方法は何かありますか?

相続放棄以外にもいくつかあるので、簡単にご紹介します。

(1)土地がほしい相続人に引き取ってもらう

遺産分割協議(遺産をどう分けるかの話し合い)により、「土地がほしい」という相続人に土地を引き取ってもらうという方法があります。

相続人同士で土地を誰が引き取るか意見が分かれてしまったら、どうすればいいですか?

預金や現金などの他の相続財産があれば、それの分け方も合わせて調整して決めることで、話し合いを進めましょう。

遺産分割について、詳しくはこちらをご覧ください。

遺産分割とは|手続きの進め方と揉めがちな点についてわかりやすく解説

(2)賃貸や売却で土地を有効活用

土地を相続した後に、やはりその土地を利用する予定がなかったり管理に困ったりする方も多いです。
ただ単に土地を所有しているだけでは、土地の維持管理の費用や固定資産税などの税金の支払で赤字となってしまいます。

土地を賃貸に出して収入を得たり、思い切って売却して活用できる現金に換える方法もあります。

土地の所有に困ったら、賃貸・売却も考えてみましょう。
土地の所在地の近くの不動産業者に相談してみるのもひとつの方法です。

(3)国にいらない土地を引き取ってもらう

国にいらない土地を引き取ってもらう制度が新しくスタートしたという話を聞きましたが、どのようなものですか?

相続土地国庫帰属制度ですね。これは、そのとおり、相続したいらない土地を国に引き取ってもらえる制度です。しかし、どのような土地でも引き取ってもらえるわけではなく、お金もある程度かかってしまうので、使い勝手のいい制度であるとは限りません。

【まとめ】いらない土地は相続放棄で手放せるが、全ての財産を放棄する必要があるので注意

この記事のまとめは、次のとおりです。

  • 土地を相続放棄するには、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければならない。
  • 土地の相続放棄手続きのおおまかな流れは、「相続財産の把握→必要書類の準備→家庭裁判所に相続放棄の申述」などといった流れ
  • 土地を相続放棄するにあたっては、「いらない土地だけを相続放棄することはできない」などの注意点がある。
  • 土地の相続放棄は、弁護士に依頼するのがおすすめ。制限期間内にさまざまな書類を集めたり作成したりするのは、ご自身だけで行うのは大変。

アディーレ法律事務所では、相続放棄に関するご相談は何度でも無料ですので、フリーコール「0120-406-848」までご連絡ください。
アディーレ法律事務所に相続放棄をご依頼いただければ、原則として次のことを弁護士が代わりに行います。

  • 戸籍謄本の収集
  • 相続人の調査
  • 裁判所に対して行う相続放棄の申述
  • 裁判所からの照会書に対する対応
  • 相続放棄申述受理通知書の受領
  • 支払いの督促をされている債権者へ相続放棄したことの連絡
  • 後順位相続人へのご連絡およびご説明

これにより、ご依頼者様の負担を減らすことができます。

もし相続放棄のお手続きが完了しなかった場合(相続放棄の申述が受理されなかった場合)、弁護士費用は、原則として全額返金となりますので、安心してご依頼いただけます。
(※以上につき2023年4月時点)

アディーレ法律事務所では、相続放棄を積極的に取り扱っています。
相続放棄でお悩みの方は、アディーレ法律事務所(フリーコール「0120-406-848」)にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後、福岡支店長、大阪なんば支店長を経て、2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

よく見られている記事