あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

20年の除斥期間等が経過した慢性B型肝炎における給付金について

作成日:更新日:
リーガライフラボ

慢性B型肝炎でB型肝炎給付金の受給をお考えの方はいませんか?

幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染し、慢性B型肝炎を発症された方は、B型肝炎給付金の受給対象となります。

ただし、B型慢性肝炎の給付金は、除斥期間等の経過により、給付金額が異なります。また、治療歴の有無等によっても給付金額が異なってきます。

本記事では、慢性B型肝炎のB型肝炎給付金について解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

慢性B型肝炎とは?

幼少期にB型肝炎ウイルスに感染すると、免疫機能が未発達のため、ウイルスを排除することができず、体内にウイルスを保有したままの状態となります。

このような状態にある患者を、B型肝炎ウイルスのキャリア(持続感染者)と呼びます。

キャリアのうち約90%は慢性肝障害を伴わない無症候性キャリアとして生涯を過ごしますが、約10%は、慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝がんなどへ進展する危険性があるといわれています。

B型肝炎訴訟における除斥期間等とは?

B型肝炎給付金の給付金額は、除斥期間等を経過しているか否かで異なります。

ここでは、B型肝炎訴訟の除斥期間等について解説します。

(1)B型肝炎訴訟とは?

B型肝炎訴訟とは、幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに感染した方等が、国にその損害の賠償を求める訴訟です。
この訴訟の中で、国との和解が成立した場合、給付金を受給することができます。

予防接種法の施行日である1948年7月1日から、注射筒の1人ごとの取り替えを指導した1988年1月27日までの間で、かつ、満7歳の前日までの間に集団予防接種等を受け、これによって、B型肝炎ウイルスに持続感染した方(一次感染者)について、給付金が支給されることとなります。

また、一次感染者からの母子感染者または父子感染者などについても給付金が支給されます。

(2)損害賠償請求権の期間制限

幼少期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染してしまった方は、国に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有していますが、この損害賠償請求権は、20年の期間制限によって消滅します(改正民法724条の1第2号、改正前民法724条後段)。

この期間制限の性質は、2020年4月1日までに期間を経過していた場合には除斥期間(改正前民法724条後段)、2020年4月1日以降に期間を経過した又はする場合には消滅時効になります(改正民法724条の1第1号)。

除斥期間と消滅時効は、権利の消滅に際して、その権利が消滅することによって利益を受ける者の意思表示が必要になるか否か等で異なる点はあるのですが、いずれも一定の期間の経過によって権利が消滅してしまう点で共通します。

20年の除斥期間等を経過した方については、国に対して損害賠償を求める権利を失ってしまうということになります。

(3)除斥期間等が経過しても給付金は受け取れる?

除斥期間等を経過すると何らの権利もないということになると、あまりに被害者救済に欠けるという観点から、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(以下、「特措法」といいます。)では、除斥期間等を経過した方に対しても、給付金請求権は認めた上で、ただ給付金額を減額するということにとどめています。

そのため、除斥期間等を経過した方であっても、B型肝炎給付金を受給することが可能です。

(4)B型肝炎の除斥期間等の起算点は?

除斥期間等を経過した場合、給付金額が減額されるので、その起算点(スタート地点)は非常に重要です。

【無症候性キャリアの場合】
無症候性キャリアのうち一次感染者の場合、集団予防接種等を受けたときが起算点になります(集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染する可能性がったのは1988年1月27日までですので、一次感染者の方については除斥期間等を経過していることになります)。

無症候性キャリアのうち二次感染者または三次感染者の場合は、母子感染者については出生日、父子感染者についてはB型肝炎ウイルスに感染していることを確認できる最初の時点または満7歳の誕生日の前日のいずれか早い方の日となります

【病態発症者の場合】
慢性肝炎等の病態を発症した場合はその病態を最初に発症した日が起算点となります。

また、亡くなられた方については、死亡日が起算点となります。

無症候性キャリアの場合

一時感染者については集団予防接種等を受けた時点
母子感染者については出生日
父子感染者についてはB型肝炎ウイルスに感染していることを確認できる最初の時点又は満7歳の誕生日の前日のいずれかの早い方の日

発症者の場合

病態を発症した時点
死亡の場合は、死亡日

(5)除斥期間等の起算点が争点になった慢性B型肝炎の訴訟事例

慢性肝炎の場合、その慢性肝炎を発症した日が起算点となります。

もっとも、慢性肝炎を発症したものの、いったん肝炎が沈静化し、その後再び慢性肝炎を発症した場合、起算点を最初の発症日とするのか、それとも再発した日とするのかについては争いがありました。

そのような状況下で、2021年4月26日、最高裁第二小法廷は、再発日を起算点と主張する原告を敗訴とした福岡高裁判決を破棄し差し戻すという判決をしました。

不法行為に基づく損害賠償請求権については、民法上、「不法行為の時」が除斥期間の起算点とされていますが、裁判例上、「不法行為によって発生する損害の性質上、加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となる」とされていました。

そして、幼少期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し慢性肝炎を発症した場合の不法行為に基づく損害賠償請求権について、「その損害の性質上、加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生するものと認められる」ことから、除斥期間の起算点は「損害の発生の時」であるとされていました。

これを受けて特措法においても、慢性肝炎の給付金減額期間の起算点を、「当該慢性肝炎を発症した時」としています(特措法6条1項7号、同項8号参照)。

今回の最高裁判決で争われていたのは、最初に発症した慢性肝炎による損害と再発した慢性肝炎による損害を一つの損害とみて、最初の発症日を「損害の発生の時」とみるのか、それとも、別個の損害とみて、再発日を「損害の発生の時」とみるのかという点です。

最高裁は、「慢性B型肝炎の特質に鑑みると、上告人らがHBe抗原陽性慢性肝炎(筆者注:最初に発症した慢性肝炎)を発症したことによる損害と、HBe抗原陰性慢性肝炎(筆者注:再発した慢性肝炎)を発症したことによる損害とは、質的に異なるものであって、HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害は、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時に発生した」として、最初に発症した慢性肝炎による損害と、再発した慢性肝炎による損害は別個の損害であるとしました。

そして、最高裁は、「上告人らがHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害については、HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時ではなく、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるというべきである」と結論づけました。

本判決により、慢性肝炎が再発した方については、再発日を除斥期間等の起算点として、除斥期間等経過前の給付金を受給することができる可能性があります。

除斥期間が経過した慢性B型肝炎の給付金額

B型肝炎給付金の給付金額は、除斥期間等を経過しているか否かにより異なります。

ここでは、除斥期間等を経過した場合の給付金額等について解説します。

(1)B型肝炎給付金の給付金額

B型肝炎給付金の給付金額は以下のようになります。

死亡・肝がん・肝硬変(重度)除斥期間等を経過していない方3600万円
除斥期間等を経過している方900万円
肝硬変(軽度)除斥期間等を経過していない方2500万円
除斥期間等を経過している方のうち、現に治療を受けている方等600万円
除斥期間等を経過している方で、上記以外の方300万円
慢性肝炎除斥期間等を経過していない方1250万円
除斥期間等を経過している方で、現に治療を受けている方等300万円
除斥期間等を経過している方で、上記以外の方150万円
無症候性キャリア除斥期間等を経過していない方600万円
除斥期間等を経過している方50万円

定期検査費の支給等の政策対応

(2)慢性B型肝炎は治療の有無で給付金額が変わる

上記の給付金額の表をご覧いただけるとわかるのですが、慢性肝炎を発症している方のうち、除斥期間等を経過した方については、「現に治療を受けている方等」に該当するか否かによって給付金額が異なります。

「現に治療を受けている方等」に該当するためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 訴訟提起の日から1年前の日以降にALT(GPT)値の異常(異常値の比較)があること かつその日から6ヶ月以上の間隔をあけた別の時点において、連続して、ALT(GPT)値の異常(基準値との比較)が認められる状態であること
  2. インターフェロン製剤、核酸アナログ製剤、ステロイドリバウンド療法またはプロパゲルマニウムのいずれかの治療歴が医療記録等から認められること

B型肝炎給付金については弁護士に相談

B型肝炎給付金の受給手続きをお考えの方については、弁護士に相談することをおすすめします。
ここでは、弁護士に相談することのメリットを解説します。

(1)資料集め等を任せられる

B型肝炎給付金を受給するためには、様々な資料を収集することが必要になります。

この資料を自分自身で収集することも不可能ではありませんが、血液検査については検査項目や場合によっては検査方法に指定がありますし、役所や医療機関等の様々な場所に問い合わせをする必要があります。

また、提出するべき資料としてカルテが求められていることとの関係上、カルテの中身をチェックし、他の医療機関への通院歴が見つかった場合には、その医療機関からカルテを開示してもらった上で、再度カルテの中身をチェックするという作業も行わなければなりません。

さらに、他原因による感染を疑わせるような記載がないか等をカルテからチェックする必要もあり、この作業には医学的な専門知識も必要となってきます。カルテの量が相当な量に及ぶ場合もあり、その場合にはカルテチェックに膨大な時間を費やす必要がでてくることも稀ではありません。

以上のように、B型肝炎給付金を受給するため個人で手続きを進めることには、多大な労力を要します。

これに対して、B型肝炎訴訟の経験のある弁護士に依頼すれば、資料集めやそのチェックについて専門のサポートがあり、訴訟提起までが非常にスムーズとなります。

(2)弁護士費用の手当がもらえる

弁護士に依頼すると着手金や報酬がかかります。
もっとも、弁護士事務所によっては、完全成功報酬制を採用しているところもあり、そのような事務所に相談すれば、着手金や相談料等は発生しません。

また、弁護士に依頼すると、給付金額の4%が弁護士費用として、給付金とは別に支給されますので、例えば、成功報酬を給付金額のうち20%としている事務所に依頼した場合、成功報酬として依頼者が実質的に負担する額は16%となります。

【まとめ】慢性肝炎で除斥期間が経過している場合でも給付金を受給することが可能

本記事をまとめると以下のようになります。

  • 予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染した一次感染者や、一次感染者から母子感染や父子感染をした二次感染者、さらには三次感染者は、B型肝炎給付金を受給することが可能
  • B型肝炎給付金には、20年の除斥期間又は消滅時効といった期間制限があり、この期間を経過しても給付金は受給できるが、給付金額が減額される
  • 慢性肝炎の除斥期間等の起算日は、慢性肝炎の発症日
  • 除斥期間等を経過した慢性肝炎については、「現に治療を受けている方等」に該当するか否かにより給付金額が異なる

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く救いたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談をお待ちしております。

B型慢性肝炎の方で、B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、たとえ除斥期間等が経過していたとしてもあきらめず、アディーレ法律事務所にご相談ください。

B型肝炎に関するご相談は何度でも無料

弁護士費用は安心の成功報酬制!

ご相談・ご依頼は安心の全国対応。国内最多の60拠点以上

お電話によるご相談だけでなく、お近くの本店・支店にお越しいただいてのご相談も可能です

もしくは

ゼロイチニーゼロ ハヤイ キュウフヲ

0120-881-920

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

B型肝炎給付金請求のメリット満載の資料を無料でご提供します!

お気軽にお問い合わせください

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

弁護士法人アディーレ法律事務所のチャンネル

B型肝炎に関するメリット満載

B型肝炎に関する
ご相談は何度でも無料

メールでお問い合わせ

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

0120-881-920

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

弁護士法人アディーレ法律事務所のチャンネル